ハードディスクのアクセスランプとは?
ハードディスクのアクセスランプは、パソコンのデータを格納しているハードディスクからデータを読み込み、あるいは書き込みしているときに点灯・点滅するものです。
何らかの処理をしているときはチカチカと短く点滅し、処理が重いときは点灯しっぱなしになることもあります。
例えば、下記のような処理でアクセスランプは点滅・点灯し、ランプの状態を見ることでハードディスクが正常に動いているかある程度分かります。
- Windows Updateの更新チェック
- アプリケーションの自動保存
- セキュリティソフトの定時スキャン
- 復元ポイントの作成処理
ファイルを開くときやデータを保存するとき以外にも、パソコンをつけているだけでハードディスクにはさまざまな処理が走ります。
そのため、何も作業をしていなくても数秒に1回ぐらいのペースで点滅するのは正常な動きです。パソコンの起動直後であれば、10分~20分ぐらい点滅を続けていても特に問題ありません。
一方、起動直後でもないのに長時間点滅・点灯をし続ける場合は、何らかの異常が発生している可能性があるため確認が必要でしょう。
ハードディスクのアクセスランプはどこにある?
アクセスランプがどこにあるかはパソコンのモデルによって違いますが、ノートパソコン・デスクトップパソコンそれぞれで、一般的によく配置されている場所を紹介します。
ただ、最近はアクセスランプがないモデルも増えてきたので、見つからなければ説明書などで確認してください。
また、アクセスランプの横には円柱のマークが描かれていることがほとんどなので、ランプが複数並んでいる場合は目印にして探しましょう。
デスクトップパソコンの場合
デスクトップパソコンでは、電源スイッチの近くにアクセスランプを置いていることが多いです。電源ランプなど、他のランプと一緒に並んでいることがあるので、そこから探しましょう。
ノートパソコンの場合
ノートパソコンでは、蓋を開けてキーボードの上部か下部に配置されていることが多いです。見つからなければパソコンの側面なども探してみてください。
ハードディスクのアクセスランプが点滅・点灯し続けているとき
ハードディスクのアクセスランプが絶えず点滅・点灯し続けているときは、パソコンに負荷がかかっている証拠です。1時間以上続くようなときは、負荷のかかり具合や原因を調査した方がいいでしょう。
この見出しでは、パソコンへの負荷を確認する方法や注意点について説明します。
- タスクマネージャーを確認する
- パソコンを強制終了してはいけない
- アクセスランプの点滅・点灯中に衝撃を与えない
- パソコンを分解してハードディスクを取り出さない
ハードディスクが故障・劣化している可能性もあるので、症状を悪化させないよう作業は慎重におこないましょう。
タスクマネージャーを確認する
Windowsのタスクマネージャーという機能を使えば、ハードディスクにリアルタイムでアクセスしているアプリ・プロセスが表示されます。
タスクマネージャーは、キーボードの「Ctrl」+「Shift」+「Esc」を押して開くのが一番楽です。
タスクマネージャーを開くとデフォルトで「プロセス」画面が出ており、CPU・メモリ・ディスク・ネットワークの使用率が表示されているはずです。
もし、別の画面が表示されていたら、左側のメニューからプロセスを選択してください。ディスクの使用率が書かれている欄をクリックすると、使用している割合順にアプリ・プロセスがソートされるので、より分かりやすくなります。
何も作業していないのにディスクの使用率が数十パーセントになっていたら、使用率上位のアプリ名・プロセス名を調べましょう。
該当のアプリ・タスクを右クリックすると「タスクの終了」も選択できますが、パソコンの動作に必要なものである可能性もあるので、確認せず終了させないようにしてください。
パソコンを強制終了してはいけない
アクセスランプが点滅・点灯しているということは、ハードディスクにアクセスがあり処理が動いている証拠です。
Windows Updateなどの大事な処理であれば、パソコンを強制終了することでファイルが壊れてしまう可能性もあります。
そのため、アクセスランプが点滅・点灯している間は、できる限り強制終了をしないようにしましょう。
1日中ランプが光っている場合は、仕方がないので通常のシャットダウンで電源を落としてください。
フリーズして動かない際は、まずキーボードの「Ctrl」+「Alt」+「Delete」を押してメニュー画面が開くかどうかを確認しましょう。
開くのであれば、メニューからサインアウトを選択するか、画面右下の電源ボタンからシャットダウンをおこなってください。
上記の作業をしても何も反応がなければ、仕方ないので10分程度待ってから強制終了をしましょう。
アクセスランプの点滅・点灯中に衝撃を与えない
アクセスランプの点滅・点灯中に外から衝撃を与えるとハードディスクが故障する可能性もあるため、衝撃を与えないようにしましょう。
また、ハードディスクの読み書きが失敗してエラーが発生することも考えられます。
ノートパソコンの場合は、持ち運ぶのも控えたほうがいいでしょう。
パソコンを分解してハードディスクを取り出さない
ハードディスクの状態確認・修理のためにパソコンを分解するのは、リスクが非常に高い行為です。
作業に慣れていない方は、絶対にやらないようにしましょう。
パソコンの部品に素手で触ってしまうと、静電気などが原因でパーツが故障したりデータが全て消えてしまったりする可能性もあります。
また、分解した形跡が残っていると業者から修理を断られる可能性もあるので、軽々しく手を出さないほうがいいでしょう。
アクセスランプが点滅・点灯し続ける原因と対処法
アクセスランプが点滅・点灯し続けるときの対処法を、考えられる原因ごとに紹介します。
- パソコン本体の不具合
- 動作中のアプリケーションの影響
- 周辺機器・デバイスドライバの問題
- パソコンのスペック不足・容量不足
- Windows Updateの問題
- コンピューターウイルスに感染している
原因を一発で特定することは難しいですが、どういった場合にこのケースに当てはまるかの確認方法も簡単に説明しています。
時点で原因に心当たりがなければ、一つずつ順番に記載内容を確認していきましょう。
パソコン本体の不具合
ハードディスク自体が寿命で劣化・故障していて不具合を起こしているケースです。
他の原因に該当しない場合や、パソコンを買ってから5年以上経っているような場合は可能性が高いでしょう。
ハードディスクが物理的に故障している場合、自分で直すことはまずできません。専門業者へ修理相談に出すか、パソコンの買い換えを検討するといいでしょう。
動作中のアプリケーションの影響
特定のアプリがハードディスクにアクセスし続けて負荷をかけているパターンです。
仕様としてハードディスクへのアクセスが絶えず発生するアプリなら問題ありませんが、そうでなければ不具合が起きていると考えられます。
上でも説明しましたが、タスクマネージャーを確認すればどのアプリがハードディスクにアクセスしているか分かります。異常に負荷の大きいアプリがあれば、それが不具合を発生させている可能性が高いでしょう。
まずは、そのアプリにアップデートがないかを確認してバージョンを最新の状態に保ちましょう。最近入れたばかりのアプリであれば、アンインストールして様子を見ることも検討してください。
知らないアプリが負荷をかけているなら、何のアプリか名前を調べましょう。必要ないアプリであれば、終了するかアンインストールしてください。
タスクマネージャーで見ても怪しいものがなければ、表示されているアプリを1つずつ落としていってアクセスランプを都度確認するやり方も有効です。
作業の途中でアクセスランプが消えるようなら直前に落としたアプリが怪しいですし、アプリを全て落としてもランプが消えないなら他の原因ということが分かります。
周辺機器・デバイスドライバの問題
パソコンに接続している周辺機器がエラーを起こしてアクセスが止まらなくなっているケースも考えられます。一度ケーブル類をパソコンから取り外して、様子を見てみるといいでしょう。
また、周辺機器は「デバイスドライバ」と呼ばれるソフトウェアで制御されています。下記の手順で、デバイスドライバを最新バーションへ更新する方法も試してみましょう。
- スタートボタンを押す
- 「設定」(歯車のマーク)を選択する
- 「Windows Update」を選択する
- 「詳細オプション」→「オプションの更新プログラム」へ進む
- 「ドライバー更新プログラム」のプルダウンを選択すると更新内容が表示される
更新内容にチェックを入れて「ダウンロードとインストール」を選択すれば、デバイスドライバが最新の状態にアップデートされます。
パソコンのスペック不足・容量不足
パソコンのスペックが不足していて処理に時間がかかっている場合や、ハードディスクの容量が足りずに削除処理が頻繁に動いている場合も、アクセスランプが点滅・点灯する要因になります。
スペックについてはタスクマネージャーの「パフォーマンス」画面で確認可能です。
表示されるCPUとメモリの使用率が常に80%を超えているような状態なら、明らかにスペック不足でしょう。負荷のかかるアプリを使わないように工夫するか、パソコンのスペックを上げるしかありません。
メモリは比較的簡単に交換できるため、スペックのいい製品に替えることも検討しましょう。自信がない場合は専門業者へ依頼することもできます。
一方、CPUの交換はかなり難易度が高い作業です。専門業者に作業をお願いするか、パソコン自体の買い替えを考えましょう。
ハードディスクの容量は下記の手順で確認できます
- スタートボタンを押す
- 「設定」(歯車のマーク)を選択する
- 「システム」→「ストレージ」を選択する
8割以上使用していたらハードディスクの動作に影響を与えている恐れもあるため、ファイルを整理したほうがいいでしょう。
さらに「インストールされているアプリ」の項目から、使っていないアプリをアンインストールすれば完璧です。
Windows Updateの問題
Windows Updateの処理が裏で動いている可能性もあります。
処理中にタスクマネージャーを見れば「Windows Update」と書かれたタスクが動いているため、確認は簡単です。しばらく放っておいて、1日で収まるなら放っておいて問題ないでしょう。
逆にWindows Updateの更新をしないことが原因で不具合になることもあるので、無視はしないようにしてください。最新のプログラムをチェックして、こまめに更新作業をしましょう。
- スタートボタンを押す
- 「設定」(歯車のマーク)を選択する
- 「Windows Update」を選択する
- 「更新プログラムのチェック」ボタンを選択する
更新するプログラムの候補が一覧で出てくるので、一通り更新をしてください。
コンピューターウイルスに感染している
可能性はあまり高くありませんが、コンピューターウイルスに感染している可能性も考慮しましょう。セキュリティソフトがあれば、直近のスキャン結果が正常か確認してください。
また、怪しいアプリ・プロセスが紛れ込んでいないか、タスクマネージャーでディスクに負荷をかけているアプリ名・プロセス名を一通り調べましょう。
アクセスランプが赤色に点滅している場合
アクセスランプは通常、緑・青・オレンジ色に光ることがほとんどです。もし普段と違って赤色に点滅している場合は、ハードディスクの故障を検知しています。
読み書きでエラーが出る、起動時にエラーメッセージが出るといった症状があればすぐに修理・交換対応が必要です。症状がなかったとしても、データのバックアップは急いで取った方がいいでしょう。
最初からアクセスランプが赤い場合は仕様の可能性もあるので、説明書などを確認して初期不良かどうかチェックしてください。
ハードディスクのアクセスランプがつかない場合
これまでのケースとは逆に、アクセスランプが全くつかない場合も不具合の恐れがあります。アクセスランプがつかず、パソコンの起動が正常にされない際は修理・交換を検討しましょう。
また、「No Bootable Device」「Insert boot disk and press any key」といったメッセージが出ている際も障害が発生している、もしくはパソコンとハードディスクの接続が切れている可能性が高いです。
起動後にデータの読み書きに時間がかかったり、フリーズしたりする場合も障害の恐れがあります。
一方で、パソコンが正常に起動して普通に使えている場合は、ランプ自体が故障しているかもしれません。不安であればデータのバックアップを取り、業者へ修理相談をおこないましょう。
ハードディスクのアクセスランプでパソコンの状態を見極めよう
ハードディスクのアクセスランプが絶えず点灯・点滅を続けているなら、何らかの不具合が疑われます。
まずは、タスクマネージャーを起動してハードディスクに負荷をかけているアプリ・プロセスをチェックしましょう。
負荷をかけているアプリがあれば、名前を調べたうえで終了させるかアンインストールして様子を見てください。Windows Updateなどの重要処理が動いていたら、しばらく放置して終了を待ちましょう。
接続機器が影響を与えている可能性もあるので、パソコンに繋いでいるケーブルを抜く、デバイスドライバを更新するといった対処も有効です。
パソコンの起動時にエラーメッセージが出る場合や、ハードディスクが赤点滅している際はハード故障の恐れがあるため、専門業者へ修理を依頼しましょう。
パソコンの購入から5年以上経っている場合も、ハードディスクの劣化・故障が疑われるので修理・買い替えを検討してください。
この記事に書かれた内容を試しても不具合が解消しない、自分で対応するのが難しいと感じた場合は、無理してパソコンの分解などをせず専門業者への相談を早めにおこなってください。
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