パソコン修理の依頼先候補は3つ
パソコンが故障した場合、ある程度の専門知識があれば軽微なトラブルに対処することはできるでしょう。しかし根本的な解決が難しいケースも多く、トラブルが再発するリスクを抱えたままになる可能性が高いです。
パソコン修理はスキルを身に付けた専門家へ依頼するのがおすすめであり、選択肢としては次の3つが挙げられます。
パソコンメーカー
パソコンは製造元である各メーカーで修理を請け負っています。一般的には保証期間が設けられており、有効期限は1年間に設定されているケースが多いです。保証期間内であれば内容によっては無償で修理してもらえる可能性があり、有償でも比較的安く済みます。
現行モデルはメーカー側で部品の在庫を抱えているため、純正パーツで修理してもらえるという安心感がメリットです。また、メーカー側の保証内容によっては修理期間中に代替機を貸してもらえることがあります。
一方、メーカー修理の場合は原則として修理品のデータバックアップを行っていない点には十分注意しておきましょう。
故障内容によっては難しい場合もありますが、メーカーへ修理に出す場合は可能な限りデータのバックアップを取るようにしてください。保証期間・補償内容についても予めよく確認することが大切です。
購入した家電量販店
パソコンを家電量販店で購入した場合は、購入元の店舗で修理を受け付けてもらえます。場合によっては購入店以外でも受け付けてもらえる可能性もありますが、修理費が高くなる場合が多いので注意が必要です。
このあたりの対応は企業次第なので、詳しくは公式ホームページをチェックするか直接店舗の修理窓口へ問い合わせてみてください。
購入元の家電量販店が自宅周辺であればパソコンを持ち込みやい点はメリットでしょう。家電量販店は独自の保証サービスを展開しているところも多く、購入時に加入していれば修理費用が安く済む可能性が高いです。
家電量販店は店舗内で修理する訳ではなく、基本的には受け付けた修理品を各メーカーに送る取次ぎの役割を果たします。したがって、修理自体はメーカーが純正パーツで行うので安心と言えます。
ただし、有償修理の場合は取次ぎ手数料が発生するため修理費がかさみがちです。実質的にメーカー修理となるので、基本的にはデータが消えてしまうと考えておきましょう。
パソコン修理業者
パソコン修理を専門的に請け負っている業者も多いので、そういったサービスを利用するのもおすすめです。修理業者の特徴はサービスの柔軟性やスピード感にあります。
メーカーや購入店に関わらず幅広い機種に対応可能であり、修理内容によっては比較的コストが安い点も特徴です。詳しくは後述しますが、修理業務に特化しているだけあって素早く作業に取り掛かってもらえます。
データのバックアップに対応している業者も多いので、自力でデータの救出が難しい場合は特に有用な選択肢になるでしょう。
パソコン修理業者は事業者ごとに料金体系や価格設定が異なるため、相場に見合ったところへ依頼することが大切です。基本的には業者が抱えているパーツで修理を施すため、純正パーツを使ってもらえる可能性は低いと言えるでしょう。
それによって動作に問題が起きるリスクは極めて低いですが、メーカーの正規保証が受けられなくなるので注意してください。
どうやってパソコンを修理に出せば良いのか
パソコンを修理に出す方法は、大きく分けて以下の3パターンです。依頼先によって対応しているものが異なるので、事前によく確認してから修理を依頼しましょう。
持ち込み
故障したパソコンを店頭に持ち込む方法は、主に修理業者と家電量販店が対応しています。家電量販店の場合はメーカーへ取り次ぐための受付のみですが、店舗内に工房を構えている修理業者であればその場で修理してもらうことが可能です。
混み具合や修理内容次第では数日かかることもある他、業者によっては予約が必要な場合もあります。不安な場合は事前に問い合わせておきましょう。
出張
スタッフに自宅まで来てもらう出張修理に対応しているのは、基本的に修理業者と家電量販店です。家電量販店の出張修理は別途オプション料金が必要な場合が多いので留意しておきましょう。
出張修理はデスクトップパソコンを店頭に持ち込む手段がない、あるいはネットワークや周辺機器へ接続できないといった特定の使用環境におけるトラブルの解決に適しています。
宅配
故障したパソコンを宅急便で送る方法は、修理業者やメーカーで対応しているのが一般的です。梱包と配送手配の手間がかかるものの、持ち運びや立ち会いの時間が省けるので仕事が忙しい人に向いています。
診断後に具体的な修理内容や見積りの連絡を受けて、問題がなければ作業に取り掛かってもらうというのが基本的な流れです。
労力が少ない一方で、修理が終わるまでの期間が長くなりがちなので急ぎの場合は他の方法を検討しましょう。
パソコン修理が必要な症状・修理期間の目安
パソコン修理は故障内容によって作業時間が異なるので留意しておきましょう。ここからは「パソコン修理業者に持ち込んだ場合」を中心に、修理にかかる期間の目安を紹介します。宅配修理の場合は配送期間を考慮して2～3日加算してください。
ウイルス感染
意図せずコンピューターウイルスに感染すると、動作不良やデータ破損といった深刻な症状が出る場合があります。完全に直すためには専門家による修理が効果的です。
ウイルス感染の場合は基本的に該当ソフトウェアの削除やシステム復旧で対応することになります。症状が軽微であれば1～2時間で修理が終わるものの、パソコンの初期化が必要な場合は丸1日かかると考えておきましょう。
パソコンのパフォーマンス低下
パソコンの動作が極端に重い症状は、ソフト・ハード両面から原因を探る必要があります。まずは不要なファイルの削除やセキュリティソフトの調整、ドライバやアプリケーションのバージョンチェックを行うのが一般的です。
ソフトウェア周りに原因がないようなら、メモリ・ハードディスク・SSDの交換も視野に入ります。ソフトウェアの調整だけなら2時間前後、ハードウェア交換が必要な場合は1～2日が目安です。
起動しない
パソコンが起動しない場合も基本的には業者やメーカーでの修理が必要です。「物理的に電源が入らない」「OS起動画面から先に進まない」の2パターンがありますが、それぞれで対処法が異なってきます。
前者は電源ユニットやケーブルの交換、後者はシステム修復がメインとなるでしょう。ただし、どちらの場合もパソコンの中核を成すパーツであるマザーボードに原因がある可能性もあります。
その場で直ることもあれば、2～3日間の預かりが必要なこともあるので留意しておきましょう。パーツを取り寄せるようなら2週間～1ヶ月間かかることもあります。
異音がする
パソコン内部から異音がする症状の多くは、部品を冷却するためのファンが原因になっている場合が多いです。分解して内部の清掃やメンテナンスを行うため、早ければ即日対応してもらえますが基本的には2日前後かかると考えておきましょう。
部品やファン自体の交換が必要な場合は、取り寄せの有無によって納期が1週間程度伸びる可能性があります。
ディスクが読み込めない
機種によってはCD・DVD・ブルーレイディスクを読み取るためのドライブが備わっているものもあるでしょう。付属のドライブでディスクが読み込めなくなった場合は、まず分解して原因を特定します。
小さな部品の交換で済む場合もあればドライブを丸ごと交換することもあり、修理期間は2日前後が目安です。パーツの取り寄せによって1週間前後かかる可能性もあります。
ストレージ不良
パソコンに保存したデータを蓄積しておくパーツがハードディスクやSSDですが、経年劣化によってデータが読み取れなくなることがあります。
ハードウェアの物理的故障はデータの取り出しとパーツの交換で3日前後が目安です。パーツの取り寄せ状況によっては1週間～1ヶ月かかることもあります。
必要なデータを消してしまった
厳密に言うと修理ではありませんが、大事なデータを誤って削除・上書きしてしまった場合はデータ復旧という方法があります。データが完全に復旧できるかどうかは診断してみないことには分からないので注意してください。
データの量が少なければ2時間前後で復旧しますが、データ量が多い場合は4～5日間預かってもらう必要があるでしょう。
モニターの液晶破損
パソコン本体ではなく、モニターの液晶が割れてしまった場合も修理対応してもらえることが多いです。破損状況にもよりますがおおむね3日前後が修理期間の目安と言って良いでしょう。パーツの取り寄せが必要な場合は追加で1週間程度を見込んでください。
メーカー・家電量販店での修理期間について
メーカーや家電量販店へ修理を依頼した場合は、即日対応でパソコンが返ってくることはまずありません。メーカー側では修理品のストックがあるため部品の取り寄せになる可能性は高くないものの、手続きや配送の関係で2週間前後はかかると考えておきましょう。
家電量販店はメーカーに修理品を配送するプロセスが加わるため、3週間前後を要するのが一般的です。修理期間は内容によって前後するため、詳しくは依頼先の担当者に問い合わせてみましょう。
パソコン修理業者選びのポイント
ITデバイスの普及が進んだことにより、パソコン修理に特化した専門業者の数も大きく増えました。ここでは信用できる修理業者を選ぶポイントを紹介します。
実績をチェックする
修理業者の多くは公式ホームページを公開しており、様々な情報を発信しています。その中に「修理実績」の項目があり、利用者の口コミを掲載している業者は信用度が高いと言えるでしょう。
特に良い口コミだけでなく、評価の悪い口コミも併せて公開している業者は利用者の意見に真摯に向き合っている可能性が高いです。
料金体系の明確さ
パソコン修理の費用は数万円することも珍しくないため、依頼までにいくらかかるのか分からないと大きな不安を抱えることになります。
症状ごとにできるだけ細かく、具体的な修理費用を公開している業者を選ぶのがおすすめです。見積りを出してもらった際に、細かく内訳が記載されているかどうかもチェックしてみてください。
サービスや保証の内容
「データのバックアップを取って欲しい」「出張修理で対応して欲しい」など、パソコン修理にも細かいニーズが存在します。利用者の立場に立ってキメ細かいサービスや充実した保証内用を提供している業者は、信用度が高いと言えるでしょう。
認定資格の有無
パソコンは様々な個人情報が詰まった精密機器であり、取り扱いには細心の注意が求められます。プライバシーマーク(Pマーク)を取得している業者であれば個人情報を厳重に管理しているため、予期せぬトラブルが発生するリスクを抑えることができるでしょう。
また、民間の協会が発行している「パソコン整備士」という資格を持ったスタッフが在籍している業者もおすすめです。
複数業者の見積りを比較する
パソコン修理業者はサービス内容・料金体系がそれぞれ異なるため、後悔しないためにはいくつかの業者をピックアップして見積りを比較するのが良いでしょう。
個別に見積りを依頼する手間隙を省きたい場合は、ネット上で展開されている「一括見積りサービス」を利用してみてください。
パソコン修理は自分で対処せず、安心できる専門業者へ依頼しよう
パソコンは事実上消耗品であり、経年劣化で不具合が生じるのは自然なことです。とは言え不具合の度に買い換えていては費用も手間隙もかかるため、調子が悪くなったら専門家に依頼して修理してもらうのがベストでしょう。
修理のスピードやサービスの柔軟性を考慮すると、修理を専門的に請け負っている業者がおすすめです。適切なメンテナンスや修理を施して、できるだけ長く・快適にパソコンを使えるようにしましょう。
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