ノートパソコンのバッテリーに関する知識について
バッテリーは消耗品
ノートパソコンはバッテリーを搭載することで、電源の確保を気にせず使用できます。
場所を問わないのが大きなメリットと言えますが、一方でバッテリーは消耗品であることを忘れてはいけません。使用中に切れてしまうのを防ぐため、バッテリーは定期的に充電する必要があります。
しかし、必要な作業である充電がバッテリーの劣化に繋がるのも事実です。製品によって多少の違いはありますが、適切な充電を行った場合、バッテリーの寿命は約2年から5年ほどとされています。充電の回数は約300回から500回が目安ですが、使用環境で数値は大きく変わるので注意が必要です。
どのような製品でもバッテリーの劣化は避けられないので、メーカーが定める正しい扱い方の遵守が求められます。
バッテリーの劣化で起こるトラブル
バッテリーの劣化で起こるトラブルでもっとも分かりやすいのが充電量の減少です。同じ時間だけ充電しても、劣化したバッテリーは蓄電量が大幅に減っています。
新品は数時間使用できるのに対し、劣化した物は数十分程度で切れてしまうことも珍しくありません。蓄電量が少ないと何度も充電を繰り返すことになり、それによってさらにバッテリーの劣化が加速されます。
使えば使うほど劣化が進み、遂にはノートパソコンの使用に支障をきたすと言えるでしょう。場合によっては充電ランプが点灯しているのに蓄電されないこともあります。
充電できない状態になるとパソコンを動かせないので、そうなる前にバッテリーを交換しなければいけません。
また、バッテリーの破損も劣化で生じるリスクのひとつです。古いバッテリーは内部の部品が腐食しているので、充電の際に生じる熱に影響されてガスが発生します。
密封されているバッテリーはガスの逃げ場がないため、徐々に膨らんでしまうのです。劣化が進むと目視で確認できるほど膨らみ、時には破裂することもあります。
漏電による火傷や火災の危険があるので、膨らんだバッテリーは速やかに交換するのが事故を防ぐ心得です。
バッテリーの劣化は避けられないが長持ちさせることは可能
バッテリーの劣化はどのように扱っても避けられないのは紛れもない事実です。正常に動かすのに必要な充電作業が劣化の原因になるので、バッテリーは月日の経過で劣化するのが普通と割り切る姿勢が求められます。
一方でノートパソコンならではの原因については正しい知識を持つことで回避できます。ノートパソコンを長時間使う際にやりがちなのが充電しながらの使用ですが、これはバッテリーに大きな負担をかけるのでよくありません。
充電と放電を同時に行う形になるので、それだけバッテリーが傷みやすくなります。充電中はパソコンを使わないことを徹底するだけで、バッテリーの劣化はある程度遅らせることが可能です。
蓄電量が100パーセントに達する満充電もバッテリーの劣化に繋がります。持ち運ぶのが前提のノートパソコンなのでバッテリーは100パーセントに保ちたいと思いがちですが、満充電の状態は電圧が高いのでバッテリーへの負担が大きくなるので避けるのが賢明です。
逆に蓄電量が0パーセントになると充電機能が損なわれるおそれがあります。充電の際は蓄電量を80パーセントほどに保つのが上手な方法と言えるでしょう。
他にも、ノートパソコン特有のトラブルとして、落下による強い衝撃が挙げられます。持ち運ぶ以上、誤って落としてしまう可能性は否定できませんが、強い衝撃によってバッテリーが劣化してしまうこともあるので注意しましょう。
また、落下させてしまった時、その場では正常に見えても後になってから様々なトラブルに見舞われることもあるので、落としたバッテリーは新品に交換するのが安全です。
バッテリーを交換するタイミング
バッテリーの交換は購入してから約2年から5年、充電回数は約300回から500回が目安ですが、ノートパソコンの使用環境によってはもっと早く交換する必要に迫られます。時間をかけても十分な量の充電ができないのはバッテリー劣化の初期症状です。
最初は微々たるものなので分かりにくいですが、やがて目に見えて分かるほどに充電量が減少します。遂にはまったく充電ができなくなり、充電用のコードを外すとパソコンが切れてしまうケースも珍しくありません。
バッテリーとしての機能が喪失している状態なので、速やかな交換が必要と言えます。また、極端に熱くなっている、画面にエラー表示が出るなどのトラブルも交換のタイミングを示すサインです。
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バッテリーの着脱方法を確認する
ノートパソコンは様々なメーカーが販売していますが、バッテリーについては着脱ができる物とできない物があります。着脱可能な物は精密機器の知識が乏しい人でも交換が容易です。同じメーカーの対応製品を購入すれば済むので扱いやすいと言えるでしょう。
一方で着脱できない物はパソコンを分解しなければ交換できません。素人が分解するとメーカー保証の対象外になってしまうので、製造メーカーに問い合わせてバッテリー交換をお願いすることになります。
着脱式バッテリーの交換方法や注意点
着脱式のバッテリーは同じメーカーの製品を購入して交換するだけなので簡単ですが、必ずしもすぐにバッテリーを入手できるとは限りません。パソコンはモデルチェンジが早く、同じメーカーでも異なるモデルではバッテリーが合わないこともあります。
交換が必要なパソコンは大抵が古いモデルなので、通常の販売店で対応するバッテリーを探すのは容易ではありません。パソコンの専門店や製造メーカーの販売窓口で購入するのが確実な方法と言えますが、時間がかかるのも事実です。
費用についてはバッテリーの販売価格と、場合によっては送料が加わります。製品によって金額が異なるので一概には言い切れませんが、1万円から2万円ほどが平均的な数字です。
内蔵式バッテリーはプロに交換してもらうのが安全
バッテリーを自由に着脱できないノートパソコンは、バッテリーが基板に内蔵された作りになっています。薄型にできる他、製造コストがかからないのが利点ですが、バッテリーの交換に専門的なスキルが求められるのも事実です。
また、一般的な販売店の多くは内蔵式バッテリーだけの販売は行っていないので、交換作業は製造メーカーに依頼することになります。費用については3万円から5万円ほどとやや割高ですが、これはバッテリー交換の際にパソコンの検査も行うためです。
バッテリーの劣化がパソコン本体の不具合で起こるケースもあるので検査は必要と言えますが、その分費用もかさむ事実は認識すべきでしょう。
また、メーカーによる検査では動作確認のため修理内容に関わらず初期化するところもあるので、重要なデータは別に保管しておくことをおすすめします。
パソコン修理の専門店であれば、基本的にデータを保護したまま修理してくれます。料金もメーカー修理より安い場合が多いので、お近くのお店へ相談してみてはいかがでしょうか。
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メーカー保証の対象外になる
内蔵式のバッテリーを交換する際はパソコンの分解が必要になります。どのような理由でも、メーカーとは無関係な第三者による分解は保証の対象外になるので、その点を考慮して交換することが大切です。
入念な準備が不可欠
交換用のバッテリーはもちろん、安全に分解するための工具が欠かせません。パソコンは非常にデリケートな作りなので、わずかな傷や汚れで壊れてしまうおそれがあります。
また、静電気にも弱いことから十分な対策が必須です。精密機器の扱いに慣れている人でも、パソコンのバッテリー交換にはプロの修理業者とほぼ同等な準備が求められます。
メーカーの純正品が望ましい理由
交換用のバッテリーには複数のメーカーに対応していると謳う製品もあります。メーカーの純正品より安価な物が少なくない他、入手が容易なメリットがありますが、必ずしも安全とは言えないのも事実です。
社外品バッテリーの中には電圧や出力がメーカーの定める数値とは異なる物があります。わずかな数値の違いでもパソコンの故障に繋がる可能性は否定できません。
絶対に安全とは言い切れないので、純正品が入手できないなどの理由がなければ選択肢に入れないのが無難です。
初心者は不要なパソコンで練習することを心がける
バッテリー交換は愛用のパソコンを長持ちさせる対処法のひとつですが、安易な素人作業は取り返しのつかない失敗になるおそれもあります。
精密機器の扱いに慣れていない、ノートパソコンの構造がよく分からない人がバッテリーを交換するのは無謀な行為と言わざるを得ません。
経験を積むためにバッテリー交換を行うなら新しいパソコンを用意したうえで、不要になったパソコンを使って練習するのが得策です。
交換した古いバッテリーの処分方法
ノートパソコンのバッテリーはリサイクル可能な資源として扱われます。家電量販店などパソコンを販売する店舗ではバッテリーを引き取ってくれる所が多い他、自治体が乾電池と同じ扱いで回収するケースも少なくありません。
店舗や自治体ごとに回収のルールが異なるので事前の確認は必須です。また、ショートするおそれがあるので端子部分はテープを貼って隠すなど、むき出しにしないよう心がけます。
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パソコンの扱い方を見直す
ノートパソコンのバッテリーは定期的な交換が必須な消耗品ですが、上手に扱えばメーカーが定める寿命いっぱいまで使い続けることが可能です。バッテリーを長持ちさせるのに効果的な工夫として、パソコンのシャットダウンとスリープモードの使い分けが挙げられます。
省電力でパソコンを待機させるスリープモードは電源を入れ続けている状態ですが、バッテリーへの負担は大きくありません。むしろ、頻繁に電源のオンオフを切り替えるシャットダウンの方がバッテリーを消耗させるので注意します。
十数分離席するなど、短時間だけパソコンを使わないならスリープモードがバッテリーを労わる選択肢でしょう。画面の明度を下げたりスピーカーをオフにするのもバッテリーの負担を減らす工夫です。
パソコンのクリーニングをこまめに行うのもバッテリーを劣化させない方法になります。汚れが詰まったパソコンは内部に熱が籠りやすくなるので、冷却用のファンが過剰に作動します。
パソコン用のエアーダスターを使って内部の汚れを吹き飛ばせばそれだけバッテリーの消耗も少なくなるので、長く使い続けることができるでしょう。
パソコンの年式によっては本体を交換する
パソコンはモデルチェンジが早く、性能も数年ほどで大きな開きが生じます。モデルチェンジと共に対応する部品も製造中止になるので、極端に古いパソコンは新品と交換するのが無難な方法であることも事実です。
プロの修理業者も対応する部品がなければバッテリー交換はできないので、交換を断られたらパソコンを新しくする選択肢を考える必要があります。
安全なバッテリー交換は専門の修理業者に任せるのが無難
愛用品を自分でメンテナンスしたいと考えるのは自然なことであり、それはノートパソコンも例外ではありません。バッテリーなど交換用の部品が販売されていることもあり、知識や技能があれば自分で交換作業を行うことも可能でしょう。
しかし、精密機器であるパソコンは慎重な扱いが求められるのも事実です。万が一の事態を避けるためにも、付け焼き刃な作業は行わずにプロの修理業者を頼るのが愛用のノートパソコンを長持ちさせる秘訣と言えます。
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