まずは本当にパソコンが動かなくなったのかを確認しよう
パソコンが動かなくなってしまっても故障が原因とは限りません。まずは本当にパソコンが動かなくなったのかを確認していきましょう。
しばらく待ってみる
パソコンが動かなくなったように見えても、単に処理に時間がかかっているだけという場合もあり得ます。下手に動かすと処理により時間がかかってしまうため、様子を見ながらしばらく待ってみてください。
アクセスランプが点滅しているか
パソコンのアクセスランプが点滅している間はハードディスクが稼働している、もしくはプログラムが実行されている状態です。しばらく待っているとアクセスランプが消えて動くようになる可能性があるので、アクセスランプが点滅しているときは強制シャットダウンをせずに待ちましょう。
マウスやキーボードの接続が切れていないか
マウスやキーボードの接続が切れた場合は、いきなり反応がなくなるのでパソコンが動かなくなったと勘違いしてしまうケースがあります。カーソルを動かしたり、左クリックや右クリックを試してみてください。また、キーボードを押下してみて反応があるかどう確認します。
マウスやキーボードに反応がない場合は、きちんと接続されていることを確認しましょう。ワイヤレスの場合は電池切れの可能性があるので電池を交換してみましょう。
また、マウスやキーボードが故障している可能性もあるため、予備がある場合はほかのものに交換して動くかどうかを確認してみてください。
タスクマネージャーを起動する
タスクマネージャーを起動するには、メニューから選ぶ方法とショートカットキーから開く方法があります。メニューから開くには、以下の方法があります。
- Windowsボタンと「x」キーを同時に押すとメニュー一覧が表示されます。その中から「タスクマネージャー」を選びましょう。もしくは、スタートボタンをクリックして表示されるアプリの一覧から「Windowsシステムツール」をクリックし、その中の「タスクマネージャー」を選びます。
また、以下のショートカットキーだけでもタスクマネージャーは起動できます。 - 「Ctrl」「Alt」「Del」の各キーを同時に押します。
- 「Ctrl」「Esc」「Shift」の各キーを同時に押します。
タスクマネージャーが起動できた事実は、パソコン本体が原因のフリーズではないことを示しています。タスクマネージャーを起動させて問題のあるアプリを終了させれば、フリーズが解消されるかもしれません。タスクマネージャーの画面から停止しているアプリを選び、「タスクの終了」をクリックすることでアプリを終了させて様子を見ましょう。
パソコンが動かなくなる原因と対処法
パソコンは精密機械ですから、些細なことで動かなくなることもあります。次はパソコンがフリーズしてしまったときの原因について確認し、対処法を解説していきます。
パソコンの熱暴走
ファンモーターにホコリが溜まったり、処理に過大な負荷がかかったりすると熱暴走を引き起こしてしまいます。パソコンの熱暴走が起きるとフリーズだけでなく、内部の部品がダメージを受けてハードディスクが故障してしまうかもしれません。長時間使い続けてもパソコンは熱を持ちますし、複数のソフトを使っているときも負荷がかかります。これらの項目に心当たりがあれば対処していきましょう。
まず、フリーズしているのであれば、パソコン用のファンを動かしてみてください。ファンがないノートパソコンの場合は、冷却パッドを貼って本体の温度を下げて対処します。
パソコンのメモリ不足
メモリが不足するとマウスの動きが悪くなり、頻繁にフリーズします。メモリ不足の原因には、ハードディスクの空き容量の不足や周辺機器の接続、不要なソフトウェアの稼働などがあります。また、パソコンのスペックに対して負荷がかかるようなソフトウェアやゲームの利用もメモリ不足を引き起こします。
まずはタスクマネージャーを起動してメモリの使用率を確認しましょう。使用率が100%に近づくほど、メモリが不足していることを意味します。
メモリ不足が原因であれば、まず使用していないソフトウェアを閉じてみてください。さらに不要なファイルやフォルダを削除して、ディスククリーンアップを行います。デフラグメンテーションでハードディスクの整理をする方法もおすすめです。これらの方法を試してもメモリが不足する場合は、メモリの増設や新品への買い替えを検討してみてもよいでしょう。
ソフトウェアの不具合
フリーズを引き起こす原因のひとつに、ソフトウェアの不具合があります。セーフモードで起動すると、フリーズの原因がソフトウェアにあるのか、ハードディスクにあるのかを突き止められます。
セーフモードで起動して問題なく使用できるのであれば、ソフトウェアが原因です。タスクマネージャーを起動させてメモリを大量に使用しているソフトウェアや、フリーズに影響していそうなソフトウェアを終了させてください。
セーフモードで起動してもフリーズが再発する場合はハードウェアが原因です。ユーザー側で対処できないため、ハードウェアが原因の場合は修理に出すことをおすすめします。
パソコンのウイルス感染
フリーズの原因で気をつけておきたいのがウイルス感染です。ウイルスに感染してパソコンに負荷がかかると動作が重くなり、フリーズしやすくなります。インストールした覚えがないアプリが入っていたり、CPU使用率が不自然に上昇していたりする場合は、ウイルス感染を疑いましょう。
最近は明らかな症状が現れないウイルスもあるため、セキュリティソフトを使ってスキャンを実行し、疑わしいファイルやアプリを削除する必要があります。ただし、セキュリティソフトを複数インストールすると不具合が生じやすくなるため、使用するソフトはひとつだけにしましょう。
ハードディスクの故障
パソコンの熱暴走やメモリ不足、基盤の物理的な損壊、経年劣化による不具合などによって引き起こされるハードディスクの故障が原因でフリーズする場合もあります。
長年パソコンを使い続けていると、どうしてもパソコンは劣化していきます。ハードディスクの故障が基盤部分に及んでいたら、業者に修理を依頼するしかありません。
強制シャットダウンをする前にやるべきこと
電源ボタンを長押しすると強制シャットダウンの実行が可能です。ここでは強制シャットダウンをする前にやっておくべきことについて紹介します。
接続している周辺機器を取り外す
まず、現在パソコンに接続している周辺機器をすべて取り外しましょう。ACアダプターや電源ケーブル、キーボードやマウスだけではなく、挿入されているUSBメモリやディスクもすべて取り外してください。周辺機器に問題がある場合は通常のシャットダウンができるかもしれません。
ソフトウェアを終了させる
強制シャットダウンをする前に、現在実行中のソフトウェアを終了させましょう。バツ印を押す、右クリックして表示される「ウィンドウを閉じる」といった手順で終了できない場合はタスクマネージャーを起動してください。一覧の中から起動中のソフトウェアを選択し、「タスクの終了」をクリックすることでフリーズの解消を試みます。
サインアウトする
パソコンが動かない状態でも、「Ctrl」「Alt」「Del」の各キーを同時に押すことでメニュー画面の表示ができる場合があります。その中から「サインアウト」を選びましょう。サインアウトをすると、使用中のアプリがすべて強制的に終了します。
強制シャットダウンは最終手段
パソコンが動かなくなってしまったときに強制シャットダウンを実行してしまう人は多いでしょう。しかし、通常のシャットダウンとは異なり、適切な手順を踏まずにプログラムやアプリを終了させるので不具合が起きてしまう可能性があります。強制シャットダウンはさまざまな方法を試してもフリーズが解消されない場合に限って実行する最後の手段だと心得ておきましょう。
作業中はこまめに保存しよう
強制シャットダウンをすると、保存していないデータはすべて失われてしまいます。フリーズによる被害を最小限にするためにも、大切なデータはこまめに保存しておきましょう。そのほか、重要なデータは定期的に外付けハードディスク(HDD)やクラウドストレージにバックアップをとっておくことをおすすめします。
再発防止のためにやれること
トラブルが起きるタイミングはわかりません。どのようにしてトラブル発生のリスクを軽減し、再発を防止していけばよいのでしょうか。ここでは再発防止策について紹介します。
ソフトウェアやドライバーを最新の状態にしておく
ソフトウェアやドライバーの状態が古いと不具合が起きやすくなるため、常に最新の状態に保っておきましょう。また、ソフトウェアやドライバーは定期的に自動でアップデートされますが、中には自動アップデートがされないものもあります。その場合は手動でアップデートをしなければなりません。ここでは広く使用されているWindows 10の手順を紹介します。
- メニュー表示もしくはコントロールパネルから「デバイスマネージャー」を選びます。
- デバイスマネージャーの画面が表示されたら、更新するデバイスを右クリックして「ドライバーソフトウェアの更新」を選びます。
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索します」を選び、表示される画面の内容に従って操作をするとアップデートされます。
ウイルス対策を行う
パソコンを使用する際はウイルス対策が必須です。ウイルスに感染するとフリーズ以外にも、個人情報の流出やデータの損壊、アカウント乗っ取りなどさまざまな悪影響が生じます。また、パソコンの不具合だけでなく犯罪に巻き込まれてしまうこともあります。
セキュリティソフトを購入して、パソコンにインストールしておきましょう。インストールしていない場合は、応急処置としてフリーセキュリティソフトをダウンロードする方法もおすすめです。ただし、あくまで応急処置ですから、できる限り早く有料のセキュリティソフトを購入するようにしてください。
ハードディスクの最適化とデフラグを行う
パソコンを使用するにつれてハードディスク内のデータが徐々に増加し、フリーズしやすくなっていきます。定期的にデフラグを実行して断片化ファイルを整理すると状態が改善するかもしれません。ただし、デフラグはハードディスクに負担をかけるため、頻繁に行うものではありません。実行前にハードディスクの状態を確認して、必要かどうかを判断することが大切です。
パソコンの用途と性能が合っているか確認する
フリーズや動作の遅れは、パソコンの性能が低い場合も起こります。たとえば、CPU性能が低くメモリ容量が不足しているパソコンを使用して画像処理や動画編集を行う場合、パソコンにかかる負荷は大きく熱暴走やメモリ不足につながります。使用しているパソコンの性能が、その用途に必要なスペックを満たしているかを確認しておくとフリーズのリスクを軽減できます。
パソコンの作業環境を見直す
トラブルの防止に向けた作業環境の見直しも大切です。普段意識することは少ないかもしれませんが、パソコンの作業環境は意外と寿命に影響します。人の往来が激しいところや汚いところにパソコンを設置するとホコリや汚れが溜まりやすくなり、熱暴走や故障を引き起こす可能性が高くなります。接続不良を避けるため、コンセントやケーブルのホコリも定期的に清掃しましょう。
解決しない場合は修理を依頼しよう
パソコンは高額ですし、少々のトラブルで簡単に買い換えられるものではありません。自分だけで解決しようとして変な操作を繰り返したり、無理やり分解したりすることで、修理不可の状態になってしまう可能性もあります。そのため、自分でできる作業や対策をすべて行っても問題が解決しない場合は、業者に修理を依頼することをおすすめします。
まとめ
さまざまな原因によってパソコンはフリーズしてしまいます。しかし、あくまで強制シャットダウンは最後の手段ですから、強制シャットダウンを実行する前に、タスクマネージャーの起動などいくつかの対処法を試してみることが大切です。できれば、強制シャットダウンをしなくても済むように、日ごろからパソコンをアップデートしたり作業環境を整えたりするなどの対策をしておくとよいでしょう。
あなたにおすすめの記事
