もし新しい技術を好み、かつ、Linuxサーバの高速通信に興味があるなら、Googleが内部で開発を進めてきたとされてる新しいTCP輻輳制御アルゴリズムのBBRは試してみる価値があるかもしれない。7月21日(米国時間)、Nixcraftに掲載された記事「Increase your Linux server Internet speed with TCP BBR congestion control - nixCraft」が最近のLinuxカーネルでTCP BBRを有効にする方法を伝えた。
Googleは7月21日、公式ブログにおいて、 Google Cloud PlatformでTCP BBRが利用できるようになったことを伝えている。ブログの記事では、google.comにTCP BBRを導入して、利用前と利用後のネットワークのスループットを表すグラフを紹介している。YouTubeに関しては、グローバルで平均して4%の改善が見られたという。
まず、TCP BBRをLinuxで利用するには、TCP BBRが有効なカーネルを使う必要があり、確認方法としてLinuxカーネルがCONFIG_TCP_CONG_BBRおよびCONFIG_NET_SCH_FQが指定されたカーネルであるかを調べる方法が掲載されている。カーネルオプションが見つからなかった場合、apt-getを使うなどして最新のLinuxカーネルへアップグレードするように求めている。
カーネルまたはカーネルモジュールにTCP BBR機能があることを確認したら、/etc/sysctl.confまたは/etc/sysctl.d/10-custom-kernel-bbr.confに「net.core.default_qdisc=fq」および「net.ipv4.tcp_congestion_control=bbr」の設定を追加してシステムを再起動すればよいとしている。記事ではTCP BBRを有効化することで、通信性能を大幅に引き上げることができたと説明している。