近畿大学は9月24日、土壌から放射性セシウムを取り除く新しい技術を発明したと発表した。
同研究成果は同大学薬学部の石渡俊二 准教授らの研究グループらによるもので、9月22日に特許の申請を行った。
これまでは土壌中の放射性セシウムを回収する方法として、シュウ酸を用いる方法が検討されていたが、その酸性の強さなどから環境への負荷が懸念され、実用化にあたり問題視されていた。
今回、同研究グループは、放射性セシウムが吸着された土壌に対し、使用する液体や処理の順序を変えて実験を行った結果、最初にクエン酸アンモニウム塩で処理、続いてイオン液体にて処理を行うと、高い放射性セシウムの回収率を示すことを発見したという。
同発明では環境負荷が小さいクエン酸アンモニウム塩とイオン液体を用いるため、従来の環境負荷が大きいシュウ酸を用いる場合と比較すると、地球環境に優しい除染活動を行えるようになることが期待できるという。
なお、今回の研究は、近畿大学が東日本大震災の復興支援として取り組んでいる「"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト」の一環として行われた。