ソニーは11月5日、複数のディスプレイの角度や配置を自由にレイアウトすることでインパクトのある映像演出を実現するダイナミックマルチディスプレイシステム「Ziris Canvas」を11月30日に発売すると発表した。

従来のビデオウォール型サイネージシステムは、同一ディスプレイを縦方向または横方向に設置したレイアウトにしか対応していなかったが、同システムはサイズや画素数が異なるディスプレイを組み合わせ、角度や配置を自由にレイアウトすることができる。

左から、従来のビデオウォール型サイネージシステムの設置イメージ、Ziris Canvasを用いたビデオウォール型サイネージシステムの設置イメージ

同システムは再生機としてデジタルサイネージ向けにカスタマイズされたシステムソフトウェアを搭載した「プレイステーション 3」(以下、PS3)、スクリーンレイアウトからコンテンツ配置・配信のスケジューリング・映像配信・システムの監視にわたる一連の作業に必要な各種専用ソフトウェアから構成される。

デジタルサイネージ向けにカスタマイズされたPS3は、Cell Broadband Engineの演算処理能力により、高精度で各ディスプレイを同期させた再生、ディスプレイ1面当たり最大でフルHD(1920×1080)解像度の高精細な映像表現を実現する。

専用ソフトウェアは、プレイリストやスケジュールの作成などを行うためのソフトウェア「Ziris Create」、機器の設定、監視、制御を行うためのソフトウェア「Ziris Manage」、コンテンツ配信を行うためのソフトウェア「Ziris Edge」、デジタルサイネージ向けの専用PS3上でコンテンツ再生を行うためのソフトウェア「Ziris View」の4種類。

Ziris Canvasのシステム構成例

同システムの価格はオープンだが、市場推定価格は75万円前後。