パイオニアは10日、AVマルチチャンネルアンプ「VSA-LX53」を発表した。発売は7月上旬を予定している。価格は15万円。

新世代の規格に対応する7.1chAVマルチチャンネルアンプ「VSA-LX53」。「VSA-LX52」と同様に、同社の対応プレーヤーとHDMIで接続した際に伝送時のジッターを減少させる「PQLSマルチサラウンド」も搭載される

VSA-LX53は、昨年7月に発売された「VSA-LX52」の後継となる、ミドルクラスの7.1chAVマルチチャンネルアンプ。もちろん、HDMIには、このところ各社より発表されているAVアンプの新モデルと同様に、3D映像信号のパススルー伝送や、ARC(オーディオリターンチャンネル)に対応した1.4aが採用されている(6入力/2出力)。

VSA-LX53の大きな特徴となっているのが、新搭載された「バーチャル・ハイト」機能。同機能は、フロントスピーカーの上方に設置されるフロントハイトスピーカーの効果を擬似的に作り出すもので、従来より上位モデルである「SC-LX82/LX72」には搭載されていた擬似的にサラウンドバックチャンネルの効果を生み出す「バーチャル・サラウンドバック」機能を組み合わせることで、5.1chのスピーカーで、最大9.1chのバーチャルサラウンド再生が可能になった。また、フロントワイドスピーカーを設置した7.1ch環境でこの機能を利用した場合、バーチャル11.1ch環境を利用することができる。

映像面では、デジタル/アナログ映像信号の1080/24pへのアップスケールに対応。映画などのフィルム素材の映像を、自然な動きで再生することが可能だ。

操作面では、「iControlAV」に対応。iControlAVは、iPhone/iPod touchなどで使用可能なアプリケーションで、App Storeより無料でダウンロード可能。LANに接続された環境で、Webブラウザから電源のON/OFF、ボリューム調整、入力切り替え、リスニングモードの設定などの操作を実行できる「Webコントロール」機能も搭載されている。

iPhoneやiPod touchなどから、さまざまな操作を可能にする「iControlAV」

さらに、新たなオプションとして、RF式のリモコン「CU-RF100-U」も追加される(7月上旬発売予定で、価格はオープン。推定市場価格は4万円弱)。CU-RF100-Uは、本体に付属する赤外線タイプのリモコンとは異なり、リモコンを本体の受光部に向けなくても操作できるという特徴を持つ電波式のリモコン(2.4GHz)。赤外線送信部が4台付属しており、VSA-LX53を含めて、最大で4台までの機器のコントロールが可能だ。

定格出力は、各chとも110W(20Hz~20kHz、T.H.D.0.08%)。HDMI以外の入出力は、映像が、コンポーネント入力×2/コンポジット入力×5(1系統はフロント)/コンポーネント出力(モニター)×1/コンポジット出力×2(モニター×1/REC×1)。音声が、デジタル入力×5(光×3/同軸×2)/アナログ入力×6(音声×2/AV×4)/9.1chプリアウト×1(出力される信号は7.1chまで)/デジタル出力×1(光)/アナログ出力×2(音声×1/AV×1)。そのほかに、iPhone/iPodのデジタル接続に対応したUSB端子を1系統装備する。本体サイズは、420mm(W)×173mm(H)×433mm(D)、質量は13.4kg。消費電力は330Wとなっている。