総務省は6日、2011年7月に予定されているアナログ放送停止(地上デジタル放送への完全移行)のリハーサルを行う地域を、石川県珠洲(すず)市に決定したと発表した。同省では「周知広報の方法を含めて放送を終了する過程で課題となる事項を検証し、円滑にデジタル化対応ができるよう、受信環境確認や受信環境整備に取り組む」としている。

「デジタル放送推進のための行動計画(第9次)」では、アナログ放送終了を国民が理解し、放送終了に当たっての必要な対応を明らかにするために、「アナログ放送終了のリハーサルを2009年度内に実施する」としている。

総務省では2008年12月、各地方公共団体に対しアナログ放送終了リハーサルに関する協力意向調査を実施。5市町村から協力が可能との回答を得た。

これを受け、同省では「アナログ放送終了リハーサル推進委員会」を2009年3月に設置。協力可能な意向が示された地方公共団体の中から検討を行い、今回、石川県珠洲市をリハーサルの実施地域とする決定を行った。

実施地域では、アナログ放送終了だけではなく、住民への周知広報段階からアナログ放送終了の「リハーサル」ととらえ、その周知広報の方法を含め課題となる事項を検証。

具体的には、珠洲市に「総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)」の支所を設置。同市と連携した周知広報や、デジタル放送対応へのサポートなどを実施。同市の住民が円滑にデジタル化対応ができるよう、受信環境の確認や、地デジ対応テレビへの買い替えや専用チューナーの設置など受信環境整備に取り組んでいく。

さらに、アナログ放送を視聴している住民に家庭のデジタル化対応状況の確認をしてもらうため、アナログ放送の完全終了までの間に、一時的な終了(一定時間の「アナログ放送終了画面」の表示や一定時間の停波)を行う。

総務省では、「アナログ放送の終了方法や終了時期については、今後、地元の地方公共団体と十分に協議し実施していく」としている。