フィンランドNokiaは24日(現地時間)、自社が出資しているモバイルOSベンダー英Symbianを買収する計画を発表した。他の出資企業から、約52%に相当する残りの株式を1株あたり3.647ユーロで買い取る提案をした。取引金額は約2億6400万ユーロを見込む。
Symbianは、Nokia、スウェーデンEricsson、米Motorola、英Psionらが共同で1998年に設立した企業。スマートフォンOS「Symbian OS」を開発/ライセンスしている。
その後、出資企業が何度か入れ替わり、現在の出資構成はNokia(47.9%)、Ericsson(15.6%)、英Sony Ericsson(13.1%)、パナソニック(10.5%)、独Siemens(8.4%)、韓Samsung Electronics(4.5%)となっている。
Nokiaによると、この取引に関して、Ericsson、Sony Ericsson、パナソニック、Siemensと取り消し不可能な約束を交わしているという。Samsungについても「取引に同意する見通し」とコメントしている。
なお、NokiaはSymbianを買収し、Symbianに出資している企業など9社を設立メンバーとして「Symbian Foundation」を立ち上げる。設立メンバーには、NTTドコモ、英Vodafone、米AT&Tなどのオペレータ、米Texas Instruments(TI)、スイスSTMicroelectronicsなどの半導体ベンダーも名を連ねている。Symbian FoundationのWebサイトには現在、加盟企業として約22社のロゴが並んでいる。
NokiaのCEO、Olli-Pekka Kallasvuo氏は、Symbianの買収について「ソフトウェア戦略にとって重要」と述べ、非営利の推進団体を立ち上げる土台になると説明している。
Symbian FoundationはSymbian採用を促進するものとなる。複数の技術コンポーネントをオープンソースとして公開する。ライセンスは「Eclipse Public License (EPL) 1.0」を採用する
Nokiaでは、Symbian買収は規制当局などの承認を得た後、今年第4四半期に完了を見込むとしている。