【症状別】トイレつまり解消を業者に依頼したときの相場料金
店舗やオフィスでトイレがつまってしまうと、しばらく利用できなくなるなど従業員にとって非常に不便です。しかし、業者に修理を依頼する際の費用も気になるところではないでしょうか。本記事では、トイレつまりの解消を業者に依頼したときにかかる料金の内訳、症状別の料金相場、法人向けのサービスについて解説します。
業者に依頼した場合にかかる料金の内訳
トイレつまりの解消を業者に依頼したときにかかる料金の内訳は、おもに見積もり料金、基本料金、作業料金、出張料金などです。
見積もり料金は無料としている業者が多いですが、念のため依頼する際に確認しておくのがよいでしょう。基本料金は作業の内容にかかわらず必要となる一定の料金で、業者によって金額に幅があります。
これらにプラスで作業ごとの作業料金がかかります。症状の度合いや作業内容によって金額が大きく変わってくるため、トータルの費用を左右する料金といえるでしょう。
出張料金は、エリアによっては無料としている業者もあります。これらのほかに深夜・早朝割増料金、部品代、衛生費、雑費などがかかる場合もあります。さらに予約を取り消した場合、キャンセル料を請求される場合があるため注意が必要です。多くは作業までの日数によって金額が変わり、直前になるほど高くなります。
業者によっては無料になる料金もありますが、あまりそのことにとらわれすぎず、総額でどれくらいになるかを確認しましょう。
【症状別】業者に依頼したときの相場料金
トイレつまりの解消を業者に依頼したときの料金は、症状に応じた作業内容によって大きく変わってきます。ここでは、症状別の作業内容と相場料金をみていきましょう。
- 水位が低い、水の流れが悪い
- 水位が高い、水が溢れそう
- 封水がまったく無い
- コポコポと異音がする
- 急にトイレから異臭がする
水位が低い、水の流れが悪い
便器内の水の水位が低くなっている場合、大量のトイレットペーパーや固形物・嘔吐物などの異物がトイレにつまり、水の流れが悪くなっていることが原因です。大抵の場合、いったん水位が上がって、そのあと通常より水位が下がっていきます。
トイレットペーパーや便が原因の場合は、軽度のつまりと考えられるため、比較的費用は安く5,000円程度です。ただし、自力で解消できるケースも多いので、症状をよく確認して行えることは試してみるのがよいでしょう。
固形物のつまりは自力での解消が難しく、放置していると状況が悪化する可能性があるため業者依頼が必要です。手間がかかることもあって作業費用もやや高くなります。専用器具の使用や、便器の脱着作業をともなう場合、7,000円〜10,000円前後かかるでしょう。さらに、トイレの設置箇所や構造によって作業が複雑になると、10,000円を超える場合もあります。
水位が高い、水が溢れそう
便器内の水の水位が高くなっている場合も、水位が下がっている場合と同様の原因が考えられます。ただし、水位が高いケースのほうが重度のつまりになっている可能性が高いです。作業に手間・時間を要する分、業者へ依頼した際の費用も高くなる傾向にあります。
重度のつまりが起きている場合、強い圧力をかけてつまりを解消する「ローポンプ」という器具が使われるケースが多いです。その場合、基本料金を含めて20,000円前後の費用がかかります。
また、薬品を使用する場合はプラスで約3,000円、便器の脱着を行うと10,000円以上の追加料金は見込んでおいたほうがよいでしょう。便器の脱着をともなうと高額になるため、見積もりの段階で必要の可否を確認しておくことが大事です。
封水がまったく無い
封水とは、排水管および便器内に常時溜まっている水のことです。排水管の悪臭が室内に上がってこないように、便器内に水を溜めて蓋をしておく仕組みになっています。封水が何らかの原因でなくなってしまうと、悪臭が逆流してきて室内に充満してしまうため早期に対処が必要です。
封水が少なくなったり、なくなってしまったりする原因は、おもに蒸発や排水管内の気圧の乱れなどが考えられます。また、排水管の中に汚れが蓄積することで起きる「毛細血管現象」も原因の一つです。毛細血管現象とは、排水管内につまった異物が封水を吸収してしまう状態を指します。
つまった異物を取り除く作業を行う場合、症状の度合いにより前述した費用がかかります。また、つまりではなく、便器のひび割れによって水漏れしている可能性もゼロではありません。その場合、基本的にはトイレごと交換する必要があります。
コポコポと異音がする
便器の中から「コポコポ」「ゴボゴボ」と異音がする場合は、排水管内でつまりが発生している可能性があります。トイレタンクやウォシュレット使用時に音がする場合は、つまりではなく部品や機器の不具合による水漏れなどが原因です。
つまりが原因になっている場合のつまり解消依頼では、前述した費用がかかります。水漏れを原因とする部品や機器の不具合の場合、部品交換や修理が必要です。部品交換代や修理料金は業者によって異なりますが、8,000円〜10,000円前後を目安にしておくとよいでしょう。薬剤使用をともなう場合は、前述のとおりプラスで3,000円ほどかかります。
急にトイレから異臭がする
トイレから異臭がする原因はさまざまですが、特に多いのはつまりによる封水切れです。多くの場合、お湯を流す、重曹やクエン酸、ラバーカップなどを使って汚れを除去するといった方法で自力解消できます。
これらの対応を行っても臭いが解消されない場合は、排水管に問題がある可能性が高く、業者依頼が必要です。作業内容はつまりの除去、尿石除去、トイレクリーニングなどで、すべて含めて費用相場は8,000円〜15,000円ほどを目安にしておくとよいでしょう。ここに基本料金や出張費用などがプラスされるため、見積もり時によく確認しておく必要があります。
水道業者による法人向けサービス
一般家庭の場合と異なり、店舗やオフィスなどでトイレのつまりが起こると多くの人に支障が出ます。複数のトイレでトラブルが起きてしまった場合にも、迅速かつ適切に対応してくれるサービスを選ぶ必要があるでしょう。ここでは水道業者による法人向けサービスについてご紹介します。
急な依頼には対応してくれる?
トイレのつまりは突発的なトラブルのため、特定の業者と法人契約をしているケースは少ないでしょう。そのような場合でも、基本的には一般の家庭と変わらない対応になるため依頼自体は可能です。24時間365日受付・対応している業者も多く、突然トイレがつまってしまった、水漏れが発生してしまったという場合も迅速に対応してくれます。
法人の場合、請求書払いができるかといった点も気になるところでしょう。実際のところ、請求書払い可能としている業者はあまり多くありません。ただし、後払いなどに対応している業者もあり、その場合は実質請求書払いとなります。
依頼する際は、業者のサイトを検索したり、直接問い合わせたりするなどして詳細をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
法人向けサービスとはどのようなもの?
法人向けサービスは、飲食店や小売店、公共施設・福祉施設、オフィスビル、ホテルなどさまざまな業態に対応しています。多くの場合、法人専用ダイヤルが用意されており、専任オペレーターが対応するため、トラブルが起こった際に慌てて業者を探す必要がありません。全国に拠点があり、複数店舗・オフィスを展開している場合も同一品質のサービスが受けられたり、一括導入できたりする点もメリットです。
また、法人向けサービスでは、個人利用の場合とは別に法人向けの料金が設定されています。定期メンテナンス(清掃・予防)などが組み込まれていたり、請求書一括払いなど法人向けの経理処理に対応していたりする場合もあり、経費削減につながる点もメリットといえるでしょう。作業完了報告書や作業写真などで作業内容をフィードバックしてもらえるため、社内で報告が必要な際にも役立ちます。
興味がある方は、ぜひ法人向けのサービス提供事業者に相談してみてください。
【応急処置】トイレが詰まったらまず初めにすること
「トイレが詰まってしまったが、何をすべきかわからず困った」という経験がある方は多いのではないでしょうか。本記事では、トイレが詰まったときの応急処置と手順、自分でできるトラブル解消方法、応急処置する際に注意すべきポイントについて解説します。
まず初めにする応急処置の手順
トイレが詰まってしまったら、被害が拡大しないよう応急処置を行うことが必要です。ただし、誤った応急処置をしてしまうと、逆に詰まりが悪化したり、詰まりの原因となっているものが奥に入り込んでしまって復旧に時間を要してしまったりするおそれがあります。状況を悪化させないためにも、適切な応急処置の手順をしっかり押さえておくことが重要です。
また、作業を行う際はゴム手袋を着用し、ビニールシートや雑巾などを床に敷いてトイレ内が汚れないよう養生しておきましょう。
- 止水栓・元栓を閉める
- コンセントから電源プラグを抜く
- 目視できるつまりの原因を取り除く
- 便器から溜まっている水を汲みだす
止水栓・元栓を閉める
応急処置を行う前に、まず止水栓・元栓を閉めて水が出ないことを確認しましょう。止水栓が開いたままになっていると、誤って洗浄レバーを引いてしまった際に便器から水が溢れ出してしまうおそれがあります。水だけならまだいいですが、汚物が溜まっていた場合、トイレ内が汚れたり悪臭が充満したりして大変です。床や壁に水が染み込んでしまうと腐食にもつながります。
止水栓は通常トイレの個室内にあります。タンクの横にある給水管とつながっている部分に付いている場合が多いので確認してみましょう。多くの場合、マイナスドライバーを使って時計回りに回すことで閉められます。マイナスドライバーがないときは、はさみや定規などでも代用可能です。
止水栓を見つけられない、固くて回らないなどの場合は、ひとまず家全体の水を止めるとよいでしょう。その場合、当然トイレ以外の水も使えなくてなってしまうため、留意しておく必要があります。
コンセントから電源プラグを抜く
温水洗浄便座になっているウォシュレットなどの場合は、応急処置の作業を行う前に必ず電源プラグを抜いておきましょう。その際に、濡れた手で触ると感電や漏電のおそれがあるので注意が必要です。電源プラグを抜いたあとも、衛生面と万が一の感電防止を兼ねて、先述したようにゴム手袋を着用して作業する必要があります。
作業中も水がかからないよう電源プラグは高い場所に置き、タオルやビニール袋をかぶせるなどして保護しましょう。
目視できるつまりの原因を取り除く
止水栓を閉めて電源プラグを抜いたら応急処置に入ります。まず便器内に浮いているトイレットペーパーなど目視で確認できる異物をできる限り取り除きます。この作業を行っておくとトラブルの解消が早くなります。
感染症防止のためにも、素手ではなく、割り箸やビニール袋、ゴム手袋などを使ってゆっくり取り出しましょう。排水管の奥に詰まっているものは、無理に取り出そうとするとさらに奥まで入り込んでしまうおそれがあります。この段階ではすぐに取り除けるものだけで構いません。
便器から溜まっている水を汲み出す
水位が高く水が溢れそうな状態のままにしていると、作業がスムーズに進まなかったりトイレの室内を汚してしまったりするおそれがあります。詰まり解消の作業を行う前に、溜まっている水はできる限り汲み出しておきましょう。
水を汲み出す道具は、灯油ポンプやバケツ、ペットボトルなどが適しています。汚れてもいいプラスチックのコップなどでもOKです。通常のトイレの水位になるまで水を汲み出せば、かなり作業がしやすくなります。
自分でできる簡単なトラブル解消方法
詰まりの原因がはっきりしていて、なおかつ症状が軽ければ、自力で詰まりを解消できるケースも少なくありません。自分で対処できるかどうかの判断基準と、自分でできる簡単なトラブル解消方法をご紹介します。
自分で対応できるトラブルかの判断をする
トイレの詰まりが発生した場合、応急処置を行なったあとの対処が自分でできるか否かという判断が必要です。
まず、トイレットペーパーなど流しても良いものが原因で詰まりが発生している場合、自分で対応できる可能性があります。また、詰まりが原因で溜まっている水が少しずつ引いていくようであれば、完全には詰まっていない状態です。この場合、症状が軽ければ自分で対応できるケースも多いでしょう。
一方、誤って落としてしまった固形の物などがトイレの奥まで流れてしまっている場合は、自力で除去することはほぼ不可能です。自己判断で直そうとすると、さらに奥に入り込んでしまったり、排水管を傷つけて破損してしまったりする可能性があります。また、排水管の経年劣化が詰まりの原因になっている場合、処置のしようがありません。
自分では対応が難しかったり、少しでも判断に迷ったりする場合は業者に依頼しましょう。
すぐにできるつまりの解消方法
トイレットペーパーなど水に溶けやすいものが詰まっている場合は、お湯を流す方法が効果的です。ただし、熱湯を流し込むと便器や排水管にダメージを与えてしまい、破損につながる可能性があります。沸騰したての熱湯などは避け、40℃〜60℃程度のぬるま湯を使うようにしましょう。
重曹やクエン酸を使用して詰まりを解消する方法もあります。重曹やクエン酸をまいたときに発生する炭酸ガスの気泡は、汚れ・ぬめりを除去する働きがあり、便や尿などのこびりつきが詰まりの原因になっている場合は効果的です。ただし、固形物がつまっている場合は効果がないため、別の方法を試みましょう。
ラバーカップを使う方法もオーソドックスな詰まり解消方法といえるでしょう。軽度の詰まりであれば大抵ラバーカップで解消できます。ラバーカップにはさまざまなタイプがあるので、便器にあったものを選びましょう。
応急処置を行う際に注意するポイント
応急処置は状況を悪化させないことが目的です。応急処置をすることでかえって詰まりが悪化するおそれがある場合や、判断が難しい場合は、無理に対処しようとせず速やかに専門の水道業者へ連絡するようにしましょう。
自己判断で対応すると詰まりがひどくなるなど事態が悪化してしまい、修理費用が高額になってしまう可能性があります。大掛かりな修理になった場合、しばらくトイレが使用できなくなって非常に不便です。
適切な応急処置を行っていれば、業者対応になった際もスムーズに作業できて改善も早くなります。軽度な詰まりであれば5分〜10分、原因が複雑なケースでも大体1時間ほどで済むケースが多く、トイレが使用できない時間も最小限に抑えられるでしょう。