オフィスや飲食店のトイレつまりを予防する方法
店舗やオフィスで、突然トイレがつまって困ったという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では、トイレのつまりを予防する方法、トイレのつまりを防ぐために効果的な注意喚起の方法、トイレのつまりが起こる前兆について解説します。
トイレつまりを予防する方法
トイレがつまってしまうと解消するのに時間がかかる場合もあり、極力回避したいトラブルの一つです。トイレがつまる原因を理解し、普段から対策をしていればそのリスクを避けられます。トイレのつまりを予防するにはどのような方法が有効なのかみていきましょう。
トイレットペーパー以外を流さない
本来トイレに流していいものは、トイレットペーパーと排泄物のみです。ティッシュペーパーやウェットティッシュなどを軽い気持ちで流してしまうことがあるかもしれませんが、これらは水に溶けないため排水管の中でつまってしまうおそれがあります。
また、生理用品などを誤って落としてそのまま流してしまうのもNGです。排水管に滞留してつまりの原因になるので、落としてしまった場合は取り除くようにしましょう。
また、「トイレに流せる」と売り出されている掃除シートなどの商品も、大量に流すとつまりの原因になります。掃除シートなどは、髪の毛など他のごみが付着している場合が多いので特に注意しましょう。これらは、できるだけトイレには流さず、別途ごみとして処分するのがおすすめです。
トイレットペーパーを大量に流さない
トイレに流してよいトイレットペーパーでも、量が多すぎるとつまりの原因になるおそれがあります。一度に流してもよい量は5メートルほどが一般的です。大量のトイレットペーパーを使用する場合などは複数回に分けて流すようにしましょう。
また、できるだけダブルよりも水に溶けやすいシングルのトイレットペーパーを使うようにするとつまりにくくになります。インターネット通販や量販店に売られている格安のトイレットペーパーも、繊維がほどけにくいものがあるため要注意です。なるべく薬局やスーパーに売っている日本製のもの使用しましょう。加えて、ウォシュレットの活用もトイレットペーパーの量を減らす方法として有効です。
「大」「小」洗浄を正しく使い分ける
洗浄レバーを正しく使い分けることも重要です。トイレの洗浄レバーは、メーカーが必要な水量を計算したうえで「大」「小」に分けて作られています。基本的に「小」洗浄は、トイレットペーパーを使わない際に使い、便やトイレットペーパーを流す際に使用するのは「大」のほうです。
そのため、毎回「小」で流していると水量が足りず流れが弱くなり、つまりが発生する可能性があります。トイレットペーパーを流す際は、必ず「大」洗浄で流すように意識して使い分けしましょう。
間違った節水をしない
タンク内にペットボトルや節水用品などを入れて節水をする方法がありますが、あまりおすすめできません。洗浄レバーと同様、タンク内の水量も適正な量がたまるように調整されて作られています。そのため、流れる水の量が減ってしまい、つまりが発生するおそれがあります。
間違った節水方法でトイレがつまり、多額の修繕費用がかかってしまっては本末転倒です。タンク内からは常に正常な水量が流れるようにしておきましょう。
トイレにモノを置かない、持ち込まない
タンクに置いてある芳香剤や置物、持ち込んだスマホや鍵、ボールペンなどを誤ってトイレに落としてしまい、つまってしまったというケースは少なくありません。もしすぐに気付いたら、ゴム手袋などをしてすぐに拾いあげましょう。
つまる原因になりそうなものはトイレから極力離れた場所に置く必要がありますが、そもそも置かない、できるだけ持ち込まないようにするのが賢明です。
こまめなトイレ掃除を欠かさない
トイレの掃除を怠るとつまりにつながる可能性が高いです。便器や排水管にに残った汚れや尿石がこびりついて固まってしまい、水が流れていかずにつまってしまうおそれがあります。尿石は尿に含まれる尿素やたんぱく質などが変質して固まったもので、掃除せずに放置すると黄色っぽい汚れとしてこびりついてしまいます。
定期的に掃除していれば防げますが、長時間放置するとなかなか落ちなくなるので厄介です。また、尿石は酸性の洗剤でなければ落ちないので、掃除をする際には注意しましょう。塩素系の洗剤を使っていた場合は、酸性の洗剤に切り替えることをおすすめします。
トイレつまりを防ぐ効果的な注意喚起の方法
店舗やオフィスなど不特定多数の人がトイレを使用する場所では、利用者一人ひとりにマナーを守って使ってもらうことが必要です。そのため、トイレつまりを防ぐ注意喚起を行うケースも多いでしょう。
注意喚起の文章を書く際は、相手への配慮・伝わりやすさを意識し、読みやすい文字の大きさで簡潔に書く、丁重な文面で書くことが大切です。また、イラストなどで分かりやすくしたり、赤字や太字でポイントを強調したりするのも効果があります。
効果的な注意書き例
トイレのつまりを防ぐ効果的な注意書き例としては、以下のようなものがあります。
・トイレットペーパー以外のものは流さないようにお願いいたします
・一度に大量のトイレットペーパーを流すとつまりの原因になるのでお控えください
また、トイレのつまりの原因になることを明示するのも効果的です。
・生理用品はトイレに流さずゴミ箱に捨ててください
・ティッシュペーパーやウェットティッシュなどトイレットペーパー以外の紙を流さないでください
飲食店では、嘔吐のつまりを防止するための注意書きも必要でしょう。
・気分が悪くなった場合は、トイレへ嘔吐せずスタッフをお呼びください。ビニール袋をお渡しします。
・嘔吐でトイレにつまりが生じた場合、清掃費を請求させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
注意書きを貼り付ける際のポイント
注意書きを貼り付ける際は、利用者の目にとまりやすいよう目線の位置に合わせて貼るのがポイントです。トイレの個室のドアの目線に合わせて貼り付けるのがよいでしょう。
また、印刷したものをそのまま貼るのではなく、ラミネート加工を行うのがおすすめです。紙の劣化防止になり、何度も貼り直す必要がなくなります。貼り付ける際は、マスキングテープや養生テープを使ってきれいに貼りましょう。セロテープだと不衛生で汚い印象を与えるうえ、剥がすときに跡が残ってしまいます。利用者が気持ちよく利用できるよう意識することが大切です。
トイレつまりが起こる前兆
トイレは突然つまってしまう場合もありますが、大抵の場合何かしらの前兆があります。トイレがつまってしまう前のサインを見逃さず、適切な対策を施せば、つまりを未然に防止できる可能性が高いです。トイレのつまりが起こる前兆にはどのようなケースがあるのかみていきましょう。
水の流れが悪くなる
タンクからの水は正常に流れるものの、便器内の水がスムーズに流れない場合は要注意です。便器や排水管内で軽度のつまりが発生しているおそれがあります。この症状は、しばらくすると水がスムーズに流れるようになるケースが多いので放置されがちです。しかし、そのまま使っているとつまりが悪化する可能性があります。
便器内の水位が下がらない
便器内の水位が徐々に高くなってきて下がらなくなった場合、つまりの症状が疑われます。これも同様に便器、排水管内に異物などが滞留している可能性が高いです。症状の度合いは、どれくらいの水位かで大体判別できます。
水を流したときに水位が高くなるものの徐々に水が減っていく場合は、すきまがあって完全にはつまっていない状態と考えられます。水位がまったく落ちない場合は、つまりが発生しているため対応が必要です。
タンクから流れる水が弱くて少ない
タンクから流れてくる水が少ない場合も、つまりやすい状態になっているといえます。タンクに水が溜まっていない、タンク内の部品が正常に作動していないなど、タンクに何らかの不具合が起きている際にあらわれる症状です。単純に水栓を開け忘れているケースもあるので一応確認しましょう。それ以外の場合は、タンクの部品が不具合を起こしている可能性が高いので対応が必要です。
水を流した時に変な音が聞こえる
水を流したときに「コポコポ」「ボコボコ」と聞き慣れない異音が聞こえたら、つまりが疑われます。この症状があらわれたら、どこから音がしているのかを確認し、トラブルが発生している場所の特定が必要です。
目視で確認できる箇所は症状をチェックして、できる対策を行いましょう。床下や排水管のなかは確認できないので専門業者に相談する必要があります。推測で対処すると症状が悪化するおそれがあるので控えましょう。
まとめ
トイレのつまりは突然発生してしまうこともありますが、多くの場合何らかの前兆があらわれます。その際にしっかり対策を行うことはもとより、普段からつまりが発生しないよう予防策をとることも大事です。予防を怠ったことによって、想定もしないトラブルに陥ってしまう可能性があります。問題解消に時間がかかってしまったり、修繕費用が高額になってしまったりするケースもあるため、日頃からトイレのつまり予防を意識して行いましょう。
トイレの水漏れ原因と自分で修理する方法
店舗やオフィスでトイレの水漏れが発生した場合、自分で修理可能か、それとも修理業者に依頼すべきなのかすぐに判断できる方は少ないのではないでしょうか。本記事では、トイレの水漏れ原因と自分で修理する方法、水漏れによって起こる二次被害について解説します。
【場所別】水漏れの原因と自分でできる修理方法
水漏れが起こった場合、まず原因を把握することが必要です。ここでは、場所別の水漏れ原因と自分でできる修理方法をご紹介します。なお、水漏れの被害が拡大しないように、作業をする前に必ず止水栓(元栓)を締めておくことを覚えておきましょう。
トイレタンク内の水漏れ原因と修理方法
トイレタンク内からポタポタと音がする場合、トイレタンク内にある部品の故障による水漏れが疑われます。
具体的にはタンク内のボールタップと呼ばれる浮き玉が付いた部品の故障や、タンク底のフロートゴムの劣化が考えられるでしょう。通常、規定の量まで水が溜まれば、ボールタップや浮き玉が作用して給水が止まる仕組みになっています。正常な位置まで溜まっても水が止まらない場合は、何らかの部品の不具合が発生している可能性が高いです。
ボールタップの浮き玉やフロートゴムのチェーンが何かに引っ掛かっている場合は元に戻し、破損している場合は交換することで大抵解消されます。また、浮き玉の根元に異物が挟まっている場合は除去し、ボールタップ内のパッキンや本体が傷んでいれば交換しましょう。フロートゴムに関しても同様です。
給水管や止水栓接合部の水漏れ原因と修理方法
給水管や止水栓の接合部からの水漏れもよくあるトラブルです。接合部が濡れていたり、床に水が溜まっていたりする場合は漏水の可能性があります。原因はおもにナットの緩みやパッキンの劣化によるものです。
ナットはレンチで締め直してみましょう。それでも直らない場合は、パッキンを交換することで大抵解消できます。パッキンを交換しても水漏れが続く場合は、給水管自体の交換が必要です。
なお、止水栓付近で作業する場合は、必ず元栓を閉めてから行いましょう。止水栓が劣化していると硬くて回らない場合がありますが、無理に回そうとすると破損するおそれもあるため、業者へ依頼してみてもらいましょう。
便器本体の水漏れ原因と修理方法
トイレの床面が濡れている場合、便器本体のひび割れや設備不良による漏水が考えられます。便器にものをぶつけるなどして破損してしまった場合、補修しても継続使用するのは危険です。ひびは徐々に広がっていくので、早めに交換する必要があります。
また、結露が原因の場合もあります。トイレの室温と便器内の水の温度差が大きい梅雨の時期や冬場に起こりやすく、水漏れではないため修理の必要はありません。
ひび割れは自力で修理するのは難しいため、専門業者に依頼しましょう。基本的にひび割れが起きた場合、トイレごと交換することがメーカーでは推奨されています。結露が原因の場合、こまめな換気、室内を暖めるなどの対策をするとよいでしょう
温水洗浄便座の水漏れ原因と修理方法
温水洗浄便座(ウォシュレット)から水漏れしている場合、ノズルから出る水の止水弁の故障や電気系統の故障の可能性が考えられます。また、ナットの緩みやパッキンの劣化、給水フィルターの目詰まりなども原因の一つです。
ノズルから出る水がリモコンボタンを押しても止まらない場合、リモコンの電池が切れている可能性があるため交換すれば直ります。ノズルの故障や電気系統の故障は、自力では対応が難しく危険もともなうため修理依頼しましょう。温水洗浄便座の水漏れはすぐに原因を特定しづらいため、業者への相談をおすすめします。
便器と床の間からの水漏れ原因と修理方法
便器と床の隙間から水が染み出している場合、トイレの設置不良によって便器と排水管の接合部がずれてしまっている可能性があります。トイレを新しいものに交換したり、修理で取り外したりしたときに起こりやすい症状です。
また、便器と配管を接続するのに使用されている「床フランジ」もしくは「排水ソケット」という部品の劣化も考えられるでしょう。床フランジと排水ソケットは接続方式が異なりますが、役割は変わりません。いずれも多くが樹脂製のため、経年劣化によって隙間ができると水漏れが起きてしまいます。
トイレの設置不良が原因の場合、自力での修理は難しいため業者に相談・修理依頼しましょう。床フランジや排水ソケットの劣化の場合も、便器を脱着して部品交換を行う必要があるため業者へ依頼する必要があります。
自分で修理が難しい場合は業者に依頼しよう
便器本体やトイレタンクから水漏れしていて、ひび割れが原因の場合は業者に依頼・交換してもらったほうがよいでしょう。トイレの設置不良の場合や、床下の便器と配管の接続部分を修理しなければならない場合も、自分では対応が難しいため修理依頼となります。
とにかくすぐに直したい場合、床が水浸しになっている場合も業者を呼んだほうが賢明です。自力で修理できれば当然お金はかかりませんが、無理に直そうとして症状が悪化し結局修理費用が高額になってしまうケースもあります。自分で修理する際に使う工具を揃える費用も必要です。
被害を拡大させないためにも、自分で修理するのが難しいと感じた時点で業者に依頼しましょう。
トイレ水漏れが引き起こす二次被害
トイレの水漏れが発生したらできるだけ早く対応する必要があります。思わぬトラブルにつながる可能性もあるため、症状が軽いからといって放置するのは危険です。トイレの水漏れによって起こりうる二次被害について解説します。
下階への影響
テナントビルなどの場合、下の階のオフィスや店舗に水漏れしてしまうおそれもあります。補修費用や損害賠償を請求されるなどトラブルになる可能性があるため、速やかな対処が必要です。下の階への損害補償は火災保険で賄える場合があります。万が一に備えて確認しておきましょう。
床や壁紙などにカビが発生
水漏れが起きると、湿気によってカビが発生するおそれがあります。カビが繁殖すると健康被害にもつながるため注意が必要です。カビが発生したらまず換気を行ってカビの胞子を外に排出し、そのあときれいに掃除しましょう。カビが広がらないよう、できる限り水漏れの対応を速やかに行う必要があります。
シロアリ被害
水漏れによるシロアリ被害にも要注意です。シロアリは湿った木材を好んで食べる傾向があるため、水漏れを放置していると繁殖してしまうおそれがあります。建物の土台や柱を食い潰されると、最悪の場合、家屋が倒壊する可能性もあり危険です。水漏れには迅速に対応し、シロアリが繁殖しないような環境を整えましょう。
床材などが腐食
水漏れによる床材の劣化や腐食にも注意が必要です。家屋の床には、板を貼り合わせた「合板フローリング」が使われており、水漏れによってこの板が剥がれてくる可能性があります。合板フローリングが剥がれたら新しく貼り替えるか、上から新たに床材を重ねる必要がありますが、いずれも自力で行うのは難しく業者依頼が必要です。
無駄な手間や費用が発生しないよう、できるだけ早く水漏れの対処を行いましょう。
漏電
水漏れで温水洗浄便座のコードやコンセントなどが濡れてしまうと、漏電や感電のおそれがあり危険です。水漏れが発生したら水の流れを止めると同時に、電気関係の安全確保を行いましょう。漏電の危険がある場合は、電気系統の機器に近づかないようにすることが大事です。水漏れによる漏電が疑われる場合は、電気保安協会や電気工事会社に調査依頼しましょう。
二次被害を起こさないために適切な処置をしよう
トイレの水漏れは正しい原因を把握し、適切な対処を行うことが重要です。自力で修理できるか、業者に修理依頼する必要があるかの判断は、水漏れをしている場所や症状の度合いである程度わかります。
水漏れへの対処が遅れたり、放置したりすると、下の階への被害や床材の腐食、漏電などさまざま二次被害につながる可能性があります。できる限り早期に対応して被害の拡大を防止しましょう。