節水トイレにリフォームするメリットとおすすめ商品
節水トイレはメーカーによっても機能がさまざまで、予算も変わります。本項では節水トイレのメリットと主要メーカーの商品について特徴を紹介します。
節水トイレにリフォームするメリット
節水トイレは従来のトイレよりも高価なため、いざリフォームをしようと考えたときに諦めてしまう方も少なくありません。しかし節水トイレは日々の洗浄水量を減らすことで初期費用を上回る節約効果がありながら日々の掃除でも手間を減らしてくれるためおすすめの製品でもあります。ここでは節水トイレへリフォームすることで得られるメリットについて詳しく解説します。
- 少ない水量で洗浄して水道料金の節約になる
- 最新モデルでは手入れが簡単
節水トイレにリフォームするメリットの一つ目は、水道代の節約になることです。節水トイレは従来のトイレと比較して水の流し方に工夫がされているため流す力が強力で、少ない水量でも排泄物を流すことができます。
2006年に省エネ・防犯住宅推進委員会が発表した参考書によると、「1989年~2001年に発売した便器と比較し、ECO5便器は約69%の節水になる」と紹介しています。金額にすると、年間約13,800円もの節約が可能です。
年間使用水量を大きく削減できるため長く使えば使うほど節水による効果は大きくなり、従来のトイレと比較して水道代の節約になります。リフォームをするときの初期費用は高額ですがトイレの寿命と言われている10年の使用で約14万円の節約が期待できることから長い目で見た場合、節水トイレにリフォームをすることでお得になる家庭が多いのも事実です。
メリットの二つ目は日々行う手入れが楽になることが挙げられます。TOTO製品ではトルネード洗浄と呼ばれる機能で渦巻き状に水を流すことで水の勢いを高めるだけでなく便器の内側をくまなく洗い流します。LIXILの製品では汚れを落としやすいアクアセラミックを便器の素材として採用することで汚れの付着や水垢、カビを防止しています。
ほかにも、凹凸がないことで直線的に掃除ができる形状、タンクレスであることでトイレまわりの掃除がしやすいなど、新型トイレは手入れがしやすく、綺麗に保つための機能が各メーカーで施されています。
おすすめの節水トイレ
近年では多くのメーカーが節水トイレに力を注いでおり、さまざまな節水トイレが発売されています。その中でも、主要メーカーの3商品を紹介します。
TOTOのネオレストシリーズは、きれい除菌水によって抗菌状態を保つ節水トイレです。トイレ使用後には除菌水が放水され、便座裏の汚れを漂白・除菌します。ウォシュレットのノズルも、使用後は除菌水によって自動除菌されます。ノズルの中まで綺麗に除菌することで、清潔な状態を保てるよう工夫されています。
また、従来の釉薬の上にガラス層を焼き付けることで、1nm(1ナノメートル)とナノレベルで表面を滑らかに仕上げています。さらに、トイレ使用前には除菌水を吹き付け汚れを付きにくくし、トイレ使用後は「トルネード洗浄」で隅々まで洗い流すことで、汚れがほとんど残りません。凹凸のないフチなし形状であるほか、便器と便座のすき間を抑えたデザインにもなっています。段差がないことで掃除がしやすく、便器の内外を綺麗に保ちやすいのが特徴です。
- 商品名:ネオレストAS
- 本体費用:432,300円~(税込)
- 水量:大3.8L・小3.0L
- 年間節水量の目安:年間約57,200Lの節水
- 年間節約金額の目安:年間約15,100円の節約
- 商品ページ:https://jp.toto.com/products/toilet/neorest/
LIXILのサティスは便器の素材に汚れが落ちやすいアクアセラミックを使用することで少ない水量でも簡単に汚れを流してきれいな状態を保ちやすいのが特徴です。また、便器内のすみずみまで洗い流すパワーストリーム洗浄によって、わずかな汚れも残しません。便器に傷が付きにくいのはもちろん、プラズマクラスターによる便器内除菌も完備されており、カビや臭いの原因となる菌の発生を防いでくれます。
サティスは座り心地にも工夫されたデザインであることが有名で、便座が広めに作られており、太ももの圧迫感が軽減されることで、ゆったりとした座り心地があります。便座の手触りもさらっとしており、夏場でも汗でべた付かずに快適に使用できるでしょう。
ラクふきフォルムと呼ばれるサティスGタイプの形状は凹凸が少ないため日頃の掃除も簡単で、便座を持ち上げることで便座と便器の隙間汚れもしっかり掃除できる点も高評価。便器のフチをなくしてお掃除ラクラクなことが売りです。
- 商品名:サティスG
- 本体費用:403,700円~(税込)
- 水量:大5.0L・小3.8L
- 年間節水量の目安:年間約52,000Lの節水
- 年間節約金額の目安:年間約13,800円の節約
- 商品ページ:https://www.lixil.co.jp/lineup/toiletroom/satis/
Panasonicのアラウーノはタンクレストイレの中でも安価であることから人気の高い製品で、タンクレストイレでありながら手洗い付きタイプにも対応ができるためコンパクトに利用できる点が喜ばれています。
水洗時には3Dツイスター水流によってまんべんなく洗い流し、少ない水量でも高い洗浄力を誇ります。陶器よりもさらに水垢や汚れが付きにくい有機ガラス系の通称スゴピカ素材を使用していることもあり、黒ずみやぬめりなどの汚れには強いのも特徴です。
さらに圧送タイプの展開もされており、速回転刃によって汚物やトイレットペーパーを粉砕し小さくして圧送ポンプによって上方向や横方向にも配管を通せます。今まで床上げが必要であったり、配管工事の大変な場所だったりと工事を諦めていた場所でも設置が可能になりました。
- 商品名:New アラウーノV
- 本体費用:216,700円~(税込)
- 水量:大4.6L・小3.0L
- 年間節水量の目安:年間約56,000Lの節水
- 年間節約金額の目安:年間14,800円の節約
- 商品ページ:https://sumai.panasonic.jp/toilet/alauno/new_alauno_v/
トイレリフォームにかかる費用相場と内訳
トイレをリフォームしたいと考えていても、どの程度の費用がかかるのかわからないという方もいるかもしれません。費用は、トイレのタイプによって変わってくるものです。そこで今回は、トイレリフォームにかかる費用相場や内訳について解説いたします。
また、安くリフォームを行うコツについて解説します。賢くトイレリフォームを行うためにも、参考にしてください。
トイレリフォームはだいたい20万円が相場
トイレリフォームの大まかな予算としては、10万円~25万円の範囲が相場です。トイレのリフォーム事例は幅広く、10万円未満から100万円以上まであります。中でも、便器や床材、クロスを一新するリフォームが特に人気です。
また和式から洋式への変更でも、15万円~50万円程度の予算が見込まれます。トイレのリフォーム費用が変動するのは、不具合が原因での交換や経年劣化に伴うリフォームなど、設置状況や新しい製品に求める機能が人によって異なるためです。
トイレのタイプで費用が変わる
トイレには大きく3つのタイプがあります。トイレリフォームは、新たに設置するトイレのタイプにより費用が変わってきます。
ここではトイレのタイプ別にリフォーム費用をご紹介いたします。
分離型トイレは、最も普及している種類となります。独立した便器やタンク、便座を組み合わせた形状であり、便座(ウォシュレット等)は別売りです。比較的安価で、タンク上部の手洗いの有無を選べる点がメリットです。
例えば、TOTOのベーシックトイレ「ピュアレストQR」は、交換工事費込みで8万円台から施工ができます。超節水で汚れにくく掃除がしやすいため、コストパフォーマンスに優れている点が魅力です。
便器やタンク、温水洗浄便座が一体となっているトイレが、一体型トイレです。製品によっては手洗いが付いたタイプと、手洗いがないタイプを選ぶことができます。凹凸が少ないデザインであり、掃除がしやすい点などがメリットです。
例えばLIXILのアメージュシャワートイレは、安いものの場合、工事費込み102,100円から交換が可能です。
一体型トイレは便座が一体となっているため、便座のみ故障した場合にもトイレをまるごと交換する必要がある点がデメリットです。しかしトイレにモダンな印象を創出するなどデザイン面で優れます。
タンクレストイレは、水を溜めるタンクがなくデザインに拘る方に人気です。凹凸が少ないデザインであり、掃除をしやすいことが評価されています。
またスタイリッシュでデザイン性が高く、節水効果の高さが最大の特徴です。
例えばTOTOのネオレストシリーズは、交換費用込みで226,759円からリフォームすることができます。
フチ無し形状であり、ひと目で汚れの確認ができるでしょう。またトルネード洗浄により、汚れが付きやすい便器の後側に勢い十分に水が当たり、汚れを落としてくれます。
リフォーム費用の内訳
リフォームに必要な費用の内訳は以下の通りです。
- トイレ本体の交換
- 床材の張替え
- 壁紙(クロス)の張替え
トイレ本体のみ交換する場合は、約8万円~35万円が相場です。最近ではトイレは温水洗浄便座付きが一般的であり、トイレのリフォーム費用は本体・便座のグレードにより異なります。中でも便器がタンク付きとタンクレスのどちらかという点が、大きく左右します。
便器や便座を交換する費用は、古い便器の撤去費用、商品代と取付費用、給排水工事費用といった費用を要します。古い便器の撤去費用が約1万円前後、新規の便器や便座の取付費用が約2万円~3万円ほどと見積もっておきましょう。
商品代はメーカーや機能によって差がありますが、タンク付きトイレの場合、約10万円~20万円、タンクレストイレであれば約20万円~30万円が目安です。
クッションフロアを張替える場合はフローリングへの重ね張りの場合は2万円~3万円が相場です。既存のクッションフロアを撤去する場合はその分費用は高くなりますが大きく変化はしません。
フローリングは張替えが3万円~6万円が目安です。重ね張りの相場は既存撤去がない分安く、2万円から5万円ほどです。
フロアタイルは張替えが4万円から7万円、重ね張りだと3万円~6万円ほど必要です。
クッションフロアは床材として特に人気であり、耐水性に優れており掃除がしやすいです。費用が安いため、衛生面においても定期的な交換が求められるトイレの床材としておすすめです。フローリングも人気がありますが、水に強いわけではないため使用する際はコーティング加工が必須となります。
フローリングは狭いトイレであっても、木の温もりが落ち着いた空間に創出してくれる点で評価されています。
トイレの床はこれまで耐久性に優れており簡単にメンテナンスができるタイルの床が主流でしたが、現在では安価で施工ができ、掃除もしやすいクッションフロアの家が増えています。
量産品クロスの場合、1畳ほどのトイレでは15,000円~20,000円でリフォームが可能です。グレードアップして、撥水性や耐水性の高い一般品クロスを使用した場合は、20,000円~30,000円ほどが必要です。
トイレの一部の面のみ色や柄を変えてアクセントを与えるアクセントクロスの住宅も増えています。アクセントクロスの効果は、単調になりがちな部屋の印象を変えることができるほか、明度の差を利用して広く見せる効果もあります。
施工費用は大きく変わりませんが、色付きのクロスは他の面に使用する白いクロスよりも高くいものが多いので数千円ほど費用が多くかかります。
手すりを設置する場合は、介護の目的が主で使用する方の負担を減らし、自立した生活を支援するためにも有効です。
トイレのための手すりは数種類あり、水平型手すり・I字型手すり・L字型手すりが代表的です。
水平型手すりは手すりを掴み水平移動することを目的として設置されます。I字型手すりは、立つことや座る動作あるいは立った姿勢を安定させるために設置します。L字型手すりの形状は、縦横両方に手すりが伸びています。立ち座りもしくは肘を置いて身体を支える際、横への移動をする時に便利です。
トイレに手すりを設置する場合には、手すり本体の料金と工事費を含めて約3万円~10万円が費用相場です。この費用は1か所に取り付けるケースであり、複数箇所に手すりを取り付ける場合は追加費用が発生することを覚えておきましょう。
安くリフォームを行うためのコツ
トイレを安くリフォームしたいと考える方は下記のことを意識して見るとよいでしょう。詳しく解説をします。
- 相見積もりをして業者を選ぶ
- 補助金や助成金、減税制度を利用する
- 節水型のトイレへ交換する
業者を選ぶ際には、相見積もりをすることが大事です。複数の業者から見積もりをしてもらい選ぶことで相場費用を知ることができるだけでなくさまざまなリフォームプランの提案を聞けます。1社のみから見積もりを取った場合は、その価格が適正なのか判断できないため注意しましょう。
リフォームの際には、その家ごとに状態やトイレ室内の形状が違うことから予期せぬ費用が発生する場合があります。しっかりと現地調査を行い、より詳細に見積もりを作成していくれる業者に任せるのが安心です。
安くリフォームを行う方法として住んでいる地域の自治体からの補助金を受ける方法があります。
例を挙げると、東京都品川区では節水型トイレへのリフォームやバリアフリー化を行った場合に、20万円を上限に工事費用の10%を助成しています。
ただ自治体ごとに補助金の有無や助成額、申請方法などが異なるため、インターネットや役所で確認をしましょう。またリフォームによる減税は、所得税や固定資産税を減税できる制度です。エコあるいはバリアフリーについてのリフォームが対象となっているので対象工事かどうかも確認しておく必要があります。
所得税の減税は住宅ローン減税と投資型減税の2種類があります。住宅ローンを借り入れてリフォーム資金を確保する場合は、住宅ローン減税が利用可能です。そして、自己資金による現金払いを選択する場合は投資型減税を利用できます。
節水型のトイレに交換すると、水道代を節約することができます。例えばTOTOには、ピュアレストQRという製品があります。昔の13リットルタイプのトイレと3.8リットルタイプの節水型トイレを比較し換算すると、およそ75%の節水ができることになります。
ピュアレストQRは、掃除のしやすさを追求したTOTO独自のデザインであり、フチなし形状は奥まで便器にフチがありません。そのため掃除が楽である点がメリットです。節水型のトイレは施工費用は高くなりますが、長期的な視点で見た場合にお得となります。