トイレリフォームの目安は築何年?
日常生活で必要不可欠なトイレですが長年使い続けていると劣化し、場合によっては突然故障して使えなくなってしまうこともあります。そこで、トイレの故障を防ぎ快適に使うためには、早めのリフォームが重要です。
ここでは、トイレは築何年を目安にリフォームすればよいのか紹介するとともに、交換を検討するべき症状やおすすめのトイレについて解説します。
トイレリフォームは築10年を目安に検討
結論から言うと、トイレのリフォームは築10年を目安に検討するべきと言えます。
理由としては、便器自体は100年もつほどの耐久性があるものの、便器以外のタンク内部の部品等の寿命が10年程度であるためです。
また、LIXILのEAシリーズなどの温水洗浄便座は、電化製品であるためさらに寿命が短く、使用頻度にもよりますが5年~10年と言われています。
どういうときに交換を検討すべき?
トイレのタンク内の部品の寿命は約10年であることはわかりましたが、具体的にはどのタイミングでリフォームを検討するべきなのでしょうか?
ここでは、トイレのリフォーム工事を検討するべきタイミングを4つご紹介します。
本項目で紹介する症状が自宅のトイレで見受けられる場合は、完全に使えなくなってしまう前にリフォームを検討しましょう。
トイレの部品や便器が故障している場合はなるべく早めのリフォームをおすすめします。
トイレが故障した際の対処法としては部品交換と全交換の2パターンが考えられますが、それぞれメリットとデメリットがあるため、状況に応じてベストな選択をしましょう。
一般的に部品交換は安価で済むためあまり年数が経っていないトイレにおすすめですが、便器の汚れはそのままだったり別の箇所が寿命で故障したりするデメリットがあります。
反対に、便器を全て交換する場合は費用はかかるもののトイレは新品となるため、しばらくは故障の心配がありません。
頻繁にトイレのつまりや水漏れなどの不具合が発生する場合はトイレの寿命が近いと言えるでしょう。
トイレがつまる原因は、部品の劣化や長年の使用で溜まった汚れによる洗浄不良などが考えられ、水漏れはパッキンや配管の劣化が原因であることが多いです。
パッキンやタンク内の部品の劣化が原因で水漏れしている場合はDIYで簡単な部品交換で直る場合もありますが、便器の下から水漏れしている場合や、つまりが頻繁に発生する場合は大掛かりな工事が必要となる可能性が高いため、リフォームを検討しましょう。
二世帯同居や子どもの独立など、生活スタイルが変化した時もトイレをリフォームする時期としておすすめです。
二世帯同居の場合は、掃除のしやすさやバリアフリーを意識してのリフォームがおすすめで、除菌水が流れ自動で便器をきれいにしてくれるタンクレストイレなどを選択肢に入れましょう。
また、床も同時にリフォームする場合は汚れが落ちにくいフローリングではなく、拭くだけで簡単に汚れが落ち、価格も安価なクッションフロアもおすすめです。
キッチンなど、トイレ以外の水まわりをリフォームをする予定がある方は、トイレのリフォームも並行して行うとお得になる可能性があります。
理由としては、リフォーム会社によってはトイレとキッチン、浴室、洗面所をリフォームすると、通常よりも安くなる3点・4点セットプランがあるためです。
リフォーム会社によって料金はさまざまのため、水まわりのリフォームを検討している方は、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
自宅に合ったトイレの選び方
トイレはTOTOやLIXILなど各メーカーからさまざまな種類の商品が販売されており、自宅に合ったトイレを選ぶことでより快適な生活が可能です。
本項目では、2種類のトイレについてどんな方におすすめなのかを理由とともに紹介します。
トイレの種類別の特徴やメリットが知りたい方や、自宅にどのトイレを取り付けようか迷っている方は参考にしてください。
便器とタンクが分離した分離型トイレは、本体やメンテナンスの際の費用が安いことが大きな特徴です。
分離型トイレは一体型トイレと異なり、それぞれのパーツが独立しているため、必要なものだけを組み合わせて設置できるため初期費用を抑えられます。
また、万が一故障した際も、壊れた部品だけを交換するだけで直る場合が多いため、なるべく費用を抑えたい方には分離型トイレがおすすめです。
簡単にお手入れできるトイレを設置したいなら一体型トイレやタンクレストイレがおすすめです。
一体型トイレやタンクレストイレはタンクと便器、便座が一体となっているため、パーツのつなぎ目や隙間が少なく、掃除が簡単です。
手洗いが必要な方は有無を選択できる一体型トイレを、おしゃれなトイレが好みの方は、スタイリッシュなデザインのタンクレストイレをおすすめします。
LIXIL製トイレの特徴と代表機種
トイレリフォームの際にどうやって製品を選べば良いのかなど疑問が浮かんでくると思います。
この記事ではLIXIL(INAX)のトイレにリフォームする前に知っておきたいことを紹介します。
LIXIL製トイレの特徴
ここではLIXIL製トイレの特徴として他社製品と大きく異なる機能について紹介します。
- 掃除がしやすくキレイ長持ち
- プラズマクラスターイオンで除菌・消臭
- 女性に優しいキレイノズル
従来の便器は経年で汚れが付着して掃除をするのが大変ですが、LIXILの便器は掃除が容易にでき、日頃のお手入れの手間が少ないとされています。その理由は次の2つが挙げられます。
- アクアセラミック
- お掃除リフトアップ
アクアセラミックは、LIXIL製のトイレの表面に使用されている素材のことを指します。
従来のトイレに比べて、水垢が表面に固着するのを防ぐ構造であり、日頃の掃除で水垢を簡単に落とせるためキレイな状態を維持しやすいです。さらに傷がつきにくい材質のため、傷の隙間に汚れが付着しにくいという特徴があります。
お掃除リフトアップとは、トイレの機能を指します。便座が真上に上がる機能であり、便座と便器に手が入る隙間ができることで、気になる隙間汚れを簡単に掃除することができます。
そもそもプラズマクラスターって名前は聞いたことがあるけれど、何なのか説明できる人は少ないと思います。
プラズマクラスターとはSHARPが開発した技術であり、自然界にある水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンをプラズマ放電により空気中に放出する技術のことを指します。プラズマクラスターにより発生したイオンが、トイレのにおいの元となる「ニオイ原因菌」を除菌することで、においの発生を抑える効果があります。
一般的なトイレにはノズルは1つしかありませんが、LIXILのトイレにはおしり専用、ビデ専用の2つ備え付けられています。 デリケートゾーンの洗浄の際には、おしり洗浄時の汚物がつく心配がなく、女性に優しい仕様となっています。
デリケート部分の洗浄を考慮し、優しい洗い心地が特徴です。多数の小さな穴から空気を含んだ柔らかい泡沫水を出すことで、ビデ専用ノズルならではの優しい洗浄が可能なのがメリットです。
LIXIL製のおすすめトイレ
人気のある代表的な製品は次の3つです。
- アメージュシリーズ
- サティスシリーズ
- リフォレシリーズ
引用:LIXIL
アメージュシリーズは用途に応じて便座と便器の組み合わせを自由に選ぶことができ、好みに合わせてカスタマイズができる点に特徴があります。また、地球環境に配慮した超節水トイレを採用しており、省エネで水道代を抑えられ、家計にも優しいです。
アメージュ便器の価格帯:217,140円〜(税込)
※CW-KB31(便座)と組み合わせた場合
※表示価格は商品のみのメーカー希望小売価格です。取付工事費は別途かかります。
引用:LIXIL
便器の奥にタンクがない、タンクレストイレであり、インテリアに調和したスタイリッシュなデザイン、ゆったりと落ち着く座り心地が特徴です。タンクを無くした無駄のない内装にこだわる人は必見です。
費用:358,600円〜(税込)
※表示価格は商品のみのメーカー希望小売価格です。取付工事費は別途かかります。
引用:LIXIL
タンク横にキャビネットが付いており、トイレットペーパーや掃除道具を収納ができるのが特徴です。また、タンク横の使い辛い隙間のお掃除がしやすく、日頃のお手入れも簡単にできます。
費用:282,700円〜(税込)
※表示価格は商品のみのメーカー希望小売価格です。取付工事費は別途かかります。
トイレリフォームの施工内容
ここではトイレリフォームの際の施工内容について解説をします。施工内容はメーカーを問わず基本的には同じ内容です。
- ①養生
- ②既存のトイレを撤去
- ③壁、床の下地処理(施工する場合)
- ④クロス、床材の張替えまたは上張り(施工する場合)
- ⑤新しいトイレの設置・配管接続
- ⑥アクセサリー、手すりの設置
資材や製品搬出入の際に床や壁に傷がついたり、汚れが付着することを防ぐためにシートを使用して養生を行います。
トイレ内の養生完了後、タンク、便器などを取り外します。狭い空間のため、慎重に作業する必要があります。
内装工事を同時に行う場合は下地処理も必要です。
古い壁や床は歪みやひび割れで凹凸ができているケースがありますし、手すりを設置する場合は補強が必要です。
クロス張替えの際には厚さのあるリフォーム用の壁紙がおすすめです。多少の下地の悪さを隠してくれる役割があります。
また、一面をアクセントクロスにして雰囲気をガラッと変えるというのも悪くありません。
内装材施工後には新しいトイレを設置し、給排水の配管に接続します。この作業が完了すればトイレとして機能するようになります。
トイレの設置後は、キャビネットやペーパーホルダー、手すりなどを取り付けます。小さなアクセサリーですが、設置位置、高さは使用勝手に影響するので、注意する必要があります。
トイレリフォームにかかる費用相場と内訳
トイレをリフォームしたいと考えていても、どの程度の費用がかかるのかわからないという方もいるでしょう。
リフォームにかかる費用はトイレのタイプによって変わってくるものです。そこで今回は、トイレリフォームにかかる費用相場や内訳について解説いたします。
また、安くリフォームを行うコツについて解説します。賢くトイレリフォームを行うためにも、ぜひ参考にしてください。
トイレリフォームはだいたい20万円が相場
トイレリフォームの大まかな予算としては、10万円~25万円の範囲が相場です。トイレのリフォーム事例は幅広く、10万円未満から100万円以上まであります。中でも、便器や床材、クロスを一新するリフォームが特に人気です。
また和式から洋式への変更でも、15万円~50万円程度の予算が見込まれます。
トイレのリフォーム費用の相場に大きく幅があるのは、設置状況や新しい製品に求める機能が人によって異なるためです。
不具合が原因での交換や経年劣化に伴うリフォームなど目的によって作業内容によって費用が大きく変動します。
トイレのタイプで費用が変わる
トイレには大きく3つのタイプがあります。トイレリフォームは、新たに設置するトイレのタイプにより費用が変わってきます。
ここではトイレのタイプ別にリフォーム費用をご紹介いたします。
分離型トイレ(組み合わせ便器)
分離型トイレは、最も普及している種類となります。独立した便器やタンク、便座を組み合わせた形状であり、便座(ウォシュレット等)は別売りです。比較的安価で、タンク上部の手洗いの有無を選べる点がメリットです。
例えば、TOTOのベーシックトイレ「ピュアレストQR」は、交換工事費込みで8万円台から施工ができます。超節水で汚れにくく掃除がしやすいため、コストパフォーマンスに優れている点が魅力です。
一体型トイレ
便器やタンク、温水洗浄便座が一体となっているトイレが、一体型トイレです。製品によっては手洗いが付いたタイプと、手洗いがないタイプを選ぶことができます。凹凸が少ないデザインであり、掃除がしやすい点などがメリットです。
例えばLIXILのアメージュシャワートイレは、安いものの場合、工事費込み102,100円から交換が可能です。
一体型トイレは便座が一体となっているため、便座のみ故障した場合にもトイレをまるごと交換する必要がある点がデメリットです。しかしトイレにモダンな印象を創出するなどデザイン面で優れます。
タンクレストイレ
タンクレストイレは、水を溜めるタンクがなくデザインに拘る方に人気です。凹凸が少ないデザインであり、掃除をしやすいことが評価されています。
またスタイリッシュでデザイン性が高く、節水効果の高さが最大の特徴です。
例えばTOTOのネオレストシリーズは、交換費用込みで226,759円からリフォームすることができます。
フチ無し形状であり、ひと目で汚れの確認ができるでしょう。またトルネード洗浄により、汚れが付きやすい便器の後側に勢い十分に水が当たり、汚れを落としてくれます。
リフォーム費用の内訳
リフォームに必要な費用の内訳は以下の通りです。
- トイレ本体の交換
- 床材の張替え
- 壁紙(クロス)の張替え
トイレ本体の交換
トイレ本体のみ交換する場合は、約8万円~35万円が相場です。最近ではトイレは温水洗浄便座付きが一般的であり、トイレのリフォーム費用は本体・便座のグレードにより異なります。中でも便器がタンク付きとタンクレスのどちらかという点が、大きく左右します。
便器や便座を交換する費用は、古い便器の撤去費用、商品代と取付費用、給排水工事費用といった費用を要します。古い便器の撤去費用が約1万円前後、新規の便器や便座の取付費用が約2万円~3万円ほどと見積もっておきましょう。
商品代はメーカーや機能によって差がありますが、タンク付きトイレの場合、約10万円~20万円、タンクレストイレであれば約20万円~30万円が目安です。
床材の張替え
クッションフロアを張替える場合はフローリングへの重ね張りの場合は2万円~3万円が相場です。既存のクッションフロアを撤去する場合はその分費用は高くなりますが大きく変化はしません。
フローリングは張替えが3万円~6万円が目安です。重ね張りの相場は既存撤去がない分安く、2万円から5万円ほどです。
フロアタイルは張替えが4万円から7万円、重ね張りだと3万円~6万円ほど必要です。
クッションフロアは床材として特に人気であり、耐水性に優れており掃除がしやすいです。費用が安いため、衛生面においても定期的な交換が求められるトイレの床材としておすすめです。フローリングも人気がありますが、水に強いわけではないため使用する際はコーティング加工が必須となります。
フローリングは狭いトイレであっても、木の温もりが落ち着いた空間に創出してくれる点で評価されています。
トイレの床はこれまで耐久性に優れており簡単にメンテナンスができるタイルの床が主流でしたが、現在では安価で施工ができ、掃除もしやすいクッションフロアの家が増えています。
壁紙(クロス)の張替え
量産品クロスの場合、1畳ほどのトイレでは15,000円~20,000円でリフォームが可能です。グレードアップして、撥水性や耐水性の高い一般品クロスを使用した場合は、20,000円~30,000円ほどが必要です。
トイレの一部の面のみ色や柄を変えてアクセントを与えるアクセントクロスの住宅も増えています。アクセントクロスの効果は、単調になりがちな部屋の印象を変えることができるほか、明度の差を利用して広く見せる効果もあります。
施工費用は大きく変わりませんが、色付きのクロスは他の面に使用する白いクロスよりも高くいものが多いので数千円ほど費用が多くかかります。
手すりの設置
手すりを設置する場合は、介護の目的が主で使用する方の負担を減らし、自立した生活を支援するためにも有効です。
トイレのための手すりは数種類あり、水平型手すり・I字型手すり・L字型手すりが代表的です。
水平型手すりは手すりを掴み水平移動することを目的として設置されます。I字型手すりは、立つことや座る動作あるいは立った姿勢を安定させるために設置します。L字型手すりの形状は、縦横両方に手すりが伸びています。立ち座りもしくは肘を置いて身体を支える際、横への移動をする時に便利です。
トイレに手すりを設置する場合には、手すり本体の料金と工事費を含めて約3万円~10万円が費用相場です。この費用は1か所に取り付けるケースであり、複数箇所に手すりを取り付ける場合は追加費用が発生することを覚えておきましょう。
安くリフォームを行うためのコツ
トイレを安くリフォームしたいと考える方は下記のことを意識して見るとよいでしょう。詳しく解説をします。
- 相見積もりをして業者を選ぶ
- 補助金や助成金、減税制度を利用する
- 節水型のトイレへ交換する
相見積もりをして業者を選ぶ
業者を選ぶ際には、相見積もりをすることが大事です。複数の業者から見積もりをしてもらい選ぶことで相場費用を知ることができるだけでなくさまざまなリフォームプランの提案を聞けます。1社のみから見積もりを取った場合は、その価格が適正なのか判断できないため注意しましょう。
リフォームの際には、その家ごとに状態やトイレ室内の形状が違うことから予期せぬ費用が発生する場合があります。しっかりと現地調査を行い、より詳細に見積もりを作成していくれる業者に任せるのが安心です。
補助金や助成金、減税制度を利用する
安くリフォームを行う方法として住んでいる地域の自治体からの補助金を受ける方法があります。
例を挙げると、東京都品川区では節水型トイレへのリフォームやバリアフリー化を行った場合に、20万円を上限に工事費用の10%を助成しています。
ただ自治体ごとに補助金の有無や助成額、申請方法などが異なるため、インターネットや役所で確認をしましょう。またリフォームによる減税は、所得税や固定資産税を減税できる制度です。エコあるいはバリアフリーについてのリフォームが対象となっているので対象工事かどうかも確認しておく必要があります。
所得税の減税は住宅ローン減税と投資型減税の2種類があります。住宅ローンを借り入れてリフォーム資金を確保する場合は、住宅ローン減税が利用可能です。そして、自己資金による現金払いを選択する場合は投資型減税を利用できます。
節水型のトイレへ交換する
節水型のトイレに交換すると、水道代を節約することができます。例えばTOTOには、ピュアレストQRという製品があります。昔の13リットルタイプのトイレと3.8リットルタイプの節水型トイレを比較し換算すると、およそ75%の節水ができることになります。
ピュアレストQRは、掃除のしやすさを追求したTOTO独自のデザインであり、フチなし形状は奥まで便器にフチがありません。そのため掃除が楽である点がメリットです。節水型のトイレは施工費用は高くなりますが、長期的な視点で見た場合にお得となります。