トイレリフォームのおすすめ床材とその費用相場
自宅の築年数が経つにつれて、トイレの床の劣化が気になる方も多いです。トイレの床は短期間で施工ができトイレの印象を大きく変えることもできます。
ここではデザイン、費用、機能性からあなたに合った床材の選定をお手伝いします。
トイレリフォームでおすすめの床材
トイレのリフォームでよく使われる床材は、クッションフロア、フロアタイル、フローリングが代表的です。
床材を選ぶ際にはそれぞれの特性を把握し、目的や予算に合わせて選びましょう。
クッションフロアはトイレの床材としてよく使われている素材です。塩化ビニル系のシートで、弾力があり衝撃を吸収してくれるので、高齢者の足元にも優しい床材です。
クッションフロアは耐水性に優れ、洗剤にも強く掃除をしやすいのも、主婦には嬉しいところ。価格も比較的リーズナブルなので、定期的に床材を張り替えたい人にも向いている素材です。
フロアタイルには、見た目はタイルに似ているもののクッションフロアと同じように塩化ビニル系の素材のものと、従来のセラミックタイルがあります。塩化ビニル系のものは弾性がない点が、クッションフロアと大きく異なります。
フロアタイルはクッションフロア同様に耐水性に優れ、また、クッションフロアよりも耐久性が高いのが特徴です。
フローリングには、天然の木板をそのまま利用する無垢フローリングと、合板をベースにして木目などを印刷した化粧シートや突板を貼った、複合フローリングがあります。
フローリング床は他の部屋との統一感を得やすい反面、腐食しやすい素材であるため、耐水性の高いものを選ぶなどの工夫が必要です。
床材張替え、上張りの費用相場
トイレの床張替えを依頼する場合、材料費だけでなく施工費や廃材処分費もあらかじめ見積もっておきましょう。
床材のリフォームは、既存の床材の上に新しい床材を貼る「上張り」と、全面的に交換する「張替え」があります。工費は2万円~6万円が相場と言われていますが、張替えの場合は割高になります。
また、素材別に見た場合では、クッションフロアはリーズナブルなのに対し、フロアタイルやフローリングは費用が高い傾向にあります。
クッションフロアの施工費用は、1万円~2万円が目安です。作業時間が長くないため、クロス張替えと同時に行うことで施工費は少し抑えることができます。
ここでは例として1畳サイズのトイレでの費用相場を紹介します。
- 材料費(クッションフロア1m):3,000円
- 施工費:12,000円
- 合計:15,000円
フロアタイルは4万円~5万円が相場と言われています。
フロアタイルは傷や水、汚れに強く、クッションフロアよりも値は張りますが高性能な床材です。正方形のタイル材を敷き詰めるように張っていきます。
- 材料費(4㎡):20,000円~30,000円
- 施工費:20,000円
- 合計40,000円~50,000円
- 材料費(4㎡):20,000円~30,000円
- 施工費:25,000円
- 廃材処分費:3,000円
- 合計48,000円~58,000円
フローリングは3万円~5万円が相場と言われています。
フローリングで施工する場合は使用する素材によって費用が大きく変わることもあるので注意して選びましょう。廊下とのジョイントをなくし、地続きになるように施工するのもおすすめです。
- 材料費(4㎡):15,000円~25,000円
- 施工費:20,000円
- 合計35,000円~45,000円
- 材料費(4㎡):15,000円~25,000円
- 施工費:22,000円
- 廃材処分費:3,000円
- 合計40,000円~50,000円
床材の選び方
床材を選ぶ際には、費用だけでなく掃除のしやすさや耐久性などの機能性を考慮して選択するのがおすすめです。
本項では床材を選ぶ際に意識したいことを紹介しますので参考にしてください。
リフォーム業者と見積もりを相談する際には、職人にサンプルを持参してもらいましょう。床を歩いた時の感触は、高齢者のいる家庭では気になる人も多いです。
写真だけでは感覚が掴みづらいので、直接触れて実物の感触などを確かめつつ、予算や細かい悩みなどの相談を通して親身になってくれる業者を選びましょう。
また、業者との相性も大切です。トイレ工事の実績があるのはもちろんのこと、見積もり時の説明対応が丁寧かどうかなども、業者の選択失敗のリスクを避ける上で参考となります。
トイレの床材を張り替えるならば、掃除のしやすさも考慮しましょう。トイレの床は、手洗いの水の飛び散りなどはもちろん、尿の汚れもつきやすい場所です。床材同士の隙間に汚れが入り込みやすいものや、耐水性の低い素材は避けたほうがよいでしょう。
素材そのものはさっと汚れを拭き取れるツルッとした表面のものを選ぶと、掃除する際に楽です。素材によっては汚れのつきにくい抗菌・抗臭加工されたものもあるので、素材選びの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
また、トイレ用の洗剤は界面活性剤だけでなく酸を含む製品も多いものです。これらはシミの原因になりやすいため、洗剤への強さも考慮しましょう。
クッションフロアの上張りだけであれば、DIYも可能です。ただし、腐食が基礎部分まで影響を与えていることも考えられ、中途半端な床のリフォームは、後で施工し直さなければならないこともあります。できれば異変に気づいた時点で、リフォーム業者に相談するのがよいでしょう。
段差解消を目的としたトイレリフォーム
バリアフリーリフォームの一環でトイレの段差解消を行なう家庭も多いです。すぐに必要ない場合でも今後のことを考えて一緒に施工するのがおすすめで、ここでは段差解消リフォームのメリットやポイントを詳しく解説します。
段差解消リフォームのメリット
段差解消リフォームを行うメリットとしては主に下記の2点が挙げられます。
- 高齢者自身が安全に生活できる
- 家族の不安の種を取り除ける
段差をなくしてフラットな床にすることでつまづいて転倒する危険性を減らすことができれば日常生活で感じるストレスの軽減にも繋がります。中には段差を乗り越えることが億劫でトイレに行くことを減らすあまり体調不良につながることもあるので心理的なことを考えてもバリアフリーリフォームはおすすめです。
怪我の心配が少ないというのは同居している家族にとっても安心材料で、転倒の危険を減らしておくことは家族全員の不安の種を取り除くこともできます。
段差を解消する方法
段差解消リフォームと一言でいっても家の状態や仕上がりからいろいろな方法があります。ここでは代表的な工法を2つ紹介します。
トイレには扉を設置するため、引き戸でも開き戸でも基本的には敷居が存在します。敷居をまたいで入退室を行なうのは転倒の可能性もあるため、平らにできるのであれば行っておきたい工事です。建具の枠を撤去して床を均し、開き戸であればへの字タイプの敷居へ変更することでも段差解消は可能です。
また、介護のしやすさや入退室のしやすさを考えると開き戸よりも引き戸がおすすめ。引き戸のレールであれば大きな段差を必要としません。引き戸の中には吊戸タイプのものもあり、これであれば床を完全にフラットにすることも可能です。
トイレと廊下の床の高さが異なる場合は敷居を撤去するだけではフラットにできないため、床上げ工事が必要となります。基本的には高い方の床の高さに合わせて下地を組み直して行いますが工事範囲によって費用や工期が異なるのでどのように工事を行うかは密に相談をしておきましょう。
段差解消リフォームのポイント
ここでは段差解消リフォームのポイントについて詳しく解説します。リフォーム前に意識しておくだけでより充実した施工が可能となるでしょう。
段差解消のためのリフォームは親世代の介護や老後を見据えて行なうリフォームのため今は大丈夫だからといって工事内容を決めるのではなく、今後のためにという気持ちで工事する箇所や内容を決めるのがおすすめです。
たとえば、段差解消の目的としては足腰の力が弱くなることで段差をまたぐのが辛いためです。それであれば立ち座りや移動の補助として手すりがあれば力も入りやすく、転倒防止にもなります。手すりの設置は壁の下地によって設置ができるかが決まるため大工工事が必要になることも多いです。段差解消リフォームでも大工工事を行なうため同時に施工をすれば手間も減らせ、金額的にもお得です。
建具変更に関しても同様で、開き戸の場合は開閉スペースが必要で、この部分はものを置くことができずにデッドスペースとなります。特に内開きの場合、転倒時に身体が障害物となって開けるのが困難になることもあるでしょう。
引き戸に交換するメリットとしては開閉スペースが不要なため、トイレの室内を有効活用でき、立ち座りの補助や車椅子での利用も可能となります。レバーやドアノブを回す必要がないことから小さい力で開閉もできるのでおすすめです。