トイレのリフォームはどこに頼むべき?
トイレのリフォームはさまざまな業者に依頼できるので、何処に頼めば良いか迷ってしまいます。各業者のメリット・デメリットを知ることで自分に最適な業者を選ぶことができるでしょう。
トイレリフォームを受け付けている業種
トイレのリフォーム工事を受け付けている業種は大きく分けると以下の5つです。
- 家電量販店
- ホームセンター
- 水道業者
- 工務店
- リフォーム会社
各業種の特徴とメリット・デメリットについて以下で詳しく解説します。
近年、大手家電量販店では家電を販売するだけではなく、リフォーム業務も実施しています。家電量販店では店内でトイレを展示しているところが多いです。工事前に現物を確認できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
一方でリフォーム工事は外部に委託するので、施工事例などを確認しづらいのはデメリットです。
日用品やDIY用の木材など多岐に渡る商品を販売しているホームセンターでもリフォーム工事を実施するところが増えてきました。
ホームセンターでリフォーム工事を依頼すると、商品を安価で購入できることが多いです。費用を抑えられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
ホームセンターが扱っている商品はリテール向けと呼ばれる製品です。リテール向けとは量販店向けに販売されている製品で、一部の機能がない代わりに安価で販売されています。
そのため、ホームセンターで購入した製品は安価であることが多いですが、機能面で劣ることがあります。
水道業者にもリフォーム工事を請け負ってくれるところが増えてきました。水道業者は水まわりに関するプロなので、トイレについての知識は非常に豊富です。
また、リフォーム後に何かトラブルが発生しても素早く対処してもらえるといった安心感があります。
しかし、水道業者は修理が本職であるため内装工事に関しては経験の少ない業者も存在します。
そのため、水道業者へリフォームを依頼する際にはリフォームの経験が豊富であるかを確認して依頼するようにしましょう。
工務店は地域密着型の職人会社で、施工を専門としているため知識や技術が売りです。
また、相談から施工まで一貫して対応している会社が多いため、こちらの意思が伝わりやすく、きめ細かな対応をしてもらえるのがメリットです。
一方で企業規模や施工経験から取扱商品には限りがあります。
そのため、施工事例をチェックして希望通りのリフォームをしてもらえるか、事前に確認が必要なのはデメリットと言えるでしょう。
リフォーム業者は文字通りリフォームを専門に請け負っているため、5つの業種の中で自由度はもっとも高いです。さらにトイレの交換だけでなく壁紙や床材、間取り変更などの工事を一括して依頼できるのが大きなメリットです。
一括して依頼することで中間マージンを省き、安価で施工できるだけでなくこちらの要望が伝えやすくなります。
一方でリフォーム業者によって得意不得意があるのには注意が必要です。特に小さな会社の場合、内装工事の一部を下請けの提携業者へ依頼することも少なくなく、その場合は費用面でのメリットが失われます。
そのため、施工を依頼する際には自社施工であるのかを聞いておくとよいでしょう。
トイレのリフォーム業者の選び方
5つのトイレリフォーム業者はそれぞれメリット・デメリットがあります。自分がどのようなリフォームをしたいかによってリフォーム業者を選択すると良いでしょう。
トイレ本体だけの交換を考えており、とにかく安くトイレを交換したいと考えている方は水道業者がおすすめです。
水道業者は施工経験が豊富で、トイレの設備に関する知識を持っているため安心して依頼ができます。交換技術も高く自社で仕入れから施工まで行うことで費用を抑えてリフォームができます。
細かいところまで相談しながらリフォームしたい方は工務店がおすすめです。
工務店は相談から工事まで同じ人が進めてくれるので、こちらの要望を工事する本人に直接伝えられます。
トイレ全体の工事を考えている方はリフォーム業者がおすすめです。
リフォーム業者は提案力に優れる営業担当とそれを実現するプロの職人がいるため要望通りに施工する能力が高いです。
トイレのバリアフリーリフォームの具体例とポイント
高齢化社会が騒がれる昨今、住居内のバリアフリーリフォームを考える方も多いです。トイレは毎日使用するものなので優先度が高く施工方法もさまざま。本項ではトイレのバリアフリーリフォームについて解説します。
バリアフリーリフォームの具体例
トイレのバリアフリーリフォームは、今ある設備や機能によって工事内容が変わります。ここではリフォームする箇所やバリアフリー化する部分について具体的に解説します。
- スペースの拡張
- 段差のない床
- 手すりの設置
- 滑りにくい、掃除しやすい床
- 多機能トイレ
- 寝室の近くへの増設、移設
トイレ内のスペースが確保されていないと身体の移動が窮屈になり、方向転換も困難です。介護を行う際にも介護者が室内に入ってサポートをする必要がありますが、スペースが満足にないとそれすらも難しくなります。また、車椅子を使用する場合には車椅子が室内に入るスペースはもちろん、出入り口を通過できるかも問題でしょう。建具が開き戸の場合扉の開閉に必要なスペースも確保しなければならないため、建具を替えるのであれば引き戸にするのがおすすめです。
トイレのスペース拡張工事は周辺に拡張するスペースがあることは前提となりますが一度壁を解体し、新たに壁を作ります。拡張工事はおよそ15万円~30万円が相場で、扉を引き戸に交換する工事では4万円~10万円ほどを想定しておきましょう。
段差や敷居は転倒のリスクがあり、杖をついての歩行や車いすでの生活には不向きです。バリアフリーリフォームによって、段差のない床やスロープを設置することで転倒のリスクを軽減できます。
段差のない床へのバリアフリーリフォームの費用はだいたい5万円~10万円です。簡易的な方法としてスロープを設置するのも有効で、この場合の設置についてはサイズにもよりますが、1,000円~4,000円程度と簡単に設置ができます。
トイレ内への手すりの設置は、動線確保のために有効です。手すりを設置することで便座への立ち座りに力が入り、転倒防止にもつながります。手すりにはL字型やI字形、波状など種類も豊富で、滑りにくさや力の入りやすさなど用途や場所に合わせて設置します。
手すり設置の相場は工事費と合わせて1万円~10万円です。設置する壁に十分な下地がなければ設置することができないため、状態によっては下地補強工事などが必要になります。設置の際には必ず大工など専門知識を持つ職人に相談しましょう。
トイレリフォームではトイレ内の床を滑りにくい床にしたり、掃除しやすい床へ張替えるリフォームも可能です。たとえば素材の柔らかいクッションフロアにすることで衝撃を吸収し、より安全性を高めることができます。クッションフロアの張替えや上張りを行う場合はおよそ1万円~2万円ほどで完了します。
トイレの交換を考えている場合は多機能トイレと呼ばれる機能が豊富なトイレがおすすめです。多機能トイレの機能としては人感センサーを用いた自動開閉式の便座や温水洗浄便座など高齢者や身体の不自由な方には便利な機能が多く搭載されています。
また、レバー式ではなくリモコンタイプにすることで立ち座りの動きも軽減でき、快適に使用できるでしょう。多機能トイレは求める機能によって値段が大きく変わりますが、本体代のみで10万円~40万円ほどを見積もっておきましょう。
寝室の近くの部屋にトイレを増設したり、ベッドの横に移設をするといった工事が必要なケースも存在します。これは移動が困難な高齢者や要介護者のために行うことが多く、トイレに行くストレスを軽減する役割もあります。
この工事では配管を設置できる部屋なのかを考える必要があるため安易に行える工事ではありませんが、PanasonicのアラウーノVにある圧送タイプのようなトイレの開発も進んでおり、本来設置が難しかった場所でも設置ができるようになってきました。費用は工事規模で変わりますが30万円以上を想定しておきましょう。
バリアフリーリフォームのポイント
ここまではバリアフリーリフォームの具体例を紹介しましたが、トイレだけでもたくさんの施工方法があることがわかります。ここでは実際にバリアフリーリフォームを行うにあたって気をつけるべきポイントや知っておくべきことを紹介します。
バリアフリーリフォームを考えるのであれば現在使いやすい状態にすることだけでなく将来を見据え、10年後、15年後先を見据えた工事プランを考えておくことが重要です。
たとえば、今は少し足が不自由ではあるものの自力での歩行は可能な状態だとしても、10年後には車椅子生活を余儀なくされるかもしれません。また、今は元気であっても年齢とともに筋力は必ず低下するため、現在普通にできていたことが数年後にはできなくなる可能性もあります。
そのため今の状態に合わせたバリアフリーリフォームだけを検討するのではなく、将来のために車いすでも移動しやすいスペースを確保しておいたり、追加の工事を段階的にできるような工事プランを練ることで、耐用年数によるトイレや内装の劣化などにも対応できる失敗しないリフォームになります。
トイレのバリアフリーリフォームでは介護保険を適用して行うことも可能です。介護保険が適用されるケースには利用する被保険者が、要支援や要介護の認定をお住まいの自治体から受けている必要があります。要支援や要介護には段階があり、要支援1~2、要介護1~5と数字が大きくなるほど手厚い支援が受けられます。住んでいる地域の情報については役所や地域包括支援センター、ケアマネージャーにご確認ください。
介護保険を利用することで施工金額の最大9割の補助を受けることができます。1割の負担で介護リフォームを行えるためお得な制度ではありますが、事前に申請を行う点や申請書類など注意すべきことが多いので担当のケアマネージャーに相談してすすめるようにしましょう。