トイレのタンクに水がたまらない原因・対処法
トイレのタンクに水がたまらない原因としては以下が考えられます。
- 止水栓・元栓が締まっている
- 断水や配管の凍結
- トイレタンク内部部品の不具合
トイレタンクに水がたまらないと、最悪の場合、トイレが使えなくなって日常生活に大きな支障をきたします。しかし、自分で修理できる場合もあるため、原因と対処法を理解しておくことが大切です。
止水栓・元栓が締まっている
トイレタンクに水がたまらない原因の一つとして、止水栓や元栓が締まっていることが挙げられます。
止水栓はトイレの給水管と給水器具の間にあり、元栓は自宅の水道の主要な制御点です。これらが閉まっていると、水の流れが完全に遮断され、トイレタンクへの給水が止まってしまいます。
止水栓は通常、トイレの近くの壁や床に設置されています。
反時計回りにゆっくりと回して止水栓を開くと給水される状態になります。元栓の場所は、家の外や地下にあることが多いです。同様に反時計回りに回して開きましょう。
ほとんどの場合、素手で操作可能ですが、固く締まっている場合はモンキーレンチやペンチを使うと回しやすくなります。
ただし、開く際に一気にひねると水が勢いよく流れ出す可能性があるため、少しずつ回しましょう。
止水栓や元栓を開けたあとは、タンクに水がたまり始めるか確認します。水が正常にたまれば問題は解決です。もし水がたまらない場合は、ほかの原因が考えられるため、別の対処法を試してみてください。
断水や配管の凍結
断水や配管の凍結も、トイレタンクに水がたまらない原因の一つです。
近隣での水道工事や災害による断水、また寒冷地では冬季の気温低下による配管の凍結が発生することがあります。
これらが原因の場合、水の供給が遮断されるため、トイレタンクに水がたまらなくなります。
断水の場合、まず近隣で工事が行われていないか、災害情報がないかを確認しましょう。断水だと確認できた場合は、共有されている復旧時間まで待つ必要があります。
その間、一時的な対策として、ペットボトルの水やバケツの水を使用してトイレを流すことも可能です。
配管の凍結に関しては、外気温が氷点下になる地域で発生しやすい問題です。凍結が疑われる場合、以下の手順で対処しましょう。
- 凍結している可能性のある配管を特定する。
- タオルを水で濡らし、凍結している部分に巻きつける。
- その上からぬるま湯(50℃前後)をゆっくりかける。
注意点として、熱湯を配管に直接かけるのは避けてください。急激な温度変化で配管が破裂する恐れがあります。。
凍結防止のため、寒冷期には配管に保温材を巻くなどの予防策も効果があります。
断水や凍結が解消されれば、トイレタンクへの給水も回復します。しかし、長期間の凍結で配管が破損している可能性もあるため、水漏れなどの異常がないか注意深く確認することが重要です。
トイレタンク内部部品の不具合
トイレタンク内部では以下のような内部部品に不具合があると、水がたまらないことがあります。
- 浮き球の不具合
- ボールタップの不具合
- フィルターの劣化や目詰まりなどの不具合
- フロートバルブの劣化
- ゴムパッキンの劣化
- オーバーフロー管の不具合
- レバーハンドルの不具合
内部部品の不具合が原因の場合、部品の交換が必要です。ホームセンターやECサイトでも購入できますが、自宅のトイレに適合する適切な部品を選ぶには、メーカーや修理業者などに相談することをおすすめします。
浮き球の不具合
浮き球は、トイレタンク内の水量を調節する球状の部品です。一定のラインまで浮くと給水が止まる仕組みになっていますが、破損や引っかかりがあると正常に機能しません。破損している場合は交換、引っ掛かりがある場合は除去が必要です。
修理する際は、以下の道具を用意します。
- プライヤー
- マイナスドライバー
- 新しい浮き球(必要な場合)
復旧手順は以下のとおりです。
- タンクの蓋を開け、浮き球の状態を確認する。
- 破損している場合は新しい浮き球に交換する。
- 別の部品に引っかかっている場合は、慎重にほどく。
- 浮き球の位置を調整し、適切な水位で止水するよう設定する。
これらの作業で問題が解決しない場合は、修理業者へ相談・修理依頼しましょう。
ボールタップの不具合
ボールタップは、トイレタンクの給水口近くにある給水を制御する重要な部品です。ボールタップが劣化し、正常に動作しなくなると、タンクに水がたまらなくなる可能性があります。
ボールタップの修理・交換に必要な道具は以下のとおりです。
- モンキーレンチ
- プライヤー
- 新しいボールタップ(必要な場合)
以下の手順に沿って確認、必要に応じて交換・修理します。
- 止水栓を閉めてタンク内の水を抜く。
- 浮き球を上げ下げして給水・止水の動作を確認する。
- 不具合がある場合、ボールタップを取り外す。
- 新しいボールタップに交換するか、既存のものを清掃・調整する。
- 取り付け後、水漏れがないか確認する。
ボールタップの交換は自力でも可能ですが、不安な場合は専門業者に依頼するのが確実です。
フィルターの劣化や目詰まりなどの不具合
フィルターは止水栓に取り付けられている部品で、不純物がタンクに入るのを防ぐ重要な役割を果たしています。
劣化や目詰まりが起こるとタンクへの給水が遅くなり、水がたまりにくくなるため、状態を確認のうえ清掃が必要です。
部品の付け外しのためのマイナスドライバーと、清掃用に歯ブラシを用意し、以下の手順で清掃を行いましょう。
- 止水栓を閉める。
- フィルターを取り外す。
- フィルターを水で洗い、歯ブラシで丁寧に清掃する。
- 劣化している場合は新しいフィルターに交換する。
- フィルターを元の位置に取り付ける。
- 止水栓を開け、水の流れを確認する。
トイレの性能を維持するためにも、フィルター清掃は定期的に行うようにしましょう。
フロートバルブの劣化
フロートバルブは、タンクの底にある排水口を塞ぐ部品です。劣化すると水が流れ出てしまい、タンクに水がたまりにくくなります。
劣化で交換が必要な場合は、新しいフロートバルブを用意し、以下の手順で修理しましょう。
- 止水栓を閉めて、タンク内の水を抜く。
- 古いフロートバルブを取り外す。
- 新しいフロートバルブを取り付ける。
- チェーンの長さを適切に調整する。
- 水を流して動作を確認する。
フロートバルブの平均寿命は大体15年ほどですが、使用頻度によってはもう少し早い段階で交換が必要になることもあるため、定期的な点検をおすすめします。
ゴムパッキンの劣化
ゴムパッキンはトイレタンク内の様々な場所で使用されており、劣化すると水漏れが発生し、タンクに水がたまりにくくなります。交換が必要な場合、新しいゴムパッキンを用意し、以下の手順に沿って修理しましょう。
- 劣化したゴムパッキンを特定する。
- タンク内の水を抜く。
- 古いゴムパッキンを取り外す。
- 新しいゴムパッキンを取り付ける。
- 水を流して漏れがないか確認する。
ゴムパッキンは比較的安価で交換できます。劣化が見られたら早めに交換しましょう。下記の記事でもパッキンの交換について書かれていますのでより詳しく見たい方は参考にしてみてください。
オーバーフロー管の不具合
オーバーフロー管は、タンク内の水位が上がりすぎた際に水を排出する役割があります。
亀裂やひび割れが起きていたり、折れてしまっていたりすると、そこから水が常に排出され、タンクに水がたまらなくなるため修理・交換が必要です。
修理・交換は以下の手順で行います。
- タンク内の水を抜く。
- オーバーフロー管を点検し、損傷を確認する。
- 不具合がある場合、古いオーバーフロー管を取り外す
- 新しいオーバーフロー管に交換する。
- 水を流して正常に機能するか確認する。
オーバーフロー管の交換はほかの部品よりも難易度が高いため、不安な場合は修理業者へ依頼することをおすすめします。
レバーハンドルの不具合
トイレを流すためのレバーハンドルは、動きが悪くなったり戻らなくなったりすると、タンクに水がたまらない原因となります。潤滑油で動きを改善できる場合もありますが、破損している場合は新しいものに交換が必要です。
修理は以下の手順で行います。
- タンクの蓋を開ける。
- レバーハンドルの動きを確認する。
- 動きが悪い場合、潤滑油を塗布する。
- チェーンの長さを調整し、適切なテンションにする。
- 破損している場合、新しいレバーハンドルに交換する。
- 水を流して正常に機能するか確認する。
自力で交換すればレバーの購入費用だけで済みますが、確実に修理したい場合は修理業者に相談しましょう。
便器に水がたまらない原因・対処法
便器に水がたまらない原因には以下のようなものが考えられます。
- トイレが詰まっている
- 封水の減少
- トイレタンクに水がたまっていない
便器に水がたまらないと、悪臭の原因になったり、害虫の侵入を招いたりする恐れがあります。多くの場合、原因を特定できれば自分で修理することも可能なため、早めに対処しましょう。
トイレが詰まっている
便器に水がたまらない場合、トイレが詰まっている可能性があります。
一般的に、トイレが詰まると便器内の水位は上がりますが、トイレットペーパーなどの詰まりによって排水管に負圧がかかると、逆に水位が下がってしまうこともあります。
負圧とは、屋内と屋外の気圧を比較したときに、屋内の気圧が低くなっている状態のことです。
トイレ詰まりによって負圧がかかると、トイレ内にたまっている封水が吸い込まれるように排水管へ流れ出ていき、結果として便器内の水位が下がってしまいます。
トイレ詰まりを解消するには、以下の方法を順番に試してみましょう。
- ラバーカップを便器の排水口に密着させ、上下に強く押し引きする
- トイレ用ワイヤーを排水口に挿入して、詰まりの原因を取り除く
- 重曹を便器に入れ、その上からお湯を注いでしばらく置く
下記の記事で詰まってしまったときの対処法を紹介しています。
これらの方法で解決しない場合や、詰まりが頻繁に発生する場合は、排水管に深刻な問題が発生している可能性があるため、専門業者に相談・修理依頼しましょう。
封水の減少
封水が減少して水がたまらない場合もあります。主な原因は以下のとおりです。
- 自然蒸発
- トイレの詰まり
- 便器本体のひび割れ
長期間トイレを使用しない場合や、暑い季節には封水が自然に蒸発することがあります。定期的にトイレを使用するか、水を流すことで通常は元の水位に戻ります。
トイレ詰まりに関しては、前述の方法でつまりを解消しましょう。便器本体のひび割れは自力で修理するのが難しいため、専門業者による修理や便器の交換が必要です。
原因は以下の対応で特定できます。
- バケツに水を入れる。
- その水をゆっくりと便器に注ぎ入れる。
- 水位が適切なレベルまで上がったら止める。
この方法で水位が維持されれば、自然蒸発や一時的な詰まりが原因だったと考えられます。
しかし、すぐに水位が下がってしまう場合は、便器や配管に問題がある可能性が高いため、専門業者に相談することをおすすめします。
トイレタンクに水がたまっていない
トイレタンクに水がたまっていないことは、便器に水がたまらない直接的な原因となります。タンクに水がたまらないと、便器に流れる水がないため、当然便器内の水位も保てなくなるからです。
トイレタンクに水がたまらない主な原因には、以下のようなものがあります。
- 止水栓が閉まっている
- 給水管の詰まりや破損
- フロートの故障
- 給水バルブの不具合
いずれも自力で修理することは可能ですが、専門的な知識や技術が必要な場合もあるため、自信がない場合は専門業者に相談するのが賢明です。
トイレタンクに水がたまらない原因と対処方法に関しては、前述した内容を参考に、まずは原因の特定を行ってください。原因がわかれば、適切な対処法を選択することができます。
例えば、止水栓が閉まっているだけであれば、単に止水栓を開けることで問題が解決しますが、給水バルブの不具合のような複雑な問題の場合は、部品の交換が必要になる可能性があります。
いずれにしても、まずは安全を確認し、自己判断による無理な修理は避けてください。水漏れなどの二次被害を防ぐためにも、適切な判断と対処が重要です。
タンクレストイレに水がたまらない原因・対処法
タンクレストイレに水がたまらない原因には以下のようなものが考えられます。
- 電気系統の不具合
- 水圧不足
- 止水栓・元栓が締まっている
- 断水や配管の凍結
タンクレストイレは従来のタンク式トイレとは異なり、便器内に直接水を供給する仕組みになっています。
便器内に水がたまらない場合、タンクレストイレ特有の問題が発生している可能性があり、状況によっては専門業者への依頼が必要です。
電気系統の不具合
タンクレストイレは、水道から供給される水圧を利用してトイレを洗浄する仕組みになっており、バルブやポンプの制御に電気を使用しています。
そのため、電気系統に不具合が生じると、水を正常に流すことができなくなり、結果として便器に水がたまらなくなってしまいます。
電気系統の不具合が発生する要因は、停電や電子制御システムのトラブルなど様々です。
例えば、停電時にはトイレに水を供給する配管に設置されている電磁弁が機能しなくなり、水の供給が止まってしまいます。
電気系統のトラブルは自力で解決するのが難しく、自己判断で対応すると非常に危険です。電気系統の修理を誤ると、単に問題が解決しないだけでなく、感電のリスクも高まります。
さらに、不適切な修理によって機器がさらに損傷する可能性もあります。電気系統の不具合が疑われる場合は、必ず専門の業者に修理を依頼しましょう。
水圧不足
タンクレストイレは、水道から供給される水圧を利用してトイレを洗浄する仕組みを採用しています。
そのため、水圧が不足すると、便器に十分な水がたまらなくなる可能性があります。
水圧不足の原因には、一時的なものと恒常的なものがあり、それぞれ異なる対処が必要です。
一時的な水圧低下の場合、しばらく待ってから再度水を流すことで問題が解決することもありますが、トラブルが頻繁に発生する場合は、より深刻な問題が潜んでいる可能性があります。
恒常的な水圧不足の原因として考えられる問題は以下のとおりです。
- 建物の立地
- 水道管の問題
- 地域の水道設備の問題
マンションや高層ビルの上層階、または山など高所に位置する建物では、水圧が十分に確保できないことがあります。これは重力の影響で水が上層階まで十分に届かないためです。
また、築年数が経過した古い建物では、水道管の劣化や詰まりにより水圧が低下することがあります。
水道管の口径が小さい場合も、十分な水圧を得られない可能性が高いです。
地域全体の水道設備が古かったり、能力が不足していたりして、十分な水圧を供給できないケースもあります。
ただし、そもそもそのような地域にはタンクレストイレを設置できないため、可能性としては低いでしょう。
水圧が不足している場合、増圧ポンプの設置や配管の改修など、より大規模な対策が必要になる可能性もあります。
問題の根本的な原因を特定し、適切な対策を講じるためにも、水圧不足の問題が継続する場合は水道業者へ相談しましょう。
止水栓・元栓が締まっている
タンクレストイレの場合も、従来のタンク式トイレと同様に、止水栓や自宅の水道の元栓が締まっていると水の流れが止まり、便器に水がたまらない状態になってしまいます。
止水栓は通常、便器の近くの壁や床に設置されていますが、タンクレストイレの場合は便器内に隠れていることが多いため、カバーを外して位置を確認する必要があります。
止水栓を見つけたら、マイナスドライバーを使用して反時計回りにゆっくりと回して開栓しましょう。
止水栓を開けても水が流れない場合は、建物の外や地下に設置されている水道元栓を確認し、同じ手順で開栓します。
止水栓と元栓を開けたあと、トイレに水が正常に供給されるか確認してください。
これらの手順を実行しても問題が解決しない場合は、ほかの原因が考えられます。専門業者に相談し、必要に応じて修理を依頼しましょう。
断水や配管の凍結
タンクレストイレの場合も、断水や配管の凍結によって水の供給が遮断されて、水がたまらなくなることがあります。
断水は、地域の水道設備の故障や工事の影響、または自然災害などによって発生することがあります。
タンクレストイレは水道管からの直接の水圧に依存するため、断水が発生すると即座に機能が停止するため注意しなければなりません。
一方、配管の凍結は寒冷期に特に注意が必要です。最低気温がマイナス4度以下になったり、最高気温が0度以下の真冬日が続いたりすると、水道管内の水が凍結するリスクが高まります。
また、長期間留守にしてトイレを使用しない場合も、水の流れが止まるため凍結しやすくなります。配管が凍結した場合は、前述したタンク式トイレの解消方法を試してみてください。
タンクレストイレは、その構造上、断水や配管の凍結に対して特に脆弱です。
タンク式トイレのように常時たまっている水がないため、水の供給が途絶えると即座に機能しなくなります。
それだけに、断水や凍結が予想される場合は、事前の対策と迅速な対応が重要です。定期的なメンテナンスと適切な予防措置を講じて、トラブルを最小限に抑えましょう。
自分で解決できない場合は業者に相談しましょう
トイレの水がたまらないと、トイレが使えなくなるなど日常生活に大きな支障をきたします。
しかし、原因を特定できれば、簡単な修理で解決できることも少なくありません。原因によっては専門的な知識や技術が必要な場合もありますが、まずは状況を確認し、対処可能なことを試みましょう。
ただし、自力で対処を試みる際は、安全を第一に考え、無理をしないことが重要です。電気系統の不具合による修理など危険を伴う作業は特に注意しなければなりません。
また、複雑な配管の問題など、自力で対応することが難しいケースもあります。少しでも自信がなかったり、難しいと感じたりしたときは、迷わずトイレ修理の専門業者に相談・依頼しましょう。
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