トイレの止水栓とは?
今まで水まわりのトラブルを経験したことがない人にとっては、「止水栓」と聞いてもピンと来ないかもしれません。
止水栓とは、水道と水の供給口(洗面台・流し台の蛇口やトイレ)などの間にある栓を指し、この止水栓を開けることで水が供給されるようになります。
ここでは、トイレの止水栓の設置場所や機能、種類などについて詳しく解説していきます。
止水栓の場所と役割
トイレの止水栓の設置場所は、便器の種類によって異なります。タンク密結便器(フィルター付き・フィルターなし)の場合、床および壁の仕上げ面や、給水管接続口の近くです。タンクレストイレの場合は、便器内に止水栓が収まっていることがあります。ウォシュレットの止水栓と混同しないように注意してください。
トイレの止水栓で最も多い種類は、給水管から突き出している形で、マイナスドライバーで回せる溝があるタイプです。数は少ないですが、レバーをひねって開閉するタイプもあります。
トイレの止水栓の機能は、トイレに供給される水を止めることです。また、止水栓の開け具合によって、水の供給量を調整することも可能です。
止水栓はどういうときに閉めるのか
止水栓を閉めるのは、主にトイレが故障して修理するときや、トイレを新しいものに交換するときなどです。止水栓を閉めないままトイレの修理・交換をしてしまうと、水があふれてしまう危険性があります。
水漏れが起こった際に止水栓を閉めれば、一時的に水漏れを止めることも可能ですが、根本的な故障の解決にはなりません。あくまで修理業者が到着するまでの応急処置として考えましょう。
また、トイレのタンク内の水があふれないよう、水の供給量を調整するために止水栓を少し閉じることもあります。
止水栓からの水漏れ
トイレの水漏れの際に応急処置として閉めることもある止水栓ですが、止水栓自体から水漏れが発生してしまうこともあります。
ここでは、止水栓から水漏れが起こった際に考えられる原因と、その対処方法を解説していきます。
止水栓からの水漏れはパッキンの劣化が原因
止水栓からの水漏れの原因としては、止水栓の水漏れを防ぐために取り付けられた、ゴムパッキンの劣化が考えられます。パッキンの寿命は約10年といわれており、止水栓が設置されてから10年以上経っている場合は、パッキンの劣化の可能性が高いでしょう。
また、止水栓の給水フィルターが目詰まりを起こした結果、水の流れが悪くなり漏水を起こすこともあります。そのほか、配管と止水栓の接続部分のナットが緩んでいることも原因となり得ます。ナットの緩みが原因の場合はモンキーレンチでしっかりと締めなおせば水漏れは止まります。
止水栓の水漏れの対処方法
パッキンの交換や給水フィルターのメンテナンスは、道具があれば自分で行うことも可能です。それぞれの手順は以下の通りです。
パッキンの交換
まず、給水管と止水栓の接続部分のナットをモンキーレンチで外します。ナットを外すと、すぐに三角パッキンが確認できるので、劣化が見られるようなら交換しましょう。
三角パッキンの奥のスピンドルを外すと、コマパッキンが設置されています。コマパッキンに劣化があれば、こちらも交換します。パッキンの交換が完了したら、スピンドルを元通りに設置し、ナットをしっかりと締めて 終了です。
止水栓の給水フィルターが目詰まり掃除
まず、給水フィルターのフタを開閉金具で開けます。中のフィルターを取り外し、網目にゴミが詰まっていないか確認してください。ゴミが溜まっている場合は丁寧に清掃し、フィルターを元の位置に戻します。最後に給水フィルターのフタを元通りに戻して完了です。
上記の対応をとっても水漏れが改善しない場合や、水漏れの量が多く早急な修理が必要な場合は、修理業者に依頼してください。
水漏れは時間が経つほど悪化し、修理にかかる費用も増します。周囲のリフォームが必要になる前に修理を行うことをおすすめします。
止水栓を閉める際の事前準備
止水栓を閉める際は、事前準備をしっかり済ませておくことが重要です。事前準備を怠ると水漏れが悪化してしまうこともあるので、入念に確認しておきましょう。
道具を準備する
止水栓を閉める際は使う工具はマイナスドライバーだけで大丈夫です。止水栓が上の画像のような外ネジ式の場合は、マイナスドライバーがなくても10円玉でも代用可能です。また、トイレ購入時に付属している開閉金具も使用できます。
水漏れを解消する際には一度止水栓を取り外すため、給水管やホースに残っている水がこぼれ出るおそれがあります。養生としてビニールシートやぞうきん、バケツを用意しておきましょう。作業をする際にはゴム手袋の着用も忘れずに。
ウォシュレットの場合はプラグを抜く
使用している便座が温水洗浄便座(ウォシュレット)の場合は水漏れが原因で感電してしまうこともあります。プラグを差したまま作業をして漏電しないようにあらかじめコンセントから電源プラグを抜いておきましょう。
プラグを抜くときには必ず乾いた手で抜いてください。また、抜いたあとの電源プラグは濡れないように高い位置においておくか、ビニール袋を被せておきましょう。
水の元栓を閉めておく
水を住宅に供給している元栓も閉めておきましょう。元栓を閉めておくことで、仮に作業中に水漏れが発生してしまっても、被害の規模を抑えられます。
元栓の位置は、戸建ての場合は宅地内の地面上に、集合住宅の場合は玄関横にあるパイプシャフト内にあります。
止水栓を閉める際のポイント
止水栓を閉めるにあたり、注意すべきポイントがいくつかあります。トラブルの発生を防止するために、以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。
止水栓の閉め方
まず、止水栓をマイナスドライバーまたは便器に付属している開閉金具で、時計回りにしっかりと閉めます。ハンドル式の場合は、手でハンドルをしっかり回してください。
ちなみに、止水栓の閉まり具合を確認するには、一度トイレの水を流す方法が有効です。タンク内の水が増えなければ、止水栓がしっかりと閉まっている証拠です。止水栓が固くなっていて開かないときは、無理に開けようとすると破損してしまうこともあるので、無理をせず業者に依頼しましょう。
ドライバーを回した回数を覚えておく
止水栓を閉める際に忘れてはいけないのが、ドライバーで回した回数を覚えておくことです。これは修理や工事が終わったあと、止水栓を開く際の目安になります。
止水栓は前回にしておくのではなく回した回数によって水量を調節しています。閉める時と同じ回数ぶん回すことで修理後に同じ水圧で水が使えます。
不安な方はメモなどに記して保管しておくとよいでしょう。
止水栓を開ける際のポイント
止水栓を閉めるときと同様に、止水栓を開ける際にも注意すべきポイントがあります。以下のポイントを押さえて止水栓を開けるようにしてください。
止水栓の開け方
止水栓を開ける際は、閉めた際に回した回数分だけ、マイナスドライバーまたは便器に付属している開閉金具で反時計回りに回します。誤って止水栓を回しすぎて、全開にしてしまわないように注意してください。
止水栓を開いたあとは、ハンドルで水を流してタンク内の水が便器内に流れていくこと、そしてタンク内に水が溜まりしっかり止まることを確認します。念のため、トイレ周辺に水漏れがないかも確認してください。
水位を確認しながら調整する
便器内に水を供給するオーバーフロー管に流れる水量よりも、タンク内に供給される水量のほうが多いと、タンクから水があふれてしまいます。
水を流してタンク内に溜まる水の量を確認しながら、止水栓の空き具合を適宜調整してください。
止水栓以外でおこる水漏れ
トイレの水漏れトラブルの中には、以下のように止水栓の開閉だけでは解決しないものもあります。
便器のひび割れによる水漏れ
便器の劣化や便器に強い衝撃が加わったことなどが原因でできた、ひび割れからの水漏れの場合は止水栓を閉めても解決するのは難しいです。
止水栓を閉めておけばこれ以上水が供給されることがないため大きな被害には繋がりませんが、トイレを使用すれば水漏れが起きるため早めに水道業者へ相談しましょう。
マイナビニュース水まわりのレスキューガイドでは全国の水道業者を調査して掲載。急な水トラブルで焦って水道屋を探すのではなく信頼できる業者を下記から探してみてください。
床下の配管からの水漏れ
床下配管の劣化や破損による水漏れの場合、トイレの止水栓を閉めても水漏れを解決するのは難しいです。
これらの水漏れは、自力での修理が困難なケースが多く、業者による修理や新しい便器への交換が必要になることがあります。
自力での対応に自信がない場合は業者に相談しよう
トイレの水漏れトラブルが発生した場合、DIYや住宅の修繕などに慣れている方なら、自力で対応することも可能です。しかし、水まわりの修理に不慣れな方や、自分で対応する自信がないという方も多いことでしょう。
そうした方々には、修理業者に修理を依頼も検討してください。
修理業者であれば根本的な水漏れの原因を突き止められるうえ、スピーディーに作業してくれるため、修理になかなか時間を割けない方でも安心です。また、メンテナンスも依頼できるので、故障を未然に防げるというメリットがあります。
まとめ
今回はトイレの止水栓について、その役割や開閉の方法、止水栓から水漏れが発生した際の処置方法などをご紹介しました。
トイレの止水栓は、閉める際にも開ける際にも注意すべきポイントがいくつかあります。
それらのポイントをしっかり押さえて開閉しないと、トラブルを余計に悪化させてしまうこともあるので、気を付けて行うようにしてください。
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