重曹でトイレのつまりは直せるのか？
キッチンやお風呂の掃除などで重曹を使ったことはありませんか？さまざまな用途に使われる万能アイテムの重曹ですが、実はトイレのつまりを解消するのにも役立ちます。
ここでは重曹でトイレのつまりを直せる理由について解説します。
重曹とクエン酸の組み合わせでつまりを解消！
トイレのつまりを解消するには、スッポンなどの道具を使う以外にも方法があります。その1つが、重曹を使う方法です。
ただし、重曹だけではつまりを直すことはできません。クエン酸と組み合わせて使うことで、効果を発揮します。
なぜ重曹とクエン酸を組み合わせると、トイレのつまりが直るのでしょうか？
アルカリ性の重曹は、酸性であるクエン酸と反応することで炭酸ガスを発生させます。炭酸ガスによる泡の力で汚れを溶かしやすくすることで、つまりの原因を取り除くことができるのです。
また、この方法では重曹とクエン酸に加えて、反応を促進するためにお湯も用います。重曹、クエン酸、お湯という一般の家庭にあるものだけで、緊急性の高いトイレのつまりに対処することが可能なのです。
重曹とクエン酸の代用になるものはある？
「重曹もクエン酸も家にないのだけど……」という方には、代用となるものがあります。
まず、クエン酸については掃除専用のものではなく、お酢で代用することが可能です。重曹にお酢を混ぜることでも同様に炭酸ガスが発生します。
重曹もクエン酸も家にないという場合は、ベーキングパウダーで代用することもできます。
ベーキングパウダーの原料には重曹とクエン酸が含まれています。そのためこれ1つで炭酸ガスを発生させることは可能でしょう。
ただし、ベーキングパウダーには他の成分も多く混じっていますので、効果は高くありません。目安としては、重曹とクエン酸だけを使う場合に比べて、2倍程度の量が必要と考えてください。
できれば重曹とクエン酸を使用するのが良いですが、もしも手元になくて困っているなら、これらの代用品を使うのも検討してください。
重曹で直せる・直せないトイレのつまり
重曹でトイレのつまりを直すことはできますが、万能というわけではありません。重曹で直せるつまりの原因と、直せないつまりの原因があります。
原因がはっきりしないまま重曹を使ってしまうと、被害を拡大させるおそれがありますので注意してください。
ここでは、重曹で直せるのはどのようなつまりなのかについて解説します。
重曹で直せるトイレのつまりとは？
重曹で直すことができるのは、以下の原因によるつまりです。
- トイレットペーパーの流しすぎによるつまり
- 排泄物によるつまり
まず、トイレットペーパーを一度に大量に流すことで、トイレがつまることがあります。この場合は炭酸ガスの力でトイレットペーパーを分解しやすくすることで、つまりを解消できる可能性があります。
また、排泄物の固さや量によっては、トイレをつまらせてしまう場合があります。排泄物が原因の場合も、炭酸ガスで汚れを浮かすことでつまりが解消しやすくなります。
重曹とクエン酸を混ぜ合わせることで発生する炭酸ガスは、基本的に汚れを浮かせて取り除くためのものです。そのため、つまりの原因が本来トイレに流せるもの、水に溶けやすいものであれば、重曹で直せる可能性があるのです。
重曹では直せないトイレのつまりとは？
反対に、重曹で直せないトイレのつまりとはどのようなものでしょうか？
重曹で直せないつまりの原因は、以下のようなものです。
- スマホやおもちゃなど異物によるつまり
- ティッシュや紙おむつなど流せない紙によるつまり
- ペットのトイレ砂によるつまり
まず、スマホや子供のおもちゃのように、そもそも水に溶かすことができないものによるつまりは重曹では直せません。基本的に自力での修理は難しく、業者に依頼するようにしましょう。
ティッシュや紙おむつなど、トイレットペーパー以外の紙を流したことによるつまりも同様です。業者の専用の道具で取り除きます。
猫砂などペット用のトイレ砂によるつまりも、重曹で直すことは不可能です。トイレ砂の中にはそのままトイレに流せると謳っているものもありますが、そのような商品でもつまりの原因になることはありますので注意しましょう。
重曹では固形物や水に溶けないものに対処することはできません。これらの原因によるつまりは、業者を呼んで対処するようにしてください。
重曹でトイレのつまりを直すための事前準備
重曹でトイレのつまりを直す際には、いくつか事前に準備しておきたいことがあります。この準備を怠ると、具合が悪くなるなどの被害にあう可能性がありますので、怠らないようにしてください。
ここではトイレのつまりを直す際に行うべき事前準備について解説します。
止水栓を閉める
作業に入る前に、トイレの止水栓を閉めるようにしましょう。
止水栓とは、水の流れを調節するための栓のことです。開いたまま作業をすると、タンクから水があふれるなどの被害にあう可能性があります。
止水栓は通常タンクの横側に備えられています。マイナスドライバーを使うタイプとハンドルを回すタイプの2種類がありますので、確認してください。止水栓は右に回して閉めます。
止水栓の位置がわからない場合は、元栓を閉めることで対処しましょう。なお、元栓を閉めると家全体の水が止まりますので注意してください。
ちなみに止水栓についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。
換気をする
重曹を使ってつまりを直す場合は、換気も忘れずに行いましょう。
重曹とクエン酸を反応させると、炭酸ガスが発生します。炭酸ガスは二酸化炭素のことですので、締め切ったまま作業を行うと酸欠になる可能性があります。
作業中は窓を開けたり、換気扇を回したりして換気するようにしてください。
温水便座などは電源を抜いておく
ウォシュレット機能や便座あたため機能などのあるトイレは、コンセントを抜いておくようにしましょう。
コンセントを刺したままにしていると、感電などの恐れがあります。水を扱う作業になりますので、漏電には十分気をつけることが大切です。
抜いたコンセントにはビニール袋をかぶせるなどして、故障しないよう対策してください。
ちなみに、作業中は水が飛び散る可能性がありますので、気になる方は床や壁を新聞紙などで養生するのもおすすめです。
水位が高い場合は汚水をくみ出しておく
トイレがつまると、便器の中の水位が上昇します。汚水が多く溜まっている場合は、あらかじめくみ出しておくようにしましょう。
汚水が便器に溜まっていると、炭酸ガスがつまりの原因に届かず、効果を発揮できなくなります。
汚水をくみ出す際には、ゴム手袋などをつけた上で、使い捨てのプラスチックカップなどを使用して行います。灯油ポンプなどがある場合はそれでくみ取ってもよいでしょう。
便器の中にほとんど水が残らないくらいまで水をくみ取ることで、重曹の効果を高めることができます。
重曹やクエン酸を測っておく
最後に、あらかじめ必要な分だけ重曹やクエン酸を測っておきましょう。
作業に必要な重曹、クエン酸、お湯の量は次の通りです。
- 重曹：4分の1カップ
- クエン酸：2分の1カップ
- お湯：40℃～50℃、排水口が完全にひたるくらい
重曹とクエン酸の割合は、およそ1：2です。お湯は、お風呂のお湯と同じくらいか、ほんの少し熱い程度の温度にしてください。
注意点として、決して熱湯を使ってはいけません。便器を破損させてしまう危険性があります。
あらかじめ用意しておくと、作業がスムーズに行えるでしょう。
重曹でトイレのつまりを直す方法
事前準備が終わったら、トイレのつまりを直す作業に移りましょう。
重曹でつまりを解消する際は、手順に気をつけてください。正しい手順で行うことで効果は上がるでしょう。
ここでは重曹でトイレのつまりを直す手順について解説します。
1．重曹をトイレに入れる
まずは重曹を入れます。4分の1カップを便器の排水口に振りかけてください。
重曹を先に入れるのは、炭酸ガスをより多く発生させるためです。クエン酸から先に入れてしまうと反応が弱くなります。
便器にまんべんなく振りかけるのではなく、排水口の入り口の水たまりに重曹を入れるようにしましょう。
2．クエン酸をトイレに入れる
重曹の後にクエン酸を入れます。同様に排水口の水たまりに振りかけるようにしましょう。
この時点で重曹とクエン酸が反応を起こし、シュワシュワという音が鳴ったり、泡立ちはじめるたりするはずです。この泡の力でつまりを解消します。
水たまりが泡立ったのを確認してから、次の作業へ移りましょう。
3．お湯を入れて1時間ほど放置する
泡立ちを確認したら、お湯を便器の排水口めがけて注ぎ込みます。バケツややかんなどから注ぐとよいでしょう。
お湯を注ぎ込む際は、ある程度の高さから注ぎ込むと効果的です。目安としては、腰の高さあたりから排水口めがけて落とすように注ぐとよいでしょう。
ポイントは、お湯を勢いよく注がないことです。お湯を注ぐ理由は、反応を促進させるためと、発生した炭酸ガスの泡をつまりの原因まで届かせることです。勢いよく注いでしまうと、泡が飛び散るだけで奥にまで流れていきません。
ある程度の時間をかけて、トクトクトク、と流し込むのがコツです。排水口が完全にひたる程度まで注ぎましょう。お湯を注ぎすぎると効果が弱まりますので、気をつけてください。
お湯を注いだら、便座のふたを閉じて1時間ほど放置しておきます。
4．水が流れるか確認する
1時間経ったら、つまりが解消されているか確認しましょう。水が流れればつまりは解消されています。
確認する際は、いきなりレバーを引いてはいけません。もしもつまりが解消されていなかった場合、汚水があふれる可能性があります。
水が流れるかどうかは、バケツなどに汲んだ水を便器に流して確認してください。少しずつ注いで、ちゃんと水が流れていくか確かめましょう。
水が流れていくのを確認したら、レバーを回してみましょう。はじめは「小」で試したり、半分だけ回転させるとよいでしょう。
5．スッポンで水圧をかける
もしもスッポンを持っている場合は、水を流す前の仕上げに使うとよいでしょう。
スッポンを便器の排水口に押しつけ、勢いよく引いて水圧を与えます。そうすることでつまりの原因に圧力を与え、分解します。
スッポンで仕上げた後に水の流れを確認すれば、より確実に直すことができるでしょう。
重曹以外のトイレのつまりを解消する道具
重曹でトイレのつまりを直すことはできますが、専用の道具ではないため確実に解消できるわけではありません。重曹だけでは直せなかった場合、他の手段を使いましょう。
ここではトイレのつまりを解消する専用の道具について、3つ例を挙げて解説します。
スッポン（ラバーカップ）
トイレのつまりを直す道具で最もポピュラーなのが、スッポンです。
スッポンはラバーカップとも呼ばれる道具で、水圧の力で便器のつまりを解消します。価格の相場は1,000円から2,000円程度、もっと安いものであれば100均でも売っており、手軽に買えることから常備している家庭も多いのではないでしょうか。
スッポンでトイレのつまりを直すには、次のように使用します。
- 1．スッポンのカップ部分がひたる程度まで水を減らす
- 2．便器の排水口にスッポンの先端を押しつける
- 3．スッポンを強く押し引きする
使い方のコツとして、押しつける時はゆっくりと力強く押し込み、引く時はぐっと強く引くとよいでしょう。押しつける時に排水口と密着させて外れないようにし、引く時の力でつまりの原因に水圧を与えるようにします。
手軽に買えるものですので、もしもの時のために1つ常備しておくのがおすすめです。
真空式パイプクリーナー
真空式パイプクリーナーは、スッポンと同様に水圧の力でつまりを解消する道具です。使い方も似ており、カップ部分を排水口に押しつけて使用します。
スッポンと違う点は、持ち手がシリンダーとなっており、その先端に水や空気を引き込むためのハンドルがついていることです。このハンドルを押し引きすることで水圧を与えます。
真空式パイプクリーナーの使い方は、次の通りです。
- 1．カップ部分がひたる程度まで水を減らす
- 2．ハンドルを押した状態でカップ部分を排水口に押しつける
- 3．ハンドルを強く押し引きする
スッポンと同様、押しつける時はゆっくりと強く押し込み、引く時は素早く強く引くようにします。
ハンドルを操作するだけでよいので、スッポンと比べると水が飛び散りにくいのがメリットです。価格は2,000円から3,000円程度が相場となっています。
ワイヤー式パイプクリーナー
ワイヤー式パイプクリーナーは細長い針金状の道具で、つまりの原因に直接触れて崩すことで解消するものです。
ワイヤーブラシとも呼ばれ、ブラシ部分は金属をバネ状に巻いた形をしているため、自在に折り曲げることができます。このような構造のため、狭い排水管の奥まで入っていくことができるのです。
持ち手の先には回転式のハンドルがついており、これを回すことでバネが回転します。つまりの原因に刺激を与え、崩すことでつまりを解消することができます。
ワイヤー式パイプクリーナーの使い方は、次の通りです。
- 1．ワイヤーを便器の奥まで入れる
- 2．つまりの原因にぶつかったらハンドルを回す
最初はハンドルを引いた状態で、つまりの原因にぶつかるまでワイヤーを入れます。それ以上奥へ入らなくなったら、ハンドルを回しましょう。
ワイヤー式パイプクリーナーは水位に関係なく使えるため、くみ取り作業が必要ないのがメリットの1つです。価格は1,000円～10,000円程度となっています。
道具を使ったトイレつまりの解消についてはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。
自力でトイレのつまりを直せない場合は業者に依頼しよう
トイレのつまりは、原因次第では重曹や道具を使っても直すことができません。自力での修理ができないと判断したら、専門業者に依頼するようにしましょう。
ここではトイレのつまりの修理を業者に依頼するメリットや、業者選びのポイントなどについて解説します。
自力で直せない場合は業者に依頼するのがおすすめ
自力で直せないトイレのつまりは、専門業者に修理を依頼するのがおすすめです。専門業者であれば、正確な原因を素早く把握し、適切な対処をしてくれるでしょう。
業者に依頼すべきと判断するには、以下の点を基準とするとよいでしょう。
- つまりの原因がわからない場合
- スマホやおもちゃなど水に溶けないものを流してしまった場合
- 自力で直せなかった、直す自信がない場合
まず、なぜトイレがつまったのかわからないのなら、迷わず業者に依頼するのがよいでしょう。原因がわからないまま修理しようとすると、被害が広がるおそれがあります。
次に、水に溶けないものを流したことによるつまりは、自力での修理がまず不可能です。業者が扱う専門の道具で取り除いてもらいましょう。
最後に、トイレットペーパーなどによる軽微なつまりであっても、自分で直す自信がなければ業者に依頼するのが賢明です。
トイレのつまりを放置しておくと、不便であるだけではなく、異臭や水漏れなどの二次被害が起こる可能性もあります。業者への連絡はできるだけ早くすることをおすすめします。
業者選びのポイントは？
業者選びのポイントとしては、以下の点が挙げられます。
- 修理費用が相場よりも高すぎない、安すぎないこと
- 水道局指定工事店であること
- 実績が豊富であること
- 24時間対応やアフターフォローなどサービスが充実していること
まず、修理費用が相場よりも高すぎたり安すぎたりする業者は、悪徳業者の可能性がありますので注意してください。
トイレのつまりにかかる修理費用の相場は、軽微なものであれば4,000円～8,000円程度、重度なものであれば10,000円～20,000円程度となっています。便器を取り外さなくてはならない場合は、20,000円を超える場合もあります。
次に、水道局による指定工事店を選ぶのがよいでしょう。指定工事店には、工事に必要な器材をそろえている、給水装置工事主任技術者がいる、などの厳しい基準があるため信頼性が高いです。
また、実績の豊富さやサービスの充実度も確認しましょう。実績のあまりない業者や自分が受けたいサービスを提供していない業者は、選択肢から外れます。
これらのポイントを基準として、依頼する業者を絞り込んでいきましょう。
悪徳業者を避けるには見積もりを取るのが一番！
業者の候補がいくつか見つかったら、それぞれに見積もりを依頼するようにしてください。
見積もりは、候補である複数の業者に依頼します。価格を比較するためです。
見積もりを依頼するメリットは、次の通りです。
- あらかじめ費用の金額を知ることができる
- 業者の対応を見ることができる
見積もりをする大きな理由は、具体的な費用の金額を知るためです。どのような費用項目があるか、合計金額はいくらかなどをあらかじめ把握しておくことで、高額請求などのトラブルを避けることができます。
また、現地見積もりを依頼することで、スタッフの対応を見ることもできます。作業内容や費用項目について丁寧に説明してくれる業者であれば、信頼することができるでしょう。
トイレのつまりは緊急性が高いため難しいかもしれませんが、トラブルを避けるためにも見積もりはできるだけ取るよう心がけてください。
ちなみに、トイレトラブルと悪徳業者についてはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。
まとめ
一方で、重曹では直せないトイレのつまりもあります。その場合は、速やかに専門業者へ修理を依頼するのがおすすめです。
トイレのつまりは放置しておくと精神的にも負担になります。ぜひ迅速な対処を心がけてください。
ちなみに重曹やクエン酸以外での解決法はこちらの記事にまとめていますので、併せて読んでみてください。
＞トイレのつまりの直し方まとめ～自分でできる解消方法を原因別に紹介～
まずは無料相談！全国対応＆水道局指定のおすすめ業者
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
※記事内で紹介した水道業者様は編集部が独自にリサーチを行い、料金や口コミ等、様々な情報を基に
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