トイレのつまりがハンガーで直せる理由
トイレのつまりを直すには、スッポンなど専用の道具を使う他にも、さまざまな手段があります。その1つが、ハンガーを使う方法です。
家に余っているハンガーを少し加工するだけでつまりを解消できるという、お手軽さが魅力の1つ。家に専用の道具がない緊急時には、ぜひ試しておきたい方法です。
ここでは、ハンガーを使ってトイレのつまりを解消できる理由やメリットについて解説します。
ハンガーでトイレのつまりを直せるって本当?
ハンガーでトイレのつまりを直すと言われても、イメージしにくいのではないでしょうか。どのようにハンガーでつまりを直すというのでしょう?
ポイントは、ハンガーを加工する、ということです。
ハンガーを分解して細長く伸ばし、トイレの排水口に差し込みます。差し込んだハンガーを小刻みに動かし、つまりの原因に直接触れることで取り除くという、シンプルな方法なのです。
加工することからもわかる通り、この方法で用いられるのは、針金ハンガーのみです。プラスチック製のハンガーでは直せないので注意してください。
つまりの原因を直接取り除くのは、ワイヤー式パイプクリーナーと同じ方法です。ワイヤー式パイプクリーナーに関しては、以下の記事で解説していますので、興味のある方は参考にしてください。
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/04/t019-160x90.jpg)
家にあるものを使ってつまりを直す方法としては、ハンガーは比較的効果が高く、おすすめの方法ですよ。
ハンガーで直せるつまりの原因とは?
まず、トイレのつまりの原因は、以下の2パターンに大別できます。
- 水に流せるものが原因のつまり
- 水に流せないものが原因のつまり
このうち、ハンガーで直せるトイレのつまりは、水に流せないものが原因のつまりのみです。
水に流せるものの例としては、以下が挙げられます。
- トイレットペーパー
- 排泄物
- 水に流せるトイレクリーナー
トイレットペーパーは水に溶ける紙ですが、大量に流すとトイレ本体の排水路やその奥に続く排水管の途中でつまってしまいます。
同様に、排泄物も一度に大量に流したり、便が固かったりすると、つまりの原因となるので注意しましょう。
また、トイレクリーナーはトイレットペーパーに比べて分厚いため、水に流せるものであってもつまりやすくなっています。
これら水に流せるものが原因のつまりは、ハンガーで解消することが可能です。原因を明確にした上でハンガーを使用しましょう。
ハンガーで直せないつまりの原因
ハンガーで直せないのは、水に流せないものが原因のつまりです。
水に流せないものの例としては、以下が挙げられます。
- スマホなどの固形物
- 紙おむつやティッシュペーパーなど水に溶けない紙類
- ペット用のトイレ砂
- 食品や嘔吐物
これらは水に溶けないものですので、つまってしまった際にハンガーで直すのは避けておくのが賢明です。
紙おむつやティッシュペーパーであれば、ハンガーでつまりを直すことは不可能ではありません。とはいえ、無理矢理ハンガーで直そうとすると、より奥の方でつまってしまい、取り除くのが困難になってしまう可能性もあります。
水に流せないものが原因のつまりは、決して無理せず、専門業者に依頼して取り除いてもらうのがおすすめです。
ハンガーでつまりを直すメリットとは?
ハンガーでトイレのつまりを直すメリットは、以下の通りです。
- 費用をかけずに修理できる
- つまりの原因に直接アプローチできる
まず、家に余っている針金ハンガーを使えば、修理にかかる費用はかかりません。加工する手間は少しかかりますが、それだけで直せるのは費用の節約になるでしょう。
また、ハンガーを使った方法は、つまりの原因に直接触れて取り除く、というものです。スッポンなど吸引力で取り除く方法に比べると、つまりの原因に直接アプローチできるため、手応えから効果を実感しやすいというのが大きなメリットの1つです。
一方で、つまりの原因に直接触れなくてはならないのは、抵抗感を生みやすいのは、デメリットであるともいえます。
ハンガーを使ってトイレを直す際は、自分に合っているかどうか考えた上で実行するとよいでしょう。
つまりを解消するためにハンガーを加工しよう!
ハンガーでトイレのつまりを解消するには、分解して加工する必要があります。加工方法はシンプルで誰でもできるものですが、いくつかのポイントを押さえることでより効果的につまりを解消できるでしょう。
ここでは、トイレのつまりを効果的に直すハンガーの加工方法について解説します。
柔らかめのハンガーを用意する
加工する針金ハンガーは、柔らかめのものを用意してください。
トイレのつまりの原因は、排水路の奥の方でつまっている場合があります。固い針金ハンガーだと柔軟性が足りないため、曲がりくねった排水路の奥まで届かない可能性があるのです。
目安として、素手で曲げられる程度の柔らかいハンガーを用意しましょう。柔らかいものなら加工も楽にできますよ。
ハンガーを分解して長く伸ばす
柔らかめの針金ハンガーを用意したら、さっそく分解していきましょう。最終的に一本の細長い針金になるように分解します。
分解が難しいのは、ハンガーのフック部分です。フック部分の根元には針金の端が巻き付けられており、ほどくのが難しくなっています。
どうしてもほどけない場合は無理をせずに、ペンチなどで根元から切り落としてしまってかまいません。ほどける場合はフック部分を伸ばさずに丸めたまま残しておくと、後の加工がやりやすくなるでしょう。
先端の形を工夫するのがポイント!
一本の細長い針金にまで分解したら、つまりを効果的に解消できるよう加工します。
ポイントは、先端の形を工夫することです。つまりの原因によって加工方法を変えることで、効果的に解消できるでしょう。
先端の加工方法と対応できるつまりの原因は、以下の通りです。
先端の加工方法 | つまりの原因 |
---|---|
輪の形に丸める | トイレットペーパーや排泄物など水に溶けやすいもの |
バネ状に巻く | トイレクリーナーなど水に溶けにくいもの |
釣り針状に曲げる | 紙おむつなど水に溶けないもの(固形物は不可) |
先端の形を工夫するのは、表面積を広げてつまりの原因を崩しやすくするためです。また、便器や排水路を傷つけないようにする効果もあります。
輪の形に丸める方法は、もっとも簡単な加工方法です。フック部分が残っている場合は、フックを潰すことで簡単に輪を作れるでしょう。
バネ状に巻く方法は、強度を高めて強く押し込めるようにする方法です。トイレクリーナーなど水に溶けにくい、重たいものがつまっている時に効果的です。
釣り針状に曲げる方法は、つまったものを引っかけて取り出すための方法です。特に紙おむつなど水に溶けないものがつまっている場合は、釣り針状に加工するとよいでしょう。
ただし、水に溶けないものが原因のつまりは、無理に直そうとしてはいけません。自信がない場合や、奥の方でつまっている場合は、業者に修理を依頼するようにしましょう。
ハンガーでトイレのつまりを解消する方法
ハンガーの加工が済んだら、実際につまりを解消していきましょう。
基本的に加工した針金ハンガーを排水口に差し込むだけですが、注意すべきポイントとコツがいくつかあります。成功率を高めるために、しっかりと押さえておきましょう。
ここでは、ハンガーでトイレのつまりを解消する方法について、手順に沿って具体的に解説します。
1.ハンガーを排水口に差し込む
まずは加工したハンガーをトイレの排水口に差し込んでいきます。
差し込むのは、加工を施した側です。間違って細長いままの側を差し込まないようにしましょう。
この時のポイントは、以下の2点です。
- 上下左右に動かしながら少しずつ差し込む
- 無理矢理押し込まない
差し込む際に重要なのは、つまりの原因を見つけ出すことです。つまりの原因に触れるまで、上下左右に細かく動かしながらゆっくり差し込んでいきましょう。
排水路の途中でそれ以上差し込めなくなった時は、無理矢理押し込んではいけません。排水路の形に合わせてハンガーを折り曲げることで対応しましょう。
無理矢理押し込もうとすると、排水路を傷つける恐れがあります。また、無理に押し込んで変形したハンガーが排水路に引っかかってしまい、取れなくなってしまう危険性もあります。
どうしても奥までハンガーが差し込めない場合は、作業を中断してください。かなり奥の方でつまっている可能性があるので、業者に依頼して修理してもらうのがおすすめです。
なお、作業する際は、止水栓を閉めておくのがよいです。止水栓を閉めておけば、うっかりレバーを回してしまった際に水があふれるのを防ぐことができます。
2.つまりの原因をつついて崩す
ハンガーの先端がつまりの原因にあたったら、つついて崩します。
水に流せるものが原因であれば、先端を細かく動かしながら、水が流れる隙間を作るように崩していきます。つまりの原因がある程度ほぐれてきたら、押し込むようにつついて奥へ流しましょう。
水に流せないものが原因の場合は、釣り針状に曲げた針金の先端に引っかけるように動かします。釣り針に上手く引っかかったら、手前に引いて取り出しましょう。
ただし、水に流せないものが原因の場合は、無理に自力で直そうとするとより奥の方へ押し込んでしまう危険性があるので、不安であれば専門業者に依頼するようにしましょう。
狭い排水路の中での作業です。細かい動作で地道に崩していきましょう。
3.バケツから水を流して確認する
便器内に溜まっていた水が流れていけば、つまりが解消されたサインです。水を流して本当に解消されたか確認しましょう。
水を流す際は、バケツに汲んだものをトイレに流すのがおすすめです。いきなりレバーを回してしまうと、つまりが直っていなかった場合水があふれてしまう恐れがあります。
便器内に水が溜まらなければ、つまりは解消されています。
使用後の針金ハンガーは、ゴミとして捨てましょう。針金ハンガーはほとんどの地域で不燃ゴミ、もしくは金属ゴミとして扱われています。分別方法がわからない場合は、地域情報サイトなどで確認するとよいでしょう。
ハンガー以外に即席でできるつまり解消方法とは?
ハンガーでトイレのつまりを直せなかった場合、他の方法を試してみるのがよいでしょう。
ハンガーのような身の回りのものを利用して、トイレのつまりを直す方法がいくつかあります。これらの方法であれば緊急時にすぐ試してみることができるし、上手くいけば修理費用の節約にもなるでしょう。
ただし、ここで紹介するのは、水に流せるものが原因のつまりに効果がある方法です。固形物など水に流せないものが原因のつまりには効果がないので注意しましょう。
ここでは、ハンガー以外に家にあるものを利用して、即席でできるつまりの解消方法について紹介します。
1.重曹とクエン酸を使う方法
まず紹介するのは、重曹とクエン酸を使ってトイレのつまりを解消する方法です。
重曹とクエン酸をトイレの中に入れて混ぜると、炭酸ガスが発生して泡立ちます。この泡の力でつまりの原因をほぐして解消する、というのがこの方法の特徴です。
用意するものは、以下の通りです。
用意するもの | 分量 |
---|---|
重曹 | 4分の1カップ |
クエン酸 | 2分の1カップ |
50度程度のお湯 | 排水口がひたるくらい |
重曹とクエン酸は、およそ1:2の割合です。お湯は50度程度のぬるま湯を使用しましょう。熱湯をトイレに流すと便器にひびが入る危険性があるので、決して使用しないでください。
重曹とクエン酸でつまりを解消する手順は、以下の通りです。
- 1. 重曹をトイレに入れる
- 2. クエン酸をトイレに入れる
- 3. お湯をトイレに入れる
- 4. 1時間放置する
- 5. つまりが解消されたか水を流して確認する
重曹とクエン酸を入れて、お湯で反応を促進させると、シュワシュワと炭酸ガスが発生してつまりの原因を溶かしてくれます。
ポイントは、重曹⇒クエン酸⇒お湯、の順で入れることです。順番を間違えてしまうと思うような効果が得られませんので注意してください。
その他の細かな注意点については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひお読みください。
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/04/t033-160x90.jpg)
2.お湯を使う方法
お湯だけを使ってトイレのつまりを解消することも可能です。
バケツに汲んだお湯を、腰のあたりから便器内の排水口めがけて、落とすように流します。落としたお湯の勢いでつまりの原因を押し流すのが目的です。
お湯を使うのは、つまりの原因をやわらかくするためです。冷たい水を使うよりもトイレットペーパーや排泄物が溶けやすくなり、つまりが早く解消されます。
注意点は、以下の3点です。
- 水はねに注意する
- 汚水を事前にくみ取る
- 排水口めがけてお湯を流す
まず、この方法では高いところからお湯を落とすので、当然水が飛び散ります。便器内の汚水が飛び散るとあたりが汚れてしまうので、床や壁を新聞紙などで養生するのがおすすめです。
また、水が飛び散ったりあふれたりするのを防ぐため、便器内の汚水をあらかじめくみ取っておく必要があります。排水口があらわになるくらい、できるだけ多くくみ取りましょう。
加えて、お湯を流す時は排水口めがけて直接便器の奥へ流し込むようにしましょう。お湯の流れる勢いでつまりの原因を取り除くためです。
あたりが汚れたり、事前準備が面倒くさかったりする場合は、単にお湯でつまりの原因をやわらかくするだけでも一定の効果がありますので、ぜひ試してみてください。
ちなみにお湯でトイレつまりを解消する方法は下記記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/06/画像25-160x90.jpg)
3.ペットボトルを使う方法
とてもお手軽な方法として、加工したペットボトルでトイレのつまりを解消することができます。
加工したペットボトルを排水口に差し込み、上下させて水流を起こします。水流の力でつまりの原因を崩し、解消するという仕組みになっています。
ペットボトルの加工方法は、ふたを取り外し、底を3~4cmカッターで切り落とします。たったこれだけで準備完了です。
使い方は以下の通りです。
- 1. ペットボトルを排水口に差し込む
- 2. 指でペットボトルの飲み口を塞ぐ
- 3. ペットボトルを上下に動かす
- 4. つまりが解消されたか水を流して確認する
ペットボトルを差し込む際は、底を切り落とした側を下にしてください。飲み口を上にして差し込むようにしましょう。
飲み口を手で塞ぐことで真空状態を作ります。これによって吸引力が高まり、水流を起こしやすくなります。
より具体的な使い方に関しては、以下の記事で紹介していますので、参考にしてください。
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/06/画像2-3-160x90.jpg)
ハンガーでトイレのつまりを直せない場合
ハンガーやその他のお手軽な道具を使ってもトイレのつまりが直らない場合、他の手段を考えなくてはなりません。
具体的には、専用の道具を購入して使ったり、専門業者に依頼したりする対処策が考えられます。
特に、自分で直せなかったり、直す自信がなかったりする場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。プロの技術力で確実につまりを直してくれるでしょう。
ここでは、ハンガーでトイレのつまりが直せなかった場合の対処策についてご紹介します。
専用の道具を使う
まずは、より効果的なトイレのつまり専用の道具を使うことを検討しましょう。
トイレのつまり専用の道具には、以下のものがあります。
- スッポン(ラバーカップ)
- 真空式パイプクリーナー
- ワイヤー式パイプクリーナー
スッポンは、吸引力でつまりの原因を取り除く道具です。安いものであれば100均でも売っているので、比較的手に入りやすい道具でしょう。
真空式パイプクリーナーは、スッポンと同様、吸引力でつまりの原因を取り除く道具です。スッポンよりも吸引力が強く、真空ポンプの力で吸引するため水はねが起こりにくいのが特徴です。
ワイヤー式パイプクリーナーは、細長い金属製のワイヤーでつまりの原因を取り除く道具です。仕組みは今回ご紹介したハンガーと同じで、直接つまりの原因に触れて崩します。
それぞれの道具については、以下の記事に詳しい使い方を紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/06/画像2-1-160x90.jpg)
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/06/画像5-160x90.jpg)
専門業者に依頼する
道具を使ってもつまりが直せない、直す自信がない、という場合には、専門業者に依頼するのがおすすめです。
専門業者に依頼すべきなのは、以下のような場合です。
- 水に流せないものが原因のつまりである場合
- つまりの原因がわからない場合
- 自分で直せなかった・直す自信がない場合
特に注意したいのが、つまりの原因が水に流せないものである、もしくはそもそも原因がわからない場合です。こういった場合は素人では直せない可能性が高いので、いち早く専門業者に修理を依頼するようにしましょう。
自分で直すのが難しいと判断した場合も、遠慮なく業者に依頼するのがおすすめです。つまりを放置するのはおすすめしません。放置することのリスクについては、以下の記事を参考にしてください。
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/06/画像4-3-160x90.jpg)
トイレのつまりに素早く対処することで、被害の拡大を防ぐことができるでしょう。
賃貸であれば管理会社にまず連絡
賃貸のトイレがつまった場合は、まずは管理会社へ連絡するようにしましょう。
賃貸の場合、トイレの管理者は管理会社になっています。部屋の設備に問題が生じた際は、管理会社へ連絡すれば基本的に対処してもらえます。
ただし、契約によっては入居者が直すように取り決めている場合もあります。契約書を確認するとよいでしょう。
その他の注意点等につきましては、以下の記事も参考にしてください。
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/05/image11-160x90.jpg)
賃貸のトイレは借りているものです。大切に扱うよう意識し、トラブルの際は適切な対処を心がけましょう。
まとめ
ただし、ハンガーだけで直すのには限界があります。いくら試してもつまりが解消されないのなら、他の方法を試したり、専門業者に依頼することも検討しましょう。
トイレのつまりには冷静に対処することが一番です。視野を広く持って、自分にできる最善の策を選ぶよう心がけてくださいね。
ちなみに、ハンガー以外でのトイレつまり解決法はこちらの記事にまとめていますので、併せて読んでみてください。
>トイレのつまりの直し方まとめ~自分でできる解消方法を原因別に紹介~
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