お風呂の換気扇が汚れる原因
毎日お風呂の掃除はしているけれど、換気扇の掃除まで手が回らないという方は多いのではないでしょうか。お風呂場がきれいになっていても、外から見えにくい換気扇は知らないうちに汚れがたまっています。
換気扇は常に空気を吸い込むという性質上、空気中のゴミや舞い上がったホコリがつきやすく汚れやすいものです。この章では、お風呂の換気扇が汚れる原因を具体的に紹介します。
- ホコリやチリ
- カビ
ホコリやチリ
お風呂の換気扇は、浴室の空気を吸い込む過程で空気中のホコリやチリなども一緒に吸い込んでいます。そのため換気扇の表面や内部にホコリやチリがたまりやすくなり、使用している間にどんどん汚れていきます。
また、浴室では洗濯物を干したりするため、より多くのホコリやチリが発生します。他所より湿度が高いため、このホコリやチリが換気扇に付着し、固まってより取れにくい汚れとなる場合があります。
カビ
お風呂場の換気扇は、本来湿気を吸い取ってカビの発生を抑えることを目的としていますが、掃除をせずに放置していると、汚れがたまり換気能力が落ちることにより、湿度の低下を抑えられずカビが発生します。結果、カビは換気扇にたまったホコリやチリを養分としてより繁殖しやすくなります。
カビは、ホコリやチリに含まれるタンパク質が大好物で、高温多湿の環境を好みます。入浴やシャワーを使用する浴室は、カビが発生し繁殖しやすい環境にあるため換気扇が汚れる大きな原因となります。
お風呂の換気扇を掃除しないとどうなる?
お風呂の換気扇の役割は、浴室内の湿気を屋外に排出し湿度を下げて乾燥させることや、排水口から上がってくる嫌な臭いを外に出すことです。
ただ、浴室内の乾燥機は総じて天井や目線より高い位置に設置してあることが多く、汚れも外側からは見えにくいため、普段のお風呂掃除ではつい見過ごしてしまいがちです。
しかし、この換気扇の掃除をせずに汚れを放置してしまうといろいろな問題が発生します。ここでは、お風呂の換気扇を掃除しない場合に起こる問題について説明します。
- 換気ができなくなる
- カビや菌が繁殖する
- ゴミやホコリが落ちてくる
- 異音が発生する
換気ができなくなる
換気扇の掃除をせずに、たまったゴミやホコリをそのままにしておくと、空気を吸い込む力が弱まり換気能力が落ちます。
エアコンのフィルター掃除をしないとエアコンの効きが悪くなるように、お風呂の換気扇も換気効率が下がってしまい、電気代が高くなったり、浴室乾燥機の場合は衣類が乾きづらくなります。
汚れがたまったまま換気扇を稼働させるため浴室を乾かすのに時間がかかったり、通常より多くのエネルギーが必要となるからです。特に、湿気を取るために24時間つけっぱなしにしているご家庭は注意しましょう。
カビや菌が繁殖する
換気扇を掃除せずに放置していると、カビや菌がどんどん繁殖していきます。換気扇にたまったホコリや汚れがカビや菌のエサとして適しており、養分になってしまうからです。
その状態で換気扇を回すことによって、カビや菌が浴室にまき散らされ健康被害につながる恐れがあります。
ゴミやホコリが落ちてくる
外側からは見えなくても、お風呂の換気扇の掃除をしないと換気扇にたまったゴミやホコリはどんどんたまってしまいます。たまりすぎたゴミやホコリは、換気扇を回していないときでも塊となって浴室内に落ちてくる場合があります。
落ちてきたゴミやホコリは浴室内を汚してしまうだけでなく、ゴミやホコリにカビが付着している場合、浴槽内にカビが広がってしまいます。体をきれいにするためのお風呂場が、かえって不衛生になり本末転倒となってしまいます。
異音が発生する
お風呂の換気扇の掃除をせずに、換気扇についた汚れがあまりにひどくなると、たまったゴミやホコリ、カビなどが塊になり換気扇の正常な動きを邪魔することになります。結果、ファンに負荷がかかるため異音が発生する場合があります。いつもより大きい音がしたり、「ゴー」とか「ガタガタ」という音が聞こえだしたら要注意です。
換気扇に余分なプレッシャーがかかった状態で稼働させ続ければ、電気代が上がるだけでなく、不具合や故障の原因となったり換気扇自体の寿命年数が短くなる可能性があります。
お風呂の換気扇の掃除方法
この章では、家庭でできるお風呂の換気扇の掃除方法を紹介します。ただし、お風呂の換気扇はメーカーや機種によって掃除方法が異なります。掃除を行う前に取扱説明書やメーカーのホームページ等を確認しましょう。
なお、浴槽の高いところに設置されている換気扇の掃除を、浴槽の縁に乗って行うことは絶対にやめましょう。不安定な体制で行うと、滑って大けがをしてしまいます。どうしても手が届かず、安定した足場が確保できない場合は、無理をしないでプロのハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
ちなみにお風呂の換気扇の掃除は、お風呂の掃除と一緒に行うことをおすすめします。お風呂の換気扇掃除は、外面を拭き取る掃除は週に1度、カバーやフィルターを外してパーツまできれいにする内面の掃除は3か月に1度行うことで清潔な状態を保つことができます。
必要な道具
お風呂の換気扇の掃除に必要な主な道具を下記に紹介します。
- マスク
- ゴム手袋
- バスタオル
- 歯ブラシ
- 割り箸
- 掃除機
- ドライバーやレンチ
- 中性洗剤
- 取扱説明書
バスタオルは水拭き用と乾拭き用で何枚か用意しましょう。バスタオルでなくとも使い古したタオルなどでも大丈夫です。歯ブラシは清掃用のブラシでは汚れが取れない細かなところや、フィルターの掃除に使います。割りばしはドラム(本体)に付着しているホコリを掻き出す際に使用します。
これらの掃除に必要な道具がご自宅にない場合には、どれもホームセンターなどで数千円内で購入できます。
手順1.電源を切り化粧パネルを取り外す
掃除を始める際に、まずブレーカーと電源を切ります。掃除中に感電の恐れがあることや掃除中に誤って換気扇が回ると怪我をする場合があるからです。
ブレーカーと電源を切ったら、まず換気扇の表面にある化粧パネルと呼ばれているカバーを取り外します。カバーと本体をつなぐV字型の針金があるので、それを片方ずつつまんで、本体から抜くように下に引っ張ると簡単に化粧パネルが外れます。
メーカーによっては化粧パネルの下にカバーやフィルターがついている場合があります。製品により取り外し方法が異なるため、取扱説明書に従って取り外しましょう。
手順2.化粧ファンを取り外す
次に化粧ファンを取り外します。化粧ファンとは筒状の羽の部分のことです。換気扇内部の化粧ファンは、ベルマウスという部品でネジ止めされているので、手で外せない場合にはドライバーなどの工具を使いベルマウスの物体のネジを回して外し、化粧ファンを取り出します。
手順3.化粧パネルを洗う
化粧パネルや化粧ファンは、表面についたホコリを掃除機で吸い取ります。掃除機で取りきれない汚れは、布にキッチン用の中性洗剤を染み込ませて汚れを拭き取ります。拭き終わったら洗剤が残らないように乾いた布でよく拭き取りましょう。
汚れが落ちない場合は、キッチン用の中性洗剤約3mlを入れたぬるま湯に30分から1時間ほど浸します。一定時間浸した後は水洗いし、乾いた布でよく拭き取ります。
また、外したフィルターなどのパーツもホコリや汚れを落としてきれいにします。汚れがひどい場合には、少し長めに中性洗剤を浸したぬるま湯につけ置きしましょう。
手順4.ドラム(本体)を掃除する
ドラムは換気扇の本体で天井に埋め込まれおり、本体の内部もホコリやゴミが多く付着しているため、割りばしを使ってホコリやゴミを掻き出すようにして念入りに掃除しましょう。
この時、掃除機をドラム内に入れてホコリを吸引しながら作業をすることをおすすめします。掃除機で吸引しながら汚れを取ることによって、浴室内にたまったゴミやホコリの散乱を防ぐことができます。
また、故障やカビの原因となってしまうためドラムの中は水気厳禁です。絶対にシャワーなどをかけたりしないよう注意してください。
手順5.外したパーツを取り付け、動作を確認する
洗い終わったパーツは十分に乾燥させてから元に戻します。水気が残っていると故障や漏電、またカビが発生する原因ともなるため、しっかりと乾燥させることが大切です。取り外した手順と逆の手順で取り付けましょう。
化粧パネルはV字の針金をつまんだまま、本体内の差し込み口に針金の先端をかけます。片方ずつかけて両方ともしっかりはまったら、化粧パネルを天井に密着させて押し付ければ完了です。
掃除が終わったら、正常に動くかどうかのチェックが必要です。ブレーカー、電源の順にスイッチを入れて異常がないかどうかを確認します。変な音がしたり、動かない場合は、もう一度ブレーカーと電源を切って換気扇のパーツが正しく設置されているかを確認します。音もなく正常に動けば換気扇の掃除は無事終了です。
お風呂の換気扇掃除の注意点
お風呂の換気扇の掃除をする際に気をつけることは以下の5点です。
- ゴム手袋やマスクを装着する
- 本体に水をかけないようにする
- 変形や変色を防止するため中性洗剤を使用する
- 取扱説明書に沿って掃除する
- 足場に注意する
ゴム手袋やマスクを装着する
お風呂の換気扇掃除の際は、大量のゴミやホコリが充満します。口や鼻からホコリを吸い込まないようにマスクの着用が必要です。
また、換気扇の内部に鋭利な金属のパーツが組み込まれていることがあります。手を怪我しないようゴム手袋を着用して作業を行いましょう。
目を守るためにも眼鏡やゴーグルがあれば着用しましょう。もしも着用せずに、ゴミやホコリなどが上から落ちてきて目に入ってしまった場合には、流水で洗浄し目薬をさしましょう。状態によっては眼科の受診も必要です。
本体に水をかけないようにする
お風呂の換気扇は精密な電気機器です。水にぬれることで故障することがあるため、水洗いをしたり、洗剤を直接吹きかけることは絶対にしないでください。外したパーツを水洗いしたり、ぬるま湯につけ置きした後は、しっかり乾いているかを確認してから元の通りに組み立てましょう。
変形や変色を防止するため中性洗剤を使用する
お風呂の換気扇を掃除する場合には中性洗剤を使用しましょう。お風呂の換気扇は精密な電気機器のため、酸性やアルカリ性の洗剤を使うと、変形したり変色したりする原因となるからです。カビ取り剤の使用もNGです。刺激が比較的弱い中性洗剤が安心です。
取扱説明書に沿って掃除する
お風呂の換気扇を掃除する際は、取扱説明書に沿って行うことが必要です。換気扇は製品ごとに構造が異なるからです。別の製品では取り外せるパーツが、掃除をしようとしている自宅の製品では取り外せないパーツである場合があります。
同様に、説明書を読まずに取り外せると思い込み、無理をして故障させたり、パーツを損傷させる可能性もあるため取扱説明書には必ず目を通してください。もし、取扱説明書を紛失したりして手元にない場合でも、メーカーによってはWeb上で確認できるケースも多いので確認しましょう。
また、内部の分解は推奨していないメーカーも多いため、そういった場合は無理に分解せずに掃除することが必要です。
足場に注意する
お風呂の換気扇は天井や目線より高いところにあるケースが多いため、場合によっては脚立が必要になる場合があります。脚立を使う際、浴室は湿気が多く滑りやすくなっているため、浴室内が乾いてから脚立を使用するようにしてください。滑り止めが付いている脚立は転倒のリスクが少ないためより安全です。
また、高いところでの作業には危険が伴うため、1人ではなく2人で行いましょう。
お風呂の換気扇汚れを予防する方法
お風呂の換気扇の汚れを防止するには、普段からこまめな掃除をすることが必要です。例えば、ホコリやカビに気づいた段階でティッシュや乾いた布などで汚れている部分をサッと拭き取るだけでも汚れ防止の対策になります。
放置して汚れやカビが凝り固まらないうちに適宜汚れを落とすことが大切です。ここでは、普段からできるお風呂の換気扇汚れを予防する方法を紹介します。具体的な方法は下記の3点です。
- 換気扇フィルターを取り付ける
- 掃除機を使いホコリを吸い取る
- フィルター清掃をこまめに行う
換気扇フィルターを取り付ける
お風呂の換気扇汚れを予防する方法の1点目は、市販の使い捨てフィルターを活用することです。市販の使い捨てフィルターは、換気扇のカバーに貼ることでフィルターとしての機能を果たします。フィルターを貼ることにより、ホコリが換気扇本体まで届きません。
使い捨てフィルターの汚れが目立ちだしたら、次のフィルターと取り替えることで、換気扇の汚れを簡単に予防できます。湿気が多い場所なので、抗菌や抗カビなどの加工がされているフィルターがさらにおすすめです。
ちょうどいいサイズのフィルターがない場合は、大きめのサイズをカットして使ってもOKです。
掃除機を使いホコリを吸い取る
お風呂の換気扇汚れを予防する方法の2点目は、掃除機を使いホコリを吸い取ることです。細めのノズルへ付け替えて、直接通気口周辺にたまっているホコリを吸い取りましょう。
湿度の高いお風呂の換気扇についているホコリやゴミは、すぐに固まってしまいます。固まってしまったあとはなかなか汚れが取れにくくなるため、頑固な汚れになる前に、お風呂場まわりの掃除機がけをする際にこまめに掃除機をかけましょう。
フィルター清掃をこまめに行う
浴室乾燥機付きの換気扇は、ほとんどの製品でフィルターが取り外せます。フィルターを引き出して直接掃除ができるので、汚れがたまる前に綺麗にしましょう。ホコリだけならば、掃除機で吸い取った後にお湯や水で洗い流すだけでも十分きれいになります。
カビが発生している場合には、繁殖して浴室がカビで充満する前に早めにカビを取り除く必要があります。フィルターの掃除をこまめにやっておけば、ある程度の換気扇の汚れの予防につながります。
お風呂の換気扇掃除が難しいならプロの依頼しよう
お風呂の換気扇の掃除方法や清掃時の注意点、換気扇の汚れを予防する方法を紹介してきました。実際の掃除自体はそんなに難しいものではありませんが、取り外しや組み立ての作業、またその都度電源やブレーカーを落とすなど、案外手間がかかってしまいます。
加えて、長年掃除していない場合には汚れがひどく、取れにくくなっている可能性もあります。取れないからといって力任せにこすったりすることにより、パーツを損傷してしまう恐れもありますので注意しましょう。
また、換気扇の場所も天井や高いところに設置してあるケースが多く危険を伴うこともあります。慣れない作業でもあり大変なので、難しいと感じた場合はハウスクリーニング業者へ依頼することをおすすめします。1年に1度程度は、プロの業者にすみずみまできれいにしてもらうのもいいかもしれません。
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