「TiFRONT」の特徴的な機能と導入メリット Part.2 ～運用管理編～

あらゆる分野でデジタルトランスフォーメーション（DX）の取り組みが加速していく中で、昨今のコロナ禍に対処するため、十分な準備期間なしでテレワーク環境を構築したという企業が多いはずだ。その際、考慮すべきポイントは「セキュリティ」と「運用管理」である。複数拠点や多店舗でビジネスを展開している場合も含め、業務環境の多様化に伴いセキュリティ対策や運用管理の負荷は増大する。全ての拠点や支社、サテライトオフィスなどに情報システム管理者を配置できる企業は少なく、情報システム管理者が現地に赴いてインシデント対応を行うことが多いのが現状だろう。しかしこれでは多様化するサイバー攻撃への対処が遅れ、甚大な損失が出る事態を引き起こしかねない状況だ。こうした背景から情報システム管理者の負荷を増やすことなく、多様化した業務環境全体をセキュアに管理できる仕組みが求められている。

そこで注目したいのが、本連載で解説しているクラウド管理型のセキュリティスイッチ「TiFRONT」だ。L2スイッチにセキュリティ機能を付加した本製品は、「多層防御の構築」と「複数拠点ネットワークの一元管理」といった特徴を備えている。前回はセキュリティ機能を中心に解説したが、第3回となる本稿では運用管理面での特徴について確認していきたい。

ダッシュボード画面で複数拠点のネットワーク状況を可視化! 運用管理をリモートで実行

TiFRONTはクラウド基盤管理システム「TiController」を搭載しており、クラウドを介して複数拠点のネットワークを一元管理できる。また、オプションでオンプレミスやプライベートクラウドの環境への導入も可能だ。

各拠点のセキュリティイベント情報はもちろん、トラフィックの状況や機器の情報、TiFRONTのセキュリティエンジンとなる「TiMatrix」で検知したイベントなどをダッシュボード上に表示してくれる。リアルタイムでスイッチをモニタリングできるうえに、操作もクラウド経由で行えるため、現地に赴くことなく全てのネットワークを管理できるようになる。アラートやメール通知の設定も行えるため、リアルタイムで監視していなくても重大インシデントにすばやく対応することが可能だ。

また、TiControllerはシンプルでわかりやすいUIを採用しており、直感的に情報を確認し、リモート操作で適切に対処することが可能。用途に合わせてダッシュボード画面をカスタマイズすることもできる。

さらにTiFRONTは、接続されている端末の情報を収集・管理できるなど、IT資産管理の機能も備えている。すべての端末のトラフィックをリアルタイムで確認できるほか、IPアドレス/MACアドレスベースのホワイトリスト制御にも対応しており、テレワーク環境における業務端末利用のリスクを軽減させることが可能となっている。

導入の手間を大幅に軽減! 独自のゼロタッチインストレーション（ZTI）機能とは

社内ネットワークの運用管理を効率化する機能としては、韓国で特許を取得している「ゼロタッチインストレーション（ZTI）」も見逃せない。これは機器を設置してネットワークに接続するだけで初期設定を自動実行できる機能で、情報システム管理者の負荷を大幅に軽減できる。用意されている方式は以下の3つとなる。

1. DHCPサーバーからスイッチおよびゲートウェイのIPを取得し、TiControllerと通信して設定を自動実行
2. 携帯端末のテザリングを使ってTiControllerと通信し、設定を自動実行
3. 設定情報を保存したUSBメモリをTiFRONTに接続して設定を自動実行

ZTIの機能を利用することで、専門的なITスキルを持たない現地の社員でも対応できるため、情報システム管理者は現地に赴くことなくネットワーク環境を構築できる。少人数の情報システム部門で多拠点を管理している企業にとっては、ZTIの価値は極めて高いはずだ。

TiFRONTは多様化・複雑化した業務環境のセキュリティを強化し、社内ネットワークの一元的な管理を実現してくれる。既存のL2スイッチと入れ替えるだけで導入できるうえに、ZTIを利用すれば情報システム管理者の負荷を増やすことなく展開することが可能だ。すでにさまざまな業種・規模の企業や公共機関、教育機関で導入・活用されており、次回はその中から実際の活用シーンをいくつか紹介していきたい。

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