前回に引き続き、脱PPAPの視点からMicrosoft 365を紹介します。 今回はMicrosoft 365のOutlookで異なるパターンの添付ファイルを受信した場合の対応を解説します。
■送信時のメール形式について
受信した場合の対応を解説する前に、送信時のメールの形式について解説をしておきます。
テキスト形式のメールでは、従来のように添付ファイルそのものをメールに添付するか、あらかじめOneDrive for Business(以下OneDrive)に保存したファイルのURLを送信するかのどちらかしか使えません。 より細かい方法でファイルを添付したい場合、メールをHTML形式で作成する必要があります。
(1)新規メールの「…」ボタンをクリック
(2)「HTMLに切り替える」をクリック
なお、「HTMLに切り替える」の代わりに「プレーンテキストに切り替える」と表示されている場合、すでにHTML形式のメールになっています。
■受信メールの確認
ファイルが添付されたメールを確認します。
複数ファイルが添付されている場合、ウインドウのサイズによってはすべてのファイルは表示されません。
(1)一部の添付ファイルしか表示されていない
(2)「添付ファイル○個をすべて表示」をクリックしてすべての添付ファイルを表示
(3)すべての添付ファイルが表示された
(4)アイコンによってファイルの添付形式がわかる
■添付ファイルの操作
添付ファイルをプレビュー、ダウンロード、あるいは編集するには、添付ファイル右側のボタンをクリックします。
(1)添付ファイル右側の「∨」ボタンをクリック
(2)添付ファイル操作メニュー
ファイルをそのまま添付し送信しているのか、あらかじめOneDriveにあったファイルを共有し送信しているのか、OneDriveにアップロードし送信しているのか、など添付形式のパターンによってこの操作メニューは変化します。またファイルの形式によってもメニューは変わります。
操作メニューの主な内容は以下の通りです。
メニュー | 内容 |
---|---|
プレビュー | Microsoft Edgeが標準対応している形式のファイルの場合、PCにダウンロードせずにMicrosoft Edgeでプレビューする。 |
ブラウザーで編集 | Webアプリ(Word、Excel、PowerPoint)で開いて編集します。
・ファイルがOneDriveにある場合、OneDrive上のファイルを直接開く。 ・ファイルがメールに添付されている場合、添付ファイルを自動的にOneDriveにアップロードしてから開く。 |
デスクトップアプリで編集する | デスクトップアプリ(Word、Excel、PowerPoint)で開いて編集します。
・ファイルがOneDriveにある場合、OneDrive上のファイルを直接開く。 ・ファイルがメールに添付されている場合、添付ファイルを自動的にOneDriveにアップロードしてから開く |
OneDriveに保存 | OneDriveの自分のストレージに保存します。 |
ダウンロード | 自分のPCにダウンロードします。 |
リンクをコピー | OneDriveなど、クラウドストレージ上にあるファイルにアクセスするためのURLをクリップボードにコピーします。 |
新しいタブで開く | Microsoft Edgeが標準対応している画像ファイルなどの場合、Microsoft Edgeの新しいタブでファイルを開きます。 |
またOneDriveからファイルを共有している場合、アクセス権の取り扱いに3つのパターンがあるため、注意が必要です。
パターン | アクセス権 |
---|---|
アクセス権のない、OneDrive上の共有フォルダーにあるファイルを添付した場合 | 受信者は無条件で添付ファイルを開けます。 |
特定ユーザーのみアクセスできる、OneDrive上のフォルダーにあるファイルを添付した場合 | 受信者はOneDrive共有フォルダーへのアクセス権を持っている必要があります。
ファイルにアクセスする際、Microsoft 365へのサインインを求められます。 |
ファイル添付時に、「OneDriveにアップロード」を選択した場合 | 誰でもアクセスできるフォルダーに格納されるため、受信者は無条件で添付ファイルを開けます。 |
ファイルを添付するときの操作は、当連載の第80回の記事を参照してください。
■OneDriveにアップロードされたファイル
メール送信時に「OneDriveにアップロード」でファイルを添付した場合、あるいは、メール受信時に「ブラウザーで編集」や「OneDriveに保存」を実行した場合、それぞれのユーザーのOneDriveに添付ファイルフォルダーが保存されます。 以下は、OneDriveにサインインしたページの例です。
(1)「添付ファイル」というフォルダーが自動的に作成されている
■Microsoft 365以外で受信した場合
Microsoft 365のOutlook以外で受信した場合、OneDriveに対応した専用メニューなどは表示されません。 以下は、GoogleのGmailで同じメールを受信した例です。
(1)Microsoft 365のOutlookでは区別されていた、異なる添付形式のファイルが区別されない
いずれもクリックするとOneDriveでファイルが開かれる
(2)メールにファイルそのものが添付されている
ダウンロードもしくはGoogleの「マイドライブ」への保存が可能
このように、OutlookとOneDriveを組み合わせることで、PPAP方式を利用せずにファイルを添付できます。 より安全性を求めたい場合、特定ユーザーのみにアクセス許可を設定したOneDriveの共有フォルダーにファイルを保存し、OneDriveからのファイル添付を行うといいでしょう。 OneDriveの共有設定は改めてご紹介いたします。
Microsoft Teamsに関連して、Skype for Businessにも触れておきます。
Microsoft 365(旧Office 365、旧BPOS)のチャット・ビデオ通話ツールとしては、もともと、Microsoft Lyncがありました。マイクロソフトがSkypeを買収したことにより、Microsoft LyncはMicrosoft Skype for Businessと名称を変えて現在にいたっています。現在ではまだSkype for Businessも使用できますが、Skype for Businessのほとんどの機能を内包し、さらに高度なコミュニケーション環境を提供するMicrosoft Teamsの登場により、Skype for Businessは2021年7月31日をもってサービスを終了します。
Skype for Businessをご利用の場合は、それまでにMicrosoft Teamsに移行する必要があります。
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