仕事や生活にITが浸透してきた昨今では、PCやスマートフォン、タブレットなど複数のデバイスをシーンに合わせて使い分けているという人もめずらしくないでしょう。こうしたマルチデバイスを活用するうえでは、デバイス間でシームレスに作業を引き継げること(すべてのデバイスからアクセスできる環境の構築)が重要です。
ケーブル接続やSDカード/USBメモリなどを用いて直接データをコピーする方法は、手間がかかるうえに、デバイスの保存領域を圧迫し、さらに最新データの在りかがわからなくなるといったリスクもあります。
また、クラウド上のオンラインストレージにデータを保存して各デバイスからアクセスするという手法もいいですが、自身の管理下にないクラウド上に、仕事やプライベートのデータを置くことに不安を感じるという人も少なくないはず。
そこで注目したいのが、ネットワークに接続するタイプのストレージ製品であるNAS(Network Attached Storage)を使ったデータの管理方法。本記事では、データのやり取りをスムーズにする“NASの導入メリット”から、初心者にもおすすめのNAS製品を例に活用のコツを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
データが溢れ返る今こそ、NASの導入を検討するべき
メリット1
どのデバイスからも安全にアクセス可能
自宅のローカルネットワーク(LAN)に接続すれば、同じネットワークに接続しているすべてのデバイスからアクセスが可能に。設定を施せばインターネット経由でもアクセスでき、会社や外出先からでもNASに保存されたデータを使って作業が行えます。
そのため、文書や写真、音声、動画など大切なデータをNASで管理すれば、PCやスマートフォンが容量不足に陥る心配がなくなり、ストレージやフラッシュメモリの空きが少ないせいで動作が重くなるといったリスクも大幅に軽減。
クラウドサービスとは異なり、データ自体はローカル環境(NAS内のHDD)に置かれるため、写真や動画といったプライベートなメディアファイルも安心して保存できます。もちろん、オンラインストレージサービスでありがちな接続デバイス数による従量制課金もなく、月額利用料金も発生しません。
メリット2
散在するデータの一元管理
撮影した写真・動画をそのままデバイスに保存しておくだけでは、見たいファイルを探し出すのに苦労し、デバイスの紛失で失われてしまう危険もあるが、NAS上で整理して一元管理すれば安心です。特に複数台のストレージ(HDD)を装着して冗長性を高められるモデルを購入すれば、ストレージの故障などのトラブルから大切なデータを保護することができます。
メリット3
バックアップ機能や写真管理機能がある製品も
NAS製品によっては、バックアップ機能や写真管理機能、ほかのユーザーとのファイル共有機能といった安全性と利便性を高める機能が搭載されています。これなら、撮影した写真を迅速かつセキュアに友人と共有したり、会社の同僚と文書ファイルを共同編集したりと、クラウドサービスと同じような使い方が可能です。
このように、月額利用料なしでクラウドサービス(オンラインストレージ)と同等以上のデータ管理・活用・保護を実現するNASだが、ネットワーク接続するストレージ製品ということで、
「セッティングや各種設定が大変そう」と導入をためらう人も少なくないでしょう。こうしたNAS初心者におすすめしたいのが、グローバルなNASベンダーとして世界100カ国以上に1,000万台以上のNAS製品を展開しているSynologyの最新モデル「DiskStation DS223j(以下、DS223j)」です。
先に述べたNASのメリット(複数デバイスからの容易なアクセス、ファイル共有、月額利用料金不要、ストレージの冗長化やバックアップ機能によるデータ保護、写真管理など)を網羅したモデルとなっており、NASを使ったことがない人にとって好適なNAS製品となります。
データの管理・保護を実現する
最新NAS製品「DS223j」の導入手順と初期設定を検証
‖DS223jとは?
Amazonの売れ筋ランキングで長い期間にわたって上位に君臨する大人気モデルDS220jの後継モデル。対応するHDDを装着するだけで使えるシンプルなオールインワンタイプで、LANに接続して電源を入れれば、同一LAN内にあるPCを使って簡単にセットアップ可能。さらに追加料金不要で利用できる標準搭載のソフトウェアも数多く用意し、NAS初心者でも簡単に使いこなせる製品に仕上がっています。
また、前モデルの2倍となる1GBのシステムメモリを搭載するなど随所にパワーアップを図りながら、価格は約2.8万円とリーズナブルなのも特徴。
実際に筆者がサンプル機をお借りしてセッティングからデータの共有、各種ソフトウェアを活用までを試してみて、詰まった箇所はほとんどなく、総じてユーザー目線で作り込まれた親切設計のNAS製品であるという印象を受けました。
DS223jはドライブベイ2基を持つ2ベイモデルで、ケース部分をスライドさせることで内部の3.5インチベイにアクセス可能。今回は同製品との相性も抜群な高寿命・高信頼性のHDD「Synology Plus Series HDD」2台を装着してみたが、SATAコネクタの接続から付属のネジを使った固定まで、非常にスムーズに行えました。
セッティングスタート!
HDD装着からの流れはシンプル。ACアダプタでコンセントにつないで、DS223jのLANポートとルーターまたはスイッチングハブをLANケーブルで接続し、電源ボタンをオンにするだけで準備は完了。
その後は同一LAN内にあるPCを使って、OSのインストールを実行します。やり方は簡単で、PCでWebブラウザを開いてURL欄に「find.synology.com」と打ち込むだけでOK。 Web Assistantというツールが起動し、LAN内にあるDS223jを自動で検索してくれます。
DS223jが検出されたら、OSのインストールを実行。
SynologyのNAS製品には「DiskStation Manager(DSM)」という多機能で使いやすいユーザーインタフェースを備えたNAS OSが用意されており、画面の指示に従って操作していくだけで、最新バージョンのDSMがインストールされます(今回は「DSM7.1.1」をインストール)。
あとは管理者アカウントとパスワードを設定してDSMを起動。ストレージプールとポリュームを作成すれば利用を開始できます。
追加料金なしで使える便利ツールで実現!
マルチデバイス時代のデータ共有環境を検証
ここからは、DS223jに搭載されいる多彩な機能・ツールのなかから、特に初心者にとって便利な機能や使い方をピックアップして紹介していきます。まずはSynology専用のNAS OSであるDSMを確認。PCのWebブラウザから容易にアクセスでき、DS223jの各種設定やツールのインストール・起動などが行えます。
シームレスなデータ共有
DS223jで作成した共有フォルダは、内蔵・外付けストレージと同じような感覚でWindows PCのエクスプローラーやMacのFinderからアクセス可能。
たとえば外付けHDDでデータを共有する場合は、HDDを取り外して別のPCに接続する必要があるが、DS223jならば同じ共有フォルダに対して複数のPCから同時にアクセスすることが可能。特別な操作は必要ないため、NASを使っていることを意識せずにデータの共有が可能です。
データを一元管理する「Synology Drive」
さらに標準搭載されているツール「Synology Drive」を利用すれば、PCはもちろん、スマホやタブレットのデータも集約し、DS223jを使って一元的に管理できるように。いわゆるクラウドサービス的な使い方で、ブラウザや専用アプリを介して直感的にデータの管理・共有・同期が行えます。
「あのデータはどのデバイスに保存したっけ……」などと悩む必要はなくなり、データの場所やバージョンを意識することなく複数のデバイスで活用できます。いわばDS223jが自分専用のプライベートクラウドとなるのです。
オールインワンの写真管理ツール「Synology Photos」
データの管理・共有という観点では、写真データを集約して好きな写真にすばやくアクセスしたいといったニーズも多いでしょう。DS223jには「Synology Photos」というオールインワンの写真管理ツールを用意。フォルダ分けやタイムライン表示などの機能を使ってDS223jに保存されている写真ファイルを直感的に閲覧できるほか、プライベートな写真と他のユーザーと共有する写真を別々のスペースで管理できます。
さらにモバイルデバイスで撮影した写真をバックアップする機能や、写真を撮ったらDS223jに自動で保存されるバックアップ機能なども搭載。セキュリティも担保されているため、大切な写真を安全に管理できるでしょう。
丸ごとデータをバックアップできる「Hyper Backup」
DS223jは信頼性の高い本体設計とRAIDによる冗長化など、データ消失のリスクを最小化する要素が満載されたセキュアなNAS製品ですが、それでも100%の安全性は担保できません。そこでさらにユーザーに安心を担保してくれるのが、NAS(DS223j)内のデータなどを丸ごとバックアップできる「Hyper Backup」。
Hyper Backupを起動すると、ファイルサーバーやローカルドライブ、パブリッククラウド、オンラインストレージなどにデータやシステム構成、アプリなどのNAS全体を丸ごとバックアップが可能。ストレージ消費を効率化する技術を実装し、バックアップ先のストレージ消費も抑制できます。スケジュールによる自動バックアップも設定可能で、定期的にバックアップを手動実行するような手間をかけずにデータの安全性を高められるのです。
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このほかにも、さまざまなツールや機能が利用できるDS223j。通常、ポート設定などが必要になるインターネットを介した外部からのアクセスを設定なしで行える「QuickConnect」サービスも実装されており、場所を問わないデータ利用環境を簡単に実現できます。
前述したSynology Drive、Synology Photos、Hyper Backupといったツールはライセンスフリーで付属しているため、高機能ツールの利用までと踏まえるとDS223jのコストパフォーマンスは極めて高いといえます。
「DiskStation DS223j」をもっと詳しく知りたい
プラスワン! Plus シリーズ HDDと組み合わせてさらに快適に
「DS223jのドライブは3.5インチ SATA HDDと2.5インチ SATA SSDをインストールできます(2.5インチSSDは別売のディスクホルダーで対応)。安定稼働検証済みのHDD互換性リストがあるので、そこに掲載されているHDDのインストールを推奨していますが、特にRAID構成で24時間365日稼働を前提としたNASには、信頼性の高いHDDが不可欠。
そこでおすすめしたいのが、Synologyがホームユース・中小企業向けに提供している「Synology Plusシリーズ」です。
NASでの利用を想定した信頼性・耐久性を追求した製品となり、ストレージとしての性能も優秀。
DS223jをはじめ、SynologyのNAS製品との相性は抜群で、DSMのストレージマネージャーからファームウェアアップデートが行えるなど、シームレスに運用できます。より快適かつ安全にDS223jを使いこなしたいのならば、Synology Plusシリーズを選択する価値は大いにあるでしょう。
NAS初心者ならば選ぶ価値あり!
DS223jを利用してデータ周りの問題を解決しよう
ここまで述べてきたように、データに関わる問題を解消するための機能を網羅したDS223j。
ビジネスやプライベートで蓄積された膨大なデータを一箇所に集約・管理できることをはじめ、PCやスマホなどマルチデバイスでのシームレスなデータ活用や、ハードウェアの故障や破損、ソフトウェアの不具合や操作ミスによってデータが失われるリスクを最小化できるデータバックアップなど、導入により得られるメリットは多岐にわたります。さらに、DSM7.2以降では、BtrfsファイルシステムやSnapshot Replicationなどより高度な機能が利用可能となります。
オールインワンタイプで、シンプルに使い始めることができ、ランニングコストがかからないのも大きな魅力。NASを試してみたいと考えているのならば、ぜひ本記事を参考に検討してみてください。
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