デスクトップPCを購入するにあたって、CPUやグラフィックボードなどの搭載パーツと同じぐらい重視したいのがPCケース。発売されてから長期間が経っているPCケースの場合、今後内部パーツをアップグレードしたいと考えたときになかに収まらない可能性がある。

そこで今回紹介したいのが、ユニットコムのゲーミングPCブランド「LEVEL∞」から発売されたマイクロタワー型デスクトップPC「LEVEL-M77M-137-SAX」(199,800円)。

※4/24時点の価格となりますので最新情報は製品ページをご確認ください

  • LEVEL∞「LEVEL-M77M-137-SAX」199,800円

新型PCケースの採用により従来モデルよりハイスペックな構成が選択可能となり、メンテナンス性も向上している。今回レビュー用のため、240mm水冷クーラーをカスタマイズで搭載、グラフィックスカードホルダーを特別に追加した試作機を借用したので、デザイン、内部構造、パフォーマンスにいたるまでじっくりとレビューしていこう。

製品ページはコチラ

特集ページはコチラ

Core i7-13700とRTX 3060 Tiを採用、ほかは自由にカスタマイズできる

「LEVEL-M77M-137-SAX」はOSに「Windows 11 Home 64ビット」、CPUに第13世代(Raptor Lake)の「インテル Core i7-13700プロセッサー」(16コア[Pコア×8、Eコア×8]、24スレッド、最大5.20GHz、65W)、グラフィックボードは「NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti」を採用。メモリは16GB(DDR5-4800 DIMM、8GB×2、最大64GB)、ストレージは500GB(PCIe Gen3 x4接続SSD)を搭載している。

  • 今回のマイクロタワー型PCケースも、先に発売されたミドルタワーと同じデザインが踏襲されている

  • 本体背面。背面を見るとマイクロタワーならではの凝縮感を感じられる

インタフェースはUSB Type-C 3.2×1、USB Type-A 3.0×4、USB 2.0×2、HDMI×1、DisplayPort×3、マイク入力×1、ヘッドセット×1、ライン入力×1、ライン出力×1を用意。通信機能は有線LAN(1000BASE-T)。無線LAN、Bluetoothはオプションだ。本体サイズは約206×432×411mm。電源は700w(80PLUS BRONZE)を搭載している。

  • 左側面。側面パネルはどちらも手回しネジで開閉できる

  • 上面には電源ボタン×1、USB Type-A 3.0×2、ヘッドセット×1を用意

カスタマイズ購入時には、OS(Home/Pro)、CPUグリス(標準/シルバーグリス/ナノダイヤモンドグリス)、CPUクーラー(空冷/水冷)、メモリ(16GB/32GB/64GB)、1stストレージ(500GB/1TB/2TB Gen3 SSD、2TB Gen4 SSD)、2ndストレージ(なし/500GB/1TB/2TB Gen3 SSD)、3rdストレージ(なし/1TB/2TB/4TB/6TB/8TB 3.5インチSATA HDD、2TB/4TB 3.5インチSATA 高耐久HDD)、ワイヤレス通信(なし/Wi-Fi 6&Bluetooth 5.0)、光学ドライブ(なし/DVDスーパーマルチドライブ/ブルーレイドライブ)、電源(700W 80PLUS BRONZE/700W 80PLUS GOLD/800W 80PLUS GOLD)などを選択可能。デスクトップPCは自分でパーツを増設、換装可能だが、保証のことを考えると購入時に納得のいくスペックにカスタマイズしておくことをおすすめする。

  • 背面にはUSB Type-C 3.2×1、USB Type-A 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI×1、DisplayPort×3、マイク入力×1、ライン入力×1、ライン出力×1を装備

  • 前面は工具なしでパネル、ダストフィルターを取り外せる

  • 上面のダストフィルターは磁力で固定されている。簡単にめくって手軽にクリーニング可能だ

  • 底面にもダストフィルターを装備。スライドするだけで取り外せる

  • パッケージには本体、電源ケーブル、キーボード、マウス、各種マニュアル、保証書が同梱

  • 同梱される日本語キーボード。差額は発生するがロジクール製キーボードにアップグレード可能だ

  • 同梱される光学式マウス。こちらもロジクール製マウスにアップグレードできる

最大300mmのグラフィックボードを装着可能な内部空間、メンテナンスも容易

本製品のPCケースは前述のとおりマイクロタワー型。なかは結構キツキツではないかと予想していたが、サイドパネルを開けてみたら意外とスペースに余裕があった。フロントには240mmラジエーターと組み合わせた水冷CPUクーラーを搭載可能。

  • 左側面内部。背面配線が施されており、効率的なエアフローを実現

  • 右側面内部。ケーブル類はタイラップでしっかり留められて、端子接合部はテープで補強されている。運搬時に抜けることはまずないだろう

空冷クーラーであれば155mmまでのサイズに対応。ケースファンは前面、上面、背面に最大5基装着可能で、グラフィックボードは最大300mmまでの大型製品に対応する。搭載できるグラフィックボードの選択肢の幅は広いわけだ。

ストレージは3.5/2.5インチを2基、2.5インチを2基、そしてスリムタイプの光学ドライブを装着できるスペースが用意されている。コンパクトでありながら内部空間を広げているのに、光学ドライブを内蔵できるのは嬉しいポイントだ。

ただし本製品に採用されたマザーボードは、メモリスロットが2基となっている。16GB(8GB×2)からメモリを増やすには「増設」ではなく「換装」となるので、できれば購入時に十分な容量を選択しておきたいところだ。

  • マザーボードはインテル B760M チップセットを採用

  • 今回の貸出機には12cmラジエーターファンを2基装備した水冷CPUクーラーが搭載されていた

  • メモリスロットは2基(DIMM)。メモリスロットは2基(DIMM)。DDR5 8GBメモリ(DDR5-4800/PC5-38400)が2枚装着されていた

  • ストレージはPCIe Gen3 x4接続SSDを搭載。この1stストレージにはPCIe Gen4 x4接続SSDも装着できる

今回の新開発のPCケースで特筆しておきたいのがメンテナンス性。サイドパネルは手回しネジで簡単に開けられて、前面、上面、底面のダストフィルターも着脱しやすい。マイクロタワー型ということで比較的持ち上げやすい。購入直後の冷却効率を長く維持するための定期的なクリーニングも容易だ。

  • 3.5インチHDD用シャドウベイを2基用意。右側面から装着する

  • グラフィックボード用ホルダーが用意されており、端子に負担をかけない。最大300mmまでのグラフィックボードを装着可能だ。※GeForce RTX 4070 Ti 以上のグラフィックスカード搭載時に追加される

  • 電源ユニットは700W 80PLUS BRONZE「ATX-3670GA」を搭載

  • 拡張スロットはPCI Express4.0[x1]、PCI Express4.0[x16]が空いているが、上のPCI Express4.0[x1]はグラフィックボードが干渉するので利用できない

3Dゲームやクリエイティブ系アプリを快適に動作させる性能を実現

最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回はCPUベンチマーク「CINEBENCH R23.000」、3Dゲームベンチマーク「3DMark v2.25.8056」、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4」、総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2574」を実施した。

  • 「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要。今回の貸出機はCore i7-13700/GeForce RTX 3060 Ti/RAM16GB(DDR5-4800)/SSD512GB(PCIe Gen3 x4接続)という構成。CPUクーラーはプラス8,400円で選択できる12cmラジエーターファンを2基装備した水冷CPUクーラーだ

CINEBENCH R23.000(単位:pts)
CPU(Multi Core) 20371
CPU(Single Core) 2012
3DMark v2.25.8056
Time Spy 11560
Fire Strike 26133
Wild Life 66613
Port Royal 6758
CrystalDiskMark 8.0.4(単位:MB/s)
1M Q8T1 シーケンシャルリード 3055.79
1M Q8T1 シーケンシャルライト 1670.93
1M Q1T1 シーケンシャルリード 2691.04
1M Q1T1 シーケンシャルライト 1671.49
4K Q32T1 ランダムリード 461.42
4K Q32T1 ランダムライト 408.59
4K Q1T1 ランダムリード 87.74
4K Q1T1 ランダムライト 246.27
PCMark 10 v2.1.2574
総合 8045
Essentials 11450
Productivity 9231
Digital Content Creation 13369

まずCPU性能については「CINEBENCH R23.000」のCPU(Multi Core)で20371、CPU(Single Core)で2012を記録した。

3Dグラフィックス性能については、「3DMark v2.25.8056」のTime Spyで11560、Fire Strikeで26133、Wild Lifeで66613、Port Royalで6758を記録した。「Battlefield V」(1440p Ultra)の推定ゲームパフォーマンス(Estimated game performance)では95~120fpsとなっており、多くの3Dゲームを快適に動作させられることを示している。

ストレージベンチマークの「CrystalDiskMark 8.0.4」では1M Q8T1 シーケンシャルリードで3055.79MB/s、1M Q8T1 シーケンシャルライトで1670.93MB/sとなった。実用上十分な速度を備えているが、ストレージ速度に依存するクリエイティブ系アプリなどで高いパフォーマンスを追求するのであればPCIe Gen4 x4接続SSDを選択しよう。

総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2574」では、総合スコアで8045、Essentialsで11450、Productivityで9231、Digital Content Creationで13369を記録した。PCMark 10の指標のひとつ「Premium gaming PC(2020)」の総合スコアが7163となっており、「LEVEL-M77M-137-SAX」はその112%相当のスコアということになる。本製品はゲームだけでなく、クリエイティブ系アプリも快適に動作させられるパフォーマンスを備えているといえる。

より高いスペックとメンテナンス性を実現した新型PCケースが魅力的

本製品は新型ケースを採用することで、マイクロタワー型デスクトップPCながら最大300mmまでのグラフィックボードを内蔵可能な内部空間を実現している。前面、上面、底面のダストフィルターによりこまめに掃除することで高い性能を維持でき、ゲーミングPCらしい新たなデザインもシンプルながら飽きがこない。

机の上にコンパクトに置けるゲーミングデスクトップPCを求めているのであれば、「LEVEL-M77M-137-SAX」は魅力的な選択肢といえよう。

レビュー製品の詳細はコチラ

特集ページはコチラ

標準スペック

メーカー ユニットコム
モデル名 LEVEL-M77M-137-SAX [Windows 11 Home]
型番 ILeDEs-M77M-A137-SASXB
OS Windows 11 Home [DSP版]
形状 ミニタワー / microATX
CPU型番 Core i7-13700
コア数 16コア(2.10GHz 8コア ,1.50GHz 8コア)
スレッド数 24スレッド
最大クロック数 5.20GHz
CPUクーラー トップフロー空冷クーラー
グラフィックス GeForce RTX 3060 Ti 8GB GDDR6
メモリ規格 DDR5-4800 DIMM (PC5-38400)
メモリ容量 16GB(8GB×2)
メモリスロット数 2
1stストレージ 500GB NVMe対応 M.2 SSD
光学ドライブ 光学ドライブ非搭載
チップセット インテル B760
オーディオ機能 High Definition Audio subsystem
有線LAN機能 1000BASE-T
無線機能 非搭載 ※無線機能は別途カスタマイズにてオプション選択可能
キーボード 日本語キーボード
マウス・ポインティングデバイス 光学式マウス
電源 700W 80PLUS BRONZE認証 ATX電源
拡張スロット1 PCI Express4.0 [x16] ※グラフィックカード使用済
拡張スロット2 空き ※グラフィックカード使用済
拡張スロット3 PCI Express4.0 [x1] ※グラフィックカード使用済
拡張スロット4 PCI Express4.0 [x16] ※x4動作
拡張ベイ 3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイ×2 、2.5インチ内蔵ベイ×2(本体右面)
外部端子(前面) ヘッドセット端子×1 ,USB 3.0×2
外部端子(背面) アナログ6chサウンド(ライン出力×1/ライン入力×1/マイク入力×1) ,USB 3.2-Type-C×1 ,USB 3.0×2 ,USB 2.0×2 ,1000BASE-T LANポート×1 ,マザーボード側ディスプレイ出力(DisplayPort×1/HDMI×1)
内部端子 M.2×2(Key ID:M/PCIe Gen4 x4 /Type:2260/2280) ,SATA 6Gbps×4 ,内部USB 3.0(×4ポート分/20Pin×2) ,内部USB 2.0(×4ポート分/10Pin×2)
TPM TPM2.0(インテル PTT)
主な付属品 電源ケーブル ,各種マニュアル ,保証書
サイズ 約幅206mm×奥行432mm×高さ411mm ※最大突起物除く

[PR]提供:ユニットコム