マウスコンピューターは2021年4月、15.6型ゲーミングノートPC「G-Tune H5」の新モデルを発売した。今回のモデルはGPUにGeForce RTX 3070Laptop GPUを搭載し、3D性能を高めている。そしてこの高性能GPUに240Hz液晶パネルやメカニカルキーボードを採用した「ザ・ゲーミングノートPC」と呼ぶべき製品に仕上がっている。

  • マウスコンピューター「G-Tune H5」

細部までアップデート。240Hzパネルに最新ネットワーク機器対応でゲームをより快適に

外観は従来モデルを受け継いでいる。デスクトップ代替の大型ゲーミングノートPCであり、サイズはW359.8×D243×H26.8mm(折り畳み時/突起部含まず)。厚みは3cmを下回るものの、2cm台はそれなりに高さを感じる。とはいえゲーミングノートPCでは、厚み=内部スペックの高さともいえる。また、ボディの側面を削ったデザインなど、スリムな印象を与える工夫も見られる。

  • ハイエンドゲーミングノートPCでデスクトップ代替用途を見込むモデルだけに、大きさは感じるが側面デザインを中心にスリムに見せる工夫もある。もちろん、ひと昔前のゲーミングノートPCと比べればとてもスリムでコンパクトだ

フットプリントは15.6型としては比較的コンパクト。ディスプレイのベゼル部分の面積を抑えた狭額縁パネルを採用し、筐体サイズが従来の15.6型より小型化されている。内部冷却のため、吸気は底面、排気は左右側面と背面で行う。外観は従来モデルと似ているが、中身は大きく進化している。高性能なCPUとGPUを長時間ゲームプレイでも安定して動作させるために、冷却装置にベイパーチャンバー技術を導入。さらにヒートパイプを1本増やしているという。

  • 底面の奥側半分と手前側中央に大きな吸気口を備える。排気は背面および両側面奥側寄りにある

  • 左右側面には、使用頻度の高いUSBやオーディオ入出力、カードリーダーなどを搭載(左:左側面、右:右側面)

  • 背面には映像出力やLAN、電源ジャックなど挿しっぱなしで使うことの多い端子を集約

インタフェースは、左側面にUSB 3.1 Type-A×1、マイク入力×1、ヘッドホン出力×1、右側面にSDカードリーダー×1、USB 3.0 Type-A×2、背面にUSB 3.1 Type-C×1、HDMI出力×1、有線LAN×1、電源端子×1を搭載している。USBは合計4ポートでうち1ポートがType-C。ノートPCとしては十分だろう。

また、目玉となるのが有線LANだ。これまでのモデルでは有線LANが1GbEだったが、今世代はここを2.5GbEへとアップグレードしている。もちろんインターネット回線、ルータ、必要ならばスイッチやNASなどネットワーク経路を2.5GbE対応とする必要があるが、ネットワークの理論帯域が1GbE時の2.5倍へ拡大する。そのため、オンラインゲームを楽しむ方、ゲームと同時に配信をするといった方は、より快適なネットワーク環境が得られるだろう。

さらに、無線LANも現行最新規格のWi-Fi 6に対応している。こちらもWi-Fi 6対応ルータが必要であるが、現在主流のWi-Fi 5よりも高速かつ、無線LANでとくに問題となる混雑にも強い。スマートフォンやスマート家電などさまざまな機器が無線LANでつながる環境には最適といえる。

  • 2.5GbE&Wi-Fi 6の最新ネットワーク

液晶ディスプレイは15.6型で解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)。大きめの画面サイズながらも窮屈感なくゲームプレイが楽しめるはずだ。

  • 15.6型の大画面でフルHD。ノングレアで室内照明の反射も抑えられている

  • 上部ベゼルにWebカメラを搭載することで視点が高くなり、ビデオチャットなどでも自然な画角が確保できる。100万画素でWindows Hello顔認証対応

また、液晶ディスプレイが240Hzリフレッシュレートに対応しているところもゲーミング向けだ。

最近はリフレッシュレートが120Hzや144Hzなど高いリフレッシュレートのゲーミング液晶のトレンドだが、本機の240Hzというスペックは、かなり高速な部類に入る。

リフレッシュレートが高いということは、動画・ゲームなどの高速に動くシーンで残像が少なくなめらかに表示できる。FPSや格闘系など瞬発性を求められるゲームでは、1秒にも満たない瞬間がゲームの勝敗を左右することになるので、ゲームを優位に進めることができるというわけだ。

  • リフレッシュレートは240Hz対応

キーボードもゲーミング仕様だ。全キー同時押しに対応したメカニカルキーボードを採用しており、FPSタイトルなどでよくある、移動しながらのしゃがみやジャンプといった、複数キーの同時操作を組み合わせたコマンドでも、取りこぼしがなく正しく入力できる。押下圧は60gで、キートップの端を押したときキーキャップがグラつかない安定感も、安価なメンブレンキーボードとの違いだ。また、1キーごとにカラー設定ができるので、ゲーム中によく使うキーだけハイライトするといった使い方も可能だ。

配列自体はテンキー付き日本語配列で、極めてスタンダードなレイアウトを採用している。ゲーム用途以外にも快適に使えるだろう。

  • キーボードにはバックライトがあり、暗いところでも問題なく入力ができる

  • キーボードなどのイルミネーションは付属のControl Centerユーティリティーから設定する

  • キーピッチは約18.8mm。ノートPC用キーボードでは快適といわれる19mmに近く、男性の手でも余裕を持ったタイピングができる

バッテリーにはリチウムポリマーを採用し、最大駆動時間は公称約11.5時間。アプリケーションなどの付加状況に応じ、内蔵CPUと外付けGPUを自動切換える「MSハイブリットモード」と、常に外付けGPUのみを使用し高性能なグラフィックス映像処理を行う「ディスクリートモード」を利用シーンに合わせて使い分けるとよいだろう。

モバイルに特化したノートPCほどではないが、一般的な作業を行うには十分な駆動時間がある。重量は約2.23kgなので、モバイルを主目的にするには少々ズッシリ来るが、いざというときに持ち運べるのはアドバンテージになる。

  • Control Centerから動作モードをが可能。パフォーマンスを変更は電源ボタン横のモード切り換えスイッチでも変更可能だ

  • 右上に電源ボタン(横並びの右)と動作モード切り換えスイッチ(同左)があり、パフォーマンスを変更できる

  • ACアダプタは出力230W型で、大きさもまあまあ大きい。とはいえ昔のゲーミングノートPC用ACアダプタと比べれば小さく軽量だ

あえて第10世代Core、最新のRTX 3070Laptop GPUを組み合わせた2021年仕様

肝心の内部スペックを見ていこう。まずCPUは第10世代のIntel Core i7-10870Hを採用している。8コア16スレッド対応のモバイル向けCPUだ。すでに低消費電力ノート向け第11世代Coreも登場しているが、そちらはコア数が最大6コア12スレッドまでなのでより高いマルチスレッド性能を求めるゲーミング用途では、本機に相殺されている第10世代Core i7(最大8コア16スレッド)のほうがマッチしている。

また、G-Tune H5ではCPUの動作周波数と定格よりも100MHzだけ落としている。発熱と性能のバランスをとったなどの要因が想像できるが、この程度なら性能面でそこまで大きな影響はないだろう。

  • CPUは8コア16スレッドのIntel Core i7-10870H

メモリはDDR4-2666で、今回は容量16GBの標準構成モデルを試用している。上位には32GBモデルもあり、本体スペックとしては最大64GBに対応している。

  • メモリはDDR4-2666で16GB

GPUはNVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop GPU。モバイル版GPUなので、デスクトップ版のGeForce RTX 3070とスペックの違いはあるが、ポジショニングは同じ「ハイエンドゲーミング向け」である。CUDAコアは5120基で、ブーストクロックは、本機では1560MHzに設定されている。また、グラフィックスメモリは8GB GDDR6。メモリ接続幅は256bitで、帯域は448GB/sだ。

3Dゲームの性能を決定するパーツ、GPUにはNVIDIA「GeForce RTX 3070 Laptop GPU」を採用している。モバイル版なのでデスクトップ版のGeForce RTX 3070とは多少スペックが異なるが、CUDAコアは5120基で、ブーストクロックは1560MHzに設定されている。つまりポジショニングとしては、「ハイエンドゲーミング向け」にあたる。

そのため、G-Tune H5のフルHDパネルを前提にすれば、最新FPSのような重量級タイトルを高画質設定で60fps、eスポーツタイトルのような軽量級タイトルを120fpsや240fpsといった高リフレッシュレートで楽しめる。また、グラフィックスメモリは8GB GDDR6。メモリ接続幅は256bitで、帯域は448GB/sだ。8GBのグラフィックスメモリはハイエンドGPUの中では少なく感じるかもしれないが、フルHD環境を前提にするならば十分である。

  • GeForce RTX 3070 Laptop GPUを搭載

ストレージはM.2 NVMe SSDで容量512GB。容量はカスタマイズ可能で1TBや2TBが選択できる。標準の512GBは最小容量だ。昨今のゲーム事情、SSD事情を考えると256GBではすぐに使い切ってしまうので、最低512GBというのは現代的な仕様といえるだろう。

  • CrystalDiskInfoから見たCドライブ(左)とCrystalDiskMarkのスコア(右)

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