■DIGITAL RELATIONS 2021 Spring イベントアーカイブ動画 >>詳細はこちらから
2021年3月11日、Web担当者向けのオンラインイベント「DIGITAL RELATIONS 2021 Spring」が開催された。主催はクラウド型CMSの提供や企業のWebサイトリニューアルなどを手掛ける株式会社コネクティと、2020年10月に同社と資本提携した株式会社エイジア。ゲストスピーカーとして花王株式会社と株式会社三城ホールディングスの2社が登壇し、Webサイトを活用した顧客とのリレーションシップ構築に関する事例を紹介したほか、エイジア、コネクティによるサービス説明と新機能の紹介も行われた。
本記事では、三城ホールディングスが経営しているパリミキがコロナ禍の中でも事業を成長し続けた秘訣についてのセッションと、コネクティが提供するCMS on Demandの特徴及びWebサイトにおけるCMSの重要性についてのセッションを紹介する。
パリミキが事業成長した“カギ”は、Webサイトの強化
「パリミキ」や「メガネの三城」で知られる三城ホールディングスの事業開発を担当する株式会社三城ホールディングス 事業開発 Digital Device Solutions J&T DREAM CHANCE 萩山 明人氏は「コロナ禍の中でパリミキが事業を成長してきた秘訣とWeb施策について」とのタイトルでセッションを展開した。
同社も2020年前半は新型コロナウイルスの甚大な影響を受けた。とくに4、5月の売上は創業以来の落ち込みに。「前年比で60%を切る数字は、私自身25年会社にいる中で経験したことのないものでした」と萩山氏は振り返る。ただ、6月以降は客数・売上高ともに堅調な回復を見せた。同社はなぜ、急激な落ち込みから回復できたのか。萩山氏は要因を次のように挙げる。
コロナ禍による生活様式の変化に合わせたWebコンテンツ作り
「まず、創業90周年の節目に合わせてテレビCMや新聞・折込チラシなどの紙媒体、Web広告を連動させ、積極的にプロモーションを打ちました。また、テレワークや巣ごもり需要増加といった顧客ニーズの変化に適した商品を提案したり、三城独自の視力測定である「ビジュアルライフケア測定」において接客を強化したりするなど、提案力や接客力を強みにしていきました。そして、そうした取り組みをWebによる告知でしっかりと宣伝することで、日々変化する顧客のニーズに柔軟に応えられたこともポイントです」
Webでの取り組みでは、来店予約強化とコンテンツ強化がとくに大きかったという。「Webチームがいかに店舗に送客するかを意識したサイト作りに努め、利用したことのない人にもその良さを伝えることに注力しました」と萩山氏は語った。Web来店予約の強化についてはこう解説する。
「来店予約の仕組み自体は2019年2月に実施したリニューアル前の旧Webサイトからありましたが、リニューアルを機に、予約フォームをより強く打ち出せるように実装しました。コロナ禍で、外出時間を減らしながらも満足のいく買い物を楽しみたい、というニーズの高まりを感じ、チラシや店舗ごとの案内ハガキに予約URLをQRコード化して埋め込みました」
この結果、2020年5月以降の来店予約数・売上は3、4月と比較して1.5倍から2倍に増 え、購入率も10%ほど増加した。
さらに、テレワークにフィットするブルーライトカットレンズや巣ごもり需要に合わせた室内用レンズなど、同社の豊富な商品・サービスを訴求するため記事系コンテンツを強化したほか、商品ページもよりわかりやすく工夫することで、来店増につなげることができたという。
5つのサイトを一括で管理、CMS on Demand採用で運用負荷削減を実現するDX型のリニューアルへ
実はリニューアル当初、Webの取り組みに関して自社でPDCAを回していた。しかし自社だけではサイクルのスピードが上がらなかったことに加え、分析・企画に弱いという課題もあったと萩山氏は語る。そこで2020年からはコネクティにサイトの全面リニューアルと運用支援を依頼。これによりPDCAを効率よく回すことができ、コンテンツのページビューも大きく伸びているという。
また、同社では、リニューアル時にクラウド型CMS「Connecty CMS on Demand」(以下、CMS on Demand)も採用した。その理由について次のように話す。
「旧Webサイトはリリースから長年経過し、デザインが古くなっていたのが課題でした。また、トップページが複雑になり、情報発信やスマホ対応も適切に行えていませんでした。これらに加えて更新作業が煩雑で、相当な運用負荷がかかっていました」
そこでリニューアルに際しては、基幹システムからのデータ取り込みを自動化して運用負荷を削減し、少人数でも効果的な発信が可能になる環境を目指した。「CMSについては数社から提案をもらいました。その中で、CMS on Demand自体を評価したのはもちろんですが、コネクティの人々のマインドと情熱が当社の目指すものにマッチしていると感じたことも、採用の大きな決め手になりました」と萩山氏は振り返った。
CMS on Demand導入後、商品検索ページは基幹システムとCMSを連携させ、情報を動的に表示するよう改良。また、ニュース機能や読み物系記事にもCMSを駆使している。一方、在庫情報と店舗情報については基幹システムのマスタ情報から自動的に取り込んでいる。このように基幹システムとCMSを連携させることで運用負荷を大きく減らし、DXを実現。工数をかけずに常に最新で正確な情報をサイトにアップできるようになった。
同社では5つのサイトを運用しているが、以前は各サイトを別々の仕組みで運用していたため、横のつながりがなく、更新頻度も少なかったという。これをCMS on Demandで一括運用することで、コンテンツのアップロードや修正、共有を一元管理。更新頻度の向上に貢献している。
デジタル戦略にワンストップ型で伴走してくれるコネクティの魅力
「コネクティにはインフラからCMS、サイトデザインまで一括で提供してもらい、外部システムとの連携も含め難しい要望にしっかり応えてもらっています。CMS on Demandのメリットとしては、まずHTMLの知識がなくてもコンテンツを簡単に作れること。ワークフローを柔軟に設定できるので、複数サイトを運営していてもミスが少なく、安全性が高いですね。何より、構築から運用支援までワンストップでサポートしてくれるので、非常に助かっています」と萩山氏は語る。
コネクティとともにPDCAを回し始めて以降、ページビュー数、セッション数のいずれも順調に増加している。とくに2020年5〜8月の伸びが大きく、コンテンツ強化の結果がしっかり表れていると萩山氏は評価した。今後は顧客のロイヤルカスタマー化に向け、MAとコネクティのCMSを連携し、よりパーソナライズされたコンテンツ発信を目指したいと意気込みを語り、セッションを締めくくった。
企業にWeb戦略をワンストップで提供
最後に株式会社コネクティ 代表取締役社長の服部 恭之氏が登壇。「大企業向けクラウドCMS『Connecty CMS on Demand』2021 Spring Newリリース紹介」と題して、デジタルマーケティングにおけるCMSの活用術と、CMS on Demandの新サービスに話題を展開した。
2005年12月に設立した同社の業務領域は、大きく分けて「Webサイトの構築」「クラウド型CMS基盤の提供」「Webデータ分析・コンサルティング」の3つがある。企業のWebサイトに関するDX推進をワンストップで支援できる企業として、成長を続けてきた。そして、2020年10月にエイジアグループに参加したことで、より安定的なサービスを提供できるようになったと服部氏は話す。
「Web業界は動きが速く、細分化が進み、市場には数多くのプレイヤーがいます。そのためWebサイト構築を依頼するには、マーケティング系の取り組みは広告会社、コンテンツなら制作会社、開発はSIer、さらにはインフラやソフトウェアパッケージなど、分散して依頼する傾向が強いのが実情です。企業の戦略を一気に加速させるには、これらを一気通貫で行うことが重要です。当社はそのすべてをワンストップで提供できるため、究極のWeb・DX推進実現会社であると考えています」と服部氏は強調した。
同社の顧客は国内の多彩な業界のリーディングカンパニーをはじめとする大企業がメイン。服部氏は、多くのWebサイトを運営する企業、大量の製品を有する企業、多様なグループ会社を持つ企業など、同社がサポートしている事例を紹介したうえで、CMS on Demandの解説につなげた。
デジタルマーケティングにおけるCMSの重要性とCMS on Demandの特徴
CMS on Demandの特徴として、服部氏は「クラウドで提供するCMSであること」「国産製品であること」「企業の要求に柔軟に応えるサイト設計を実現できること」の3点を挙げた。
まず1点目についてはこう語る。
「クラウドネイティブのCMSであり、インフラは必要ありません。サーバーを用意してオンプレミス型のCMSを導入しWebサイトを構築すると、のちにCMSやインフラのアップデートが必要になったときに、相性の問題で動かなくなる場合があります。アップデートには多額の費用がかかるという話もよくお聞きします。一方で、CMS on Demandはクラウドのメリットを活かしてバージョンアップをすべて当社で、それも無償で行います。CMS on Demandを使っていればアップデートや保守・メンテナンスを気にする必要がなく、Webのトレンドやプラットフォーマーのルールが変わっても常に最新のものを使い続けられるのが大きなメリットです」
続いて、2つ目と3つ目の特徴はこうだ。
「海外製CMSではトラブルの際の相談や言語対応に難があり、国内での使用には制約もあります。CMS on Demandは国産なのでサポートが手厚いほか、日本の大企業のガバナンス上のニーズがすべて取り込んであるため、日本企業に合ったCMSだといえます。さらにCMSの種類として、動的・静的のハイブリッドな設計で提供しています。いわゆるデザインがきれいなページを自由に作ることも、データベースとテンプレートを利用して動的なページを大量に生成することも、その両方を組み合わせて作ることもできます」
服部氏が語るように、CMSを導入すれば大量のコンテンツを効率的に作成・修正することが可能になる。CMSがないとページをひとつずつ作っていかなければならないため、生産性の差は歴然だ。多くのWebページを日常的に生成しなければならない大企業にとって、CMSはなくてはならないものであり、デジタルマーケティングにおいても意義は大きい。
「昨今、Webへのアクセスは爆発的に増えました。その大量のアクセスの中で、自社サイトを見てもらえる可能性は当然減っていきます。自社のページを見てもらい、デジタルマーケティングに活用するためにも、ページを大量に公開して接触機会を増やし、アクセスされる可能性を高めていく必要があります。さらにはSNSやMAの発達もあり、パーソナライズされたコンテンツを発信していかなければならず、CMSのニーズはますます高まっている状況です」
CMSを導入すれば部門を超えてオペレーションを標準化でき、生産性・効率性の追求に加え、PDCAサイクルを回しやすくなる利点もあるため、企業のDX化も進む。CMSの重要性は年々増していると服部氏は再度強調した。
CMS on Demandはサイトの一部だけではなく、Webサイト全体を取り込み、CMS化することが可能だ。HTMLを扱えない社員もCMS on Demandに取り込めばサイトのありとあらゆる箇所の改修・編集が簡単になり、顧客にタイムリーに情報提供できるようになる。こうした作業をいちいち制作会社に依頼していては、工数が増え、時間もかかってしまうため、リアルタイムな対応はまず不可能だ。また、CMS on Demandは静的なページ以外に動的なページも同じプラットフォームで管理が可能なハイブリッド型CMSといえる。例えば商品ページで消費税率を変更する際も、データベースとの連携で自動的にページを生成することで、手間をかけず一気に修正できる。さらにCMSの導入は、セキュリティやガバナンスの整備にも効果的だと服部氏は評価した。
CMS on Demandの新サービス
服部氏は最後に、CMS on Demandの新サービスを紹介した。ひとつは2020年秋にリリースした、セキュリティに厳しい顧客向けにWAFやIP制限などのオンプレミスと変わらないセキュリティレベルを提供するオプション機能。クラウドにもかかわらず基幹システムを連携できる点が最大のメリットだ。そしてもうひとつは、Webサイトの一部だけをCMSに取り込める「ヘッドレスOPTIONS」という新機能。後者はいわゆるCMS on Demandから進化したヘッドレスCMS機といえる。Webサーバーなど使用中の環境をまったく変えずにサイトの一部分から利用でき、CMS on Demandでスピーディーにサイトを改善・効率化することが可能だ。段階的にCMSをサイト全体に導入していきたいユーザーにも向いている。また、CMSで管理するコンテンツデータをECやアプリをはじめとしたサービスや、デジタルサイネージなどの別デバイスに展開することが可能となるため、企業のWeb戦略を大きく変えていくだろう。これについては2021年GW明けの正式リリースを予定しているという。以前よりも気軽に導入が可能な点をメリットとして、興味のある企業はぜひ問い合わせてほしいと呼びかけ、セッションを終了した。
ニューノーマルな生活様式によって、企業におけるWebサイトの役割は、以前よりもさらに重要となっている。「オンライン上で顧客との信頼関係をどのように構築するのか」をテーマに行った今回のイベントは、今後のWebサイト運用を考えるための、ひとつの指標となったのではないだろうか。エイジアと資本提携し、さらなるサービスの拡充が期待されるコネクティ。Webサイトの構築、運用について課題を抱える企業は、ぜひ相談してみてはいかがだろうか。
■DIGITAL RELATIONS 2021 Spring イベントアーカイブ動画 >>詳細はこちらから
[PR]提供:コネクティ