「ソフトウエアで日本を強くする」をスローガンに日本の有力ソフトウエアベンダーが結集する業界団体「Made In Japan Software & Service コンソーシアム(以下、MIJS)」。2021年4月1日に、ビジネスエンジニアリング取締役社長 羽田 雅一氏が理事長に就任し、新体制としての歩みをスタートさせました。コロナ禍によってビジネス環境が大きく変化するなか、羽田氏は「先が見えないからこそ、信頼できる仲間とともに、切磋琢磨しながら、あるいはお互いを支え合いながら進んでいく」と、MIJSの意義を語ります。今回は、羽田理事長にMIJSのビジョンや今後の具体的な活動方針についてお聞きしました。

  • Made In Japan Software & Service (MIJS)コンソーシアム 理事長 羽田 雅一氏 (ビジネスエンジニアリング株式会社 取締役社長)

    Made In Japan Software & Service(MIJS)コンソーシアム
    理事長 羽田 雅一氏
    (ビジネスエンジニアリング株式会社 取締役社長)

製造業向けのシステム開発・販売に一貫して従事

――まずは羽田理事長のご経歴について教えてください。

1987年にエンジニアリング会社に入社し、7~8年間はシステムエンジニアとして製造業向けのシステム開発を行っていました。その後、製造業向けのSCM総合パッケージ「mcframe」の企画・開発に携わり、同製品の営業・導入までも担当するようになりました。1999年にビジネスエンジニアリング(当時:東洋ビジネスエンジニアリング)が設立され、2016年からは同社のCMO/CTOとして全社の営業・技術を管掌。そして2020年4月に取締役社長に就任しました。

――mcframeの開発背景について伺えますか。

ビジネスエンジニアリングは、日本で最初のSAPパートナーの1社です。ただ、SAP関連事業を推進するなかで、日本の製造業特有の課題が浮き彫りになってきました。当時の生産管理システムは、フルスクラッチで開発するか、ERPパッケージに業務を合わせるかの二択しかないような状況でしたが、自社の強みである業務や仕組みについては、システムに反映したいというその中間を志向するニーズが強くあったのです。業種や会社を越えて採用してもらえるような、柔軟性のあるシステムを作りたいという思いがmcframe開発の端緒となりました。現在では、50社を超えるパートナー企業様とともに、mcframeシリーズの販売とインテグレーションを行っています。

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――ビジネスエンジニアリング全体としては、現在どのような状況にありますか。

他社の商材を活用したシステムインテグレーション事業と、自社開発のmcframeシリーズをパートナー様経由で販売・提供するライセンス事業という、大きく分けて2つの事業を展開しています。世界的なIT・デジタル投資の流れもあり、コロナ禍においても成長を続けています。今後は、IoTなど新しいテクノロジーの活用を推進していくことで、当社が提唱する「ものづくりデジタライゼーション」の実現を図っていきたいと考えています。

MIJSには自社製品を有する企業が集結

――羽田理事長がMIJSでの活動をはじめられたきっかけは何だったのでしょうか。

「海外で勝負できるような日本発のソフトウエア製品を作っていきませんか」と、MIJS発足時にお声がけをいただき、その理念に賛同し参加を決めました。さまざまなソフトウエアベンダーが参画している点も魅力的で、創立当初から加入しました。IT・ソフトウエア関連の団体はほかにもありますが、MIJSの特徴は自社製品・サービスを持つ企業が多く集まっている点です。製品の相互連携による国内ビジネス基盤の強化と、日本発のソフトウエアを海外へ展開することがMIJS設立時の目的でした。

2019年に活動方針を再定義し、「ソフトウエアで日本を強くする」という新たなスローガンを掲げることになりました。現在は、営業・マーケティング、技術、人事などの分野で、企業の垣根を飛び越え、情報交換や交流を行うことがMIJSの主な活動となっています。

  • MIJSは新体制の発足を機にロゴを刷新。これには焚火がモチーフとして採用され、焚火から連想される「仲間」「同志」「共創」「語り」から、MIJSが企業、組織にとって焚火のような存在でありたいという想いが込められている

    MIJSは新体制の発足を機にロゴを刷新。これには焚火がモチーフとして採用され、焚火から連想される「仲間」「同志」「共創」「語り」から、MIJSが企業、組織にとって焚火のような存在でありたいという想いが込められている

――羽田理事長はこれまでMIJSでどのような活動を行われてきましたか。

私がエンジニア出身ということもあり、当初は新しい技術の評価・選択、エンジニアコミュニティの構築を目指した「技術委員会(現ニューテクノロジー委員会」」を中心に活動してきました。

役員に就任してからは、「ビジネスネットワーク委員会」にも参加しています。ビジネスネットワーク委員会主催のイベント「meetALIVE」では、MIJSの枠にとどまることなく外部の尖がった方々を講師に迎えて、ビジネスネットワーキングを推進しています。

MIJSの活動としてはほかにも、営業マーケティング分野におけるさまざまなノウハウや方法論を調査・共有する「営業・マーケティング委員会」を設置しています。また、企業合同での新入社員向け研修など、人材育成プログラムにも取り組んでいます。

日本でのソフトウエアの価値を高め、子どもに勧められる産業に

――MIJSの理事長としての方針や目標を教えてください。

もともとMIJSは海外進出志向の強い団体でしたが、2019年に活動方針を見直した後は、まずは足元を見つめて個々の組織や人が強くなっていくための活動に重きを置くようになりました。こうした方針は今後も継続していきたいと考えています。

コロナ禍によって、人と人のつながりの大切さが浮き彫りになりました。個々の力は小さくても、つながりを構築しひとつにしていくことで、個社単独ではできない大きな1歩を踏み出していけるような団体にしていければと考えています。

――具体的にはどのような取り組みを予定されていますか。

柱となるのは委員会活動です。今年度は、新たに「経営者委員会」を立ちあげる予定です。私個人が感じているMIJSの良さのひとつに、多くの経営層の方々が直接参画しているという点があります。様々な経歴を持つ経営者の方とお話しすると、普段とは異なる視点で物事を考えることができ、非常に参考になります。製品戦略や経営課題など、他ではなかなか相談できない悩みを本音で話すことができる方々が集まっていることも魅力です。

  • MIJSの新体制図――今年度より経営者委員会が立ち上げられる予定

    MIJSの新体制図――今年度より経営者委員会が立ち上げられる予定

もともとそうした話題はMIJSの理事会でディスカッションすることが多かったのですが、経営者委員会を立ち上げ、理事だけでなく全会員の経営者が参加できるようすることで、よりMIJSを活性化していければと思っています。

――最後に、今後に向けた抱負をお願いします。

「ソフトウエアで日本を強くする」ためには、まずは個々の組織や人が強くなっていく必要があります。MIJSの活動を通して、自社や自分の強み・弱みなどを改めて見直していただけると良いと考えています。MIJSの理念に共感して積極的に活動していただける企業様にぜひ参加していただきたいです。

  • Made In Japan Software & Service (MIJS)コンソーシアム 理事長 羽田 雅一氏 (ビジネスエンジニアリング株式会社 代表取締役・取締役社長)3

また、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れがある昨今、IT・ソフトウエア業界には良い風が吹いていると思います。しかし、まだ日本のなかでこの業界の地位が高いとは言えないと思っています。MIJSの活動を通じて日本でのIT・ソフトウエアの価値を高め、子どもたちに勧められるような産業にしていきたいですね。

――ありがとうございました。

Made In Japan Software & Service (MIJS)コンソーシアム
https://www.mijs.jp/

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