ゲームをプレイできるモバイルノートPC「LEVEL-14FH057-i7-UXSX」が、ユニットコム(パソコン工房)のiiyamaPC「LEVEL∞」ブランドから発売された。Intel Iris Xe グラフィックスを搭載することで、薄型・軽量ながらも多くのゲームを楽しめるのが魅力だ。

  • Iris Xe グラフィックスを搭載した14型ゲーミングノート「LEVEL-14FH057-i7-UXSX」

ゲーミングノートPCのジレンマ

デスクトップPCに対してノートPCの魅力は、持ち運びが容易である、内蔵バッテリーで十分に駆動できる、という点にあるだろう。

しかし、“ゲーミング”を謳ったノートPCの場合、実際にはほぼ据え置きで、たまに電源がある外出先で利用する、といった使い方になることが多い。これは、3Dゲームを動かすための高性能なGPUが大きな電力を必要とし、それによって必然的に発熱量も増大するので、本体やACアダプタが重厚長大になってしまうからだ。

この制約を回避するためにはCPUに内蔵されたグラフィックス機能を利用することになるが、これはこれで後付けのディスクリートGPUと比べると性能が低く、GPU負荷の軽いゲーム以外はまともにプレイできなかった。

そんな状況を一変させたのが、インテルの第11世代Coreプロセッサ「Tiger Lake」から搭載されている内蔵グラフィックス機能「Intel Iris Xe グラフィックス」だ。ユニットコムの「LEVEL-14FH057-i7-UXSX」は、このIris Xe グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCとなる。

  • パームレスト部に貼付されている「Intel Iris Xe グラフィックス」のロゴシール

シンプルかつ“ソツ”のない作りで使い勝手は良好

「LEVEL-14FH057-i7-UXSX」は、CPUに「Intel Core i7-1165G7」、DDR4-3200メモリ 16GB、ストレージとして500GB NVMe対応 M.2 SSDを備え、公称で約0.98kgという軽さを実現した、モバイルゲーミングノートいえる製品だ。

外観は黒一色というシンプルなデザインで、"LEVEL∞"ロゴと、ヒンジ部の丸いゴールドの縁取りがアクセントになっている。サイズは約W322×D218×H19mm(※ゴム足含む)で、ナローベゼルを採用しているため、14型ながらも省スペース。アンチグレアディスプレイを搭載し、解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)、最大展開角度は180度となる。

  • LEVEL∞ロゴが映える黒一色の精悍なデザイン

  • 底面も黒一色で、冷却のための開口部は存在しない

  • さまざまなシーンで利用できるフルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイ

軽さを優先させるためか、本体は基本的に樹脂製。だが、アメリカ国防総省が制定したMIL規格(MIL-STD 810G)準拠のテストをクリアしているため、堅牢性は折り紙付きだ。本体質量を実際にはかったところ、公称値である0.98kgより若干軽く、実測で0.955kg。ACアダプタも持ち運びが苦にならない大きさに抑えられており、電源ケーブルと合わせた質量は実測で0.185kgだった。

  • ゲーミングPCながらも本体質量の実測値は0.955kg

  • ACアダプタと電源ケーブルの合計質量は0.185kg

ディスプレイ上部には、ゲーム中のWebチャットや動画配信に利用できる100万画素のWebカメラと内蔵マイクを搭載している。ステレオスピーカーは、底面外周部の斜めにカットされた箇所に配置されているため、広がりのあるサウンドを再生可能だ。ゲーム中、とくに外出先で遊ぶ場合はヘッドセットを利用することが多いと思われるが、こういった配慮はうれしいところ。

  • 100万画素のWebカメラと内蔵マイクでWebチャットもすぐに利用可能

  • 音の広がりが考慮された底面外周部のステレオスピーカー

Thunderbolt 4で拡張性も確保

本体に搭載されているインタフェースは、左側面奥からAC入力、HDMI、USB 3.1 Type-A、Thunderbolt 4 (Type-C)、右側面奥からセキュリティスロット、USB 3.0 Type-A、ヘッドフォン出力/マイク入力端子、microSDカードリーダー、電源ボタン。

Thunderbolt 4 (Type-C)はDisplayPortとして利用でき、HDMI端子と合わせてトリプルディスプレイ環境も構築できる。給電にも対応しており、USB Power Delivery(USB PD)規格で45W以上の出力に対応したUSB充電アダプタやモバイルバッテリーがあれば、ACアダプタがなくとも充電が可能。また、データ通信速度をいかして高性能なビデオキャプチャーユニットなどを接続できるのも魅力だ。

  • 本体・左側面には、奥からAC入力、HDMI、USB 3.1 Type-A、Thunderbolt 4 (Type-C)を搭載

  • 本体・右側面には、奥からUSB 3.0 Type-A、ヘッドフォン出力/マイク入力端子、microSDカードリーダー、電源ボタン

バッテリー稼働時間は公証で約5.6時間と、一般的なモバイルノートPCと同程度。とはいえ、ディスクリートGPUを搭載するゲーミングPCと比較すれば間違いなく長い。グラフィックス機能に着目しなければ、モバイルノートPCとほぼ同じように運用できるだろう。

通信面でも最新規格に対応し、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5を利用できる。Wi-Fi 6に対応した最新の無線LANルーターを用意すれば、Wi-Fiでも安定したゲームが楽しめそうだ。

テンキーレスのキーボードは一般的なアイソレーションタイプを採用しており、サイズ、押下感ともにクセが少ない。ゲームプレイで使用することが多い左側のShiftキーやCtrlキーも十分なサイズが確保されているため、困ることはなさそうだ。一方、ゲーミングPCならではの押し心地へのこだわりや、発光機能などは備えていない。万人が使いやすい、クセのないキーボードといえる。

タッチパッドはパッドとボタンが一体になったタイプ。面積は広いものの、ゲーム操作を確実に行いたいのであれば、別途マウスやジョイパッドを用意した方がよさそうだ。

  • 適度なサイズと押下感を備えたクセのないキーボード、パッド&ボタン一体型のタッチパッド

ベンチマークテストで基本的な性能をチェック

まずはベンチマークソフトで「LEVEL-14FH057-i7-UXSX」の気になる性能をチェックしていきたい。まずは「PCMark 10」「CINEBENCH R23」「CrystalDiskMark 8.0.1」でPCの基本的な能力を測っていこう。

PCMark 10 Extendedの総合スコアは「3761」。公称では快適に動作する目安が3000といわれているが、Essentialsのスコアはもちろん、Digital ContentCreationにおいても、それをゆうに越すスコアが確認できる。ゲームだけでなく、テレワークや自宅学習用のハイスペックノートとしても活躍しそうだ。

PCMark 10 Extended
総合 3761
Essentials 9124
Productivity 6643
Digital Content Creation 4078
Gaming 2189

CINEBENCH R23では、CPUの特徴がわかる。4コア8スレッドの「Intel Core i7-1165G7」は、「CPU (Multi Core)」の伸びが良好。ターボブースト時には動作クロック周波数も4.7GHzまで上昇するため、「CPU (Single Core)」も優秀だ。ゲームをプレイするにあたってのCPU能力は十二分といえる。

CINEBENCH R23
CPU(マルチコア) 2491 pts
CPU(シングルコア) 1159 pts
MP Ratio 2.15 x

CrystalDiskMark 8.0.1では、250GB NVMe対応 M.2 SSDの高速なアクセスが確認できる。その速度はNVMe対応 SSDならではのもので、ゲームのロード時間やインストール時間短縮を実現してくれそうだ。

CrystalDiskMark 8.0.1 x64
  Read(MB/s) Write(MB/s)
SEQ1M Q8T1 1838.27 966.85
SEQ1M Q1T1 1333.61 915.90
RND4K Q32T16 272.59 486.75
RND4K Q1T1 40.84 95.15

Iris Xe グラフィックスの実力をチェック

ここからは3Dゲームに関するベンチマークによって、Iris Xe グラフィックスの実力を確認していこう。

3DMarkは、Fire Strikeが「3364」、Time Spyが「1266」という結果になった。これは、ローエンドのディスクリートGPUと並ぶくらいの性能といえる。CPU内蔵グラフィックスながらもこれだけの性能を持つことに、隔世の感がある。

3DMark Fire Strike
総合 3364
Graphic score 3906
Physics score 7532
Combined score 1173
3DMark Fire Strike Extreme
総合 1542
Graphic score 1604
Physics score 7595
Combined score 622
3DMark Time Spy
総合 1266
Graphic score 1160
CPU score 2626

「Apex Legends」のトレーニングモードを周回しつつ、「CapFremeX」を使って計測したところ、すべての設定を最低まで下げた際の平均FPSは1,280×720ドットで「65.1」、1,920×1,080ドットで「49.3」、設定をそれぞれ中程度まで上げた場合は1,280×720ドットで「39.35」、1,920×1,080ドットで「31.3」となった。画質設定さえ下げればフルHDでもプレイ可能で、安定して60FPS以上出したいのであれば解像度を下げる、といった設定がよさそうだ。

Apex Legends
  1,280×720 1,920×1,080
低設定 平均フレームレート 65.1 49.3
中設定 平均フレームレート 39.4 31.3

「Rise of the Tomb Raider」のベンチマークテスト(DirextX12:オン、アンチエイリアス/ステレオスコピック:オフ)では、平均フレームレートが1,280×720ドットで「34」、1,920×1,080ドットで「20」となった。解像度を下げればギリギリプレイできなくもないが、やはりこのクラスのゲームタイトルでは負荷がきつい。

Rise of the Tomb Raider
  1,280×720 1,920×1,080
レンダリングフレーム数 5416 3186
平均フレームレート 34 20

ゲームも遊べる薄型・軽量モバイルノート

「LEVEL-14FH057-i7-UXSX」は、「LEVEL∞」ブランドから発売された新しいジャンルのゲーミングノートPCといえるだろう。CPUに内蔵されたグラフィックス機能を利用した一般的なモバイルノートだが、そのCPU内蔵グラフィックス自体の性能がこれまでとは一線を画している。

もちろん、最新の3Dグラフィックス技術を駆使したようなゲームでは荷が重すぎるが、従来であれば最低限、エントリークラスのディスクリートGPUを必要としていたタイトルでも快適に動かせるメリットは大きい。MOBAやMMO RPG、負荷の少ないFPSであれば十分に対応できるはずだ。

このGPU性能が1kgを切る本体質量の中に収まっているのは、それだけで大きな魅力。価格も111,980 円(税別)からと、ゲーミングノートとしては手軽だ。「日々持ち歩くノートPCでゲームも楽しみたい!」という方は検討の価値があるモデルといえるだろう。

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