メーカー保守が終了したハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの機器やシステムに対して、第三者が保守サービスを提供する第三者保守。メーカーの保守期限に縛られることなくIT機器を延命できるこのサービスは、保守サービス切れで利用し続けることの運用リスク、あるいは新しい機器への移行に伴うコストやスケジュールといった企業の課題を解決する手段として海外では以前から広く利用されてきた。

だが、日本では第三者保守の知名度は決して高いとは言えない。そこでマイナビニュースは2020年6月、読者会員(IT関連技術職(ソフトウェア・ネットワーク他) 事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))を対象にしたアンケートを実施。保守サービス切れに関する実態はどのようなものか、結果とともに紹介した。

この調査からわかったことは、企業は保守切れに伴う運用リスク、機器移行のコスト、スケジュールといった課題を抱えているということ。一方で、こうした問題を解決する手段である第三者保守について把握している人や利用したことがある人は思いのほか少ないということだ。

  • 保守サービス切れにともない具体的にどのような内容で困りましたか?
  • メーカーの保守サービス期間以降も保守を提供する「第三者保守」というサービスをご存知ですか?

では、第三者保守サービスは企業が抱えるIT機器の保守切れという課題にどのようにして応えることができるのか。延命保守(第三者保守)サービスを提供しているエスエーティ(SAT)の代表取締役蔵満茂氏にその特徴を伺った。

一定期間でサービスを終えてしまうメーカー保守

SATは「延命保守サービス」、いわゆる第三者保守サービスを事業の柱としている企業だ。保守サービスで培った経験と高い技術力を活かし、構築サービスや運用サービスも行っている。

SATはもともと、大手IT企業からの要請を受け、OEMサーバー製品の保守サポートサービスを行う会社として2006年に設立された。委託元のサポートセンターにおいてシステム障害の切り分け、解析を主な業務とし、ここから同社が提供する「延命保守サービス」の技術と経験が培われていった。

海外では1980年ごろから第三者保守が広まっており、メーカーが保守する場合も第三者が保守する場合もある。しかし日本の場合、NECや富士通、日立などのIT機器を販売するメーカーが直接保守サービスを行うのが基本となっており、顧客とメーカーの結びつきが強い。メーカーが保守を提供してくれる間はいいのだが、メーカー保守期間が終了するとユーザーは保守が受けられなくなり運用上のリスクを抱えることになる。

そもそも、どうしてメーカー保守は一定期間で終了してしまうのか。蔵満氏はその主な理由を次のように話す。

「メーカーの保守サービスは通常5~7年で終了しますが、その理由の1つとして『新しい製品に更新してほしい』という考えがあります。これは顧客が主導するものではなく、メーカー都合でのリプレイスと言えます」

  • エスエーティ 代表取締役 蔵満 茂 氏

    エスエーティ 代表取締役 蔵満 茂 氏

従来であれば、ユーザー側は運用リスクを回避するためメーカーの保守終了に合わせシステムの更新をするしかなかった。しかし、第三者保守を利用することで保守切れによる運用リスクを払拭し、自社のシステム更新のサイクルに合わせた投資計画を立てることが可能となるのだ。

第三者保守サービスから得られるメリット

メーカー保守と第三者保守を比較した際の大きな利点がコスト削減だ。蔵満氏は第三者保守利用によるコスト削減について次のように詳しく説明する。

「一般的に第三者保守の方がメーカー保守よりも安くサービスを提供することができます。コストを抑えられる理由は、やることを限定しているため。メーカーには製造者責任があり、ファームウェアの改修なども行わなければなりません。また日本ではメーカーに高度なサービス品質が期待されることも多く、要求される水準を満たすために結果として保守費用が高くなってしまいます。これに対して第三者保守の基本サービスは『壊れたものを直すこと』ハードウェアそのものに責任を負わない分、コストを下げられる仕組みです」

こうした保守サービス自体のコストダウンにくわえ、製品の稼働期間が延びることでシステム更新にかかる費用の削減も期待できると蔵満氏は説明する。

「例えば5年単位の保守契約ですと、15年で3回のシステム更新を行わなければなりません。ですが、第三者保守を使って機器の稼働期間を2~3年延ばすことができれば更新を2回に減らせます。システム更新にかかるコストは非常に大きいので、その回数が減ることは企業にとって大きなメリットになるでしょう」

また、メーカーが違う製品に対してマルチベンダ対応が可能な点も第三者保守の大きな利点だ。

「通常メーカーは自社製品の保守にしか対応していないため、A社の製品が壊れたときはA社に、B社のストレージが壊れたときはB社に連絡しなくてはなりません。その点、われわれが提供しているような第三者保守サービスであれば、A社の製品、B社のストレージ、C社のネットワーク機器などいろいろなシステムを組み合わせて使っていても、われわれに連絡いただくだけですべてのメンテナンスに対応できます」(*1)

企業にとっては保守に関する窓口を一本化できるため、運用部門の負荷も減り、非常時の対応がよりスムーズになるだろう。

第三者保守業界におけるSATの強みとは?

日本では近年まで第三者保守サービスはあまり知られておらず、ユーザーはメーカーの保守に頼るという構図が一般的であった。しかし、ここ数年は第三者保守サービスを提供する会社も徐々に増えてきている。そのような中で、SATの強みはどのような点にあるのだろうか。

蔵満氏はSATの延命保守サービスについて、保守の技術力、サービスメニューの手厚さ、パーツの調達力とその品質の高さを特徴として挙げている。

「まず、大型ストレージに対応できる同業他社は非常に少ないと思います。当社にはもともとメーカーにいた技術者が数多く在籍していますので、他社ができない大型機器に対応できることは大きな強みといえるでしょう。新たに保守終了を迎える機器に対しても専門のチームが保守開発を行っており、日々対応機種を増やす努力を続けています」

大型ストレージにはメーカー独自のリモート監視の仕組みが入っていることが多く、メーカーの方で障害を検知して修復してくれることもある。しかし、こういった対応もメーカー保守が切れてしまうと利用できない。そこでSATでは、独自にカスタマイズしたリモート監視の仕組みを構築したり、サードパーティのリモート監視システムを導入したりすることで大型ストレージの監視対応を可能にしているという。

また、SATではメーカー保守に準じたサポート体制を作るべく、24時間365日の保守対応エリアを広げるなどサービスの拡充に尽力している。すでに関東・関西・九州・名古屋では24時間365日体制が整っており、4時間以内の現場に駆けつけにも対応している。(*2)

さらに、保守に必要なパーツの調達と品質の管理もSATが力を入れている点だ。

「われわれはメーカーではないので部品を製造したり、メーカーから購入したりすることはできませんが、この10年間で国内外からの調達実績を積み上げてきました。東京・大阪・福岡エリアでは24時間の部品配送センターをもって対応しています。海外には昔から第三者保守がありましたので、そのための市場や会社もたくさんあり、部品の流通も非常に多い。われわれはそういった市場から部品を調達するのですが、それらをそのまま在庫とするわけではなく、検査したうえで品質を担保する仕組みを作っています。さまざまな機器に対応できるよう部品を確保しておりますので、例えば2000年ごろの製品にも保守対応が可能です」

  • SAT延命保守サービスの特徴

    SAT延命保守サービスの特徴

SATはこうした高い技術力、対応力、調達力を強みに、これまで大手金融企業や大手キャリア、自動車会社、SIerなどさまざまな業界のIT機器に対して延命保守サービスを提供してきた。保守対応を行った機器も多岐にわたり、その中には数千台規模のシステムや勘定系の基幹システムなど、高い技術力を有するSATだからこそできた製品も少なくない。時には同業他社から保守依頼を受けることもあるといい、保守技術に対する信頼の高さが伺えるだろう。

「われわれは10年以上にわたり第三者保守サービスを提供するなかで、数多くの実績とノウハウを積んでまいりました。業種、事業規模を問わずIT機器を導入されているお客様は、当社の『延命保守サービス』を利用することでそのメリットを十分に実感いただけると思います」

IT業界は日進月歩で進化し続けてきたが、いまやPCのみならず、サーバーやネットワーク機器といったIT資産においてもコモディティ化が進んでおり、従来ほど頻繁な更新の必要性がなくなってきている。機器は使い続けたいが、メーカー保守の都合でシステム更新をしなければいけない。そんな企業の課題を解消する一つの選択肢としてSATの「延命保守サービス」のような第三者保守サービスの価値はこれからますます高まっていくことだろう。

  • エスエーティ 代表取締役 蔵満 茂 氏

<注釈>
*1 メーカー、製品によっては、サービスのご提供ができない場合がございます。
*2 対象機器設置場所到着の目標時間。機器、地域によってはサービスをご提供できない場合がございます。

6月実施アンケート結果はこちら
https://news.mynavi.jp/kikaku/20200730-1167919/

エスエーティのHPはこちら
https://sat-corp.jp/

[PR]提供:エスエーティ