経理・人事部門のニューノーマル時代到来! ITの力を駆使したバージョンアップの中身とは?

新型コロナウイルスは瞬く間に全世界に広まり、過去に類を見ないほど深刻な影響を及ぼした。日本においても企業がこぞってテレワークを導入したことから、在宅での勤務が急速に定着することとなった。しかしそうした中でも、依然として多くの人々がオフィスで勤務せざるを得ない状況にあるのが、経理・人事部門である。

スーパーストリームの取締役 企画開発本部 本部長(CTO)の山田 誠氏はこう語る。「緊急事態宣言が発令されていた時期でも、私が使う品川駅などでは会社に向かう人々の姿が目立ちました。そうした人々のなかには、紙・ハンコや決算/月次業務、採用/給与関連業務などのために出社しなければならない経理・人事部門のスタッフもいたはずです。我々は会計・人事給与システムの専業ベンダーとして、そういったお客様を救う手段がなかったのかと申し訳なく感じるととともに、今こそ“ITの力”で彼らを救わなければいけないと強く思いました」

スーパーストリーム株式会社 取締役 企画開発本部 本部長 山田 誠氏

スーパーストリーム株式会社
取締役 企画開発本部
本部長 山田 誠氏

同社は、1995年から会計・人事給与に特化した経営基盤ソリューション「SuperStream」シリーズを開発、販売を開始した。今では国内の中堅企業から大企業を中心に9,400社以上に採用され、その内上場企業約800社が「SuperStream」で決算や給与管理を行っていることになり、最近では日系企業の海外現地法人にも展開している。リリース25周年を迎える今年まで、日本企業が経営基盤システムに求めるニーズに確実に応えるべく毎年改善を積み重ねてきており、今年も夏に大幅なバージョンアップを予定している。

「今回のバージョンアップはお客様への恩返しだと考えています。今回の“コロナ禍”でまだまだ当社の社会貢献は道半ばであったと気づきましたので、今こそ経理・人事の働き方の変革の機会となるよう、できる限りの新機能を盛り込みました」(山田氏)

今年5月に同社が株式会社ダイヤモンド社と共同で行った調査でも、経理・人事系の従業員の出社率は他の部門と比較して高いことが明らかとなった。そしてテレワークができない理由の中で最も多く、実に6割を占めていたのが、業務に必要な書類が電子化されていないため、紙ベースで実施するしかない状況だったのである。
「結局のところ、ここ10年~20年の間も経理・人事部門では紙ベースの仕事が数多く残っている状況に変わりがなかったのです。たとえば請求書など、企業間を飛び交う紙書類も多いですし、支払いを遅らせるわけにはいかないので出社して手で入力するしかないわけです。つまり、紙・証憑が足かせとなっているので、我々としても日本から紙書類を撤廃しないといけないと改めて痛感し、今年のバージョンアップの方向性を大きく3点に絞りました」(山田氏)

その3つの方向性のキーワードは、「AI・RPA(=人の労力の軽減と労働生産性の向上)」、「ペーパーレス(=紙の撤廃)」、「クラウド(=働く場所の自由化)」だ。

会計システムベンダーとしての豊富な経験を強みに、経理部門の労働生産性向上を目指す

今年1月~2月にかけて「SuperStream」ユーザーを対象に行ったアンケート調査によると、請求書等の入力にAI-OCRを利用したいと回答した割合は53%と過半数に及んだ。また、AI-OCRを活用することで業務効率化を図ることができ、現状から実に40%もの削減が見込めるという高い期待も明らかとなった。このように経理部門のAI活用としてAI-OCRが注目されているのを受けて、この夏にリリースするのが初のAIソリューション「SuperStream-NX AI-OCR(請求書)」だ。

これまでにもスーパーストリームでは、2018年7月に「オフィスロボット(経理・人事)」というSuperStream専用のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を提供している。今回リリースされる「SuperStream-NX AI-OCR(請求書)」は、そこからさらにもう一歩先のAIの領域まで踏み込んだソリューションといえる。

リリースに先駆けて、公募に応じた企業5社によるトライアルも実施している。そこでは、実際の請求書をスキャンし、クラウドへアップロードしながら、請求書のAI推論データと「NX-AP支払伝票データ」を突き合わせて学習を進めていった。

「SuperStream-NX AI-OCR(請求書)」には、証憑の画像解析を行う画像解析AIと、仕訳データの勘定科目タイプを推論する自動仕訳AIという大きく分けて2つのAIが用いられている。画像解析AIは、日々のスキャンの中でディープラーニングによる学習を繰り返しながら精度を上げ続けることができ、さまざまなフォーマットの請求書に対応する。また自動仕訳AIは、読み取った内容を基にして勘定科目を推論する。その際には各社ごとの仕訳ルールの設定も可能だ。

山田氏は「あくまで我々は会計ベンダーであってOCRベンダーではありません。ですので単に紙の書類を読み取って電子データへと変換するだけでなく、勘定科目の推論から仕訳までカバーすることがとても大事だと考えています」と話す。

本ソリューションはディープラーニングとマシンラーニングを組み合わされており、将来的に9,400社以上の企業が利用することで、日本のあらゆる業種業態に沿った勘定科目の推論をAIが行ってくれるようになると期待されている。

「ただこれは第一歩に過ぎません。次のステップでは監査や人事などにもAIを取り入れていきたいと考えています。ただ今回は、AIの力でとにかく経理の職場から紙をなくすとともに、担当者の負担を軽減することを最優先に考えました」と山田氏は強調した。

  • 「会計・人事AI」の未来

圧倒的な使いやすさと表現力のBI機能でペーパーレスを支援

AI-OCRに対する高い期待からもわかるように、経理部門では特にペーパーレス化が急務となっている。2016年度にはスキャナ保存制度が改定され、伝票と紐付けた証憑を電子データで管理することが可能となっている。そこで、今こそ「紙の撤廃」を浸透させる絶好の機会と捉えたスーパーストリームでは「SuperStream-NX証票管理オプション」をリリースしており、「SuperStream-NX AI-OCR(請求書)」で登録した証憑情報も連携することができる。

さらに、今回のバージョンアップでは簡易BIツールとなる「ReportPlus」もSuperStream-NXの標準機能として搭載される。このBI機能は、会計システム内にある各種データをグリッド技術を用いて、ユーザーが自由に縦軸や横軸を定義しながらビジュアルなグラフで表現することが可能となる。月次の決算や月末の人員計画などリアルタイムに変化する生の業務データに対して動的にダッシュボードを生成できるのが大きな特徴となっている。一度作ったレポートは記憶されるため、次回からの作成作業が効率化されることになる。

  • 圧倒的な表現力を持つBI機能

    “圧倒的な表現力”を実現したBI機能

「SuperStream-NXの強みであるフレームワークに標準機能としてBIを組み込みました。圧倒的な使いやすさと表現力を実現できたと自負しております。こうしたグラフ機能の充実により、ペーパーレス化はもちろんのこと、業務のやり方そのものを変えていくことを目指しています」(山田氏)

クラウド利用拡大に向けOracle Cloud(OCI)対応に

クラウド活用が急拡大するなか、会計・人事システムでも本格的にクラウドを採用する時代となっている。スーパーストリームでも早くからクラウド対応を行っており、クラウドERPのフルマネージドサービス「SuperStream-NX Cloud」も提供している。そして今年夏には、SuperStream-NXのクラウド環境をOracle Cloud(OCI)上に構築してすべての機能の提供を開始する予定だ。リリースに先駆け、今年4月にはスーパーストリーム自身も自社の会計・人事システム基盤であるSuperStream-NXをOracle Cloud(OCI)で構築した。これにより、Oracle Cloud(OCI)、AWS、Azure共に製品対応を果たしたことになる。

山田氏は「オラクル社とは長い協業の歴史があり、エンタープライズ領域のおける信頼性は高く評価しています。そして今回SuperStream-NX Cloudの基盤にOracle Cloud(OCI)を採用し、クラウド領域でもパートナー連携を強化しました。マルチテナント・シングルテナント両方に、柔軟に対応可能で、将来的にはAutonomousやインメモリ機能の搭載も視野に入れています。経理・人事の方々にぜひクラウドの良さを実感してもらえればと願っています」と強調する。

「BX」で経理・人事の働き方をより人に優しく便利に変えていく

“アフターコロナ時代”の経理・人事の仕事を真剣に考え続けたスーパーストリームが出した答えが、今回の3つの領域にフォーカスした大規模なバージョンアップだ。そのキーワードとして同社では「BX」を掲げている。これは、「Back-Office」と「Digital Transformation(DX)」を組み合わせた同社による造語だ。しかしそこには、「Back-Office」である経理・人事の働き方を、より人に優しく、より便利に変えていきたい──そんな同社の強い思いが込められている。

  • 山田誠氏

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