地球上で生成されるデジタルデータ(デジタルユニバース)の量は2010年から2020年の10年間で約50倍もの成長を遂げ、44ZB(44兆GB)に達するとされている(※1)。デジタルユニバースは約2年ごとに倍増するといわれており、その量は2020年以降も増大し続けていくことは間違いないだろう。データ量が増えれば、当然ながらそれを保存・管理するストレージシステムの重要性が増すことになる。
本記事では、2019年7月31日に開催された、マイナビフォーラム「成功事例から学ぶデータ活用」にて行われたセッション「増え続けるデータを活用できるクラウドとの付き合い方 ~クラウド型ストレージの活用事例~」の模様を参考に、指数関数的に増加するデータを保存・管理するために有効といわれる「オブジェクトストレージ」について解説する。

※1 insideBIGDATA https://insidebigdata.com/2017/02/16/the-exponential-growth-of-data/

大量のデータの保存に適したオブジェクトストレージ

セッションの前半に登壇したのはEMCジャパンの杉本 直之氏。
EMCジャパンは、DELL Technologiesにおけるサーバーストレージネットワークブランド「DELL EMC」の日本法人である。
同社では、増え続けるデータを活用するインフラ基盤として、オブジェクトストレージECS(Elastic Cloud Storage)の提供を行っている。

EMCジャパン株式会社
UDS事業部 SE部
シニア システム エンジニア
杉本 直之 氏

ディレクトリ階層でファイルを管理する従来の共有ファイルストレージに対して、オブジェクトストレージはファイル単位ではなくオブジェクトという単位で管理する。ディレクトリのような階層は持たず、フラットかつ他のオブジェクトと互いに依存関係のない状態で保管し、オブジェクトIDによってファイルの出し入れを行う。
従来のファイルストレージでは、ファイルの出し入れを行う際に、どのディレクトリに保存しているかを記憶しておく必要がある。また、移動や複製を行う場合は、ディレクトリ階層や他のファイルとの依存関係についても考慮しておかなければならない。
一方、オブジェクトストレージでは、データの場所を覚えておく必要はない。フラットで他との依存関係がない状態で管理されているので移動や複製も容易、加えてデータを分散して保管しやすいという特徴もある。また、スケーラビリティにも優れているので大容量データの保管管理の適している。
「一般的な共有ファイルストレージとオブジェクトストレージの違いをたとえると、貸しロッカーとホテルのクロークになります」(杉本氏)
貸しロッカーを使用する場合、ロッカーの鍵を用いて扉を開き、荷物の出し入れをした後に、扉を開くという手順になる。そして、どこに何をしまったかは自分で記憶しておかなければならない。一方、クロークでは、名前か番号を受付に告げれば荷物の出し入れができる。どこに何をしまったかを記憶しておく必要もない。大量の荷物を出し入れする際に、どちらが便利かは言わずもがなである。

コストパフォーマンスに優れたオブジェクトストレージ「Dell EMC ECS」

DELL EMCが提供している「ECS(Elastic Cloud Storage)」は、オブジェクトストレージ機能を提供する「SDS(ソフトウェア定義型ストレージ)」である。なお、EMCジャパンでは、ECSをサーバにインストールしたストレージアプライアンスも提供している。
ECSの特徴は、高機能でありながら非常に安価なコストモデルの提供が可能である点だ。ITアナリスト Enterprise Strategy Group(ESG)の調査(※2)によると、ECSには、大手パブリッククラウドよりもTCOが59.5%安価なコストモデルの提供が可能とのこと。

※2 https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/analyst-reports/products/storage/esg-ecnomic-value-audi-dell-emc-elastic-cloud-storage.pdf

オブジェクトストレージの主な利用用途

オブジェクトストレージが利用される用途として、杉本氏は「①スマートアーカイブ領域」「②スケーラブルコンテンツレポジトリ」「③クラウドネイティブ・アプリと疎結合な連携」の三つを挙げ、それぞれについての事例を紹介した。
以下で、簡単にその内容を紹介する。

(1)スマートアーカイブ領域

企業が所持するデータには、滅多に使用しないが捨てることができないデータが大量に存在する。それらの保管先にパブリッククラウドを選択すると、意外とコストがかかる。そのデータを利用するにはさらにコストがかさむという課題がある。

解決事例:

インドで検索サービスを提供するJustdialでは、ECSの導入によって、他社のデータアーカイブサービスを実現しストレージ管理コストの80%削減を達成、さらアーカイブしたデータの検索サービスも実現した。
また、米国の企業向け情報管理サービス会社であるIRON MOUNTAINでは、ECSによってコスト効率がよく、ほぼ無制限ともいえる拡張性を実現している。

(2)スケーラブルコンテンツレポジトリ

映像コンテンツが増加している昨今では、増加し続ける膨大な量のデータに対応するために、永続的な拡張性と、そのデータを守る堅牢性が必要となる。

解決事例:

国内で動画配信サービスを提供しているNTTぷらら様では、動画コンテンツ配信ソースストレージのオンプレミス化にECSを導入。CDNサービスと組み合わせることで、具体的には、アクセスが集中する人気のコンテンツはCDNから、ロングテールのニッチなコンテンツについてはオブジェクトストレージのECSから配信。配信基盤コストの削減を実現している。

(3)クラウドネイティブ・アプリと疎結合な連携

昨今では、マルチクラウドやハイブリッドクラウドの利用が広がっている。この場合、特に重要となるのが、クラウド間での共通な開発環境が提供できるかとなる。

解決事例:

海外金融機関における事例では、モバイルアプリケーション向けデータプラットフォームの構築のECSを採用。アクティブ・アクティブでのマルチサイト間のデータアクセスを実現した。また、35億オブジェクトをECSに格納済みとのこと。

「データには、常に重力(コスト、インフラ、リソース)がかかります。ですからデータ量とその利用価値、そして賞味期限を考慮して保管先を検討するべきでしょう。パブリッククラウドはスピードを重視する場合に利用して、使用頻度が低かったり長期保管が必要だったりするデータはオンプレミスに保管する。そのようなハイブリッドクラウドやマルチクラウドが、増え続けるデータの活用には効果的です。そして、オブジェクトストレージは、その選択肢として最適なものといえるのです」(杉本氏)

デジタルトランスフォーメーション時代におけるクラウドとオンプレミスの活用バランス

続いて登壇したのは、DELL EMCの一次代理店であり、プラチナパートナーでもある、図研ネットウエイブの高木 亮太氏。
「今後、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みが広がることは確実です。その結果、私たちの社会はデータであふれかえるようになります。その結果、これからはあらゆる場所にクラウドが求められるようになります」(高木氏)

図研ネットウエイブ株式会社
営業本部 第二営業部
部長 高木 亮太 氏

柔軟な拡張・縮小が可能なクラウドには様々なメリットがある。近年は自社のインフラをクラウドサービスへ移行する企業も増加しており、今後もクラウドサービスは成長し続けていくことが予想されている。
しかし、デジタルデータは増える一方であり、それらすべてをクラウドにアップすると想像以上にコストが掛かることがある。また、データの中にはセキュリティポリシー上、クラウドにアップできない機密データやミッションクリティカルなデータもあるだろう。
確かにクラウドは、コストモデルを柔軟に設定できるので、用途に合わせた選択が可能である。そのため、スピードが必要な用途や変化が激しい用途などでは力を発揮することだろう。だが、大容量のデータを保管し続けるという観点では、特にコスト面でベストとはいえない可能性がある。
つまり大量のデータがあふれかえる現在の状況では、「クラウドだけ」「オンプレミスだけ」という観点ではなく、双方のいいところをバランスよく利用することが重要となる。
ただし、データは増える一方なのだから、オンプレミス側のストレージについても、従来型とは異なり、拡張性に柔軟さが求められるようになる。そこで図研ネットウエイブでは、DELL EMCが提供するオブジェクトストレージ「ECS」の提供を開始するに至った。

図研ネットウエイブが提供するECSアプライアンスラインナップ

図研ネットウエイブが提供するECSのアプライアンスはEX300、EX3000の2シリーズを主軸モデルとして提供する。最小5ノードから必要に応じて増設可。オブジェクトストレージとして、ノード数を増やした分だけストレージ容量を制限なく増加させることができる。
もちろん、DELL EMCのプラチナパートナーである図研ネットウエイブでは、システムに必要なコンポーネント(ノード、スイッチ、ケーブル)すべてにおいて導入を支援し、設計から構築支援そして保守管理までのすべてにおいてDell EMCと連携して対応することができる。
「デジタルトランスフォーメーション時代に対応するための選択肢はパブリッククラウドだけではありません。オンプレミスを利用したほうがコストを抑えられるケースも決して少なくはないのです。オンプレミスにおいては企業側の運用に負担がかかる懸念もある。しかし、このECSのEXシリーズにおいてはソフトウェアだけでなくDell EMCが実績を誇るハードウェアが検証済みレディーアーキテクチャとして提供される。プロアクティブなサポートやリモートバージョンアップも提供可能となり、システム担当者の負担を大きく軽減できるサポートレベルがオンプレミスでも可能となり運用についても安心だ。もしクラウド化を検討していて、その使用料金が気になっているような場合には、ECSも含めて検討していただきたい。もし疑問がありましたらできる限りお答えしますので、お気軽にお問い合わせください」(高木氏)

EX300
●最小構成 60TB:前シリーズの最小構成より-85%のサイズダウン
 ・Diskタイプ:1, 2, 4, 8TB
 ・ノードあたり12 Disk Drive
●オブジェクトストレージとして小型のプラットフォーム
●Centeraからのクライアント環境を変更せずにスムーズな移行
●クラウドネイティブに最適なサンドボックス

EX3000S/3000D
●ラックあたり最大8.6PB - 容量ベースで従来から48%増加
 ・Diskタイプ:12TB
 ・ノードあたり 45, 60, 90 Disk Drive
 ※3000Dは30, 45 Disk Drive
●オブジェクトストレージとしてより高密度なプラットフォーム - クラウドの経済性の境界線を押し下げるホットスワップディスク
●大量アーカイブ用プラットフォーム
●多様なワークロードをサポート

「ECS」まるわかりセミナー
~オンプレで活用するクラウドストレージ~

開催日:2019年9月12日(木)14:00~16:30
開催場所:デル株式会社 東日本支社
東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館9階

詳細はこちら → https://www.znw.co.jp/ECS.html

[PR]提供: EMCジャパン/図研ネットウエイブ