一口にデスクトップパソコンといってもさまざまな種類があるが、性能を重視する人に人気なのが、ディスプレイとパソコン本体が別々になったセパレートタイプの製品だ。
マウスコンピューターの「LUV MACHINES iH700シリーズ」もそのひとつ。
W170×D403×H360mmという比較的小型な筐体でありながら、拡張性が高く、大型の冷却ファンや大出力の電源ユニット、複数台のストレージ、光学ドライブなどを搭載できる点が特徴になっている。
シリーズのうち、コストパフォーマンスの高さで支持を集めている「LUV MACHINES iH700SN」は、CPUに6コアのデスクトップ向け第8世代Intel Core i5-8400プロセッサーを搭載し、そのほか、GPU:Intel UHD グラフィックス 630/メモリ:8GB/ハードディスク:1TBを標準装備したモデルで、Web閲覧やメールなどの日常的な作業はもちろん、ビジネス文書作成や写真編集なども快適に行うことが可能。
標準構成の場合、74,800円(税別)というリーズナブルな価格で購入できるのも人気の理由だ。
BTOでは、より高速なCPUやストレージ、大容量メモリなどに変更することができる。本稿執筆時点で人気上位のカスタマイズは次の通りだ。
LUV MACHINES iH700シリーズのBTO人気ランキング | |||
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順位 | パーツ | カスタマイズ内容 | カスタマイズ率 |
1位 | 光学ドライブ | 非搭載→ DVDスーパーマルチドライブ |
50.7% |
2位 | メモリ | 8GB→16GB(8GB×2) | 31.9% |
3位 | 電源 | 350W→500W(80PLUS GOLD) | 29.2% |
4位 | SSD | 非搭載→250GB SSD (Crucial MX500) |
28.6% |
次点 | CPUファン | 標準CPUファン→ 高冷却仕様オリジナル トップフローCPUファン |
21% |
順番に説明していこう。
◆1位 光学ドライブ
LUV MACHINES iH700シリーズでは、必要に応じてカスタマイズできるように、光学ドライブは標準搭載していないが、半数近くの人がDVDスーパーマルチドライブ(DVD±R DL 読み書き対応)を追加している。
最近ではネットワーク経由のデータのやり取りが増えて、光学メディアを使う機会は減ってきているが、パッケージソフトのインストールなどでDVDが必要になることはまだある。またDVD-Rメディアは価格が安く、大容量の写真データなどを複数人に配布したいときや、ちょっとしたバックアップを取りたいときなどに便利。
BTOではわずか3,800円で追加できるので、すでに外付けタイプを持っているのでなければ、ぜひ搭載しておきたいところ。ちなみに、9,800円出せばBlu-rayディスクドライブ(BDXL読み書き対応)を追加できる。映画などのBDソフトを楽しみたいという人は、そちらを検討するのも良さそうだ。
◆2位 メモリ
LUV MACHINES iH700SNの標準搭載では、8GB[8GB×1(PC4-19200 / DDR4-2400)]となっているが、約3人に1人がプラス12,800円で16GB[8GB×2(PC4-19200 / DDR4-2400)/デュアルチャネル]を選んでいる。
日常的な使い方なら8GBでも十分だが、多くのアプリを同時に使ったり、サイズの大きなサイズの写真編集などクリエイティブな作業にも使いたいと考えているなら少しでも多いに越したことはない。また、一般にメモリは1枚よりも、同じ規格・容量のものを2枚つける(デュアルチャネルと呼ぶ)ほうが転送速度が向上するので、パフォーマンスを上げたい場合にもメモリの増設は有効だ。
ちなみにBTOでは、15,800円でより転送速度の速い規格(PC4-21300 / DDR4-2666)の16GBも選択可能だが、体感速度が劇的に変わるというわけではないので、ほとんどの人はPC4-19200 / DDR4-2400でも満足できるはず。性能差にシビアな人以外は、3,000円の価格差は別のパーツに回したほうがいいだろう。
◆3位 電源ユニット
電源ユニットは、パソコンの各部品が正しく動作するために安定した電力を供給するための重要なパーツ。LUV MACHINES iH700シリーズの標準搭載は350~450W(80PLUS BRONZE)となっているが、多くの人がプラス6,800円で350Wから500W(80PLUS GOLD)に変更している。
これは、そうしないとパーツに電力を供給できないからというわけではなく、将来、パーツ増設、あるいはより上位のパーツへの換装を視野に入れて、余裕のあるものを選んだのだろう。さらに、80PLUS BRONZE→GOLDにすることで、電力の変換効率をアップして、発電や温度上昇を下げることも狙いのひとつだろう。
より大容量の700W(80PLUS GOLD)や、さらに上の800W(80PLUS TITANIUM)なども選べるが、システム全体の消費電力と比べて容量が大きすぎる電源だと、逆に効率が悪くなるケースもあるので、本製品の電源には500Wクラスがちょうどいい。
◆4位 SSD
LUV MACHINES iH700SNでは搭載していないが(※)、プラス9,800円で250GB SSD(Crucial MX500 / SATA3 / 6Gbps 対応)を追加している人が多い。これは、SSDはHDDに比べてデータの読み込みが格段に速いのが大きな理由だ。
HDDと比べるとSSDは、OSやアプリの起動などが体感できるほど速くなる。250GBという容量を少ないと感じる人もいるかもしれないが、本製品の場合は標準で1TBのHDDが搭載されているため、システムドライブをSSDに、データドライブをHDDに、という具合に速度と容量のバランスで使い分けることが可能だ。
ちなみに、BTOではSSD(M.2)というオプションも用意されており、同価格でさらに高速な256GBのNVMe SSDを搭載することもできる。予算に余裕があれば、もちろん両方追加して使い分けるのもアリだ。
※LUV MACHINES iH700シリーズ内では、SSDが標準搭載されているものもございます
◆5位 CPUファン
次点のCPUファンは、21%の人がプラス900円で高冷却仕様のオリジナルトップフローCPUファンを選んでいる。冷却性能が高いほど、高負荷時でもCPUの温度上昇を抑えて、性能を引き出しやすくなるので、より快適に使いたいと考えているなら高冷却仕様のファンにしておくといいだろう。
ちなみに、少し高くなるが7,800円で水冷CPUクーラーを選ぶこともできる。さらに効率的にCPUを冷却でき、静音性も高くなるので、写真編集や映像編集などの負荷の高い作業を主な目的に考えている場合は検討してみてほしい。
◆筆者のオススメカスタマイズ
以上を踏まえて、もし筆者が「LUV MACHINES iH700SN」でカスタマイズをするとしたら、CPUは標準よりワンランク上の「Intel Core i5-8500」、CPUファンは「高冷却仕様 オリジナルトップフローCPUファン」、メモリは「16GB(8GB×2:PC4-19200 / DDR4-2400)」、電源は「500W(80PLUS GOLD)」、光学ドライブは「Blu-rayディスクドライブ」、カードリーダーは「USB 3.0接続 増設用マルチカードリーダー」、SSDは「250GB SSD(Crucial MX500 / SATA3 / 6Gbps 対応)」といったところ。
これだけアップグレードしても123,500円(税別)とリーズナブルな価格に収まっているのはうれしいポイントだ。
◆標準スペック+人気BTO
※赤字の箇所はおすすめのBTO構成となりますメーカー | マウスコンピューター |
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型番 | LUV MACHINES iH700SN |
CPU | Intel Core i5-8400 |
メモリ | 8GB PC4-19200 DDR4 →【BTO】16GB PC4-19200 / DDR4-2400 (8GB×2) (価格:+12,800円[税別]) |
HDD | 1TB |
SSD | - →【BTO】250GB SSD (Crucial MX500) (価格:++9,800円[税別]) |
チップセット | Intel B360 チップセット |
光学ドライブ | - →【BTO】DVDスーパーマルチドライブ (+価格:3,800円[税別]) |
グラフィックス | Intel UHD グラフィックス 630 |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
インタフェース | USB 3.1×4(背面×4)、USB 2.0×4(背面×2、前面×2) |
サイズ | W170×D403×H360mm |
ディスプレイ | - |
価格 | 74,800円(税別)→BTO後の価格:108,000円[税別] |
その他カスタマイズ | CPUファン
→【BTO】高冷却仕様オリジナルトップフローCPUファン(価格:+900円[税別]) 電源ユニット 350W →【BTO】500W 電源(80PLUS GOLD)(価格:+6,800円[税別]) |