「Society(ソサエティー)5.0」という言葉をみなさんは知っていますか?
Society5.0は、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会を示すもので、政府から目指すべき未来の社会として提唱されています。
IoTですべての人とモノがつながり、さまざまな知識や情報が共有されることで、今までにない新しい価値がどんどん生まれていく世界――。最近よく耳にするAIやIoT、ビッグデータといった最新技術は、社会をどのように変えていくのでしょうか。
そんな近未来の社会の一端を体験すべく、マイナビニュースでは、2018年10月16日~10月19日に開催された、IoT・エレクトロニクス関連の革新技術が集結する総合展示会「CEATEC JAPAN 2018」を取材。今回はその中でも、一際注目を浴びていたシャープのブースから、Society5.0と呼ばれる社会の未来像をお届けします。
8Kは未来の教育をどう変える?超高精細映像が魅せる新しい世界
今年12月1日から始まるBS・110度CSによる4K・8K放送(新4K8K衛星放送)。現在の、地上デジタル放送の2K映像に対して、4Kの場合は4倍、8Kの場合はその16倍となる高画質な放送コンテンツが楽しめます。
特に8Kは、約3318万画素という人間の視覚能力で識別できる画素数の限界とも言われている超高精細な映像規格。その映像美は、本当の現実世界と認識してしまうほどのリアリズムを体験させてくれます。
そんな8K技術で業界をリードするのが、大手電機メーカーのシャープです。同社は他社に先駆け、8Kディスプレイ、8K放送対応チューナー内蔵のテレビを発売。CEATECのブースでは、一般家庭向けの製品はもちろん、8K映像による様々な分野でのソリューション事例が紹介されていました。
その中でも来場者の目を引いていたのが8Kを用いた教育ソリューション、「触れる8Kミュージアム」。ディスプレイに映し出される美術作品や昆虫、植物の高解像度画像に指で触れ、自由に拡大・縮小しながら閲覧できる8Kコンテンツビューアです。
「8K技術で、見えない世界が見えてくるのがポイント」とこちらを紹介してくれたのは、シャープ ソリューション事業推進部の奥本浩章さん。
今後、幅広い教育コンテンツを展開していきたいので、今回は昆虫と植物にトライしてみました。昆虫は標本を購入し、スウェーデンのカメラメーカー ハッセルブラッドからお借りした4億画素カメラで、1点1点私自身が撮影しました。 |
新規技術である8Kのコンテンツは世の中に殆どないため、デモの段階ではその多くを自分たちで作らねばなりません。その開発段階には相当の苦労があったといいます。
特に小さな昆虫は焦点を合わせるのが難しく、数ミリ単位でずらしては撮影・確認を繰り返しました。最後は深度合成という技術を使って全体にピントのあった画像を作るのですが、1つのコンテンツとしてまとめるまでは試行錯誤の連続でした。 |
どこにでもいるトンボやハチといった身近な虫でも、8Kというフィルターを介すことで肉眼では見ることが出来なかった世界が見えてくる。その面白さを奥本さんは次のように話します。
細部が見えることにより意外な発見があり、今まで気づけなかったものに出会えます。新しい世界が見えることは、それまで以上の深い思考につながります。8Kを通して何かを学びたい、もっと学びたいと思うきっかけが作れたらと思います。 |
最後に、8Kは教育分野のみならず、医療や防犯といった分野でも今後の活躍が期待されていると奥本さんは締めくくりました。
AIoTは未来の生活をどう変える?テレビとすべての家電が繋がる世界
シャープがもう1つ力を入れているのが、"AIoTソリューション"。AIoTとは、AI(人工知能)とIoT(Internet of Things:モノのインターネット化)を組み合わせた造語で、シャープの家電製品のビジョンを表したもの。AIとIoTという2つの技術が連携し、家電やサービスがより便利で人に寄り添うものに進化していくという構想です。
シャープと言えば前述の8K映像技術をはじめ、液晶が主力事業のひとつつ。その同社がテレビをハブ(中核)に展開するサービスが「COCORO VISION」です。
「COCORO VISION」はテレビが家族の視聴傾向を学習し、声でおすすめの番組を教えてくれるサービス。おすすめされるコンテンツは、放送番組だけでなく、2017年に同社でスタートした「COCORO VIDEO(ココロビデオ)」「COCORO MUSIC(ココロミュージック)」「COCORO GAME(ココロゲーム)」という3つのエンターテインメントサービスからも表示されます。さらに11月発売の新機種から「COCORO CALENDAR(ココロカレンダー)」が加わります。スマートフォン向けカレンダーアプリを提供するJorte(ジョルテ)と連携した、このカレンダーサービスについて、商品企画部の林里奈さんに聞いてみました。
イメージしたのはリビングによくある、家族の予定を書き込むカレンダー。それをテレビでやってしまおうというのが、COCORO CALENDAR(ココロカレンダー)です。リモコンのマイクを通じて簡単に音声でスケジュールを登録でき、家族と予定を共有できるだけでなく、地域のイベント情報が配信されるのが特徴。COCORO VISIONと連携して、AIがイベントのおすすめをしてくれます。 |
テレビの視聴履歴などに基づいて、使っていくうちに映画や音楽といった各種提案をしてくれるユニークなテレビ。将来的には様々なシャープ製品がリンクし、「エアコンが強運転になったら自動でテレビの音が大きくなるようなそんな人に寄り添った便利な世界に発展していく」と林さんは語ります。
林さんは大学時代に産業心理学を専攻。マーケティングを学び、シャープ入社後は4年間ほどスマートフォンの製品企画を担当してから、テレビの商品企画部に異動されたそうです。
テレビに関係した仕事がやりたくて、シャープに入社しました。大学時代から"家族"というキーワードが好きで、卒論のテーマは家族とCMの関係性。現在はスマホの製品開発経験を活かして、もともとやりたかった"家族"を軸にした、テレビとの関わり合いの新しい形をサービスや製品化に結び付けられるように取り組んでいます。 |
また、自身のアイデアが製品の仕様になったり、意図した想いを消費者の方が受け取ってくれたときに、商品企画のやりがいの感じるとも林さんは話します。
商品企画の仕事は、1人では実現できないことばかりです。社内の開発者や社外の様々な関係者の方々と協力しながらゴールを目指して、一緒に頑張っていくというのはとても楽しく、世界感が広がります。 |
シャープがつくるこれからの未来
8KとAIoTを軸に、家電メーカーの枠を超えた製品・サービスの開発に取り組むシャープ。
「8KとAIoTで世界を変える」
CEATEC 2018のシャープブースはSociety5.0を実現すべく、同社が考える、社会や個人ひとりひとりに寄り添う未来のビジョンと技術力をひと足先に体験できるものでした。
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