ワーク・ライフ・バランスの改善や生産性向上が社会的要請となる今日、勤怠管理システムが担う重要性は高まりをみせている。しかし、企業に必要な機能を明確化した上でなければ、システムの価値を最大限に活かすことはできない。勤怠管理システムとは何かを改めて解説するとともに、本稿では多様な働き方に対応可能な製品を紹介しよう。

勤怠管理システムとは

従業員のモチベーションや生産性を高めるうえで、勤怠を適切に運用することはきわめて重要だ。ワーク・ライフ・バランスの改善や生産性向上が社会的要請となる今日、勤怠管理システムが担う重要性は高まりをみせている。しかし、企業に必要な機能を明確化した上でなければ、システムの価値を最大限に活かすことはできない。

まず把握せねばならないことは、勤怠管理システムが、単に出勤と通勤を記録・管理するだけのツールではないという点だ。今日の勤怠管理システムは、実に多様な機能、仕組みをもっている。導入にあたっては、最低限、以下に挙げる7つのポイントはチェックして、必要な要件、機能、仕組みを整理することをおすすめしたい。

7つのチェックポイント 必要な機能
法廷時間を超える勤務の可能性があり、
自社の36協定にシステムを適用させなければならない
36協定対応
従業員によっては1日に複数の出退勤務があったり、
作業所ごとの勤務管理が必要になることがある
同日複数勤務
就業規則などで、管理者の承認がなければ
時間外勤務や休日出勤を認めていない
申請承認
人的リソースを時間単位で采配するためのシフト設計や、
その管理作業が存在する
シフト作成
PC、モバイル、ICカード、タイムカードなど、
従業員ごとに様々な打刻手段を使い分けたい
複数打刻対応
勤怠管理システムの情報を
給与計算システムと連携させたい
給与計算連携
実際に従業員が使いこなせるか、
検証してから導入したい
トライアルあり

多様な働き方に対応するためには

従業員の勤怠を管理するにあたっては、法制度も強く意識せねばならない。とりわけ、勤怠管理と密接に結び付いているのが、法定労働時間を超えて勤務を命じる場合に必要となる「36協定」だ。近年は働き方改革の加速により、36協定への取り組みを再確認する企業が増えている。企業間の勤怠制度で大きな違いが出てくるのは、この36協定だといえる。

参考: 勤怠管理に携わるなら知っておくべき労働基準法の基礎知識

36協定への対応を進めるには、ルールづくりだけでなく、客観性を持ってこれを実現するための「ITによるサポート」も不可欠だ。ルールは整備されていても、実態として規定時間を超えて働いているケースというのは往々にして存在するからである。36協定で取り決めた事項と実態との乖離が後から発覚した場合、深刻な社会的問題へと波及することもあり得ない話ではない。

勤怠管理システムでは、規定以上の労働をしている社員がいれば即座にアラートを発するなど、36協定に対応しこれをサポートする機能を備えた製品が数多くある。ここからは、多様な働き方に対応するための「36協定対応」製品を紹介したい。