導入が容易になり使い勝手も向上した「AutoCAD 2019」

オートデスクが発売している「AutoCAD」は、多様な業務で活用できる“汎用”CADソフトウェアとして建築・土木・製造をはじめ、さまざまな分野で利用されている。1982年に最初のバージョンをリリースしてから着実にユーザーを増やし、設計・デザイン用のツールとしてすでに揺るぎない地位を築いているAutoCADだが、3月にリリースされた最新バージョン「AutoCAD 2019」では、さらなる進化を遂げている。

テクノロジーの進化によるビジネスの多様化に対応するため、近年の「AutoCAD」には大きな変化が起こっている。その1つがビジネスモデルの変革だ。従来のAutoCADは永久ライセンスとして提供されてきたが、ここ数年のバージョンからはサブスクリプション方式へと移行してきている。オートデスクの大浦氏は、ビジネスモデルの変革についてこう語る。

オートデスク株式会社 技術営業本部 建設ソリューション クラウドスペシャリスト 大浦 誠 氏

オートデスク株式会社
技術営業本部
建設ソリューション
クラウドスペシャリスト
大浦 誠 氏

「サブスクリプション方式へとシフトすることで、これまでは、ある程度の初期投資が必要だったものが、初期投資を抑えつつ導入できるようになりました。これで新規のお客様にも気軽に利用していただけると思います」

AutoCAD 2019では、このサブスクリプション方式のモデルがより先進的なものへと進化した。「Only One. AutoCAD」を謳うAutoCAD 2019のサブスクリプション(AutoCAD including specialized toolsets、以下 AutoCAD 2019)では、業種別ツールセットという形で、さまざまな業種向けのソリューションが組み込まれている。「これまでは、ベースとなる『AutoCAD』に加えて各業種向けのソリューションを選択する必要があり、ユーザーがどの組み合わせを選べばいいのか迷うケースも見られました。AutoCAD 2019ではサブスクリプションにすべてのソリューションが入っているため選択に悩むことがなくなると思います」と大浦氏。まさにユーザーの利便性を考えたサブスクリプションといえる。

  • AutoCAD 2019のサブスクリプションには、建築設計、設備設計、地図情報、ラスター画像処理、2D機械設計、電気制御設計、プラント設計の7つのツールセットが組み込まれており、業務内容に合わせて選択できる

    AutoCAD 2019のサブスクリプションには、建築設計、設備設計、地図情報、ラスター画像処理、2D機械設計、電気制御設計、プラント設計の7つのツールセットが組み込まれており、業務内容に合わせて選択できる

また、近年のAutoCADではマルチプラットフォームへの対応も進められており、Windows PCだけなく、タブレットやスマートフォンといったモバイルデバイスでもデータにアクセスできるようになっている。オフィスだけでなく、現場でもAutoCADで作成したデータを確認したいというユーザーの要望に応えた機能強化といえる。AutoCAD 2019ではWebアプリ版も用意され、マルチプラットフォーム対応がさらに強化。Webブラウザさえあればアプリをインストールしていないデバイスでもアクセスできるため、より多様なシチュエーションで図面の確認や修正が行えるようになっている。

さらに、AutoCAD 2019では数多くの機能が追加・強化されている。なかでも注目したいのが「図面比較」機能だ。変更前、変更後の2つの図面を比較し、異なる部分を色分けして可視化が行えるもので、多くのユーザーが熱望していた機能となる。設計変更確認にかかる時間を大幅に短縮でき、業務の効率化を実現してくれるという。さらに、ファイルそのものではなく、図面のデザインビューをクラウド上で共有できる「共有ビュー」機能や、高解像度に対応して4Kディスプレイでも快適に操作できるインタフェースなど、データの安全性やユーザーの利便性を考えた新機能も数多く搭載されている。

  • つの図面データを比較して、異なる部分を可視化・ドキュメント化できる「図面比較」機能が新たに搭載された。違いのある部分が色分けされて一目瞭然となるため、大幅な作業の効率化が実現する

    2つの図面データを比較して、異なる部分を可視化・ドキュメント化できる「図面比較」機能が新たに搭載された。違いのある部分が色分けされて一目瞭然となるため、大幅な作業の効率化が実現する

AutoCADのスキルアップを実現する「AUGIjp WorkShop TOKYO2018」

AutoCADの特徴となるのは、さまざまな用途で活用できる汎用性とカスタマイズの自由度の高さだ。このため、単に図面を作るのではないユニークな活用例も数多く見られる。オートデスクのWebサイトにある「Original AutoCAD」では、多彩なアイディアでAutoCADを活用している事例を紹介しており、AutoCADの自由度の高さを確認することが可能だ。

ただし、AutoCADの持つ自由度の高さは大きなメリットである反面、使いこなすようになるまでのハードルが高いといった問題も抱えている。このため、オートデスクでは、AutoCADの使い方やチュートリアルを確認できる「AUTODESK KNOWLEDGE NETWORK」をWeb上に用意したり、各製品のユーザー会を開催したりして、AutoCADユーザーのサポートを行っている。

そして、汎用CADソフトとして長い歴史を誇るAutoCADには、ユーザー主体のコミュニティも数多く存在している。そのなかでも、特定業種に限定しないオートデスク公認のオートデスク製品ユーザーコミュニティ「AUGIjp」(Autodesk Users Group International Japan)が開催するワークショップは、ユーザー同士の交流を図れる場として注目を集めている。6月16日(土)には定員250名となる最大規模の「AUGIjp WorkShop TOKYO2018」が新宿ミライナタワーにて開催される予定だ。

  • これまでの「AUGIjp WorkShop」の模様、業種・業界、男女を問わずCADを使う多くのユーザーが集まる

    これまでの「AUGIjp WorkShop」の模様、業種・業界、男女を問わずCADを使う多くのユーザーが集まる

ユーザー主体のコミュニティであるAUGIjpの歴史は古く、NIFTY-Serveのフォーラムから始まり、オートデスク製品を使うユーザー同士が交流する場として活動を続けている。最初はユーザーの一人として質問していたというAUGIjp会長の星野氏は、AUGIjpについてこう語る。

AUGIjp 会長 星野 和実 氏

AUGIjp 会長
星野 和実 氏

「AutoCADは汎用性が高くカスタマイズ機能が豊富なため、最初はどう使っていいのかわからないユーザーも多い。こうした問題を解決してAutoCADを活用するためには、AUGIjpのようなコミュニティでの交流が効果的だと思います」 AUGIjpのワークショップは、業種を問わずに様々なユーザーが集い、楽しみながら学んだり、ユーザー同志が意見交換をするなど、「学び交流の場」を提供するイベントとなっている。今回の「AUGIjp WorkShop TOKYO2018」では、最新のAutoCAD 2019に関する話題をはじめ、近年注目を集めているBIM/CIMやVR技術とオートデスク製品の連携など、ユーザーに役立つ実践的なセッションが数多く企画されている。「日々業務で使っていて、効率良く使うヒントを知りたい、更なるスキルを身に付けたい、と思っている方や、AutoCAD初心者、これから利用するという方にも参加していただきたいです」と星野氏は言う。

また、官民一体となって推進されている働き方改革により、時間や場所にとらわれずに働ける環境も整いつつある現在では、CADオペレーターとして活躍する女性も増えてきている。AutoCADのマーケティングを担当し、女性ユーザーによる“女子会”も開催したというオートデスクの笠原氏はこう話す。

オートデスク株式会社 AutoCAD フィールド マーケティング マーケティング マネージャー 笠原 希 氏

オートデスク株式会社
AutoCAD フィールド
マーケティング
マーケティング マネージャー
笠原 希 氏

「働き方改革で女性のCADオペレーターも増えています。ワークショップで紹介されるテクニックは、スキルアップや作業の効率化にもつながるので、はじめは、ハードルが高いと感じられるかもしれませんが、一人で参加される方も多くいらっしゃいますので、見たいセッションだけでも、女性のユーザーも気軽に参加してほしいです」

AutoCAD 2019に興味があるユーザーはもちろん、AutoCADの実践的なテクニックを知りたい方や、最先端の技術との連携を図りたい方など、さまざまなユーザーにとって有益な場となる「AUGIjp WorkShop TOKYO2018」。参加費は無料なので、毎回参加しているという方はもちろん、これからAutoCADを使っていきたいと考えている人もぜひ参加していただきたい。ユーザー同士の交流は、計り知れない価値を生み出すはずだ。

AUGIjp Workshop TOKYO2018

  • 日時:2018年 6月 16 日(土) 10:00 ~ 17:30(受付9:30~)
  • 場所:新宿ミライナタワー 12F マイナビルームA/B/C
  • 参加費:無料(昼食付・懇親会別途)

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