成長を続ける大都市・大阪を中心に、大規模改修工事に特化、事業を推進してきたカンサイ建装工業株式会社。豊富なノウハウと確かな技術力で、様々な施設を手掛けてきた実績を持ち、多くの顧客の期待に応え続けている。そんなカンサイ建装がこの度、ネットワーク環境の刷新の改修を実施したという。どのような内容だったのか、話を伺ってきたので紹介しよう。

  • 左から、カンサイ建装工業 総務部 主任の今中佐吉子氏、部長の川北篤史氏

ビジネス領域の拡大への対応

カンサイ建装工業総務部 部長 川北篤史氏

「弊社は昭和9年に創業した日之出塗装工業株式会社を母体に、リニューアル専門の大規模改修工事に特化した事業を行うために設立された企業です」と語る川北氏。

カンサイ建装工業は、関西を中心に数多くの修繕、改修工事に関わって来た実績に加え、関西空港の建設にも参加。それまで蓄積した経験に加えて、新しいノウハウも手に入れ、成長を続ける都市づくりの現場の第一線で活躍し続けている企業だ。

  • カンサイ建装工業は、オフィスビルやマンションの大規模修繕をはじめ、病院、学校などの公共施設や商業施設の改修など数多くの施工実績を有している

「これまではリニューアルに特化してビジネスを展開してきましたが、大阪のホテル建設ラッシュなどもありお客様から新築も取り扱って欲しいという要望が出てくるようになったのです」と川北氏は語る。

このビジネス領域の変化により、同社のネットワーク環境へも影響が出始めた。「以前はセキュリティの観点から、外部からは社内ネットワークに接続ができない仕組みを採用していました。しかし、社内で管理するパソコンと新築現場が増えていく中で、そこで活動している現場監督らから本社のファイルサーバへアクセスしたいという要望が多くなったのです」と語るのは、今中氏だ。

そこでカンサイ建装工業は、ネットワーク全体を見直し、将来を見据えたインフラ環境を構築することを決定。これまでも同社へパソコンの導入・保守を行っていたユニットコム(パソコン工房)へ、提案を依頼することになった。

高いセキュリティと柔軟性を両立

近年、建築現場では工事箇所やその過程を画像データとして保管することが多くなっているが、新築現場ではこのデータが改修工事と比べて圧倒的に多くなる。これまではクラウドサービスでも対応できていたが、データ量が増えるに従い、本社とのやり取りで不便を感じているという声が大きくなってきたのだという。

  • 建築現場での作業風景

「写真データのやり取りはこれまでもありましたが、クラウドサービスとメール添付でなんとか間に合っていたのです。以前のネットワークでもセキュリティ面を考えてUTM(※)を使っており、本社内から外部のクラウドサービスへの接続を許可していませんでした。その結果、どうしても写真データの受け渡しなどで、ネットワークに負荷がかかったり、業務がワンテンポ遅れてしまうというジレンマがありましたね」と今中氏は語る。

※UTM:「統合脅威管理」と呼ばれ、 ファイアウォール、Webフィルタリングを始めとした複数のセキュリティ機能を一つに統合したもの。

高いセキュリティとともに、ビジネス領域の拡大によるスピード感ある情報共有が今後のテーマとなったカンサイ建装工業。ユニットコムはこの要望に応えるため、SSL-VPNに対応したUTM「FortiGate-60E」を活用することで、社内外どちらにおいてもセキュアな接続環境を維持しつつ、安全に運用できるネットワーク構築を提案した。

FortiGate-60Eはエンタープライズファイアウォールソリューションを提供するアプライアンスで、一台でネットワークセキュリティOSはもちろん、ポリシー管理やセキュリティ調査といった保護機能の提供と、同時接続数で100ユーザーまでのSSL-VPNにも対応している。

  • キャビネットに収められた「Fortigate-60E」

「以前から使っていたUTMのセキュリティポリシーを引き継いで構築してもらえましたので、非常にスムーズでした」と語る今中氏。導入や運用に関する不安はなかったものの、SSL-VPN環境の構築にはクライアントPCに専用ソフトウェアをインストールし、設定を行う必要がある。忙しい中、すべてのPCにこれを適用するのは管理者にとって負担の大きい作業だ。

カンサイ建装工業で外部からのアクセスが必要になるケースは、現場で指揮を執る監督が持つノートPCがメインとなる。そこでユニットコム(パソコン工房)は外部からのアクセスに使っているノートPC約30台に対して、専用のSSL-VPN接続クライアントツール「FortiClient」をインストール。また、今後現場監督用の端末が増えることも考慮し、50台分のアカウントをあらかじめ設定。インストールや設定方法をマニュアル化したうえで引き渡しとなった。「ユニットコムさんが一緒になってソフトウェアのインストールを手伝っていただき、こちらもすぐに適用することができました」と今中氏。

また、カンサイ建装工業で使われているパソコンのほとんどはユニットコム製(パソコン工房)だという。「事務用はもちろん、現場用のノートPCも含めてユニットコムさんにお願いしています。急に決まる現場もあるので、必要になったらすぐに手配していただけるので助かっています」と川北氏は語る。

  • 同社では現場監督持ち出し用以外にも社内業務用のデスクトップやノート、サーバーなど約50台のユニットコム製品が運用されている

基幹業務のIT化を目標に

最新のUTMを中心としたセキュアで、柔軟性の高いネットワークを構築したカンサイ建装工業。これにより、外部からはVPN接続により高いセキュリティを保ちつつ、安全に社内のファイルサーバにアクセスできる環境を手に入れることができた。同時に、インターネット上の脅威からの保護機能に加え、情報漏えいや不正なWebアクセスなど内部から外部へ向けたアクセス制御機能も稼働しているので、最新の標的型攻撃などへの対応も可能だ。また、今後の業務拡大によるクライアントPCの増加を見越したキャパシティも有している。

「まずはニーズが一番高かった、社内のファイルサーバで情報共有する環境が構築できました。2017年11月に導入してから、まだ間もないので完全な実運用にまで至っていませんが※、これまでの課題は克服できたと実感しています」と今中氏(※2018年1月取材時)。

同社 総務部主任 今中佐吉子氏

実は今回のUTM導入は、企業をあげたIT化推進の入り口という意味合いもあった。「やはり、将来的には基幹業務の多くをIT化する必要があると思っています。ですが、いきなりやってもうまくいくとは思えません。まずは下地となるネットワークから強化していって、次はSFA(営業支援システム)、最終的には基幹システムをこの上に構築するのが目標です」と今中氏。企業としても成長中のカンサイ建装工業にとって、ITを活用した業務効率化は必須の取り組みになる。そのためのファーストステップとして、インフラ強化とファイルサーバによる情報共有を進めるやり方は非常に合理的だ。

また、UTMを含めたネットワーク環境の刷新では、複数のベンダーやSIerがそれぞれの受け持ちを担当するといったケースも少なくない。「ユニットコムさんにお願いすると、機器の選定から導入、ソフトウェアの設定などを含めて、同じ窓口の方が対応してくださるので安心感があります。こちらの要件を聞いてトータルでサポートしてくれているのは本当に助かりますね。今回提案していただいたUTMも、社員数や監督が増えても対応できるよう、スペックに余裕を持った製品を選んでくれたので安心できました」と今中氏は今回の導入の感想を語る。

「ITをうまく使うことで便利になることはみんなが理解しているので、これから使いこなしていけるよう、少しずつ無理のないやり方で進めていこうと思っています。弊社は今後も、大規模改修工事に加えて新築工事も進めていきます。ユニットコムさんには、私たちが気付けていないようなことも含めて、これからもITシステムについて提案を続けていただけるとうれしいですね」と川北氏は最後に語ってくれた。大阪を中心にこれからも活躍を続けるカンサイ建装工業。ユニットコムは、同社の発展のため、今後もサポートを続けていく。

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