日常生活をするうえで、仕事中はもちろん、プライベートでもパソコンでwebサイトを開いたり、知人にメールを送ったりする機会は多いだろう。しかし、その行為は本当に安全なのだろうか? 一歩間違えば、とてつもない"危険"が潜んでいるかもしれない。
―――皆さんは、こんな噂を知っているだろうか?
そんな、いままさに"危険"を冒そうとしている人々の元に、どこからともなく現れ未然に防いでくれるという、美人ITマスターの存在を……。
メールをむやみに開いたら"データが人質"に!?
ケース1:サラリーマンのA君(30歳・独身)の場合
細かい気遣いができミスも少ない性格が取引先に受けているサラリーマンのA君。 プライベートでもまめな彼は大事な彼女や友人、そして故郷の両親などからのメッセージを見落とすことのないよう、メールのチェックを日々欠かさない。
昨夜も自宅のパソコンで真剣な眼差しでメールチェックをしていると、ネット通販で利用している◯◯会社のカスタマーセンターよりメールが届いていた。「ん? なんだろう」と、メールを開くA君。そこには、「普段使用していないデバイスからのログインがありました」と書いてあった。
※こちらはイメージとなります |
「あれ、別のデバイスからログインしたかな?」と思ったものの、よくわからなかったため、とりあえずそのままにすることに。
次の日、会社の同僚と休憩時間に雑談をしていると、ふと昨日のメールのことを思い出す。「そういえば昨日、プライベートメールに〇〇会社からよくわからないメールが来ててさ~」と昨日のことを話すA君。すると、同僚が慌てた顔になった。
「え、それ乗っ取りとかのお知らせメールなんじゃない? 最近流行っているみたいだし」と心配そうにいう。その話を聞き、急に焦り始めるA君。「帰ったらすぐに確認してみるわ!」と、返事をしたその瞬間──―
「ストッ――――――プ!!!!!」
──とつじょ美声を轟かせて現れたのは、A君とは対象的な、頼りがいのあるキリッとした風貌の"美人ITマスター"。別に自ら名乗ったわけではない……しかし誰が見てもその美しさに異論などなく、またその自信ある表情から彼女が"ITマスター"であることは間違いなかったのだ。
そして彼女は、いまにも額がぶつかりそうなほどの至近距離からA君を見つめてこう諭した。
「このメールは◯◯会社からのメールなんかじゃなく、悪い人間が送りつけたスパムメールなんですよ! もしあのまま開いていれば、このパソコンは「ランサムウェア」に感染しているところでしたからね!!」
A君がキョドっているのは、美人ITマスターの言葉に驚いたからというのではなく、こんなにも美人にここまでの接近を許したことは、30年の人生で初めてだったからであった。そう、A君は肝心の「ランサムウェア」とはどういうものなのか、よくわかってなかったのだ。
その1:ランサムウェアとは?
不自然なものには"触らない" |
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Webサイトを開いただけなのに"データが盗まれる"!?
ケース2:サラリーマンのB君(35歳・妻子あり)の場合
堅実・地道をモットーとするサラリーマンのB君は、今年、愛する娘が幼稚園に入園したことに喜びつつ、少し落ち着いたので35年ローンでマイホームの購入を検討している。
今日は久しぶりの休日。しかし、嫁と娘が2人で出かけてしまったので、趣味である釣りに関しての最新情報を得るため、パソコンで様々なWebサイトにアクセスしていた。すると、願ってもない貴重な魚を確実に釣れる釣り場の情報が集まっていることを伺わせるサイトへのリンクを発見したB君。瞬時にハンターの目つきへと変わり、そのリンクを開こうとした。
「ダメダメ、ゼッタイ!!!」
ここでまたまた、美声とともに登場したのは、美人ITマスターだ。
「いま開こうとしていたそのサイト、サイバー犯罪者が正規のサイトを改ざんした不正なWebサイトなんです! もしそのままクリックしてアクセスしてしまっていたら、強制的にマルウェアをダウンロードさせられて感染が拡がってしまい、あなたのパソコン内はもちろん、家庭のLANに接続されている様々なパソコンやゲーム機、ハードディスク、さらにはスマホにある膨大な機密情報が犯罪者に盗まれてしまっていたかもしれないんです!!」
「な、なんだって!!」
「個人情報も守れない人間に、妻子を守ることなどできるものか……!?」──そんな反省とともに、美人ITマスターの警告を肩を落として受け入れるB君であった。
その2:どこにでも潜む、不正なWebサイトの脅威
むやみとリンクを"クリックしない"こと! |
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