「病む人の立場に立った、安全でより質の高い医療の提供」を理念に掲げ、その実践を続ける、独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター。同院では、先進的な研究や設備投資、業務への ICT 活用を推進することで、理念の遂行を継続してきました。

そして 2016 年には、すべてのヘルスケア情報の有効活用を見据え、電子カルテ システムを「HOPE LifeMark-HX」へリプレースしました。「データの集約、統合」をコンセプトとした次世代電子カルテ システム HOPE LifeMark-HX は、Microsoft SQL Server Enterprise や Microsoft Windows Server Datacenter といったマイクロソフトのテクノロジを全面的に採用することで、利便性と性能、信頼性に優れたシステムの提供を実現しています。独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センターでは、この HOPE LifeMark-HX を有効活用することで、「正確、最新、最良」という、今後求められる医療ニーズへの対応を迅速に進めていきます。

プロファイル

愛知県名古屋市の中心に位置し、1878 年の開設以降、政策ニーズと地域ニーズに沿った医療サービスの提供を続ける、独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター。「病む人の立場に立った、安全でより質の高い医療の提供」を理念に掲げる同院は、先進的な研究と先を見据えた ICT 活用を推し進めることで、今後求められる医療ニーズへの対応を進めていきます。

導入の背景とねらい
すべてのヘルスケア情報の有効活用を見据え、最新の電子カルテ システムを導入

名古屋市の中央に位置し、1878 年の開院以降、130 年以上もの歴史を持つ独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター (以下、名古屋医療センター)。政策医療へ重点的に取り組む同院は、血液、造血器疾患の分野で、全国を代表する高度専門医療施設に位置づけられています。それと同時に、名古屋医療センターは、名古屋医療圏における高度総合医療施設として、地域医療を支える役割も担っています。

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター

「病む人の立場に立った、安全でより質の高い医療の提供」を理念に掲げる名古屋医療センターは、診療情報の最適な運用を重視しています。同院では早期から電子カルテ システムを導入することで、その最適化に取り組んでいます。

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター
医療情報管理部長
整形外科医長
佐藤 智太郎 氏

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 医療情報管理部長 整形外科医長 佐藤 智太郎 氏は、電子カルテ システム導入のねらいについて、次のように説明します。

「院内にある診療情報の横断的な活用を目指し、当院では 2003 年にオーダリング システムを導入しました。2009 年からは、富士通株式会社 (以下、富士通) が提供する電子カルテ システム『HOPE EGMAIN-GX』の運用を開始しています。当院の理念を実践するためには、医師だけでなく、院内の全スタッフが患者様の症状を把握した上で、連携した医療を提供する必要があります。電子カルテ システムを導入したことで、院内のだれもが診療情報にアクセスできるようになりました」(佐藤 氏)。

名古屋医療センターにおける電子カルテ システムの導入は、チーム医療の推進に大きく貢献したといいます。さらに名古屋医療センターは、2015 年、富士通が新たに開発した電子カルテ システム「HOPE LifeMark-HX」へのリプレースを決定します。

佐藤 氏は、長年利用し使い慣れた HOPE EGMAIN-GX からのリプレースを決定した理由について、次のように話します。

「HOPE EGMAIN-GX の導入で、診療情報の横断的な活用が推進されましたが、部門ごとのシステムやデータは依然として別に管理されており、院内の情報共有はまだまだ発展の余地がありました。そんな折に案内いただいた HOPE LifeMark-HX は、すべてのヘルスケア情報をクラウド基盤上で統合し活用するというビジョンを掲げており、当院の要望と合致していました。HOPE EGMAIN-GX からアーキテクチャが刷新されるということで多少の不安もありましたが、先進技術への挑戦は医療の進歩に不可欠だと考え、導入を決定しました」(佐藤 氏)。

富士通株式会社
ヘルスケアシステム事業本部
第一ソリューション事業部
基幹ソリューション開発部
田中 弘毅 氏

佐藤 氏が指摘するとおり、HOPE LifeMark-HX は、これまで富士通が提供してきた電子カルテ システムから、アーキテクチャを刷新する形で開発が進められました。これは富士通にとっても大きな挑戦だったといいます。

HOPE LifeMark-HX の開発リーダーを担当する、富士通株式会社 ヘルスケアシステム事業本部 第一ソリューション事業部 基幹ソリューション開発部 田中 弘毅 氏は、アーキテクチャ刷新の意図について、次のように説明します。

「富士通では、1999 年に最初の電子カルテ システム『HOPE EGMAIN-EX』の提供を開始して以降、基本構造は継承しつつ FX、GX と開発し、機能や性能を改善してきました。しかし、昨今、医療施設に求められる機能はより複雑化しています。たとえば高齢化に伴う在宅医療ニーズの拡大により、病院にある診療情報と介護施設にある介護支援情報の連携が今後必要になるでしょう。近い将来で、こういったあらゆるヘルスケア情報の集約と、その活用が医療施設に求められると考え、データ プラットフォームを含む全アーキテクチャを刷新した、次世代の電子カルテ システム『HOPE LifeMark-HX』を開発しました」(田中 氏)。

システム概要と、導入の経緯
Microsoft SQL Server を採用することで、利便性と性能に優れたデータ プラットフォームを提供

HOPE LifeMark-HX の特徴としては、まず、「データの集約、統合」が挙げられます。HOPE LifeMark-HX では、オーダリングや診療支援といった電子カルテ システムのデータに加え、医事会計データも 1 つのデータベースとして統合化しました。さらに、他社製の部門システム データも含めた、院内にあるさまざまな情報を統合管理できる DWH を提供し、それらを分析する BI ツールも実装しています。

データの抽出をより容易にするために、データベースのテーブル構造については大幅な見直しが行われました。その結果、従来と比較して、レコード件数は増大したといいます。富士通ではそこへ対応すべく、HOPE LifeMark-HX のデータ プラットフォームに Microsoft SQL Server Enterprise を採用し、利便性と性能の両立を実現しています。

富士通株式会社
ヘルスケアシステム事業本部
第一ソリューション事業部
ヘルスケア基盤開発部
藤原 隆 氏

HOPE LifeMark-HX のインフラ開発を担当する、富士通株式会社 ヘルスケアシステム事業本部 第一ソリューション事業部 ヘルスケア基盤開発部 藤原 隆 氏は、Microsoft SQL Server Enterprise を採用した理由について、次のように説明します。

「いかに優れた検索精度や管理性を持っていても、レスポンスが悪ければ使い勝手の悪いシステムになってしまいます。複数のデータベース製品で性能検証を行ったところ、Microsoft SQL Server Enterprise は、高いレスポンスを期待することができました。また、クオリティ インディケータ (医療の質を測定する指標) を導入する施設が昨今増えており、データ分析のニーズも今後高まっていくでしょう。Microsoft SQL Server Enterprise は、標準機能として BI ツールを提供しており、Excel などに近い操作感で利用できることから、お客様自身で高度な分析が行えることも大きな利点でした」(藤原 氏)。

これらのデータベース サーバーは Microsoft SQL Server Enterprise が備える AlwaysOn 機能で可用性グループを構成しており、万が一の障害時にも自動での切り替えが可能となります。また、Hyper-V 上に構成されたアプリケーション サーバーなどと組み合わせることで、システムを完全に 2 系統化しています。これによりほぼ無停止でメンテナンスが可能となり、お客様の業務負荷の軽減と高い信頼性を実現しています。さらに、HOPE LifeMark-HX では、従来のクライアント、サーバー型システムから Web アプリケーション型へアーキテクチャが刷新され、クライアント端末の運用負荷も大幅に簡素化しています。

HOPE LifeMark-HX のシステム構成イメージ。アプリケーション サーバーや Web サーバーも、Microsoft Windows Server Datacenter の Hyper-V で二重化している

さらに、藤原 氏は、その他の特徴として、認証基盤についても説明します。

「ID の統合管理の実現とシステムの連携性を高めるために、Active Directory フェデレーション サービスを活用することで、SAML へ対応した認証基盤も新たに構築しました。これにより、セキュアかつシームレスな認証が可能です。このように、HOPE LifeMark-HX ではマイクロソフトのテクノロジを全面的に採用していますので、プロジェクトの設計段階から、マイクロソフトには技術サポートとして入ってもらい、共同で開発を進めていきました」(藤原 氏)。

HOPE LifeMark-HX のシステム構成イメージ。アプリケーション サーバーや Web サーバーも、Microsoft Windows Server Datacenter の Hyper-V で二重化している

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター
経営企画室
係長
山田 隆史 氏

アーキテクチャが大きく刷新された HOPE LifeMark-HX ですが、名古屋医療センターで進められた構築作業は、富士通の支援もありスムーズに進行できたといいます。医事の立場から開発にかかわった、独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 経営企画室 係長 山田 隆史 氏は、当時を振り返ります。

「HOPE LifeMark-HX の導入にあたって各部署から集めた要望は、相当な量に達しました。それらをワーキング グループで検討して絞り込み、『何を採用し、何を採用しないか』を確認していきました。そこで決まった仕様に沿ってプロトタイプを構築し、検証と運用ルールの策定、調整を進めました。その後、リハーサルを数回行い、さまざまなケースでどう動くかを確認していきました。これらの導入過程は、常に富士通の SE 担当者に支援を頂きながら進めたことで、大きな混乱もなく本稼働を開始できました」(山田 氏)。

導入製品とサービス

  • Microsoft SQL Server Enterprise
  • Microsoft Windows Server Datacenter
  • Microsoft System Center Datacenter

導入メリット

  • Web ベースながら優れた利便性を持つ HOPE LifeMark-HX を導入したことで、情報収集や記録入力の効率が向上した
  • Microsoft SQL Server Enterprise を採用した性能の高い DWH を利用することで、部門ごとを横断したデータ活用を促進でき、分析を見据えた基盤も整備することができた
  • システムが完全 2 系統化されたことで、真の意味で『止まらないシステムの運用』が実現できた

導入の効果
HOPE LifeMark-HX が提供する DWH により、院内に散在していた各種データを有効に活用できるようになった

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター
看護部
副看護部長
漆畑 久子 氏

名古屋医療センターでは HOPE EGMAIN-GX からのデータ移行を経て、2016 年 2 月 28 日より、HOPE LifeMark-HX の本稼動を開始しています。リプレース後も、ユーザーは違和感なく HOPE LifeMark-HX を利用できていると、独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 看護部 副看護部長 漆畑 久子 氏は言います。

「操作方法がわからないといったトラブルは本稼働後ほとんどなく、看護師からは使いやすくなったという声が上がっています。特に、HOPE LifeMark-HX で新たに加わったダッシュボード機能とウィジェット機能はたいへん使い勝手がよいです。新しいシステムでは、トップ画面に、必要な情報を自身で選んで表示することができるようになったため、情報収集や記録入力の効率が格段に向上しました」(漆畑 氏)。 田中 氏は、HOPE LifeMark-HX の開発において、UI には特に配慮したと説明します。

「UI は、ユーザーへ違和感がないよう、基本的な画面デザインは以前のシステムと同じになるよう作りこみました。HOPE EGMAIN-GX で実現していたリッチな UI を Web ベースで構築するのは非常に苦労しましたが、マイクロソフトの技術支援や開発ツールを最大限に活用することで何とか実現することができました。加えて、新プラットフォームの利点を生かしたダッシュボード機能やウィジェット機能を実現したことで、『使いたい』と思っていただける UI が実装できたと考えています」(田中 氏)。

佐藤 氏は、HOPE LifeMark-HX で強化された高い信頼性も、名古屋医療センターへ大きな効果をもたらしていると評価します。

「診療情報は医療提供の核といえます。その情報を運用するうえで、システムの信頼性は非常に重要です。HOPE EGMAIN-GX は、システム リプレースまでの 6 年間、トラブルなく無停止で稼働し続けましたが、バッチ処理やシステム アップデート時にはどうしても計画停止する必要がありました。HOPE LifeMark-HX は、こうしたメンテナンス時でもシステムの稼働を継続できますので、真の意味で『止まらないシステムの運用』が実現できました」(佐藤 氏)。

さらに、独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 事務部企画課 診療情報管理士・医療情報技師 大羽 和代 氏は、HOPE LifeMark-HX が備える DWH が、これまで部門ごと散在していた各種データの活用を促進していると語ります。

「院内のデータを管理する私のもとには、医療や研究目的で、データの検索依頼が数多く寄せられます。これまで、依頼された要件によっては、電子カルテ システム上でデータの抽出ができないということがありました。HOPE LifeMark-HX では、部門システムを含めた横断的なデータ抽出が可能ですので、さまざまな抽出要件に対応できるようになりました。それに伴い、依頼数も増えているように感じます。今後、当院のデータ活用が広がっていくことを期待しています」(大羽 氏)。

「『医療情報のビッグ データ化への対応』が今後 10 年のキーワードです。患者の持つ医療や疾病に関する知識は増加していますので、『正確、最新、最良』なアドバイスを行える医療機関が選ばれる時代となっていくでしょう。そのためには、院内にある、医療や看護、介護といった各セグメントの情報をいかに有効活用するかが求められます。HOPE LifeMark-HX によって、データを活用する基盤は整備できました。今後は、そこに集約したデータを、分析も視野に入れて活用していきたいと考えています」(佐藤 氏)。

こうしたビッグ データの活用は、地域医療連携の面でも重要な役割を担うと、独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 地域医療連携室 医療連携係長 看護師長 和田 一樹 氏は続けます。

「名古屋医療圏の 6 つの基幹病院では、診療情報をネットワーク上で共有して、地域医療連携に役立てています。HOPE LifeMark-HX の DWH を活用することで、診療情報だけでなく部門システムのデータなども診療所と電子的に共有することが可能になりました。今後、患者様の治療の継続性をこれまで以上に保障すべく、DWH を活用していく予定です」(和田 氏)。

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター
事務部企画課
診療情報管理士・医療情報技師
大羽 和代 氏

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター
地域医療連携室
医療連携係長
看護師長
和田 一樹 氏

今後の展望
電子カルテ システムのさらなる活用を構想

名古屋医療センターは、HOPE LifeMark-HX へのリプレースと並行し、これまで看護師や医師へ配付していた PDA をスマート デバイスへ変更しました。これにより、回診時の業務効率も大きく改善される見通しです。

「スマート デバイスの配付台数は、近い将来 1 人 1 台にまで拡大していく予定です。利便性が向上しますので、PDA から スマート デバイスにするだけで、業務効率は改善できます。今後は、コミュニケーション システムと連動することで、物理的に離れた施設間での医療連携に活用することも構想しています。そこへ向けた取り組みとして、まずは 2016 年度中に、院外からの電子カルテ システムへのアクセスに対応していく予定です」(佐藤 氏)。

電子カルテ システムに代表される ICT の活用により、医療サービスのさらなる品質向上を推進した、名古屋医療センター。同院は、昨今話題となっている AI といった最新テクノロジの採用も、今後の視野に入れています。

「まだ先の話だと思いますが、医療における AI 利用に期待しています。システムが自分でデータを収集、分析し、医師や看護師を支援してくれるようなしくみがあれば、複雑性を増す医療ニーズにも十分に対応していくことができるでしょう。AI は、機械学習させるデータ量が重要になりますので、統合化した DWH 基盤をもって、可能性を模索していきます。富士通とマイクロソフトのシナジーで、こうした取り組みを支援していただけることに期待しています」(佐藤 氏)。

「病む人の立場に立った、安全でより質の高い医療の提供」を目指し、まい進を続ける、名古屋医療センター。10 年以上先の医療ニーズを見据えてさまざまな取り組みを進める同院は、HOPE LifeMark-HX の導入に代表される最新 ICT へのチャレンジを積極的に進めることで、「正確、最新、最良」という、今後求められる医療ニーズへの対応を迅速に進めていきます。

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「まだ先の話だと思いますが、医療における AI 利用に期待しています。システムが自分でデータを収集、分析し、医師や看護師を支援してくれるようなしくみがあれば、複雑性を増す医療ニーズにも十分に対応していくことができるでしょう。AI は、機械学習させるデータ量が重要になりますので、統合化した DWH 基盤をもって、可能性を模索していきます。富士通とマイクロソフトのシナジーで、こうした取り組みを支援していただけることに期待しています」

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター
医療情報管理部長
整形外科
医長
佐藤 智太郎 氏

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