3基のケースファンによりエアフローを確保したG-GEAR mini

ベンチマークテストを行う前に、「G-GEAR mini GI7J-B64/T(カスタマイズモデル)」のファン構成をチェックしよう。G-GEAR miniは最小構成の場合、ケース背面の排気用9cmファン1基のみで動作する。これは、本機がメッシュ加工を多用しており、自然吸気に期待できるからだ。しかしある程度のグラフィックスカードを搭載すると、高負荷時には室内温度しだいでメッシュ部分からの自然吸気のみでは力不足となる可能性もある。そんな状況を踏まえ、BTOカスタマイズでファンを追加することも可能。12cm冷却ファン×2を選択した場合、左サイドパネルの金属トレイに吸気用の12cmファンが、トップパネルに排気用の12cmファンが追加される。試用機は、この2つを搭載した状態になっている。

左サイドパネルを外したところ。可動式の金属トレイに、12cmファンとHDD、SSDが取り付けられている

金属トレイを取り外したところ。追加されているサイドおよびトップの12cmファンは、電源ユニットから直接給電されている

金属トレイを取り外したCPU周辺の様子。リアの9cmファン、トップの12cmファンによって排気が行われる

追加された2基の12cmファンの羽根。エッジに加工が施されており、特殊な形状をしているのがわかる

ベンチマーク時の騒音と温度、ファンの回転数は?

それでは、ゲームベンチを動かしながら騒音と温度、ファンの回転数を見ていくことにしよう。利用したベンチマークテストは、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」だ。PCを酷使するよう、設定は2560×1440・最高品質・DirectX11、室温は26度前後。ベンチマークテスト開始直後から測定を開始し、フルスクリーンモードが終了したところまで計測している。ノイズについては、簡易騒音計を背面、側面のファンから10cmの位置に置き、それぞれ測定を行った。

「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」動作時のCPU/GPU温度。グラフィックスカードは、ベンチマークが進むにつれ、50度後半から温度が上昇。最も高い状態で80度となるが、おおむ70度半ばで推移する

「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」動作時のCPU/GPUファン回転数。グラフィックスカードは1500RPMからスタートし、高負荷時に2000RPMほどの回転数となる

ケース背面の9cmファンから10cmの位置の騒音は、42~44dBA程度。最高でも44.3dBAとなった(左)。ケース側面の12cmファンから10cmの位置の騒音は、43~46dBA程度。最高値は46.6dBAとなる。(右)ちなみにこの騒音レベルは、深夜の市内や図書館程度とされている

「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」2560×1440ドット、最高品質、DirectX11の結果

「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の結果。1280×720と1920×1080で"非常に快適"、2560×1440でも"快適"となった

「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、主にグラフィックスカードに負荷がかかっている。高負荷時にはファン回転数2000RPM前後で、80度以下の温度をキープし、安定した動作を見せている。当然ケース内の温度は上昇するはずだが、CPUの温度はほとんど変化がない。グラフィックスカードの熱をしっかりと排熱できている証左だろう。

一方騒音は、回転数が上昇してもほとんど体感的な変化はない。ほぼ全面メッシュ構造という仕様上、ケースファンの音は聞こえてくるものの、内部パーツの騒音はこのファンを下回っているようだ。なお背面と比べると側面の騒音のほうが、若干大きい傾向があることは覚えておきたい。総じて負荷が上昇しても急にファンが爆音を発したりすることなく、安定した動作が行えていた。G-GEAR miniは、小型ケースながらもしっかりしたエアフローを確保しているといっていいだろう。

各種ベンチマークでも熱による速度低下の心配はなし

最後に、各種ベンチマークの結果をざっと紹介しておこう。測定したのは、Futuremarkの定番ベンチマークソフト「PCMark 8」と「3DMark」、MAXONの「CINEBENCH R15」、ストレージ速度を検証する「CrystalDiskMark」、そしてスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」だ。いずれもゲーミングPCの名にふさわしいスコアを実現しており、小型PCだからといって排熱不足による性能低下を心配する必要はなさそうだ。ほかのPCと比較する際の参考にしてほしい。

「PCMark 8」Home accelerated 3.0のベンチマーク結果

「3DMark」Fire Strike 1.1によるベンチマーク結果

「CINEBENCH R15」の測定結果

「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4k」最高品質/1920×1080の測定結果

「CrystalDiskMark 5.1.0 x64」で確認したTranscend製SSDの速度

「CrystalDiskMark 5.1.0 x64」で確認した東芝製HDDの速度

コンパクトでも性能は変わらず! 確かなゲーミング性能を備えたG-GEAR mini

コンパクトケース採用の弊害としてユーザーが懸念する排熱問題。実際、なんの工夫もない小型ケースでは、ミドルクラス以上のグラフィックスカードを搭載した場合、多くの製品が熱により性能を低下させてしまう。しかしG-GEAR miniは、Mini-ITXを前提としたケースが、一般的に市販されているほとんどのグラフィックスカードを搭載することを前提に設計されている。さらに搭載するスペックに応じてケースファンを追加でき、ハイエンドGPUを搭載しても排熱の心配をすることなくゲームを快適に楽しめてしまう。日本の住宅事情におけるスペース問題を考慮すると、ケースは小さければ小さいほうがグッド。G-GEAR miniならば、「ゲーミングPCだからミドルタワーを選択しなければならない」という時代の終わりを感じることができるだろう。

試用機の詳細スペック

型番 G-GEAR mini GI7J-B64/T(カスタマイズモデル)
CPU Intel Core i5-6500(定格3.2GHz、TB時最大3.6GHz)
チップセット Intel H110 Express(ASUS H110I-PLUS)
メモリ PC4-17000 DDR4 8GB(4GB×2)Samsung製
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 960/2GB
ストレージ SSD 256GB SATA6Gbps対応(Transcend製 TS256GSSD370S)
HDD 1TB SATA6Gbps対応(東芝製 DT01ABA100V)
光学ドライブ
電源ユニット HEC製 HEC-500TD-5WX(定格500W)80PLUS BRONZE認証
ケース G-GEAR Mini-ITXゲーミングケース(ブラック/8M05)
冷却ファン(追加) 12cm冷却ファン×2(サイド・トップ)
OS Windows 10 Home 64ビット
価格 123,962円(税込)

※価格・構成については、記事作成時の情報です。

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