X51の基礎体力をチェック!

それではCPU/GPU/ストレージの性能を定番ベンチマークでチェックしよう。前述の通りX51はCPUを微妙にOCする機能も付いているため、ストレージ以外は通常状態(定格と表記)と、4.4GHzへOCした状態(OCと表記)との性能差も見てみたい。CPUを水冷化しているといっても、ボディーが小さいため、熱による性能低下が心配だが、キッチリ出ているのだろうか?

まずはCPUの計算能力を「CINEBENCH R15」で計測した。

「CINEBENCH R15」のスコア

このスコアを見る限り熱でダレる様子はなく、Core i7-6700Kの性能をしっかり活かせていることがうかがえる。OCしてもシングルコア性能は変わらない(1ポイントは誤差の範囲)が、マルチコアテストでは4.4GHzへOCした効果であると考えられる。なかなか良い出だしだ。

続いてはGPUの性能を「3DMark」の"Fire Strike"および"Fire Strike Ultra"でチェックする。CPUでの物理演算もスコアに加算されるためOCの効果も一応認められるテストだが、どうだろうか?

「3DMark」のスコア

こちらもGTX 960+Core i7-6700Kマシンとしては平均的なスコア。4Kゲーミング環境を想定したFire Strike Ultraのスコアは1200ポイント前後ということは、X51はゲームを4KでなくフルHD解像度で遊ぶのがベスト、ということを示している。こちらでもOCの効果は認められた。

最後にストレージを「CrystalDiskMark」でチェックする。

「CrystalDiskMark」によるリード・ライト性能

X51プラチナのストレージはHDDのみ。特別速くも遅くもないが、SSDがここまで浸透しているとゲームの起動時などに重さを感じるのは確か。BTOでSSDの追加を強くオススメしたい。

2015年で話題になったゲームはどの程度動く?

それでは2015年に話題になったゲームを、軽い方から順に3本テストしよう。3DMarkの結果を踏まえ、どのゲームも解像度を1920×1080ドットに固定。さらに画質はそのゲームの最高画質でテストするが、GTX 960だと微妙にフレームレートが足りなくなる(微妙なカクつきが出る)ため、1段落とした画質でも計測している。フレームレートの計測には「Fraps」を使用した。

まずは軽めの「Star Wars バトルフロント」を使う。サバイバルミッション"エンドア"をプレイしながらテストした。

「Star Wars バトルフロント」のフレームレート

最高画質でも平均60fpsに限りなく近いフレームレートなので、プレイは快適そのもの。ただ60fps死守じゃないと嫌だ! という人は1段落とした"高"設定にするとよい。OCしても効果はあるどころか、微妙に下がる(誤差の範囲ともいえるが)のは、実際のゲームタイトルではよくある話だ。

続いては推奨GPUがGTX 780というハードルの高さでも有名になった『フォールアウト4』でテストする。ゲーム開始序盤のフィールド(Commonwealth)でのフレームレートをチェックした。

「フォールアウト4」のフレームレート

このクラスになるとGTX 960では最低fpsの落ち込みが大きく、カクつきがちょっと気になってくる"ウルトラ"設定でもしっかり遊べるが、滑らかさを重視するならこちらも"高"設定でのプレイをオススメしたい。

最後に2015年のGame of the Yearにも輝いた『ウイッチャー3 ワイルドハント』を試す。このゲームのみ、最高画質はプリセットの最高に加え環境閉塞(アンビエントオクルージョン)をHBAO+にしていること、さらにHairWorksを無効にしたうえでテストしている。フィールド移動時のフレームレートでチェックした。

「ウイッチャー3 ワイルドハント」のフレームレート

このタイトルになるとさらに重くなる。最高画質でもプレイは可能だが、敵の攻撃を食らってはならないようなシビアなバトルだと辛いフレームレートだ。最低でも設定は"高"、もっとマージンをとるなら"中"あたりに下げておきたい。

静音性や冷却能力は?

ではX51で最も重要なスペック、静音性について検証してみよう。システム起動から10分後を"アイドル時"、「ウイッチャー3 ワイルドハント」を30分プレイした時の状態を"高負荷時"として、騒音計「AR815」で計測した。暗騒音は34.4dBA、マイクはX51のフロントパネルから30cmの位置に固定した。

X51のゲームプレイ時のノイズ

水冷システムは常時ポンプを稼働させる必要があるうえに、搭載されているGTX 960はブロワーファン方式なので、アイドル時でも一定のノイズ発生は避けられない。高負荷になればGTX 960がフル回転する分ノイズは増えるが、ノイズの音程は低いため不快とは感じにくいはずだ。高負荷時でもしっかりゲームの音は聞こえるし、集中力を阻害するようなノイズは出ない。

ではゲーム中の冷却力はどうだろうか? ということで「HWiNFO64」を利用してCPUパッケージ温度とGPU温度をそれぞれ比較したのが下のグラフとなる。

ゲーム実行前と30分後の各部温度

上のグラフと同じだが、時間による温度推移を比較したもの

まずCPUに関しては小さいながらも水冷ユニットの効果がしっかり認められる。ウイッチャー3はCPU負荷も高めだが、それを60℃台に抑えているのはさすが。GPUは80℃でほぼ張り付くが、これはリファレンスクーラーの限界と考えられる。もっと冷える水冷やビデオカードはあるが、X51のボディーには到底収まらない。X51の冷却システムはサイズあたりの効率という点では十分評価に値するだろう。

最後に消費電力を「Watts Up? PRO」で計測した。ここでの高負荷時とは「3DMark」の"Fire Strike"デモ実行中の目視における安定値である。

システム全体の消費電力

省電力性能に優れたSkylake+GTX 900シリーズの組み合わせなので消費電力もこの程度。330WのACアダプタはかなりマージンを確保した設計ということもわかるだろう。

まとめ

以上でX51の検証は終了だ。Core i7-6700KにDDR4メモリ、そしてGTX 960という現在のメインストリームを百科事典サイズに凝縮した設計技術は素晴らしい。ACアダプタがもう少し小さいとよいのだが、このあたりはデルがワールドワイド展開をしている関係上、仕方のないことかもしれない。ゲームの性能も十分納得がいくものだった。

値段だけをみればやや割高な印象だが、机の上の専有面積の小ささと、小さい割に発するノイズがエアコンより小さい(筆者の体感による)というのも素晴らしい。唯一ストレージがHDDのみ、という点はマイナスだが、これはBTOでSSDを追加することでカバーできる。省スペースで静か、かつデザインも良いゲーミングPCが欲しいなら、このX51は最初に検討すべきPCといえる。

スペック詳細

メーカー デル
型番 ALIENWARE X51 プラチナ
CPU インテル Core i7-6700K
メモリ 8GB PC4-17000 DDR4 DIMM×2
HDD 1TB SerialATAIII(7200回転)
チップセット インテル Z170 Express
グラフィックス GeForce GTX 960
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、802.11ac/a/b/g/n無線LAN(2×2)
インタフェース USB3.1(10Gbps)×2、USB 3.0×4(背面×2、前面×2)、USB2.0×2(背面×2)等
サイズ W95×D318×H343mm
重量 約5.49kg
価格 179,980円(税別)

(マイナビニュース広告企画:提供 デル株式会社)[

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