小型化に伴いベイ数が変化、2.5インチベイが追加に
新ケース「EX-01T-M」の内部構造を見てみよう。ケース内部にもブラック塗装が施されているため、汎用ケースに感じがちな"安っぽさ"がなくなっているのはうれしい。またマザーボードベースのCPUの裏側にあたる部分がくり抜かれているため、マザーボードを取り外さなくても、ねじ止め式のCPUファンを着脱することが可能だ。
さらに詳しく見ていくと、ベイ構造の変化がわかる。旧ケースでは5インチ×2、3.5インチ×2、3.5インチ・シャドー×2という構成だったが、5インチ×2、3.5インチ×1、3.5インチ・シャドー×2、2.5インチ・シャドー×1に変更されている。3.5インチのオープンベイが減った分、3.5インチベイが減少しているものの、代わりに2.5インチのシャドーベイが追加された形だ。小型化しつつも実質的なベイ数を減らさない工夫とみていいだろう。なお3.5/2.5インチベイは、左側面のみネジ止めすれば着脱可能なように、右側には固定用のツメが用意されている。またフロントに12cmの静音ファンが標準搭載されているのもありがたい点だ。別途ファンなどを追加せずとも、初めからしっかりとしたエアフローでPCを利用できる。
動画変換と保存を考えたストレージ構成を選択
続いて、本機のパーツ構成を確認しよう。録画と編集を主眼においているため、CPUはエアロストリーム「RM7J-E63/E」の標準構成のまま、Intel Core i7-4790を使用。高い動作クロックと4コア8スレッドは、動画エンコード時に活躍してくれるはずだ。
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CPU周辺の様子。Intelの4コア8スレッドCPU・Core i7-4790を搭載している。エンコードなどの負荷の高い処理で活躍してくれるだろう |
試用機ではマザーボードにMSI B85M-E45が搭載されていた |
メモリはDDR3L-1600の4GBを2枚、デュアルチャネルで8GBという構成。信頼性で定評のあるSanMaxテクノロジーズ製が標準搭載されている点がうれしい。TVキャプチャーボードは、地上・BS・110度CSデジタル放送に対応したアイ・オー・データ機器のシングルチューナーモデル・GV-MVP/XS3だ。こちらはBTOカスタマイズからは選択できないため、あとから追加を行った。ハードウェアトランスコードが可能なため、画質や音質を下げ、通常のTSファイル録画よりも最大15倍の量の録画を行うことができる。
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TVキャプチャーボードとして、地上・BS・110度CSデジタル放送対応のアイ・オー・データ機器のGV-MVP/XS3を追加した |
専用ソフト・mAgicTV GTを利用して視聴や録画が行えるほか、インターネット番組表からの予約も可能。ディスプレイ側のHDCP対応が必要になる点に注意したい |
ストレージは、動画保存用の3TB HDDを2台、OSインストール用の128GB SSDを1台という構成を選択した。録画だけならばHDDだけでも問題ないが、編集時の速度や、OS領域と動画保存領域の切り分けも考慮して、SSDをC:ドライブとしている。SSDはTranscend 370 Series、HDDは低騒音・低消費電力が特徴となるWestern DigitalのWD30EZRXだ。6TBあれば、大量の録画ファイルを保存し続けても、容量不足となるのはだいぶ先の話だろう。電源ユニットは、CorsairやThermaltakeなどのOEM元メーカー、CWT製のGPK500S。最大出力550Wのモデルとなるが、グラフィックスカードを搭載していない本機なら容量不足に陥ることはないだろう。80PLUS BRONZE認証を取得しているため、省電力面でも貢献してくれそうだ。
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システムドライブにはTransend製のSSD 370 Seriesを搭載している。容量は128GBなので、HDDとうまく使い分けたい |
データドライブとして、Western DigitalのWD30EZRX×2台を搭載。静粛性と省電力が魅力のHDDだ |
今回は動画変換速度を確認するために、「TMPGEnc Video Mastering Works 6」を実際にインストール。30分37秒・1440×1080ドットのTSファイル(2.4GB)を、1920×1080ドットのBDMV-MPEG2と、720×480ドットのH264-MP4にエンコードしてみた。結果として、MPEG2は35分22秒、MP4は15分52秒でエンコードを終えることができた。