パソコンはこうして組み立てられる！ 富士通デスクトップPCの生産現場に潜入

親子で“ものを作る”よろこびが味わえるパソコン組み立て教室

パソコン組み立て教室について答えてくださったのは、富士通アイソテック 総務部 佐藤健一郎さんです。まず、なぜこの取り組みを始めたのか質問してみました。

「弊社がパソコンを作っている会社だと地元の方に知ってもらうために、伊達市に住む親子を対象にパソコン組み立て教室を開催したのがきっかけです。最初の開催は2004年のことです。翌年には福島県内の親子、翌々年には全国の親子に対象を広げました」。

参加者にはどんなメリットがあるのでしょうか？

「親子で何かを作るよろこびを味わえるのが最大のポイントでしょう。現代は“ものを作る”という機会が減っています。パソコンを組み立てる作業を通して、ものを作る楽しみを感じていただければ幸いです。あと、パソコンの仕組を理解できる場としても活用していただければと思います。そうそう、組み立てたパソコンは後日参加者に送付させていただいています。最新モデルに切り替えたいという方にも注目していただきたいですね」。

なるほど。親子のレクリエーションとして最適な場といえますね……って、え!? 組み立てたパソコンはあとからもらえる？ それって原価（パーツ代）で済むってことですか？

「その件に関しては何とも……（笑）。ただ、最新モデルの実勢価格よりも、教室の参加費のほうがお安いことは確かです」。

過去に、組み立てに失敗した親子さんはいらっしゃいましたか？

「いらっしゃいません。弊社のスタッフが組み立て作業をサポートしますし、組み立て後は実際の製品と同じようにシッカリと試験します。“後日送付します”と申し上げたのはその試験があるからです」。

佐藤さんによると参加対象はお子様が小学校5年生から中学校3年生の親子だそうで、組み立て教室のあとは工場見学をすることも可能だそうです。また、組み立てるPCは、ディスプレイの角度を自在に変更できるタッチ操作対応の「ESPRIMO WH77/M」。4コア8スレッド処理が可能なCPU、インテル® Core™ i7-4702MQ プロセッサーを搭載したマシン。最新のCPUとOSを搭載し、さらにタッチ対応の新感覚のパソコン操作が可能なモデルです。この内容なら、夏休みの宿題「自由研究」にもピッタリだといえます。この夏のイベントがまだ決まっていないのなら、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか？

パソコン生産だけではない！ ユニークな同工場の主力事業

福島県伊達市にある同工場は、実はパソコン生産だけが主力事業ではありません。リサイクル事業も大きな柱となっています。「大手IT企業の中で、全国規模でリサイクル事業を独自に行っているのは富士通だけかもしれませんね」と語るのは、富士通 東日本リサイクルセンター センター長 仙田光宏さん。仙田さんによると、月に150トンほどの廃棄パソコンやプリンタ、サーバーなどを受け入れ、再資源化しているとのことです。なお、資源再利用率は90%以上！ ほとんどのパーツが無駄にならずリサイクルされているといえるでしょう。

そもそもリサイクルの事業化を考えたのは、Windows 95が日本に上陸し、パソコンが爆発的に売れた頃のことだそうで、事業を開始するに至った経緯が何ともユニーク。「パソコンの生産時に、パーツが梱包されていた段ボールの空き箱が大量に発生するのです。それこそひっきりなしに回収車が出入りしていました。実は当工場のお隣さんが、段ボールの製造工場。そちらの方が『それだけ段ボールが出るなら自社で再資源化してみては？』とアドバイスしてくださったのです。そこで、段ボールをプレスする機械を導入し、約1トンの大きさにプレスしたものを直接製紙工場に納入したところ、1年で機械の元を取ることができました（笑）」。と仙田さんは説明してくれました。

さて、6年ぶりに訪れた富士通アイソテックの工場は、作業棟も増え、生産ラインも進化しているのだなと感じました。なお、8月2日には富士通のノートPCを生産する島根富士通でも、ノートPCの組み立てが学べる教室が開かれます。デスクトップPCを組み立てたい方は7月26日に福島県、ノートPCを組み立てたい方は8月2日に島根県へ飛び、パソコンを組み立ててみましょう。

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