PCの体感速度を遅くしている大きな要因はHDDといえるだろう。CPUやGPUの処理能力は飛躍的に向上し、OSやほとんどのアプリケーションにおいて動作のボトルネックとなることはほぼなくなった。64ビットOSが一般化し、4GB以上のメモリが標準搭載されるようになると、メモリ使用量を気にしながら作業を行うということもない。だがHDDは、容量こそ大きく増えているものの、ディスクの回転速度にさほど進歩はなく、データの読み書き速度の飛躍的な向上は進んでいない。

そこで注目したいのが、フラッシュメモリにデータを格納するSSDだ。登場当初はHDDに比べ容量が少なく非常に高価。さらには、ほかの機器やOSとの相性問題などもあり扱いにくい存在だった。しかしウィンドウズ7が登場してから扱いが容易になり、SATA3.0の登場で速度も有効に活用できるようになった。なによりも1GBあたりの単価が手頃になってきており、導入時のハードルはグッと下がっている。

SSDには多くの特徴がある。速度はもちろんのこと、消費電力の低さとそれに伴う発熱の少なさ、小型化が容易なこと、機械部品を持たないことによる衝撃への耐性などが代表的なものだ。ノートPCでの採用が多いのもうなずけることだろう。これらの特徴は、デスクトップPCにおいても非常に有用。複数台のストレージを搭載できるデスクトップPCなら、OSやアプリケーションのみをSSDにインストールしシステムディスクとして運用、データは従来通り大容量のHDDに保存することで、容量や速度低下を気にすることなく活用できるからだ。SSDは単独使用でも有用だが、HDDと合わせて使うことにより、ウィークポイントを補いあえるのであえる。

SSDの選択にもこだわったeX.computerシリーズ

そんなSSDにこだわりを見せているのが、老舗PCパーツショップのTSUKUMO。同社のオリジナルPCブランド「eX.computer」や「G-GEAR」のカスタマイズメニューには、現在「Crucial m4」と「インテル SSD 520」の2製品を柱に多彩な選択肢が用意されている。この2製品は、ともにSATA3.0に対応したSSDで、自作PC市場でも定評を得ている存在だが、どのくらいの性能を確保しているのか気になるところ。そこで、旧世代のSSDとのパフォーマンス比較を試みてみたいと思う。なお現在、eX.computerシリーズでは、Crucial m4 128GBがHDD1TBから無料アップグレード中、インテル SSD 520の120GBが+4,200円からとなっている。

G-GEARのカスタマイズメニューの「ハードディスク」の項目(8月上旬現在)。Crucial m4とインテル SSD 520の容量違いが用意されている