驚きのエンコード速度を実現する
「クイック・シンク・ビデオ」

ここからは「クイック・シンク・ビデオ」の実力をチェックしていこう。この機能は、Sandy Bridgeシリーズのすべてに内蔵されている機能で、具体的にはCPU内部のGPUにMPEG4 AVCおよびMPEG-2のエンコードエンジンを搭載しているというもの。これによって、動画ファイルをMPEG4 AVCおよびMPEG-2に変換する作業をCPUに負荷をかけず、高速に行えるようになるのが大きなメリットだ。

しかし、このクイック・シンク・ビデオの弱点は、CPU内蔵のGPUを有効にしないと利用できない点。Sandy Bridgeを採用していても、外部GPUしか使えないPCではクイック・シンク・ビデオの恩恵を受けられないわけだ(CPU内部のGPUを利用できないP67チップセットを採用するPCなど)。

今回のテストで試用するLB-T500Xも外部GPUを搭載しているが、NVIDIAのOptimus技術によって、簡単にCPU内部のGPUと外部GPUを切り替え可能となっている。この技術は、3D性能が必要な時は外部GPUが駆動するなど、処理内容によってCPU内部のGPUと外部GPUを自動的に切り替えて、バッテリー駆動時間を延長するというものだが、「NVIDIAコントロールパネル」を使えば、利用するGPUを手動で指定できる。クイック・シンク・ビデオを利用したい場合は、CPU内部のGPUを指定すればいいのだ。

「NVIDIAコントロールパネル」でCPU内部のGPUと外部GPU、どちらを優先して利用するか指定できる

なお、クイック・シンク・ビデオを利用するにはソフトウェア側の対応も必要。現在では、ペガシスの「TMPGEnc Video Mastering Works 5」やArcSoftの「MediaConverter 7」など対応するソフトが増えてきている。

さて、ここからはその実力をチェックしていきたい。用意したのはクイック・シンク・ビデオに対応するサイバーリンクの動画変換ソフト「MediaEspresso 6.5」と、30分のMPEG2ファイル。これを3MbpsのMPEG4 AVCに変換するまでの時間を測定した。参考までにLB-T500Xの外部GPUであるGeForce GT 540MのCUDA機能を利用したエンコード時間も掲載した(CUDAはGPUをエンコードなどでCPUと同じように利用する機能)。

クイック・シンク・ビデオには、サイバーリンクの「MediaEspresso 6.5」を使用
MediaEspresso 6.5(MPEG2→MPEG4 AVC変換)
クイック・シンク・ビデオ 有効 1分18秒
クイック・シンク・ビデオ 無効 3分57秒
【参考】CUDA 有効 5分37秒

驚くべきは、クイック・シンク・ビデオの変換速度だ。30分のMPEG2ファイルの変換がわずか1分強で終わっている。しかも、CPUの使用率はわずかに12~17%。ほかの作業を余裕で並行して行えるのも大きな強みだ。一方でクイック・シンク・ビデオを無効にしても、クアッドコアCPUだけあって約4分と好記録を出しているが、その間はCPU使用率が約100%となるため、ほかの作業はほとんど不可能になってしまう。ちなみに今回のテストでは、CUDAを利用するとCPU使用率はかなり減るが、エンコードには時間がかかるという結果となった。

最近のモバイル機器では、再生に対応する動画の形式にMPEG4 AVCを採用するケースが多い。PSPやiPhone/iPod touchがその代表といえる。それだけにクイック・シンク・ビデオの高速エンコードは大きな魅力だ。MPEG4 AVCは高画質&高圧縮であるため、これまでPCに残していた動画ファイルをMPEG4 AVCに統一してしまうのもいいだろう。CPUに負荷がかからないため、エンコード中でもほかの作業をすることができ、躊躇なく変換を実行できるのも大きなメリットだ。

合わせてチェックしたい
Sandy Bridge採用ノートPC

最後にSandy Bridgeを採用するマウスコンピューターのオススメノートPCを紹介していこう。5万円台で購入できる低価格モデルや、上位CPUを搭載するハイエンドモデルもある。もちろん、どれもBTOでスペック変更が可能だ。自分の予算や目的にマッチするものを見つけてほしい。

まず最初は「LB-T500B」。デザインやインタフェース類はここで紹介しているLB-T500Xと同じだが、CPUにデュアルコアのCore i3-2310M(2.10GHz)を採用することで、低価格化を実現している。ローエンド向けのCore i3とはいえSandy Bridgeに変わりはなく、クイック・シンク・ビデオはもちろん利用可能。外部GPUとして、NVIDIA GeForce GT 540Mも備えており、3Dゲームも楽しめる。低価格ながら充実の内容だ。もちろん、BTOで上位CPUに変更、メモリの増設などもできる。

LB-T500Bの標準スペック [CPU] インテル Core i3-2310M   [チップセット] モバイル インテル HM65 Express   [メモリ] 2GB   [HDD] 250GB   [光学ドライブ] DVDスーパーマルチドライブ   [グラフィックス] NVIDIA GeForce GT 540M/インテル HDグラフィックス 3000   [サイズ/重量] W376×D252×H24~34.9mm/約2.53kg   [OS] Windows 7 Home Premium 64ビット版   [標準構成価格] 59,850円  

最後はLB-T500Xの上位モデルとなる「LB-T500X2」と「LB-T500X3」。インタフェース類は共通で、それぞれ8GBの大容量メモリが搭載されている。LB-T500X2はCPUにCore i7-2720QM、LB-T500X3はCore i7-2820QMを採用。BTOでインテル製のSSDや記録型ブルーレイドライブが選べる点もLB-T500Xと同様だ。上位のCPUと大容量メモリを求めている場合は、こちらのモデルを検討しよう。

LB-T500X2の標準スペック [CPU] インテル Core i7-2720QM   [チップセット] モバイル インテル HM65 Express   [メモリ] 8GB   [HDD] 640GB   [光学ドライブ] DVDスーパーマルチドライブ   [グラフィックス] NVIDIA GeForce GT 540M/インテル HDグラフィックス 3000   [サイズ/重量] W376×D252×H24~34.9mm/約2.53kg   [OS] Windows 7 Home Premium 64ビット版   [標準構成価格] 99,750円  
LB-T500X3の標準スペック [CPU] インテル Core i7-2820QM   [チップセット] モバイル インテル HM65 Express   [メモリ] 8GB   [HDD] 750GB   [光学ドライブ] DVDスーパーマルチドライブ   [グラフィックス] NVIDIA GeForce GT 540M/インテル HDグラフィックス 3000   [サイズ/重量] W376×D252×H24~34.9mm/約2.53kg   [OS] Windows 7 Home Premium 64ビット版   [標準構成価格] 119,700円  

「LuvBook T500シリーズ」は、不具合が生じる可能性のあるSATAポート 2番~5番を使用していない製品のため、インテル 6 シリーズ Express チップセット不具合の影響はない。
※この製品については、B3ステッピングへの無償交換対象外となる。詳細については以下を参照してほしい。

インテル 6 シリーズ Express チップセットに関する対応についてはこちら

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
製品名 LB-T500X
CPU インテル Core i7-2630QM プロセッサー
メモリ 4GB PC3-10600 DDR3 SODIMM
HDD 500GB
チップセット モバイル インテル HM65 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GT 540M、インテル HD グラフィックス3000(NVIDIA Optimus対応)
ドライブ DVD±R 2層書き込み対応DVDスーパーマルチドライブ
OS Windows 7 Home Premium 64ビット版
LAN ギガビット(10/100/1000) LAN、IEEE802.11 b/g/n対応無線LAN
インターフェース USB 2.0×3(右側面×1、左側面×2)
サイズ W376×D252×H24~34.9mm
ディスプレイ 15.6型光沢液晶(1366×768)
価格 79,800円(税込)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格については、2011/3/7現在の金額です。最新の価格についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。

(マイコミジャーナル広告企画)

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