静かで冷える水冷ハイエンドPCが、BTO市場に登場!

ドスパラの誇るゲーミングPCブランド「Galleria(ガレリア)」のハイエンドシリーズ、「Prime Galleria HG」に、水冷CPUクーラーを搭載したモデルが追加された。水冷とは、読んで字のごとく、液体を利用して排熱するシステムだ。冷却ヘッドとラジエーターの間をチューブで繋ぎ、冷却ヘッドで暖められた液体をポンプで循環させてラジエーターに移動、ファンなどで冷やしたのち、改めて冷却ヘッドに送る。これを繰り返すことにより、効率の良い冷却を行うことができる。一般的なファンによる冷却、空冷と比較した場合の特徴は、温度の上昇が緩やかで、一定の数値以上に急激に上がらないことだろう。この特徴から、負荷がかかった際に温度が急上昇しやすいハイエンドパーツの冷却に力を発揮する。

また冷却に必要なファンの風圧も緩やかでよいため静音にも貢献するが、逆にポンプの動作音が気になることもあるので、動作音に関しては実際の製品を聴き比べて判断したほうがいいだろう。液体を使用しているだけあって、金属フィンとファンを組み合わせた冷却装置に比べると扱いは難しい。もし液漏れを起こした場合、通電したPC内部に液体が降り注いでショートしてしまう危険性があるからだ。この取り扱いの難しさから、自作市場でも有用性はよく知られているものの、個人での導入事例は多くはなかった。

デンマーク・Asetek製水冷ユニット「LCLC」を搭載

そんな水冷システムの利用を、一般向けのBTO販売で実現したのが「 Prime Galleria HG 水冷モデル」だ。水冷ユニットには、デンマーク・Asetek製の「LCLC」を採用している。水冷ユニットを組み込んだPCは、液漏れの心配やメンテナンスの対応から、いままでBTOでの販売が難しかった。しかしこの水冷ユニットは密閉型で、輸送時に液漏れを起こす心配がなく、またクーラント液を後から補充する必要もない。完全に独立したユニットとして存在しているため、組み込みPCとしての一般販売が可能になったのだ。「LCLC」は、まったくメンテナンスを行わなくても5万時間の動作に耐えられる。ラジエーターはリア12cmファンの位置に取り付けられており、ケース内の熱を外に排気する際に同時に冷却を行う仕組み。ポンプはCPUヘッドに内蔵されており、タンクは省略されているため、見た目にはとてもコンパクトだ。

CPUヘッドにとラジエーターのみのスッキリとした密閉型システム「LCLC」。リアの12cmファンでラジエーターを冷却する ケース内部は、ファンが少なくすっきりした印象。ポンプを動作させるために電源が必要なため、電源は2系統から供給される
CPUヘッドに当たるユニットに、ポンプを完全密閉で搭載 CPUとの接地面は銅のプレートで覆われている
ラジエーターはケースと12cmファンに挟まれる形で設置されている