働き方改革は大企業だけのものではありません。今後も続く採用難の時代において、人材活用及び人材確保の点から女性活躍推進は重要な企業戦略となります。本稿では、女性活躍推進が必要となる背景、具体的な取組み方法について、紹介します。

※本稿は、特定社会保険労務士 島 麻衣子氏によるコラムコンテンツです

「売り手市場」が続く日本

「求人を出してもなかなか採用できない」 最近、顧問先企業様からそのような声を聞くことが多くなりました。実際、各種データにおいてもその傾向ははっきりしています。厚生労働省が2017年1月31日に発表した2016年平均の有効求人倍率は、前年を0.16ポイント上回る1.36倍となり、25年ぶりの高水準となりました。有効求人倍率は、平成22年から上昇し続けています(図表1)。また、新卒採用についても、大卒求人倍率(注1)が2016年卒は1.73倍、2017年卒は1.74倍と、ここ数年慢性的な「売り手市場」が続いています。まさに採用難の時代といえますが、この状況は今後、さらに厳しくなる可能性があります。

(注1)出典:大卒求人倍率調査|リクルートワークス研究所

さらなる採用難の時代へ

下の表は、日本の人口の3区分別(14歳以下、15歳~64歳、65歳以上)の割合を、2015年までは実績値、2020年以降は推計値で表したものです(図表2)。この表で注目すべきは14歳以下の人口です。14歳以下の人口は1980年以降減少を続け、2015年には12.6%にまで低下しました。これは諸外国の中でも最低水準です。今後もこの割合が増加する見込みはなく、2060年には9%まで低下するという推計がでています。この14歳以下人口は10年後の「新卒」です。つまり、14歳以下の人口が極端に減少している現状では、近い将来若い労働力が現状よりさらに不足することが予想されます。今までのように「男性中心に新卒を採用し、退職したらまた若い人を採用する」ということ自体が難しくなる時代がやってくるのです。

出典:2015年までは国勢調査結果、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計)より作成

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