開発元を動かした! ICカード認証をVDIに持ち込んだアズムの新ソリューション

[2017/02/28 07:00] ブックマーク ブックマーク

仮想化

アズムは、PCoIP(PC over IP)をベースとした仮想デスクトップソリューション「AZ Desktop Cloud Platform」の提供を開始すると発表した。

セキュリティ面の強化を目的として、ICカードを用いたユーザー認証に対応した点が大きな特徴。旧サン・マイクロシステムズのシンクライアント「Sun Ray」で好評だった機能をPCoIPの世界に持ち込んでいる。

カナダ Teradiciと提携して開発されたAZ Desktop Cloud Platformの発表会はカナダ大使館で行われた

アズム 代表取締役の門田修門氏

遅延の少ないPCoIP

Teradici シニアプロダクトマネージャ Patrick Mauro氏

AZ Desktop Cloud PlatformのベースとなっているPCoIPは、カナダ Teradici(テラディッチ)が開発した画面転送プロトコル。元々はワークステーションなどを意識していたが、現在は「VMware Horizon」「Amazon WorkSpaces」など、仮想デスクトップ(VDI : Virtual Desktop Infrastructure)ソリューション向けの技術として普及している。

クライアントとしては、Windows/Mac搭載PCから利用するソフトウェアクライアント、iOS/Android端末向けのモバイルクライアント、入出力機能のみを備えたOS非搭載専用端末のゼロクライアントの3種類が提供されている。

MicrosoftのRDP(Remote Desktop Protocol)と比べて、ネットワーク帯域の狭い環境でも遅延が少ないなどの特徴があり、「現在の総ユーザー数は1000万人以上、提供されているゼロクライアント端末は300万台以上に上る」(Teradici シニアプロダクトマネージャ Patrick Mauro氏)と、実績も豊富だ。

ゼロクライアント端末3機種(写真左)とPCoIPで表示した画面(写真右)

ICカード認証のメリット

今回発表されたAZ Desktop Cloud Platformは、PCoIPに対してICカードによるユーザー認証機能を追加したもの。アズムからの依頼を受け、TeradiciがPCoIPのゼロクライアント端末向け標準ファームウェアを改修。5.4.1以上のバージョンにおいて、ICカードリーダー接続時にカードの読み込みを促す画面が表示される。

アズム 常務取締役の三上 達二氏

ICカードから取得したユーザー情報は、PCoIPのAPIを使ってアズムが開発したサーバコンポーネントが受け取り、Active Directory / LDAP Serverに送ってユーザーを認証する仕組み。所属や肩書きに応じてユーザーが接続できる社内システムを自動で切り替えるなどの運用が可能だ。

ICカードによる認証の利点について、アズムでは次の2点を強調する。

一つは、ICカードを読み込ませるだけという認証の容易さ。もう一つは、ID/パスワードを補う2要素認証に利用可能なためセキュリティを強化できる点だ。

アズム 常務取締役の三上 達二氏は「かつてのSunRayユーザーからは、どの端末においてもICカードを挿すだけで自分のデスクトップを呼び出せる手軽なホットデスキングの復活を求める声が非常に多い。SunRayのEoL(End of Life : 販売終了)以降、代替となるソリューションがなかったので、今回のソリューションはユーザーから喜ばれるはず」とコメント。SunRayユーザーを第一のターゲットとして提案活動を進めるという。

また、現時点で特に有効な業界として自治体を挙げ、「自治体は総務省から、個人番号利用事務、総合行政ネットワーク(LGWAN : Local Government Wide Area Network)、インターネットの3つのセグメントの分離が求められているが、AZ Desktop Cloud Platformはそんなシーンに非常に有効」と説明。同ソリューションを導入すれば、セグメントごとに専用端末を設けるなどの対応が不要になり、ICカードを切り替えるだけで安全確実な運用ができるため、設置端末数を減らせるうえ、管理コストの削減も期待できるという。

AZ Desktop Cloud Platformのメリットと利用シーン

そのほか、ゼロクライアント端末は、ストレージもOSも搭載されていないためサイバー攻撃による被害を受けるケースが少なく、セキュリティ要件の厳しいの業界でも利用されていることから、医療や教育機関もターゲットに据えている。加えて、端末利用者が日によって換わるコールセンターなどにも勧めていく予定だ。

ライセンス体系は、同時接続ユーザー数で課金する「Concurrent User License」と、付与するアカウント数で課金する「Named User License」の2種類。参考価格として、5年間有効のライセンスが1ユーザーあたり7万560円(ゼロクライアント端末を含まない)という数字が示された。

アズムでは、初年度の販売目標として5000ライセンスを掲げている。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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