日本最大級のナレッジプラットフォームを運営するビザスク。
2020年3月に東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たした後は、2020年12月に社外取締役・監査役マッチングサービス「ビザスクboard」、2021年1月に業務委託マッチングサービス「ビザスクpartner」をリリースするなど、個人の知見とビジネスをつなぐ事業を精力的に展開している。
今回は、新サービス立ち上げの背景と狙い、展望をビザスク 事業法人部 Partnerチーム チームリーダー 草野琢也氏に聞いた。
今後さらに重要性が増す社外取締役をどう選ぶか
近年、企業における大型の不正・不祥事が相次ぐなか、社外取締役の重要性が高まっている。2021年春以降に施行予定の「コーポレートガバナンス・コード」改定案は、これまで以上に社外取締役が重視された内容となっている。
国内企業の社外取締役の選任においては、経営層のコネクションを利用するケースがいまだに多くあるが、ビジネス環境が複雑化するなか、実効性のあるコーポレートガバナンスを実現するには、自社の状況に適した知見や経験、バックグラウンドをもつ社外取締役を選ぶことが求められる。
しかしながら、社外取締役の適任者確保は企業にとって容易ではない。従来のような人脈を通じた方法ではミスマッチが起きやすく、探せる範囲にも限界がある。ビザスクのCEO 端羽 英子 氏自身も、さまざまな企業から社外取締役への就任を打診されるなか、こうした課題を身をもって感じていたという。
2013年からスポットコンサルサービスを提供するビザスクは、国内外14万人超が登録する知見データベースを抱えており、経営経験を持つ登録者も少なくない。そこに商機を見出した新サービスが、社外取締役・監査役を企業にマッチングする「ビザスクboard」だ。
ビザスクboardは、同社のデータベースから企業に対して適切な社外取締役や社外監査役を完全成功報酬型でマッチングするサービス。利用者がビザスクboardから問い合わせると、ビザスク担当者によるヒアリング・コンサルティングが行われ、候補者がリストアップされる。企業は、候補者との面談を経て社外取締役・監査役を決定し、株主総会で選任決議を行う。
「これまで人脈を通じて社外取締役を探してきた企業にとっては、こうしたサービスを利用すること自体に不慣れで、また、『ルール上必要だから』といった比較的保守的なモチベーションで利用するケースも多く、そもそもどういう人が適任なのかという議論から始めなければならないこともある。
その企業の状況に適した人材をいかにマッチングさせるかは、ビザスクの腕の見せどころ。経営計画や役員構成、企業からの要望を聞きながら適した人を提案している」(草野氏)