エンジニアの真価を引き出すには? - LINE、サイバーエージェント、DMM.comの取り組み

[2020/03/27 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

エンジニアにとって納得のいく評価制度とは?

エンジニアの評価方法を決めるのも、CTOが担う重要な役割の1つだ。

池邉氏によると、LINEではP-Review(パフォーマンスレビュー:上司からの評価)とC-Review(コワークレビュー:上司/同僚/部下による多面的な評価)の2つから成る評価制度を導入しているという。

「エンジニアの場合、P-Review は同じくエンジニアの上司が担当するので、例えば直接事業成果につながらないような業務でも、技術面で価値を発揮できたかという観点も含めて適切に評価されます。また、C-Reviewでは誰の評価をするのか、また誰に評価してもらいたいかを選ぶことができ、その際、あまり同じ職種だけではなく、プロジェクトに関わる他部署/職種のメンバーを指名することもできます」(池邉氏)

また、人事制度にはグレードレベルがあり、「Individual」と「Management」の2軸で評価。「Individual」のキャリアを積んで技術のエキスパートになるか、マネジャーになって「Individual」と「Management」両方の職責を果たすかは、エンジニア個人の希望で選べるという。

一方、サイバーエージェントで導入しているのは「JBキャリアプログラム」と呼ばれる評価制度だ。導入目的について長瀬氏は「エンジニアのキャリアを加速させること」だと語り、その背景にある課題として「スピード感を重視してきた反面、これまで全社共通の指標がなかった」ことを挙げる。

JBキャリアプログラムではジョブグレードを13段階に分け、グレードごとに給与レンジを設定。さらに各グレードに期待する職能についても公開するなど、明確な基準をオープンにしている。

また、評価制度を適切に運用するため、ピープルマネジメントの分散を行い、評価者の育成にも取り組むほか、1on1を毎月実施。フィードバックの回数を増やすことで成長を支援する仕組みづくりも行っているという。

両社に対し、やや特徴的なアプローチを取るのがDMM.comだ。同社では、人事制度を「人材育成のためのコミュニケーションツール」と位置づけ、マネジメントとリンクしない等級制度を導入している。

同制度では、仮に等級の高いメンバーが等級の低いマネジャーの下にいてもかまわない。等級制度で役割に応じた報酬を設定し、評価制度で貢献に応じた報酬を設定することで、より適切に給与を決定できる仕組みとなっている。

加えて、DMM.comでも少なくとも月に1回以上、1on1を実施しているという。面談のアジェンダはメンバーが作成し、前日までに実施者に共有。現状、面談シートは他社を参考に作成したものを使用しているものの、「今後は内製で実施できるシステムを開発し、合理化を進めたい」と松本氏は展望を語った。

* * *

職種の特性上、個々の実績を測るのが難しい部分もあるエンジニアだが、より適切な評価制度や働きやすい環境が整えば、モチベーションやパフォーマンスは確実に上がるはずだ。そして、その成果がビジネス全体に良い影響を及ぼすことは間違いない。今回登壇した3社の取り組みは、多くの企業にとって参考になるだろう。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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